‘政治/外交/国際/軍事’ カテゴリーのアーカイブ

ボーダーライン/ソルジャーズ・デイ

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2018/12/11  22:51


理不尽な暴力の横行する米墨国境最前線の現実

作品名:ボーダーライン ソルジャーズ・デイ
監督:ステファノ・ソッリマ
脚本:テイラー・シェリダン
キャスト:アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)
     マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)
     イサベル・レイエス(イザベラ・モナー)
2018年アメリカ映画@ユナイテッド・シネマとしまえん

2015年に米国で公開された犯罪映画「ボーダーライン」(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)の続編。ボーダーラインは無法化したメキシコ国境地帯における麻薬ビジネス、誘拐、汚職、不法移民などの実態を描き、センセーショナルな反響を呼んだが、ソッリマ新監督はこれをさらにエスカレート。「前作に敬意は払っているが、全く異なる世界観の映画」になっている。

しかもアメリカを目指して中米を縦断してきた移民キャラバンもメキシコに到着。米国境警備当局による催涙ガス銃発射の矢面に立つ一方、地元住民のデモ参加者から「不法移民は出て行け」コールを浴びている。

こうした中で公開されたのが第2弾の「ソルジャーズ・デイ」。米国内の商業施設で市民15人の命が奪われる自爆テロ事件が発生。犯人がメキシコ経由で不法入国したとにらんだ米政府は、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れる任務をCIA工作員のマット・グレイヴァーに命じる。

マットはカルテルへの復讐に燃える旧知のコロンビア人暗殺者で元検察官のアレハンドロに協力を要請。巨大カルテルの支配者カルロス・レイエスの末娘イサベル(メキシコシティの女学校に通う16歳)を誘拐し、カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。

しかし、その極秘作戦は敵の奇襲や米政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招く。メキシコで孤立を余儀なくされたアレハンドロは、兵士としての任務と復讐心、人質として保護する少女との命の狭間で過酷なジレンマに直面していく。

近ザラ時代の社会保障改革

カテゴリー: 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/11/07  23:39


 

野田佳彦前首相

 

ゲスト:野田佳彦(のだ・よしひこ)氏(前首相)
テーマ:消費税これまで・これから①
2018年11月7日@日本記者クラブ

野田佳彦前首相が2012年の3党合意当時を振り返り、消費税についての考え方、財政再建へ向けての思いを語った。期間は2011年9月2日~12年1月13日。

・消費税に取り組む必要性を強く感じたのは2010年の参院選前後だった。自分は財務大臣で、菅直人首相(当時)が消費増税について言及した。ギリシャの信用不安を始め南欧を含め欧州全体に債務危機が広がっていた状況があった。

・国際会議に出ると、財政の健全化と経済の成長をどう両立させるかがテーマだった。どちらかというと、財政の健全化に軸足を置いて、経済成長をチェックする雰囲気だった。

・消費税は真剣に向き合っていかなければいけないとの思いがあった。財政運営戦略(2011年6月)をつくった。閣議決定もした。プライマリー・バランス(基礎的財政収支=入ってくる税収の範囲内で経費を賄って新しい借金をしない)の黒字化を2020年度までに果たす。15年度までに赤字を半分にする。

・他国はもっと厳しい内容だった。13年までに財政収支(国債費を含んで収支をとんとんにもっていく)の赤字を半減し、16年度には黒字化する。

・コミュニケで「日本はユニークで」と特出しされた。このユニークを削ってくれと言う交渉を水面下でやった。日本の交渉についても「Welcome」という言葉を入れて欲しいという交渉を行った。日本だけサーチライトを当てられると大変だという危機感があった。

・英エコノミストに日本の特集記事が出た。タイトルは「日本化する欧米」。日本化というのは「先送りをする」こと。やるべきことをやらない。これ以上先送りをできないテーマは財政の問題ではないかと思った。民主党代表選挙(2011年8月29日)でもこれを意識しながら、決選投票で小沢一郎グループの支持を受けた海江田万里経産相に逆転勝利した。

・野田内閣は「社会保障と税の一体改革」を最優先した。意味するところは社会保障の充実安定と財政再建を同時に達成するのが目標だ。超高齢社会にどう対応するのかと少子化への対応だ。

・高齢化には50年ほど前の昭和30年代にできた国民皆保険で対応してきたが、国民皆保険は超高齢化社会に対応できなくなった。平均寿命70歳弱の時代だったが、今は100歳時代。昔は古希という言葉にリアリティーがあった。団塊世代が2022年に後期高齢者に入る。団塊世代はもう古希ではない。近年ざらになった。「近ザラ」と言っている。

・少子化が進んでいて、支える側が少なくなっている。9人か10人くらいの働き盛りが1人のお年寄りを支える胴上げの社会。今は3人で1人を支える騎馬戦の時代。まもなく避けて通れないのが1人が1人を支える肩車の時代。支える側の社会保障も考えなければならない。人生前半の社会保障と言っている。

・安倍晋三首相は全世代型社会保障と言っているが、子育て支援を含めて前半の社会保障を手厚くすることが社会保障の本質だと思う。

・これらをやっていくことはただではできない。オールジャパンでやっていくためには消費税を充てるしかない。財政健全化も達成する。

・昭和20年は敗戦の年。財政の国際的比較は公的残高の対GDP比で行われる。経済の規模に対してどれだけ借金を背負っているか。200%だった。相当悪かった。ここから日本の戦後は始まった。高度成長を遂げ日本の財政も好転してきた。歳入と歳出が一番近づいたのは1990年。歳出は70兆円、歳入は60兆円。

・90年の歳出は70兆円。それから右肩上がりとなり、2000年は80兆円、10年は90兆円、いまは100兆円に届く時代になった。歳入はピークの90年が60兆円だったのが00年は50兆円、10年は40兆円。出る方は右肩上がり、入る方は右肩下がり。「ワニの口」と財務省は言っている。公的債務残高の対GDP比は今年度中に240%に達する。終戦のときが200%。73年かけて結局悪くなっている。

・防衛費は5%程度。一番支出の中に占めているのは少子高齢化に伴う社会保障関係費が急増していて昔の軍事費に当たるぐらいの批准を占めている。この静かなる有事にどう対応するか。これが日本にとって一番大きな課題だと思う。この課題にするために消費税引き上げを決めた。これは3党合意の根幹に関わる状況だ。

・そこで決まったのが3党合意(2012年)。野田民主党政権は当時の消費税率5%を2段階で10%に引き上げることを決め、法制化もした。消費税率は14年4月に8%へ上がったが、安倍首相は景気低迷などを理由に、再増税を2度先送りした。10%とするのは19年10月。

・民主党内の議論はサイコロのように「振り出し」に戻ることがよくある。民主党内も小沢一郎氏が反対しボロボロになった。私はこのテーマは絶対先送りしてはいけないと思っていたので、51対49でも決めるときには決めなければいけない。ようやく自民党と向き合う局面にきた。谷垣禎一自民党総裁と議論をした。公明党も入れて合意を取り付け、8本の法律を出した。

・どこかの政権が消費税を上げなければいけないことは誰もが分かっていた。与野党が責任を持ち合おうというのが3党合意の精神だった。政争の具にしない。これが3党合意に至るまでの背景にあった。

・残念ながら今もその精神が残っているかというと風前の灯火だ。事実上なくなってしまったと思わざるを得ない。5%から8%への消費税引き上げは安倍首相が14年に行ったが、10%への上げは2回先送りとなった。選挙の争点になったほか、使途変更も争点となった。

・3党合意の精神はお互いに責任を持ち合うことだから、突然争点にするのは魂を分かっていないとしか言いようがない。

・国会で質したが、安倍首相は「政争の具にはしていない。選挙の争点にはしました」と答弁だった。政党間の最大の政争は選挙だと思う。この感覚の違いが今も1つの大きなわだかまりとして残っている。

「紛争地取材は必要」安田純平氏

カテゴリー: ジャーナリズム, 会見メモ, 政治/外交/国際/軍事

2018/11/02  23:26


 

 

会見に臨む安田純平氏

 

同上

 

内戦下のシリアで武装勢力に拘束され、3年4カ月ぶりに解放された日本人ジャーナリスト、安田純平氏(44)が2日午前、東京内幸町の日本記者クラブで帰国後初の記者会見を開いた。

安田さんは2015年5月内戦下のシリアで活動していた反政府勢力を取材するため、隣国のシリアに入国。シリア難民を支援するという男性を通じてシリア人ガイドと知り合った。

6月22日の深夜に、案内人を名乗る2人の男とともにトルコ南部から山道を1時間ほど歩き、シリア北西部に入国。国境を越えたところで、男らに両腕をつかまれ、車に押し込まれたという。ホブス(パン)工場に入れられた。

最初はゲストと言われていたが、その後何度も民家に移動し、監禁されたことを知った。12月7日には「日本の実家に送るから個人情報を書け」と言われ、妻の電話番号やメールアドレスを書かされた。身代金を要求するためだったとみられる。

3年4カ月に及ぶ監禁生活の末、解放を告げられたのは2018年10月22日。翌23日朝に「トルコに行く」と車で移動し、途中で別の車に乗り換えると、英語で「もう大丈夫だ」と言われたという。車中の人物は「トルコ人」を名乗った。

車中では1時間ほど目隠しをされた。国境付近からトルコのアンタキヤまで運ばれ、入管施設の100mほど手前で目隠しを外された。施設内の事務所で「解放だよ」と声をかけられた。

安田さんを拘束した組織は特定されていない。安田さんは「何者なのか気になった」「ジャバル・ザウイーヤの巨大収容施設には100人単位の囚人がいたと思われることもあったから、かなりの組織だったのではないか」と話した。反政府武装組織の「アル=ヌスラ戦線」ではなかったかと思われる。

安田さんは会見の冒頭で人質になったことに対する批判を「当然のことと思っている。紛争地という場所に行く以上は、自己責任と考えている」と述べ、「はっきり言って自業自得だと考えている」とも語った。

その上で「難民問題などは日本にも影響する。地球上で紛争が起きているのであれば、現地の情報を取りに行くジャーナリストの存在は必要だ」と述べた。

ネット空間では、安田純平氏は「ジャーナリスト失格」だの「嘘つき」だのとバッシングがひどいようだが、11月2日付日経夕刊と同業の中国ルポライター・安田峰俊氏(36)の弁護論を参考にしながら書くことにした。安田峰俊氏はB級ネタも含めた中国関連記事を得意とし、『SAPIO』や『週刊プレイボーイ』などに寄稿している。

安田氏は一橋卒業後に信濃毎日新聞に入社して6年間勤務したのち、2003年にフリージャーナリストとなり、イラクで取材を開始。同国内で拘束され、4日間で釈放された。その後もイスラム圏で取材している。

安田さんは「特に拘束回数が多いわけでもなく、危機管理能力が他の同業者と比べて著しく欠如しているわけでもないのは明らかだ」。12年8月11日の『報道特集』(TBS)で安田氏が撮影した戦場映像「内戦のシリアに潜入した日本人ジャーナリスト」が放送されており、安田峰俊氏が同番組担当者に尋ねたところ「自分の知る限り、いわゆる戦場ジャーナリストで安田の実力を疑う人はいない」という言葉が返ってきたという。

イラン新駐日大使初会見

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事

2018/09/12  22:53


 

会見したイランのラフマーニ新駐日大使

 

7月に着任したモルテザ・ラフマーニ・モヴァッヘド(Morteza Rahmani Movahed)駐日イラン大使が、日・イラン関係の現状と展望などについて話した。

ラフマーニ大使は①イランは4000年以上の歴史を有する②石油と天然ガスを合わせた埋蔵量は世界第2位であり、世界のエネルギー需給に重要な役割を担っている-と述べた。

同大使は日本との外交関係について、1929年に国交を樹立し、以降伝統的な友好関係を確立していると語った。2013年のイラン大統領選においてロウハニ大統領が当選。原油輸入の拡大など二国間関係の新時代が幕開けを迎えたと指摘した。同大使によると、両国の貿易総額は2015年の35億ドルから17年には45億ドルへ増加した。

19年は両国外交関係樹立90周年の節目の年。さまざまな行事、イベントが予定されている。さらなる両国関係の発展を期待していると大使は述べた。

また、「大使は核合意から離脱し制裁を再発動したアメリカのトランプ政権を『信用できない』と厳しく批判した。さらに核合意には政治と経済の2つの側面があると指摘。『どんな鳥でも片翼では飛べない』と述べて、今後経済的な利益が望めないなら意味を失うと警告した。その上で『核合意の維持は関係国の努力にかかっている』と強調した」(会見リポート、日本テレビ国際部担当副部長 岩崎 建)

シリア情勢もイランにとっては重要な問題だ。「イランはロシアとともにアサド政権を支援し続いているが、反体制派の『最後の拠点』であるイドリブ県への総攻撃が近く行われるとの観測が強まっている。こうした動きに国際社会からは非難の声もあがっているが、ラフマーニ大使はあくまで『アサド政権からの要請に基づいたテロとの戦いだ』として容赦しない構えを見せた」(同)。

AFPは9月9日、在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ロシアは8日、シリア反体制派が支配する最後の県である北西部イドリブ(Idlib)に対し、過去1か月で「最も激しい」空爆を行ったと報じた。

米国とイランの対立は泥沼化の様相を呈している。米国は8月7日にイラン核合意離脱に伴う制裁の一部を復活させ、11月上旬にはイラン産原油・石油取引の禁止に踏み切るもようだ。

米国によるな復活は欧米間の、中国やロシアを利して、将来の中東の混乱の火だねを広げた。イランは核関連活動の再開やホルムズ海峡の封鎖をちらつかせ、米国との衝突コースを突き進む恐れも出てきている。

ラフマーニ駐日日本大使は1959年、テヘラン生まれ。子ども3人。1989年外務省入省のキャリア外交官だ。

 

米朝首脳、初会談

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事

2018/06/12  22:35


 

私もうれしい とても光栄だ

 

アメリカ大統領と北朝鮮の独裁者が握手をしています

私もうれしい(ムン大統領)

 

6月12日は歴史的な日となった。合意の内容はどうであれ、米朝首脳が会ったのは初めて。1カ月ほど前までは敵国とののしり合っていた仲が急転。握手をしている。

開いた口が渇かぬうちに反対のことを言い出しかねないトランプ米大統領だから、金大統領も変なことを言ったらどんな反撃に遭うかも分からない。落ち着かない。

「Be active」マハティール・マレーシア首相

カテゴリー: 体調/体力/運動/病気, 政治/外交/国際/軍事

2018/06/11  22:26


 

 

20年ぶりに登壇したマハティール氏は雄弁だった

 

ゲスト:マハティール・ビン・モハマド氏(マレーシア首相)
テーマ:独立以来初の政権交代で首相に返り咲いたマレーシア首相
6月11日@日本記者クラブ

マレーシアのマハティール首相が5月10日の首相就任以来初の外国訪問として来日した。日経主催の国際交流会議「アジアの未来」に出席するため。クラブでの会見は1998年以来20年ぶり、4回目。

マハティール首相は92歳。高齢者の見本みたいなものだが、なぜそんなに元気なのかについて聞かれ、「人間の能力は使わないと退化する。筋肉も同じだ。歩けなくなる。能力についても当てはまる。ぼけてしまう。Be Activeにしておく必要がある」と答えた。

米朝首脳会談は「歴史的な会談」

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事

2018/06/07  21:21


 

慶応義塾大学法学部の礒﨑敦仁准教授

 

ゲスト:慶応義塾大学法学部の礒﨑敦仁(いそざき・あつひと)准教授
テーマ:朝鮮半島の今を知る⑧
2018年6月7日@日本記者クラブ

 

慶応義塾大学法学部の礒﨑敦仁准教授が来週に迫った歴史的な米朝首脳会談を前に、米国と北朝鮮について見解を表明した。

・北朝鮮は戦略性を持っている。論理は日本とかけ離れてはおり、理解しずらいことは多々あるものの、今年9月で建国70周年を迎える国がこの体制をいかに維持すべきかという点に全力を尽くし、彼らなりの合理的な判断をもってやってきた。だからこそ北朝鮮という体制は崩壊していない。

・北朝鮮を希望的観測で甘く見ているとろくなことにならない。甘くみていたからこそ、北朝鮮は核を開発してしまった側面がある。これは忘れてはならない。

・一方で北朝鮮が合理的な判断をしていると彼らが考えていたとしても、それがすべて彼らの思うとおりにいくかとなると、決してそうではない。国際環境で予想外のことが起きうる。計算ミスは起きうる。

今年3月8日にトランプ大統領が米朝首脳会談にゴーサインを出したことは明確に北朝鮮にとってはサプライズだった。労働新聞の論調の分析に力を置いているが、論調が大きく変わった。キーワードとなる言葉が出てこなくなった。

・トランプ大統領への名指し批判が3月11日付の労働新聞から一切なくなった。トランプ大統領と米朝首脳会談をすることに北朝鮮が用意をしていなかったことを示す。今年の1月1日の新年のスピーチで明確の対話を呼び掛けており、韓国当局への批判は少なくなり、もしくはなくなっている。

・米朝首脳会談を想定していたならば1月、2月頃からトランプ名指し批判を減らしておくべきはずだが、しかしそうではない。3月上旬直前まで批判を続け、ゴーサインを出した途端にトランプ批判がなくなった。

・北朝鮮のもう一つのサプライズはトランプ大統領が5月24日に米朝首脳会談を中止すると表明したことだ。外務次官ではあったが、個人の声明、個人の談話という形で米国を批判したが、トランプ政権には通じなかった。

・北朝鮮は70年間政権交代のないまま、大きな人事異動がないまま、築き上げられて、物事の発想が明確になっている。一番重要なのは金正恩の”お言葉”、国外に対してはそれに準じる政府声明が最も大切。1年に1回出るか出ないか。滅多にない。次は外務省声明、外務省談話・・・。朝鮮中央通信の報道、個人の談話。こうした位置づけで発信している。

・昨年夏には「グアム方面に4発のミサイルを撃ってやる」、「太平洋上で水爆実験をしてやる」、「日本を海に沈めてやる」こんなとんでもない発言がたくさんでてきたが、これはいずれも個人の談話、朝鮮中央通信の報道という出し方をしてくる。政府声明で出すときは注意しているといわざるを得ない。

・しかし、日本では北朝鮮に対する関心があまりにも高いために、”逃げ道”を作りながらの情報であっても、内容がセンセーショナルなものだから大きく報道されてしまう。

・政府声明で言えば、2016年1月6日に政府声明を出した。「政府の核抑止力を質量ともに確実に強化していく」。核実験、ミサイル実験を加速させる。1年10カ月間、暴走しているのではないかと思われるほどたくさんのミサイルが発射された。

・昨年の11月29日の政府声明。「3回目のICBM実験を成功させた」。中身は「国家核戦力完成の歴史的対応が実現された」。北朝鮮なりの勝利宣言。ミサイル実験は打ち止め。彼らはこういう論理でもって物事を発信している。北朝鮮の論調を読み解く者にとっては「そろそろ対話に出てくる」。大きな方向性を打ち出した。

・対話がいつ呼び掛けられるかというタイミング、どのくらいのトーンでくるのか。私のような研究者は無理。大きな方向性を読み解くには役に立つが、万能ではない。

・核開発に一つの区切りを付け、昨年9月以降、経済に集中した。制裁が厳しい中、対話に出てくるんではないか。状況証拠。北朝鮮が大きな取引をしようとしている状況証拠がぽろぽろと見つかっている。

米朝首脳会談はどういう合意になろうとも歴史的な会談であることは間違いない。1回で決まるものなのか何回かやるのかは分からないが、大きな流れからすれば、歴史が動いている世界史的な動きである。

・北朝鮮のやることを疑わしく思うのは当然である。特に拉致問題で不誠実な対応をしてきた結果、北朝鮮がしてきたことを疑わし思うのは当然だが、なぜ今回史上初の米朝首脳会談をどうしてもやりたいと思ったのか。特使キムヨンチョル氏をニューヨーク、ワシントンに派遣してまで米朝首脳会談をしたのか。

・単にアメリカからの攻撃を避けるということであれば、韓国や中国の首脳と首脳会談を続けていれば、アメリカが攻撃してくる可能性は低まるでしょうし、必ずしも米朝首脳会談する必要はない。

・米朝首脳会談で34歳の若き指導者が大きな取引をしたいのではないか。超大国のアメリカは1973年に連絡事務所を作ったほか、1979年に中国と国交正常化。毛沢東が統治していた中国。1995年にベトナムと正常化、キューバとも3年前に国交正常化している。今回の動きは大きく見るならば国交正常化を見据えた動きであり、利益代表部を早々に作る動きになるのではないか。

・トランプ大統領という不確定要素がある。「北朝鮮を攻撃してやる」と言いながら、「北朝鮮の体制を保証する」とあっちに行ったり、こっちに行ったりする。「アメリカが・・してくれたら、何何をします」という条件説がよく付いている。

・「トランプ大統領が安易な妥協をすることなく完全な非核化という最後の目標まで粘れるか」中間選挙に勝つだけでなく、ノーベル平和賞をもらうだけではなく、非核化という短期の目標を粘れるかにかかっている。

・北朝鮮にとっては体制を温存する、現体制を護持するという目的を崩すことはないが、国内は柔軟に対応出来る体制だ。小泉元首相は北朝鮮に乗り込み、日本側も歩み寄る対話をすることによって拉致問題は政府のでっち上げだと言ってきた北朝鮮を謝罪に追い込み、5人を奪還した。こういう外交が求めらている。アメリカはどうするか。

・今の体制を返るつもりはない。温存するためにどういう取引をするか。小さな手段には目をつぶっていく。

・核は北朝鮮にとって体制を守るための最大の抑止力、手段であると考えている。核を持つことを目的化されているわけではなく、アメリカに攻撃されたら体制はもたない。中東諸国の教訓を言い、だから核を持たなければならないと核開発に邁進してきた。

・「核を持たなければアメリカにやられてしまう」と思い込んできた。私もそうだ。これまでになく強硬なトランプ大統領が誕生し、実際に爆撃するぞと何度も脅かし、シリアには実際に爆撃を加えている。こういった大統領があそこまで北朝鮮を追い込め、圧力・制裁をかけたにもかかわらず、北朝鮮は3回もICBM実験を成し遂げ、9月にも6回目の核実験をして自分なりにここまでは成し遂げたんだとい11月29日政府声明を出した。そこまで行ってから転換してきたことを考えると、1つの状況証拠ではないかと思う。

・北朝鮮はリビアやイラクとは違う。韓国と日本というアメリカの同盟国があり、韓国と日本を攻撃できるだけの力を持っている限り、アメリカの大統領は手出しができないはないか。

このことが昨年1年間である程度実証された。日本も人命に被害の出る事態は避けるべきだし、韓国としても戦争だけはやめてくれと必死にトランプ政権に訴え、これがトランプ大統領を止めた要因だ。北朝鮮はそう考えたのではないか。

「公文書問題」で福田康夫元総理

カテゴリー: ジャーナリズム, 悲憤・慷慨・憤怒(政権批判), 政治/外交/国際/軍事

2018/06/01  22:35


 

福田康夫元首相(81)

 

ゲスト:福田康夫元総理
テーマ:公文書管理について
2018年6月1日@日本記者クラブ

 

元内閣総理大臣の福田康夫氏は1936年7月16日生まれ。81歳になる。政治家は高齢だが、この人もしっかりしている。政治家というのはどういう加減で長生きするのか。よく分からない。

2007年9月から08年9月まで内閣総理大臣を務めた。父の福田赳夫氏も総理だった。

福田元総理は学校法人「森友学園」に関する決済文書改ざん問題で「記録を残すのは歴史を積み上げることだ。公文書は石垣の1つであり、ちゃんとした石でなければ困る」と財務省を批判した。

福田氏は首相在任中、公文書管理法の制定に取り組んだ。今回の問題について「改ざんなんてことがあり得るのかと思った。ちょっとさびしい話だ」と述べた。

佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴処分になったことについては、「おとがめなしとなってしまったら、(近畿財務局で3月に)自ら命を絶った人はいったいどうなるのか」と指摘した。(毎日新聞WEB版)

 

モヒート(アディロンダックカフェで)

 

内幸町の日本記者クラブからの帰途、神保町のアディロンダックカフェ(千代田区神保町)に寄った。コーヒーを飲もうと思っていたが、外が意外と暑く、ついモヒートと言ってしまった。

前に飲んだとき、マスターに教えてもらった。ラム酒ベースのカクテル。フレッシュミントを入れ、おしゃれなカクテルとして最近人気らしい。タンブラーグラスの底にグラニュー糖がたまっていて、それをつぶしながら飲むのが楽しいという。

さらにモヒートは1890年代に生まれ、文豪ヘミングウエーも愛したカクテルだったということになれば、もう飲まずにはいられまい。

アディロンダックカフェのすぐ近くに最近バー「街路」ができた。どうもそこの売り文句がモヒートらしい。本格派のバーだ。マスターの話だと、1年くらい前にできたようだ。この夏、一度ここでも飲んでみたい。

トランプ米政権、対イランでサイバー戦争も

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事

2018/05/31  21:01


 

話しているのは田中浩一郎慶応大学教授(左)、隣は高橋和夫放送大学名誉教授

 

両氏は昨年6月8日、同じ記者クラブで「イラン総選挙」について会見したが、肩書きが変わっていた。田中氏は日本エネルギー経済研中東研究センター長、高橋氏は「名誉」が付いてなかった。

高橋氏はトランプ政権のイラン認識についてオバマ政権高官にイランと親しい人脈がいたのに対し、トランプ政権には誰もいないほか、大統領就任前からイランを攻撃していた点を指摘し、イラン核合意からの離脱は当然のことであるとの認識を示した。

オバマ民主党政権のケリー国務長官は娘婿がイラン人であった上、ヴァレリー・ジャネット大統領補佐官はイラン生まれであることを明らかにし、イランと親しい人脈が政権内にもいたことを指摘した。

また、イランに軍事攻撃を行う最悪のシナリオについては爆弾の雨を降らせるだけではなく、サーバー攻撃の可能性もあり得ると強調した。

米国は2009~10年、イラン国内の核燃料施設でウラン濃縮用遠心分離機を破壊するマルウェア「スタクスネット」(Stuxnet)を仕掛けた。ナタンズのウラン濃縮施設で破壊されたのは全体の1割に相当する1000台の遠心分離機だった。

米国と共同で開発に当たったイスラエルは否定しているものの、事実とみられている。

米国はイラン核開発を抑制するための外交努力が失敗し、軍事衝突に発展した場合、「ニトロゼウス」のコードネームでイラン攻撃を準備していることが2016年2月17日(Update)付のニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

この計画はオバマ政権の早い時期に策定されたが、核合意を受け延期されている。ニトロゼウスが敢行されれば、恐らく全面戦争になるものとみられる。

『ラッカは静かに虐殺されている』

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2018/05/04  22:55


 

 

作品名:『ラッカは静かに虐殺されている』(原題CITY OF GHOSTS)
スタッフ:監督・製作・撮影・編集 マシュー・ハイネマン(米ワシントンD.C生まれ、NY在住)
『カルテル・ランド』(2015)でアカデミー賞ノミネート
製作総指揮 アレックス・ギブニー 米ドキュメンタリー映画監督兼プロデューサー
製作総指揮 モリー・トンプソン A+Eネットワークの長編ドキュメンタリー製作部門「A&Eインディ-・フィルムズ」創設者
ポレポレ東中野@2018年5月4日

2014年6月、過激思想と武力で精力を拡大する「イスラム国」(IS)がシリア北部の街ラッカを制圧した。かつて「ユーラシアの花嫁」と呼ばれるほど美しかった街はISの首都とされ、残忍な公開処刑が繰り返され、市民は常に死の恐怖と隣り合わせの生活を強いられた。

海外メディアも報じることができない惨状を国際社会に伝えるため、結成されたのが市民ジャーナリスト集団「RBSS」(Raqqa is Being Slaughtered Silently)だ。「ラッカは静かに虐殺されている」。

スマートフォン(スマホ)を武器に「街の真実」を次々とSNSに投稿。そのショッキングな映像に世界は騒然となる。一方、RBSSの発信力に脅威を感じたISは、すぐにRBSSのメンバーの暗殺計画に乗り出し、仲間が殺されていく。

第2次世界大戦後最悪の内戦で勃発したニュータイプの戦争に迫ったドキュメンタリー。勝つか皆殺しにされるか。

中東ジャーナリストの川上泰徳氏はコラムで、「ラッカは2014年春、イラクから来たISに支配された。シリア各地に反体制の市民組織「地域調整委員会」(LCC)が生まれ、各地のニュースをSNSで公開した。国際的な遠ざけられた中でLCCだけがシリアでの暴力を知るほとんど唯一の手段だった」と書いている。

また、「ラッカでも早い段階でLCCが作られ、活動の中心だったナジ・ジェルフはのちにRBSSの創設者の1人となった。彼は欧米で『勇敢な市民ジャーナリスト』として賞賛を受け、2015年に『国際報道自由賞』を受けたが、授賞式の翌月に射殺された」と指摘している。

「RBSSはラッカにいる10数人の市民ジャーナリストが秘密裏に情報収集し、写真・映像を撮り、国外にいるメンバーに送信し、SNSにアップする。イスラムを厳格に解釈し、違反する市民をムチで打ち、手を切断。斬首や銃殺による処刑を繰り返すISの恐怖支配の実態をまざまざと伝える」

「映画はIS支配下のラッカを描くドキュメンタリーではなく、ラッカから送られてくる情報を受けて発信する国外チームを追ったものだ。ラッカにいるメンバーはISに捕まれば死刑。命がけで情報を発信している」

しかし、2015年10月には活動に関わっていたメンバー2人が隣国トルコ南部で殺害されるなど国外にいても安全とは言えない。ドイツに拠点を置いていたメンバーも拠点を移した。

 

トークゲストの鈴木美優氏

 

上映後、トークゲストとして演壇に上がったジャーナリスト鈴木美優氏は、シリア内戦について、「単に政府と反政府勢力の戦いではなく、政府が国民を殺す戦争になっており、自分の接したシリア国民ほとんどがアサド大統領を良く言う人はいなかった」と述べた。