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若者の情報環境はLINE

カテゴリー: 【メディアリテラシー研究】, 会見メモ, 投票/選挙

2017/10/26  19:16


 

松本正生埼玉大学教授

 

ゲスト:松本正生(まつもと・まさお)埼玉大学教授(社会調査研究センター長)
テーマ:「総選挙後の日本 民意を読む」
2017年10月26日@日本記者クラブ

松本教授は今回の総選挙の結果について、「バーチャル選挙と『4分6分感覚』」とまとめた。

地方にも行ったが、「いま選挙で盛り上がっているみたいだけど、あれはどこの話ですか。われわれのところでは何も感じない。あれはメディアの中でやっている東京中心の話と受け止めながら各地で投票に行っている。投票に行った人ほど、そういう思いを抱いている」と述べた。

有権者の気分を私が忖度したのが『4分6分感覚』だ。少数意見と多数意見が一人一人の中に同居している。安倍内閣に対する支持が4割、不支持が6割と受け止めたほうがいいのではないか。「結局は自民党に入れるしかないが、安倍さんには一言クギを刺しておきたい」という思いが反映していると語った。

松本教授は「安倍政権が良いとは思わない」というフレーズが絶妙だと指摘。「絶対に反対ではないけど、良いとは思わない。良いとは思わないけど、反対ではない」というものだ。民主党政権の時代がひどかったという批判がいまだに説得力を持っている。それしか判断の寄り処がないという停滞状況を呼んでいる。

各社が定期的に実施している内閣支持率調査については、「安倍さんに対する支持、不支持ではなく、社会に対する雰囲気を表している」とし、「今の社会の雰囲気をどういうふうに捉えているのかという社会的指標の側面を持っている。変わるべきものがない」と述べた。

また政治意識について、年齢が上がるに従って右肩上がりに上昇するというのではなく、若手がかなり高く、その後、年齢とともに下落に転じ、40代くらいが底だと指摘した。台形のような形になったとみている。

若者はかなり頑張ったものの、「今回の衆院選で18歳の投票率は50.74%、19歳は32.34%に下がったが、これは”記念投票”と言えるのではないか。体験で終わりかねない」とした上、50代以上の「中高年についても選挙離れが顕著になりつつある」と指摘した。

若者に意識については大人とさいたま市の中学生・高校生を比較した例を挙げ、「政治家を信頼しているか」への回答は年齢が上がるにつれて急低下、政治へのマイナスイメージは根強いと答えた。政治を感知するのも生の政治家からではなく、野々村竜太郎号泣兵庫県議(辞職)や豊田真由子暴言衆院議員(埼玉4区落選)など映像からくるものが多く、若者のどう取り組んでいくか生の政治家の課題も多いと語った。

それでは若者の情報環境は何か。インターネットで政治に関するニュースをどの程度見るかについても新聞とほとんど変わらない。既存のメディアの情報に触れなくなってきている。彼らにとっての社会の窓は何かと言えば、LINEだ。

「高校生にとって社会とはLINE。政治家のやっているfacebookは感知していない。LINEと関わらない生活は成り立たない。周りと付き合っていくというのはLINEを共有することだ。低年齢化している」

LINEが始まったのは2011年。埼玉大学社会調査研究センターは2013年から調査を開始したが、LINE導入率は39%から今年は65%へと急上昇。50代ぐらいまでは標準装備しており、大手メディア各社が選挙ごとに行っている全国世論調査についても携帯電話を含む併用式RDD調査(Random Digit Dialing)が主流となっているものの、「社会はスマホにシフトしている」。世論調査はいつまで続けることができるのかと疑問を投げ掛けた。