‘会見メモ’ カテゴリーのアーカイブ

日本、ロシアになる恐れも

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2018/09/27  21:43


 

「10年後にはソ連が崩壊したときのような経済・社会状況に陥る可能性もある」と懸念する野口悠紀雄氏

 

ゲスト:野口悠紀雄氏(経済学者)
テーマ:平成の経済史
2018年9月27日@日本記者クラブ

 

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、野口悠紀雄氏が「平成とは何だったのか」と題する研究テーマで講演し、「平成とは日本人が世界経済の大きな変化に気づかず、取り残された時代」と定義した。

企画委員の竹田忠氏によると、野口氏は平成を3つに分け、第1期は主に1990年代。戦後経済を支えた1940年体制(戦時経済体制)がバブル崩壊によって大きく変質。金融機関を通して政府が経済を間接コントロールする仕組みが弱まった。同時に中国の工業化とIT技術の進展で世界経済の構造が変わったことの日本は気づかす、遅れを取った。

第2期の2000年代は、”偽りの回復”。政府による空前絶後の為替介入で危機的な円高が抑えられ、日本の輸出産業は息を吹き返した。しかし所詮は円安頼みの回復であったことが2008年に明らかに。リーマンショックでアメリカから資金が逆流して急激な円高となり、車などの輸出産業は壊滅的な打撃を受けた。

この過程で製造業の政府への依存が強まったと氏は強調する。メーカーなどが政府にあからさまに直接的な補助を要請するようになった。結果、自動車産業を救うためのエコカー減税などの施策が次々と取られた。これに対する強い批判も起きなかった。日本の言論界の批判的な能力も衰えたのではないかとも指摘する。政府がどうするかを問うだけで、自分たちで改革しようという考えがなくなった。

第3期はリーマンショックの後から今まで。問題の本質は日本が置き去りにされていることに気づき、国際的な水平分業体制や規制緩和に正面から取り組むことだと指摘した。

・1ドル=100年を超えて円高になると、政府が介入する。そうならないことを政府が”約束”をした。この結果、円を売ってドルを買う動きが顕著に増加した。

平成災害史

カテゴリー: 会見メモ, 地震/豪雨/熱波/自然災害

2018/09/10  21:37


 

防災研究のエクスパートの室﨑益輝氏

 

ゲスト:室﨑益輝(むろさき・よしてる、兵庫県立大学減災復興政策研究科教授)
テーマ:平成の災害から学ぶ・・平成の災害史
2018年9月11日@日本記者クラブ

今年の災害はひどい。とりわけ大阪府北部を襲った震度6弱の地震(6月18日午前7時58分ごろ)、また西日本を襲った記録的な豪雨(7月6日から9日)、岐阜県多治見市で最高気温40.7度超えた熱波(7月18日)と地震・豪雨・熱波。

8月は少し大人しかったが、台風21号が近畿地方を通過した9月4日、大暴れし、関西国際空港と対岸を結ぶ唯一の橋にタンカーが衝突。交通は破断。陸路を失った人工島では利用客約3000人が孤立状態で、従業員も取り残された。A滑走路は浸水し、水深は約40~50センチ。B滑走路は冠水を免れた。

そこへ降って湧いたのが9月6日の震度7の北海道胆振東部地震(午前3時8分ごろ)。M6.7で全域が停電に陥った。新千歳空港は閉鎖され、鉄道網はマヒ。土砂崩れや山の崩落による死者は10日時点で40人を数えた。土砂崩れのあった厚真町が36人と集中した。

関空を運営する関西エアポートは7日、国内線の運航を先に再開した。8日には国際線も再開したものの、発着便数はまだ少ない。最大のアクセスである鉄道の復旧は来月以降になる見込みで、全面再開には険しい道のりだ。

 

 

小型ビジネスジェット「HondaJet」を日本で発売開始

カテゴリー: イノベーション/, 会見メモ, 科学/技術/イノベーション

2018/08/10  23:56


 

登壇した藤野道格社長

 

インスピレーションの湧いたコンセプトスケッチ

 

じっくりと話す藤野氏

 

Hondaの航空企業子会社ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は小型ビジネスジェット機「HondaJet」の日本での受注を開始した。それに当たって同社の藤野道格社長は日本記者クラブで会見した。

AI技術翻訳技術のいま

カテゴリー: 会見メモ, 文具/電子機器/カバン/辞書

2018/04/03  21:00


 

情報通信研究機構の隅田英一郎フェロー

 

ボイストラで日本語と英語のやりとりをスクリーンを使って実演する

 

ゲスト:隅田英一郎(国立研究開発法人情報通信研究機構)フェロー
テーマ:AI翻訳技術のいまと東京五輪への展望
2018年4月3日@日本記者クラブ

国立研究開発法人、情報通信研究機構(NICT)は人工知能(AI)による翻訳、同時通訳技術を研究している。すでに実用化されているスマートフォン向けアプリ「ボイストラ」は31言語の文字翻訳に対応し、そのうち23言語で音声入力、17言語で音声出力が可能になっている。

NICTを所管する総務省は、こうした技術を民間に開放することで、翻訳・通訳技術の向上や新しい事業の展開を促すことを狙っている。隅田フェローから、翻訳・自動通訳技術の基礎知識と現状や、東京五輪で活躍するビジョンについて聞いた。

北朝鮮は密輸のプロ

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/03/23  19:03


 

登壇した古川勝久氏

 

ゲスト名:古川勝久(国連北朝鮮制裁委専門家パネル元委員)
テーマ:「朝鮮半島の今を知る」
2018年3月23日@日本記者クラブ

国連専門家パネルが3月に発表した統計によると、現時点では北朝鮮が経済的な打撃を受けているとは言いがたいという。為替レートやガソリンなどの価格は安定し、貿易による外貨収入は昨年1~9月に最低でも2億ドルに上ったという。

なぜか?備蓄放出か密輸の新ルートがあるのか。分からないという。北朝鮮の密輸ルートをたどってきた古川氏は「いずれにしても、北朝鮮は密輸のプロだ」と指摘。「相手国の企業の中には北朝鮮人がいる。グローバルな密輸ネットワークの行動が停止しているとの現実はない。密輸も経済制裁も資金洗浄も人も止められていない」と強調した。

トランプ米大統領は5月までに金正恩朝鮮労働党委員長と首脳会談に応じる意向を表明したが、古川氏は「現実的に米朝会談が行われる可能性は非常に低い」とみている。その理由について、「北朝鮮は対話ムードになっても核開発をやめていない。核ミサイルを増やす分の交渉は土台になっても、開発はやめない。北朝鮮は一貫している」(朝日新聞社globe編集部 宋光祐)からだ。

一方で、米国側には交渉の責任者がいない。北朝鮮との交渉窓口を担ってきた国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策特別代表は3月2日に辞任したほか、最前線で北朝鮮政策を担う駐韓大使も空席のままである。ティラーソン国務長官の後任になるマイク・ポンペオ氏と、マクマスター大統領補佐官の後釜になるジョン・ボルトン元国連大使についても、「要求を突き付けるだけで交渉はしない人たち」とし、交渉が成立しないとみているからだ。

トランプ氏は自分なら北朝鮮と取引できると思っているようだが、彼が行っているのは外交ではない。世界を極めて危険な立場に陥らせる可能性があるかもしれない。米中間選挙で大勝したい大統領にとっては自分が前に出たくてうずうずしているとしか思えない。大統領がこんなではだれもが不安になってしまう。

制裁の網をかいくぐって物資が流通している実態を直視し、現在の制裁をしっかり実行することが重要だ。他の国も北朝鮮に協力しているのも「要は金のため」。どうしようもない実態だ。

実行不可能な密輸のミッションに挑むのが北朝鮮のやり方。文字通り「mission imposible」(実行不可能な任務を可能にすること)であると語った。

日本の場合、法体系が取り締まりを難しくしているとも指摘した。

2年目のトランプ政権

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/03/06  22:26


 

佐橋亮神奈川大学法学部准教授(ピンぼけご免)

 

ゲスト:佐橋亮(神奈川大学法学部准教授)
テーマ:2年目のトランプ政権
2018年3月6日@日本記者クラブ

・トランプ米政権の外交政策を見るときの第1の鍵は「潮目」をみることにあると主張した。「ここまで潮目を見なければならない政権も珍しい」とし、「もう少し大きなスパンで物事が変化する。政策形成の形が変わってくるということはあるものの、トランプ政権の場合はいつも潮目があるというユニークな特徴を持っている」と指摘した。

・第2点はこうしたトランプ外交が国際秩序にどのような影響を与えているか。恒常的な危機を伴った外交政策の運営であり、自由貿易や民主化支援、人権擁護といった価値観にも非常に関心がない米外交として希有な状況はかなり大きいのではないか。

・変わらないものもある。航行の自由作戦はオバマ政権時代よりも多い。ウクライナにも武器を提供する決定を国務省は行った。変わらない部分と変わる部分をどう読み解くか。

・第3点は米中関係を中心としたアジア外交。

 

 

「考えることが好き」羽生結弦男子FS金メダリスト

カテゴリー: 会見メモ

2018/02/27  21:59


 

登壇した羽生結う弦選手

 

ゲスト:羽生結弦男子フィギュアスケート選手
テーマ:平昌冬季オリンピック男子フィギュアスケート
2018年2月27日@日本記者クラブ

 

平昌冬季オリンピックで、66年ぶりの男子フィギュアスケート連覇を達成した羽生結弦選手が会見した。

66年ぶりに達成して帰国して今の時点での正直な感想についてまず聞かれ、「一言で言うと、幸せです」と答えた。

「フィギュアスケートの歴史において66年ぶりということで、今から66年前を振り返ってみると、全く違ったスポーツになっているな」という風にも思っている。特にこの4年間、僕自身、やっていながら、違う競技をしているような気分になるほど変化が目まぐるしかった。そういう意味ですごく重いものになった」

「自分が持っている金メダルへの価値もものすごく大きいが、世間の方が思っている価値もすごく大きなものになっていて、自分の首から提げているものもとて重く感じている」

直後の記者会見で「いろんなことをとことん考えて、分析して、それを感覚とマッチさせることが自分で一番の強みだ」と言っておられたが、これは心技体の一致そのものだと思うが、こういう境地に達したのはいつごろか、どういうきっかけがあったのか。

「もともと僕は考えることが好きで、疑問に思ったことについて追及し、教えてもらって、さらにさぐりながら自分が動いていくことが基から性格上あった。考えたことを口に出す、表現するのは心技体に近いものがありますし、それがスケートに生かされている点もごく普通に自分の生活になっていった」

「最初からプレッシャーは好きだったし、メンタルが強いわけではないが、緊張した舞台で、また追い込まれた舞台で力をだすということが今までスケートをやってきて多かったように感じている」

「いまできる戦略、いまできる僕自身を貫かなくちゃいけないなということが一番でしたね。23年の自分が言うのも何ですけど、出来るときと出来ないときとがすごくあるんだな今までスケートやっていて感じる。そのできるときにできることを精一杯やる、できないときはできないなりに出来ることをやる。それがすごく大事だなと感じた3カ月もありました」

被災地に勝利の報告はいつごろになるか。「明確にいつとは言い切れない。ただ間違いなく仙台でたくさん応援してくれたことは見ていますし、メッセージも届いている。勇気や笑顔になるきっかけがあったらいいなと思っている」

 

北極圏開発、積極参加を

カテゴリー: 会見メモ

2018/02/13  23:46


 

北極サークルのグリムソン議長

 

ゲスト:オラフル・ラグナル・グリムソン(北極サークル議長)
テーマ:北極開発の現状と課題
2018年2月13日@日本記者クラブ

 

NPO法人、北極サークル(事務局レイキャビック)のオラフル・ラグナル・グリムソン議長(前アイスランド大統領)が北極開発の現状と課題について話した。中国は1月26日、「北極政策白書」を発表し、「一帯一路」と結び付く構想を示した。

 

北極圏地図(ウィキペディア)

 

北極サークルはグリムソン氏が大統領時代に北極版ダボス会議を目指して設立した会議。北極圏は北緯66度33分以北の地域で、北極線が北限と定められている。

真冬(冬至)に太陽が昇らないことを「極夜」と呼ぶ一方、真夏(夏至)に太陽が沈まないことを「白夜」と呼ぶ。北極海のほか、グリーンランドなど陸地を含めた地域を北極圏と呼んでいる。

中国は今年1月、「北極政策白書」を発表し、北極海を渡る航路を「氷上のシルクロード」と呼び、広域経済圏構想「一帯一路」と結び付けた。資金難に陥った世界最大級のロシアのヤマル液化天然ガス(LNG)プロジェクト(総投資額270億ドル)を提供し、17年12月にはLNGの出荷を開始した。ヤマルは軍事的な要衝でもあり、中国は強い関心を寄せている。

一方、中国よりも早く関心を示しているのは韓国だ。同国は軍事面よりもむしろ経済面からの関心だ。13年に「北極総合政策」を取りまとめ、これを受けて韓国造船大手の大宇造船海洋が砕氷LNG運搬船3隻を受注した(共同発注は商船三井)。その後もLNG船の受注は続いている。最大で厚さ2.1mの氷を砕きながら航行できる。航海日数も短縮できる。

北極海沿岸にはカナダ、米国、デンマーク、ノルウェー、ロシア、アイスランド、スウェーデン、フィンランドの8カ国があり、「北極協議会」を構成している。北極サークルはグリムソン大統領(当時)のイニシアチブで設立された。

北極は海で、南極は大陸。南極には地球上の9割の氷があって、北極は1割くらい。氷がたくさん溶け出しているのも北極で、地球上で温暖化が一番進んでいるとも言われている(朝日新聞社会部記者の中山由美記者の解説「こんなに違う南極と北極」)。

グリムソン議長がくどいように述べたのはとにかくレイキャビックに来てくれ。毎年10月に3日間、世界中から2000人の政府官僚、北極政策担当者、政治家、実業家、科学者、プレス、学生などが集まり、100以上のセッションを行うという。

「いくら事務局が優秀でも毎年これだけの人数が集まるはずがない。人が集まるのは北極開発という人を惹きつけるテーマがあるからだ。今年の会合には河野太郞外相にぜひ基調講演を行ってもらいたい」(グリムソン議長)ようである。

「ハイテク関連サービスが重要」=新駐日イスラエル大使

カテゴリー: 会見メモ

2018/01/18  23:34


 

ベンアリ駐日イスラエル大使

 

ゲスト:ヤッファ・ベンアリ新駐日イスラエル大使
2018年1月18日@日本記者クラブ

天皇陛下に信任状を提出し30時間後の会見だった。これで正式に大使として着任したことになるという。”肝っ玉母さん”を思わせる風貌が印象的な新駐日イスラエル大使。「自身はイスラエル生まれだが、両親はポーランド出身。母はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)から危機一髪で逃れた経験があり、あのとき母が逃げてくれなかったら、今の私はなかった」(会見リポート:毎日新聞外信部長 小倉孝保)

会見ではイスラエルと日本の共通点として、「天然資源に恵まれず、人への投資で国を立て直した」ことや、「周辺国の脅威にさらされている」ことを挙げた。「その上で、事前に細部まで気を配り周到に準備する日本人と、現場での適応力の高いイスラエル人が協力することで、様々な分野で高い効果が期待できると訴えた」(同)

36年間の生粋の職業外交官。外務報道官、報道部メディア広報課長のほか、EXPO2010上海国際博覧会(中国)のイスラエル副委員長やEXPO2012年麗水国際博覧会(韓国)のイスラエル委員長を務めた。直近の2014年から17年は外務省次官補、経済局長を務めた。

・イスラエルと日本は地理的には遠いが、とっても緊密な関係にある。イスラエルは小さな国で、その間をとっても大きな国に囲まれている。どこにあるのかなと世界地図の中で見つけたいとすれば、虫眼鏡がないと見つけられないぐらい小さい。片や日本は世界第3位の経済大国だが、自分では小国と思っている。なぜならグルリと大国に囲まれ、脅威を受けているからだ。

・しかし、2国とも大きな経済を築き上げてきた。共通しているのは天然資源がないこと。恵まれていない。両国共通の最も重要な資源は人材である。

・2カ国とも古代文明を持っていたことで数千年にわたる発展の歴史を持ってきた。イスラエルは今年独立を新たにしてから70年年、うち66年間は外交関係を樹立してきた。

・両国は自らの国を立て直したというか、作り替えたことで大成功した。両国とも人材に投資してきた。66年間の何が新しいか。似たもの同士の国。国としての厚み。

・世界経済フォーラム(WEF)によると、首脳の相互訪問、協力宣言合意、日本企業が革新的な技術を求めたいと積極的にイスラエルにアプローチを深めている。

・世界のトップ10イノベーション国を発表。イスラエルは第3位、日本は第8位だった。将来、イノベーション、創造性などでシェアするものが大である。特にエコシステムの中でシナジー効果を狙っていけるポテンシャルは大だと考えている。

・直近20年くらいのイスラエルの経済の発展をみても、どこからみても経済的に強力なマーケットを持っている。地図で見るとどこにあるか分からない小さな国だが、世界中の多くの多国籍企業の関心を集めている。300社強が研究開発センターを置いている。うち220社は米企業、残りはヨーロッパ、最近日本企業も入るようになっている。

・政府間経済対話も積極的で、日イ経済対話を開催できた。経済大臣の相互訪問も行われた。最新では昨年10月に初めて発効した投資保護協定を締結した。両国企業の進出を保護する。枠組みを規定している。

・この3年間、日本企業がめきめきイスラエルに進出してきている。今も続いている。そうは行っても東京ーテルアビブ間の直行便は開通していない。ぜひ開通したい。もっと来てもらいたい。日本とはまた違った美しさがある。魅力的なので自分の目で確かめてもらいたい。

・2017年の日本人観光客は2倍に増えた。50%アップだ。韓国との直行便は2008年から開通している。中国との交流もこの2年間多く、企業も増えている。

・科学者同士がブレーストーミングを行って各種会合を重ねており、SFの世界のように興味深いことが展開している。科学の協力でものづくりが行われ、製品が開発されることですばらしい。日本の産業界にとっては大きな意義をもたらすと考える。

・世界の貿易はここ数年間大きな変化に見舞われている。原材料や工業製品など物品の交易が中心だったが、サービス貿易にドンドンシフトしつつある。観光、運輸、金融サービスだけでなく、特にイスラエルにとって重要なのはハイテク関連のサービス=知識の移転だ。

・さらにイスラエルと日本の関係づくりが進むと、とても有効になる思う。貿易収支を均衡させるというポテンシャルを達成できるからだ。経済力が強いということは背後に強い外交関係がるということでもある。

・すべての人は平和を望んでいる。共通の願いだ。政治安定があってこそ経済発展があり、経済成長がもたらされる。経済発展をもたらしたいのであれば、背後に強力な政治安定が必要だ。

・経済的状況が良いということも大切だが、人生に欠かせない1要素があると思う。それは「幸福感」ということだ。感情的にも精神的にも安定していないとだめだ。自分が仕事を見つけるのなら、大好きなことを見つけなさい。朝起きて、またこの仕事ができると嬉しいなと思える仕事を見つけて欲しい。

・ランキングの中で国民の「幸福度」についてはトップカントリーの1つになる。イスラエルのが国民は自分をとても幸せに思っている。私は人生で人間は何を持ってハッピーとするのかを調べている。正しいキャリアを選ぶと言うこと以外に、「自分を信じる」ことではないか。やればできることを自ら示す。達成感があれば、それを明確に感じることができる。もっと大きな幸福になる。大きな自己充実感だ。成功を収める一大重要要素は幸福感、Happinessだと思う。

・なぜイスラエル大使が「幸福感」ということを言うのか。人生で喜びを得る1つの理由は異文化間を知ること、学ぶこと。違った国に赴任するたびにいろんなことを学んできている。日本とイスラエルとの比較もそうだ。活動がさらに盛んになることを願っている。学ぶこと大である。

・イスラエルの文化も学んでもらいたい。どんなに活力があるのか。違いがどこにあるのかを知るのも楽しい。似てる点もたくさんある。

Q:米大使館のエルサレム移転計画について首脳間に見解の食い違いがあるように思えるが?また、どういう影響を懸念してるのか?

A:答えは簡単。アメリカ大使にお聞き下さい。エルサレムは3000年にわたって唯一の生地、唯一の首都と見なされてきた。だからといってイスラエルとパレスチナの関係は変わることはない。存在する権利をお互いに認め合いたい。イスラエルはパレスチナ側の権利は認めているが、パレスチナ側はまだ認めていない。パテスチナはこの概念を認めることで未来があると考える。

Q:中国の「一帯一路プロジェクト」に積極的に参加しているようだが、どういうプロジェクトに関心を持っているのか?知財大国、スタートアップ大国、R&B 大国 として積極的だが、油外交をしている日本とアラブとの関係でイスラエルはどう思うか?

A:アジアインフラ投資銀行(AIIB)は私のほうから積極的に絶好の機会であり参加すべきと首相に提言してきた。資金的な観点からもすばらしい。AIIBを通じて投資にも参加したい。中銀総裁のおかげで外貨準備が増えた。GDPの3分の1に匹敵する。投資案件に関心持っている。小さな国ではあるが、強力でもある。経済や金融の面で及ばない点もあるので、革新力に富んだソリューションを提供する点で貢献したい。イスラエル企業としても複数の企業が係わる国際的プロジェクトに参加する良い機会にもなる。理念、政策と呼んでも良い。

昨年、一帯一路サミットが開かれたときに、習近平主席に招待され参加した。ビジョンの発表はすばらしかった。国際プロジェクトにイスラエルもパートナーとして係わっていく。お相手として日系企業も入るだろうし、第3国で日系企業と連携することも考えられる。一帯一路はあくまで経済ビジョンであると聞いた。その背後に中国の生産性というのもあると思う。近隣はもちろん、ヨーロッパのみならず、アフリカまで視野を広げて経済力をアップさせようとしている構想だ。今の時代は帝国主義の時代ではない。植民地の時代でもない。これまでと全く違うグローバル化の時代に入ったと思う。結集しあってお互いの環境を良くする時代に入ったんだと思う。

具体的な案件の分野を挙げてみたい。水の管理、環境問題関連、エネルギー、再生可能エネルギー、農業。アグリテックは非常にすばらしいものをイスラエルは持っていて今年も展示会がある。カザフスタンでは質の高い食料を生産する、生産した物が長期間持てる、ポストハーベストの技術も十分駆使する。アグリ関連の技術を第3国でAIIB案件として積極的に加わっていきたい。今のところアジア中心+シルククロード基金があるが、これまでの大半は日米主導のADBとの協調融資となっている。世銀。

立ち上がりつつあるプロジェクトもある。アラブボイコットは昔のことで、今や無いんですね。アラブ諸国とも経済関係持っていますし、経済関係は様変わり。数年前からエジプトとは連携協定結んで、ヨルダンとは日本のcmも絡んでいて農業を中心に合意を締結している。訓練に日本の資金を使い、それにイスラエルも絡んでいる。パレスチナとも交流がある。イスラエルは中東の諸国が抱える難しい問題を解決できるように導いていくアシスト。現地においてどこでも協力に応じられるように準備している。

イスラエルが最近、天然ガスが発見された。選択資産であるが、それをめぐって最初に結んだ合意の相手国の1つはヨルダン。

あと1つご紹介したい。イスラエルーヨルダン間の橋梁。

Q:イスラエルとパレスチナ間の仲介役の心づもりは?軍事装備の対日供給意欲は?

A:エリコ(Jericho、ジェリコ、パレスチナ自治区、世界最古の町=写真と旅日記)を農業地帯として開発する案件はまだ完了していないが、大きな成功を収めて欲しいと期待している。ヨルダンにつなげるアクセスロートが想定されており、その道路を通して中東につなげることができる。パレスチナの産業ハブもできるのではないか。平和と繁栄の回廊と呼ばれている。

イスラエルは最先端の防衛産業を持っている。防衛装備もある。いろんなソリューション提供できる。必要であれば共同生産も考えられる。試作段階のものもある。試作段階も含めて協力したい。

Q:サイバー防衛で日本市場はどのようなポテンシャルがあると見ているか?

A:この分野でも開発の実績積んできたことを誇りに思っている。防衛だけではなく、様々。オリンピックも是非協力したい。日本企業も関与している。1月末にイスラエルでサイバー攻撃などに関する大きな会議が予定されている。日本からも大代表団が参加の予定だ。特別セミナーも開催予定だ。交流させれば大きなシナジー効果が出ると思っている。

Q:ユダヤ人社会がその国の政策に影響を及ぼしているようだが、政府間ばかりではなく、民間社会の存在が大きな力になっている。日本ではそうでもなさそうだが、どうか?ユダヤ人社会、ネットワークはどの程度のものか?

A:学者チックにお答えしたい。外交にはいろんなツールがある。媒体もあるし、レバレッジもある。日本ではたくさんあるツールの中で、2つレベレッジがある。両国間の整合性の高さ。マーケットをとっても産業をとっても経営方法、何を達成したいかという希望をとっても整合性が高い。2番目も驚かれるかもしれないが、2カ国の文化は違っているけれども、調和的な非常に良い連携関係が続いている。

日本人の性格は非常に細かいことをきちんと行う。精密に綿密に、事前に十分抜かりなくプランニングなさる国だと思うが、私自身も完璧主義者なのでこの辺はすんなり来る。一方、イスラエル人はその場主義というか、即席現場主義で解決することが多い。事前に綿密にプランを立てるとか安定してずっと物を売るとかはあまりやらない。幾つものオプションを一度に持ち合ってくる。ときによると2つの方向から問題を解決しようとなるわけで、ユダヤ人のことはジョークにもなっている。「1人のユダヤ人は常に2人の違った見解を持っている」。問題の対処の仕方が違う。持ち合って最終的にうまく解決することが多い。

2つに異なった文化が一緒になることで結果としてより良い製品が生まれる、より良い成果物が生まれる。一方は非常に綿密にプランニングを行い、もう一方は即席でイノベーションでその場で思い付く。そこで協力し合えば1+1=3になる。2つの文化が交わることでシナジーが生まれる。これが良いことだと思う。政府がまず傘を提供しましょう。その下で民間が遣る気を出す。これを実現するのが私の仕事だ。これが真の外交だと思っている。

世界を牛耳っているのは強いユダヤ人の力だというのは根拠のない通説かもしれないが、これは残しておきたい。

 

 

日銀超緩和策の副作用と2018年の世界経済

カテゴリー: 会見メモ

2018/01/17  21:06


 

黒田日銀について語る東短リサーチ社長の加藤出氏

ゲスト:加藤出(かとう・いずる)東短リサーチ社長
テーマ:2018年日本経済見通し②「日銀超緩和策の副作用と2018年の世界経済」
2018年1月17日@日本記者クラブ