‘会見メモ’ カテゴリーのアーカイブ

斉藤惇元日本取引所グループCEO

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2018/12/04  19:38


 

日本は確実に貧しくなったと語る斉藤惇CEO

 

ゲスト:斉藤惇元日本取引所グループCEO
テーマ:平成とは何だったのか⑭「バブルの崩壊と再生」
2018年12月4日@日本記者クラブ

斉藤惇(さいとう・あつし)元日本取引所グループCEOが「バブルの崩壊と再生」について語った。

・日本はバブルを作らされ、破壊されたあとも立ち直ることができない。デザインができない。

・規制緩和。市場が莫大に広がっていく。構造的インフレに入った。債券の先物とかオプション導入の張本人が私だ。あらゆる流動性のないモノを証券化して販売する。逆に言うと流動性を付ける。金や石油、最も流動性のない不動産などを証券化することによって流動性を付ける。

・そのバックはそこに正しい理論価格を付けることだった。米国にいたときに盛んにそれを教えられ、ディスカウントバリューの作り方、現在価値の計算、不動産のバリュエーション。不動産を借りている人が払う家賃を・・する債券を作ったが、日本ではそういう理論が普及していなかった。あそこの土地がいくらだから、ここの土地はいくらだ、という感じだった。

・日本のジャブジャブ金ができたわけだが、それをジャブジャブに持っていたのは生保。東証の時価総額を並べられると、トップから30番目くらいまで日本の金融機関がずらり並んだ。世界を席巻していた。

・いまその表を眺めると、27番目のほうにトヨタが1社ポンとあるだけで、日本の日も出てこない。ほとんどがアメリカ、ちょっと中国、スイス、韓国というのが時価総額トップ30の姿だ。

・シティーではジャパンマネーが世界を席巻してしまうと恐怖感を持って語られ、ウォール街でも「お前らの最終ターゲットは何だ。世界を支配したいのか」という質問をしていた。私は米国野村證券にいたが、彼らは「何をこいつらはやっているんだ」と日本を大変怖がっていた。

・メリル・リンチ本社ビルとかCMEビル(シカゴ)とかエクソンモービルなども証券化したし、東ドイツでさえ「ジャパンマネー」一色だった。

・振り返って見ると、米国からの内需喚起政策、強烈な貿易規制、クリントン大統領を中心に数量規制をやり始めた。構造協議の前は自動車が160万台から230万になっていたのを再び180万台に規制された。これ以上輸出したらだめだと言われ、日本政府はこれを呑んだ。トヨタは賢いリアクションをやって、アメリカにでかい工場をどんどん作り、うまく対応した。

・日本から輸入するものはみんなブロックされた。

 

消費税を巡る諸問題

カテゴリー: 会見メモ

2018/11/16  22:07


 

語る森信氏

 

ゲスト:森信茂樹東京財団政策研究所研究主幹/中央大学法科大学院特任教授
テーマ:消費税これまで・これから②
2018年11月15日@日本記者クラブ

財務省OBの森信茂樹東京財団政策研究所研究主幹が消費税をめぐる諸問題について語った。日本の政治家が国民に対し、説明すべきことをきちんと説明していないことを痛感させられた会見だった。

近ザラ時代の社会保障改革

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/11/07  23:39


 

野田佳彦前首相

 

ゲスト:野田佳彦(のだ・よしひこ)氏(前首相)
テーマ:消費税これまで・これから①
2018年11月7日@日本記者クラブ

野田佳彦前首相が2012年の3党合意当時を振り返り、消費税についての考え方、財政再建へ向けての思いを語った。期間は2011年9月2日~12年1月13日。

・消費税に取り組む必要性を強く感じたのは2010年の参院選前後だった。自分は財務大臣で、菅直人首相(当時)が消費増税について言及した。ギリシャの信用不安を始め南欧を含め欧州全体に債務危機が広がっていた状況があった。

・国際会議に出ると、財政の健全化と経済の成長をどう両立させるかがテーマだった。どちらかというと、財政の健全化に軸足を置いて、経済成長をチェックする雰囲気だった。

・消費税は真剣に向き合っていかなければいけないとの思いがあった。財政運営戦略(2011年6月)をつくった。閣議決定もした。プライマリー・バランス(基礎的財政収支=入ってくる税収の範囲内で経費を賄って新しい借金をしない)の黒字化を2020年度までに果たす。15年度までに赤字を半分にする。

・他国はもっと厳しい内容だった。13年までに財政収支(国債費を含んで収支をとんとんにもっていく)の赤字を半減し、16年度には黒字化する。

・コミュニケで「日本はユニークで」と特出しされた。このユニークを削ってくれと言う交渉を水面下でやった。日本の交渉についても「Welcome」という言葉を入れて欲しいという交渉を行った。日本だけサーチライトを当てられると大変だという危機感があった。

・英エコノミストに日本の特集記事が出た。タイトルは「日本化する欧米」。日本化というのは「先送りをする」こと。やるべきことをやらない。これ以上先送りをできないテーマは財政の問題ではないかと思った。民主党代表選挙(2011年8月29日)でもこれを意識しながら、決選投票で小沢一郎グループの支持を受けた海江田万里経産相に逆転勝利した。

・野田内閣は「社会保障と税の一体改革」を最優先した。意味するところは社会保障の充実安定と財政再建を同時に達成するのが目標だ。超高齢社会にどう対応するのかと少子化への対応だ。

・高齢化には50年ほど前の昭和30年代にできた国民皆保険で対応してきたが、国民皆保険は超高齢化社会に対応できなくなった。平均寿命70歳弱の時代だったが、今は100歳時代。昔は古希という言葉にリアリティーがあった。団塊世代が2022年に後期高齢者に入る。団塊世代はもう古希ではない。近年ざらになった。「近ザラ」と言っている。

・少子化が進んでいて、支える側が少なくなっている。9人か10人くらいの働き盛りが1人のお年寄りを支える胴上げの社会。今は3人で1人を支える騎馬戦の時代。まもなく避けて通れないのが1人が1人を支える肩車の時代。支える側の社会保障も考えなければならない。人生前半の社会保障と言っている。

・安倍晋三首相は全世代型社会保障と言っているが、子育て支援を含めて前半の社会保障を手厚くすることが社会保障の本質だと思う。

・これらをやっていくことはただではできない。オールジャパンでやっていくためには消費税を充てるしかない。財政健全化も達成する。

・昭和20年は敗戦の年。財政の国際的比較は公的残高の対GDP比で行われる。経済の規模に対してどれだけ借金を背負っているか。200%だった。相当悪かった。ここから日本の戦後は始まった。高度成長を遂げ日本の財政も好転してきた。歳入と歳出が一番近づいたのは1990年。歳出は70兆円、歳入は60兆円。

・90年の歳出は70兆円。それから右肩上がりとなり、2000年は80兆円、10年は90兆円、いまは100兆円に届く時代になった。歳入はピークの90年が60兆円だったのが00年は50兆円、10年は40兆円。出る方は右肩上がり、入る方は右肩下がり。「ワニの口」と財務省は言っている。公的債務残高の対GDP比は今年度中に240%に達する。終戦のときが200%。73年かけて結局悪くなっている。

・防衛費は5%程度。一番支出の中に占めているのは少子高齢化に伴う社会保障関係費が急増していて昔の軍事費に当たるぐらいの批准を占めている。この静かなる有事にどう対応するか。これが日本にとって一番大きな課題だと思う。この課題にするために消費税引き上げを決めた。これは3党合意の根幹に関わる状況だ。

・そこで決まったのが3党合意(2012年)。野田民主党政権は当時の消費税率5%を2段階で10%に引き上げることを決め、法制化もした。消費税率は14年4月に8%へ上がったが、安倍首相は景気低迷などを理由に、再増税を2度先送りした。10%とするのは19年10月。

・民主党内の議論はサイコロのように「振り出し」に戻ることがよくある。民主党内も小沢一郎氏が反対しボロボロになった。私はこのテーマは絶対先送りしてはいけないと思っていたので、51対49でも決めるときには決めなければいけない。ようやく自民党と向き合う局面にきた。谷垣禎一自民党総裁と議論をした。公明党も入れて合意を取り付け、8本の法律を出した。

・どこかの政権が消費税を上げなければいけないことは誰もが分かっていた。与野党が責任を持ち合おうというのが3党合意の精神だった。政争の具にしない。これが3党合意に至るまでの背景にあった。

・残念ながら今もその精神が残っているかというと風前の灯火だ。事実上なくなってしまったと思わざるを得ない。5%から8%への消費税引き上げは安倍首相が14年に行ったが、10%への上げは2回先送りとなった。選挙の争点になったほか、使途変更も争点となった。

・3党合意の精神はお互いに責任を持ち合うことだから、突然争点にするのは魂を分かっていないとしか言いようがない。

・国会で質したが、安倍首相は「政争の具にはしていない。選挙の争点にはしました」と答弁だった。政党間の最大の政争は選挙だと思う。この感覚の違いが今も1つの大きなわだかまりとして残っている。

「紛争地取材は必要」安田純平氏

カテゴリー: ジャーナリズム, 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/11/02  23:26


 

 

会見に臨む安田純平氏

 

同上

 

内戦下のシリアで武装勢力に拘束され、3年4カ月ぶりに解放された日本人ジャーナリスト、安田純平氏(44)が2日午前、東京内幸町の日本記者クラブで帰国後初の記者会見を開いた。

安田さんは2015年5月内戦下のシリアで活動していた反政府勢力を取材するため、隣国のシリアに入国。シリア難民を支援するという男性を通じてシリア人ガイドと知り合った。

6月22日の深夜に、案内人を名乗る2人の男とともにトルコ南部から山道を1時間ほど歩き、シリア北西部に入国。国境を越えたところで、男らに両腕をつかまれ、車に押し込まれたという。ホブス(パン)工場に入れられた。

最初はゲストと言われていたが、その後何度も民家に移動し、監禁されたことを知った。12月7日には「日本の実家に送るから個人情報を書け」と言われ、妻の電話番号やメールアドレスを書かされた。身代金を要求するためだったとみられる。

3年4カ月に及ぶ監禁生活の末、解放を告げられたのは2018年10月22日。翌23日朝に「トルコに行く」と車で移動し、途中で別の車に乗り換えると、英語で「もう大丈夫だ」と言われたという。車中の人物は「トルコ人」を名乗った。

車中では1時間ほど目隠しをされた。国境付近からトルコのアンタキヤまで運ばれ、入管施設の100mほど手前で目隠しを外された。施設内の事務所で「解放だよ」と声をかけられた。

安田さんを拘束した組織は特定されていない。安田さんは「何者なのか気になった」「ジャバル・ザウイーヤの巨大収容施設には100人単位の囚人がいたと思われることもあったから、かなりの組織だったのではないか」と話した。反政府武装組織の「アル=ヌスラ戦線」ではなかったかと思われる。

安田さんは会見の冒頭で人質になったことに対する批判を「当然のことと思っている。紛争地という場所に行く以上は、自己責任と考えている」と述べ、「はっきり言って自業自得だと考えている」とも語った。

その上で「難民問題などは日本にも影響する。地球上で紛争が起きているのであれば、現地の情報を取りに行くジャーナリストの存在は必要だ」と述べた。

ネット空間では、安田純平氏は「ジャーナリスト失格」だの「嘘つき」だのとバッシングがひどいようだが、11月2日付日経夕刊と同業の中国ルポライター・安田峰俊氏(36)の弁護論を参考にしながら書くことにした。安田峰俊氏はB級ネタも含めた中国関連記事を得意とし、『SAPIO』や『週刊プレイボーイ』などに寄稿している。

安田氏は一橋卒業後に信濃毎日新聞に入社して6年間勤務したのち、2003年にフリージャーナリストとなり、イラクで取材を開始。同国内で拘束され、4日間で釈放された。その後もイスラム圏で取材している。

安田さんは「特に拘束回数が多いわけでもなく、危機管理能力が他の同業者と比べて著しく欠如しているわけでもないのは明らかだ」。12年8月11日の『報道特集』(TBS)で安田氏が撮影した戦場映像「内戦のシリアに潜入した日本人ジャーナリスト」が放送されており、安田峰俊氏が同番組担当者に尋ねたところ「自分の知る限り、いわゆる戦場ジャーナリストで安田の実力を疑う人はいない」という言葉が返ってきたという。

日本、ロシアになる恐れも

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2018/09/27  21:43


 

「10年後にはソ連が崩壊したときのような経済・社会状況に陥る可能性もある」と懸念する野口悠紀雄氏

 

ゲスト:野口悠紀雄氏(経済学者)
テーマ:平成の経済史
2018年9月27日@日本記者クラブ

 

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、野口悠紀雄氏が「平成とは何だったのか」と題する研究テーマで講演し、「平成とは日本人が世界経済の大きな変化に気づかず、取り残された時代」と定義した。

企画委員の竹田忠氏によると、野口氏は平成を3つに分け、第1期は主に1990年代。戦後経済を支えた1940年体制(戦時経済体制)がバブル崩壊によって大きく変質。金融機関を通して政府が経済を間接コントロールする仕組みが弱まった。同時に中国の工業化とIT技術の進展で世界経済の構造が変わったことの日本は気づかす、遅れを取った。

第2期の2000年代は、”偽りの回復”。政府による空前絶後の為替介入で危機的な円高が抑えられ、日本の輸出産業は息を吹き返した。しかし所詮は円安頼みの回復であったことが2008年に明らかに。リーマンショックでアメリカから資金が逆流して急激な円高となり、車などの輸出産業は壊滅的な打撃を受けた。

この過程で製造業の政府への依存が強まったと氏は強調する。メーカーなどが政府にあからさまに直接的な補助を要請するようになった。結果、自動車産業を救うためのエコカー減税などの施策が次々と取られた。これに対する強い批判も起きなかった。日本の言論界の批判的な能力も衰えたのではないかとも指摘する。政府がどうするかを問うだけで、自分たちで改革しようという考えがなくなった。

第3期はリーマンショックの後から今まで。問題の本質は日本が置き去りにされていることに気づき、国際的な水平分業体制や規制緩和に正面から取り組むことだと指摘した。

・1ドル=100年を超えて円高になると、政府が介入する。そうならないことを政府が”約束”をした。この結果、円を売ってドルを買う動きが顕著に増加した。

平成災害史

カテゴリー: 会見メモ, 地震/豪雨/熱波/自然災害

2018/09/10  21:37


 

防災研究のエクスパートの室﨑益輝氏

 

ゲスト:室﨑益輝(むろさき・よしてる、兵庫県立大学減災復興政策研究科教授)
テーマ:平成の災害から学ぶ・・平成の災害史
2018年9月11日@日本記者クラブ

今年の災害はひどい。とりわけ大阪府北部を襲った震度6弱の地震(6月18日午前7時58分ごろ)、また西日本を襲った記録的な豪雨(7月6日から9日)、岐阜県多治見市で最高気温40.7度超えた熱波(7月18日)と地震・豪雨・熱波。

8月は少し大人しかったが、台風21号が近畿地方を通過した9月4日、大暴れし、関西国際空港と対岸を結ぶ唯一の橋にタンカーが衝突。交通は破断。陸路を失った人工島では利用客約3000人が孤立状態で、従業員も取り残された。A滑走路は浸水し、水深は約40~50センチ。B滑走路は冠水を免れた。

そこへ降って湧いたのが9月6日の震度7の北海道胆振東部地震(午前3時8分ごろ)。M6.7で全域が停電に陥った。新千歳空港は閉鎖され、鉄道網はマヒ。土砂崩れや山の崩落による死者は10日時点で40人を数えた。土砂崩れのあった厚真町が36人と集中した。

関空を運営する関西エアポートは7日、国内線の運航を先に再開した。8日には国際線も再開したものの、発着便数はまだ少ない。最大のアクセスである鉄道の復旧は来月以降になる見込みで、全面再開には険しい道のりだ。

 

 

小型ビジネスジェット「HondaJet」を日本で発売開始

カテゴリー: イノベーション/, 会見メモ, 科学/技術/イノベーション

2018/08/10  23:56


 

登壇した藤野道格社長

 

インスピレーションの湧いたコンセプトスケッチ

 

じっくりと話す藤野氏

 

Hondaの航空企業子会社ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は小型ビジネスジェット機「HondaJet」の日本での受注を開始した。それに当たって同社の藤野道格社長は日本記者クラブで会見した。

AI技術翻訳技術のいま

カテゴリー: 会見メモ, 文具/電子機器/カバン/辞書

2018/04/03  21:00


 

情報通信研究機構の隅田英一郎フェロー

 

ボイストラで日本語と英語のやりとりをスクリーンを使って実演する

 

ゲスト:隅田英一郎(国立研究開発法人情報通信研究機構)フェロー
テーマ:AI翻訳技術のいまと東京五輪への展望
2018年4月3日@日本記者クラブ

国立研究開発法人、情報通信研究機構(NICT)は人工知能(AI)による翻訳、同時通訳技術を研究している。すでに実用化されているスマートフォン向けアプリ「ボイストラ」は31言語の文字翻訳に対応し、そのうち23言語で音声入力、17言語で音声出力が可能になっている。

NICTを所管する総務省は、こうした技術を民間に開放することで、翻訳・通訳技術の向上や新しい事業の展開を促すことを狙っている。隅田フェローから、翻訳・自動通訳技術の基礎知識と現状や、東京五輪で活躍するビジョンについて聞いた。

北朝鮮は密輸のプロ

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/03/23  19:03


 

登壇した古川勝久氏

 

ゲスト名:古川勝久(国連北朝鮮制裁委専門家パネル元委員)
テーマ:「朝鮮半島の今を知る」
2018年3月23日@日本記者クラブ

国連専門家パネルが3月に発表した統計によると、現時点では北朝鮮が経済的な打撃を受けているとは言いがたいという。為替レートやガソリンなどの価格は安定し、貿易による外貨収入は昨年1~9月に最低でも2億ドルに上ったという。

なぜか?備蓄放出か密輸の新ルートがあるのか。分からないという。北朝鮮の密輸ルートをたどってきた古川氏は「いずれにしても、北朝鮮は密輸のプロだ」と指摘。「相手国の企業の中には北朝鮮人がいる。グローバルな密輸ネットワークの行動が停止しているとの現実はない。密輸も経済制裁も資金洗浄も人も止められていない」と強調した。

トランプ米大統領は5月までに金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談に応じる意向を表明したが、古川氏は「現実的に米朝会談が行われる可能性は非常に低い」とみている。その理由について、「北朝鮮は対話ムードになっても核開発をやめていない。核ミサイルを増やす分の交渉は土台になっても、開発はやめない。北朝鮮は一貫している」(朝日新聞社globe編集部 宋光祐)からだ。

一方で、米国側には交渉の責任者がいない。北朝鮮との交渉窓口を担ってきた国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策特別代表は3月2日に辞任したほか、最前線で北朝鮮政策を担う駐韓大使も空席のままである。ティラーソン国務長官の後任になるマイク・ポンペオ氏と、マクマスター大統領補佐官の後釜になるジョン・ボルトン元国連大使についても、「要求を突き付けるだけで交渉はしない人たち」とし、交渉が成立しないとみているからだ。

トランプ氏は自分なら北朝鮮と取引できると思っているようだが、彼が行っているのは外交ではない。世界を極めて危険な立場に陥らせる可能性があるかもしれない。米中間選挙で大勝したい大統領にとっては自分が前に出たくてうずうずしているとしか思えない。大統領がこんなではだれもが不安になってしまう。

制裁の網をかいくぐって物資が流通している実態を直視し、現在の制裁をしっかり実行することが重要だ。他の国も北朝鮮に協力しているのも「要は金のため」。どうしようもない実態だ。

実行不可能な密輸のミッションに挑むのが北朝鮮のやり方。文字通り「mission imposible」(実行不可能な任務を可能にすること)であると語った。

日本の場合、法体系が取り締まりを難しくしているとも指摘した。

2年目のトランプ政権

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/03/06  22:26


 

佐橋亮神奈川大学法学部准教授(ピンぼけご免)

 

ゲスト:佐橋亮(神奈川大学法学部准教授)
テーマ:2年目のトランプ政権
2018年3月6日@日本記者クラブ

・トランプ米政権の外交政策を見るときの第1の鍵は「潮目」をみることにあると主張した。「ここまで潮目を見なければならない政権も珍しい」とし、「もう少し大きなスパンで物事が変化する。政策形成の形が変わってくるということはあるものの、トランプ政権の場合はいつも潮目があるというユニークな特徴を持っている」と指摘した。

・第2点はこうしたトランプ外交が国際秩序にどのような影響を与えているか。恒常的な危機を伴った外交政策の運営であり、自由貿易や民主化支援、人権擁護といった価値観にも非常に関心がない米外交として希有な状況はかなり大きいのではないか。

・変わらないものもある。航行の自由作戦はオバマ政権時代よりも多い。ウクライナにも武器を提供する決定を国務省は行った。変わらない部分と変わる部分をどう読み解くか。

・第3点は米中関係を中心としたアジア外交。