‘映画/テレビ/舞台’ カテゴリーのアーカイブ

『運び屋』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/08/22  20:32


 

運び屋

 

作品名:『運び屋』(原題The Mule)
監督/製作:クリント・イーストウッド
キャスト:アール・ストン(クリント・イーストウッド)
コリン・ベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)
2018年アメリカ映画@飯田橋ギンレイホール

 

「退役軍人のアールは家庭も顧みずユリの栽培に情熱をかけていたが、やがて事業に失敗しすべてを失う。金もなく孤独な日々を送っていると、ある仕事を持ちかけられる・・・」

「うまい話に乗せられ巨額の報酬を得た”伝説の運び屋”の実話を、イーストウッドが約10年ぶりの主演で映画化した」(Vol211)

 

デイリリー

 

デイリリー

 

デイリリー

 

ずっと気になっているのが主人公アールが大切に栽培しているデイリリー(Day lily)という花だ。ニューヨーク・タイムズのスポーツ部門エディターのサム・ドルニックがニューヨーク・タイムズ・マガジンに書いた運び屋を務めた90歳のレオ・シャープが愛していた花だ。

ドルニックは記事(2014年6月11日初出)の中で「デイリリーは色、形、サイズにおいてバリエーションが限りなく、凝った小さな植物を生み出す」という。

また「デイリリーは率直で、美しく、セクシーなのだ」(ユリ鑑定家のシドニー・エディソン)ともいう。

「デイリリーは通常12個のつぼみがつき、それぞれが1日だけ花開く。異種交配が容易なところが魅力の一つとなっている。おしべを引き抜き、別のめしべに花粉をこすりつけるだけでグリーンのひだや黄色のドット、小さな花びら、ブルーのストライプといったあなた好みの特質を備えたユニークで新しい花が開花する」としている。

全米デイリリー・ソサエティに公式に登録されているだけでも7万5378種のデイ・リリーがあるという。レオ・シャープはデイリリー愛好家にとってのドン・キング(アメリカの大物プロボクシングプロモーター)であり、彼の名を冠したデイリリーが180近くが公式に登録され、育種家として高い評価を受けている。

 

風に飛ばされわが家の庭先に根を張った野生化している高砂ユリ(鉄砲ユリに似ているが、ラッパ状の6弁花の外側に紫褐色の筋があるのが特徴=練馬・板橋のタウン誌Kacce8散歩ウォッチング)

 

はっきり言ってディリリーのことはどうでもいい。重要なのはアールのライフスタイルだ。アールは品評会でリリーを褒められ有頂天になるが、うっかり1人娘の結婚式に出るのを忘れてしまうことだ。

栽培家として高い評価を得ていても、家族を顧みることがなかったことの象徴としてこのエピソードが組み込まれている。「仕事を優先し、他人にかまけて家族をないがしろにしてきたせいで、その後アールは一人娘や妻から見放されていく」(香取淳子公式サイト

あとは押して想像すべきだ。12年後のアールは家族から見放され、家は差し押さえられ、金も底を付いてしまった。インターネット時代にアールの仕事が追いつかなかった。

そんなときにお金になるといわれ、何を運ぶか知らされないまま、目的地までブツを届ける運び屋の仕事に手を染めた。言われるまま車を運転して思いもしない大金を手に入れる。

コカインだった。

クリント・イーストウッドは1930年5月31日生まれ、カリフォルニア州サンフランシスコ出身。89歳。この映画を撮ったのは87歳のときだった。

彼は映画評論家の町田智浩氏とのインタビューで、「アールは私だけでなく、多くの私の世代の男たちを代表している。我々の世代の男たちは、人間の評価をいかに仕事で成功したかで計りがちだ。でも、価値観は時代と共に変わっていく。いくら歳をとってもそれに追い付かなければ。人は何を学ぶのに、遅すぎることはないんだ」と述べている。

 

 

エンディング曲Toby Keith『Don’t let the old man in』

『荒野にて』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/08/19  22:57


 

荒野にて

 

作品名:『荒野にて』(原題Lean on pete)第74回ベネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞受賞
監督:アンドリュー・ヘイ
キャスト:チャーリー・プラマー(天涯孤独のチャーリー)
スチーブ・ブシェミ(競走馬Lean on Peteのオーナー)
クロエ・セヴィニー(女騎手)
イギリス映画@飯田橋ギンレイホール

 

「母に捨てられ、仕事を変えては住居を転々とする父と2人暮らしの少年チャーリー。家計を助けるために競走馬を世話する仕事を始めるが、父も突然命を落とす。

15歳で天涯孤独になった少年が愛と自分の居場所を求めてアメリカ北西部の広大な荒野を旅する人間ドラマ」(ギンレイ通信Vol211)。

 

 

『ビール・ストリートの恋人たち』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/07/26  23:03


 

 

作品名:『ビール・ストリートの恋人たち』(原題=If Beale Street could talk)
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
原作:ジェイムズ・ボールドウィン
キャスト:キキ・レイン(ティッシュ)
ステファン・ジェームス(ファニー)
2018年アメリカ映画@飯田橋ギンレイホール
Beale Street(米テネシー州メンフィス)=ブルース発祥の地

 

「1970年代のニューヨークのハーレム。19歳のティッシュは幼なじみの恋人でファニーの子どもを身ごもるが、ファニーは些細なことで白人警官の恨みを買い強姦容疑で収監された。

ティッシュの家族は彼女の妊娠を喜ぶが、ファニー家は父親のフランク以外の反応は冷たかった。ティッシュと家族は何とか無実を証明しようとするが、次第に八方塞がりとなっていく。

ジェンキンス監督はアカデミー賞に輝いた「ムーンライト」に続く新作。原作はアメリカを代表する小説家ジェイムズ・ボールドウィン。

本作も繊細なタッチで撮影、音楽、色彩設計などが行われている。進行中のシーンでは逆境が、回想シーンでは2人の純粋な愛が交互に綴られ、独特の浮遊感が漂う作品だ」(映画の時間

 

 

予告編に流れる歌はロバータ・フラックの「やさしく歌って/Killing me softly with his song」(1973)。1996年にヒップホップ・グループのフージーズFugeesがカバーした。ついでにどうぞ。

 

『家(うち)へ帰ろう』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/07/12  21:09


 

 

作品名:家(うち)へ帰ろう(原題:THE LAST SUIT)
監督・脚本:パブロ・ソラルス
キャスト:ミゲル・アンヘラ・ソラ(ブルスティン・アブラハム役)
アンヘラ・モリーナ(女主人ゴンザレス役)
オルガ・ボラズ(看護師ゴーシャ役)
ユリア・ベアホルト(文化人類学者イングリッド役)
マルティン・ピロポンスキー(機内の青年レオナルド役)
2017年アルゼンチン・スペイン作品
2019年7月12日@飯田橋ギンレイホール

「アルゼンチン・ブエノスアイレスに住む88歳のユダヤ人仕立て屋アブラハムは、子どもたちや孫に囲まれ、家族全員の集合写真を撮っても浮かない顔をしていた。

というのも、翌朝には娘たちの手はずで住み慣れた仕立て屋兼自宅を引き払い、老人施設に入ることになっていたのだ。

娘や孫たちを強引に家に帰した後に、1着だけ残ったスーツを見てアブラハムはあることを決意する。それは故郷ポーランドに住む70年以上会っていない親友に自身で最後に仕立てたスーツを届けに行くことだった。

すっかり身支度を終えたアブラハムはその日の深夜、家の鍵を玄関脇の植え込みに投げ捨てて家を出て行く。タクシーを拾い級友の孫娘に航空券のチケットを手配し、その足で空港に出向き、スペイン・マドリッド行きの飛行機に乗り込む。

マドリッドの入国審査で足止めをされたアブラハムは、入国審査官に旅の目的を正直に話すが、審査官は「約束を70年待っているなんて」と信じようとしない。しかしアブラハムの真剣な様子に心が動かされてしまう。

マドリッドの1つ星ホテルの女主人、パリからドイツを通らずポーランドへ列車で訪れることができないかとパリ東駅で四苦八苦していたアブラハムを助けるドイツ人の文化人類学者、ワルシャワでアブラハムに親身になって世話をする看護師、旅の途中で出会う女性たちは、アブラハムの力になろうと自然体で受け入れ、話を聞き、尖った心を柔らかにしていく。

故郷ポーランドに住む親友は、ユダヤ人であるアブラハムが第2次大戦中、ナチスドイツによるホロコーストから逃れたアブラハムを助け、匿ってくれた命の恩人であった。70年前の記憶にさいなまれながら、やっとたどり着いた場所は、70年前と同じ佇まいをしていた。

アブラハムは、親友と再会できるのか・・・。人生最後の旅に奇跡は訪れるのか・・・。」(パンフレット・ストーリー)

試写会『工作』

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2019/06/24  23:32


 

 

作品名:『工作』黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男
監督:ユン・ジョンビン
出演:パク・ソギョン(韓国・国軍情報司令部少佐/黒金星)
リ・ミョンウン(朝鮮民主主義人民共和国/対外経済委員会所長)
チェ・ハクソン(韓国・国家安全企画部室長)
チョン・ムテク(挑戦民主主義人民共和国/国家安全保衛部課長)
試写会@6月24日日本記者クラブ
7月19日シネマート新宿/シネマート心斎橋ロードショー

 

「1992年、北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島に緊張が走る中、軍人のパク・ソギョンは工作員として北へ潜入せよとの命令を受ける。

コードネームは黒金星(ブラック・ヴィーナス)。たった1つのミスで命を失う危険な任務の始まりだ。

事業家に扮しての3年間に及ぶ慎重な工作活動が実を結び、北朝鮮の対外活動を一手に握るリ所長の信頼を獲得したパクは、遂に最高権力者である金正日に接見する。

しかし1997年、韓国の大統領選挙における祖国と北との裏取引によって、人生のすべてを捧げた工作活動が無になることを知るパク。彼が祖国を裏切るのか、祖国が彼を切り捨てるのか、それとも北がパクの正体を見破るのか-。

幾重にも張り巡らされた罠にかかり、工作員が次々と無残な死を遂げた時代に、いったいどうやって黒金星は北の中枢へと踏み込むことが出来たのか?

究極の選択がエンドレスに続く実在のスパイの緊迫した工作活動と、愛する祖国の闇を知り苦悩する姿を描く、実話に基づく驚愕のサスペンスドラマ」(パンフレットから)

 

早大男子チアリーディングチームSHOCKERS

カテゴリー: 体調/体力/運動/病気, 映画/テレビ/舞台

2019/06/09  23:32


 

男のチアリーディングチーム「ショッカーズ」

 

ダイナミズムが持ち味

 

コヤマドライビングスクール

 

日課の散歩の帰路、コヤマドライビングスクール(練馬区谷原1)石神井校に立ち寄った。パパルフェスティバルが開催されていた。在校生や卒業生で構成される会員クラブ「パパルクラブ」のお祭りだ。

コヤマドライビングスクール(渋谷区神泉町11)は昭和5年(1930)創業を伝統に東京・神奈川で二子玉川、成城、秋津、横浜、石神井の5校を展開する業界大手の自動車教習所。光が丘周辺を走っていると、コヤマの車が多くてびっくりするくらいだ。

1985年にCI(コーポレイト・アイデンティティ)経営に着手。それまで「暗い、恐い、ダサい」と言われた業界イメージを「明るく、楽しく、お洒落な」スクールに一新した。社員マナーの向上、女性インストラクターの大量採用などを行った。

ちょっとのぞきたかったのは早稲田大学の男子チアリーディングチームSHOCKERS(ショッカーズ)のチアのパフォーマンスだ。

約100年前にアメリカで応援から生まれたチアリーディングは時を経て1980年代には演技力を競い合う男女混成の競技スポーツに発展。日本でも体力と運動能力を要するスポーツとして認知されるようになった。

現在は「グラウンドの外の華」だったチアリーダーが競技の主役として活躍している。しかも、女子が中心だったチアに男子だけのチームも誕生するなど進化している。

SHOCKERSは2004年に生まれた早稲田大学男子チアリーディングチーム。世界的に珍しいが、今は男女の差はない。女のほうが美しいと思うが、男もあっても良いのかもしれない。男のチアを見たい人もいるのならそれはそれでいいのだろう。

パフォーマンスは短時間で、正直少し物足りなかった。来ていたのも”第一線級”でないのかもしれない。学生も次から次へと入れ変わる。まあそんなものの存在を生で知ることができただけでもコヤマドライビングスクールに感謝したい。

今はLGBT(Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender)の時代である。男のチアがあってもいい。少なくても否定はできない。

『空母いぶき』

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 映画/テレビ/舞台

2019/05/31  22:20


 

空母いぶき

 

作品:空母いぶき
原作:かわぐち・かいじ
監督:若松節朗
主演:航空機搭載型護衛艦(いずき)艦長・西島秀俊
同副長・佐々木蔵之介
P-Panel記者・本田翼

 

かわぐちかいじ原作の初の実写映画化。かわぐち氏は1948年7月27日生まれ、広島県出身。90年に潜水艦戦を描いた「沈黙の艦隊」、2002年に架空戦記の「ジパング」を発表。どちらも戦記物だ。

「空母いぶき」は2014年から『ビッグコミック』に連載中。いぶきは架空の航空機搭載型護衛艦の艦名だ。圧倒的描写とリアリティーで数多くの話題作を生み出してきた。

最近では漫画が原作のリアリティーの薄い映画が氾濫しているが、この映画にどれだけリアリティーを与えることができるかが最大の焦点だ。

それを何とか可能にしたのがCGの力だ。パンフレットに所載されている若松節朗監督とCGIプロデューサー(株式会社コラット)の米山和利氏の対談によると、特に潜水艦や魚雷の「海中」シーンの多くはCGが中心だった。

ほかにCG部分は「艦船を中心にした海上と戦闘機などの空、いぶきの甲板まわりもそうだった」という。海中シーンは一番時間をかけて長くやれそうなところだったという。

日本は現在、空母を保有していない。東アジア海域における領土争いの激化に対し、日本近海における新たな抑止力として戦後初めて航空機搭載型護衛艦「いぶき」を旗艦とする第5護衛隊群が編成されたというのは本作における架空の設定だ。

 

『ジュリアン』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/05/29  23:48


 

ジュリアン

 

作品:ジュリアン
監督:グザヴィエ・ルグラン
主演:レア・ドリュッケール
トーマス・ジオリア
ドゥニ・メノーシェ
2019年5月29日@飯田橋ギンレイホール

「両親が離婚し、母と姉の3人で暮らすことになった11歳の少年ジュリアン。しかし、離婚調停の結果、親権は共同となり、隔週の週末ごとに父親と過ごすことなる

DVや離婚によって揺れ動いた少年の苦悩と家族の運命を緊迫感張り詰めた展開で描いた社会派サスペンス」(ギンレイ通信Vol209)

 

 

日日是好日

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/05/13  21:26


 

 

 

作品名:『日々是好日』(にちにちこれこうじつ)
監督:大森立嗣
主演:黒木華
共演:樹木希林、田部未華子
2018年日本映画@飯田橋ギンレイホール

 

「20歳の大学生・典子は母からお茶を習うことを勧められる。気乗りしないまま、いとこの美智子に誘われて噂の茶道の先生(武田先生=樹木希林)に通い始める。

静かなお茶室で繰り広げられる風景と、茶道とともに人生を歩んだ女性の日々を瑞々しい四季の移ろいとともに綴った物語!」(ギンレイ通信Vol209)

エッセイスト森下典子が約25年間通った茶道教室の日々をつづったエッセイを黒木華を典子役を演じ、田部未華子を共演にし、映画化したもの。

本当にやりたいことを見つけるのは難しい。それを見つけられずにほんわかと生きていた典子だったが、母の勧めで流されるように茶道教室に通い出す。

見たことも聞いたこともない「決まりごと」だらけのお茶の世界に触れた典子は、それから20数年にわたって武田先生の下に通うことになり、就職、失恋、大切な人との死などを経験し、お茶や人生における大事なことに気がついていく。

武田先生は樹木希林が演じたが、公開前の2018年9月に他界した。

 

 

『山懐に抱かれて』

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2019/05/03  21:17


 

パンフレットに写った吉塚一家

 

北海道留萌郡小平町寧楽で作られたソーセージンを使ったホットドッグと山地酪農牛乳(カフェ「ポレポレ坐」)

 

作品名:『山懐(やまふところ)に抱かれて』
出演:吉塚家のみなさん
熊谷牧場の2人
監督・プロデューサー:遠藤隆(テレビ岩手)
2019年5月3日@ポレポレ東中野

 

この日はまず飯田橋ギンレイホールに行ったが、行列に並んだところ「立ち見です」との声が掛かった。話題作『万引き家族』の上映最終日だった。

次なる選択肢はポレポレ東中野で上映されているこの作品だった。平成30年度文化庁芸術祭賞テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞した作品である。同時にテレビ岩手開局50周年記念作品でもある。

岩手県下閉伊郡田野畑村。「みんなが幸せになる、おいしい牛乳をつくりたい」と、山の牧場を切り拓く父と母と7人の子どもたち。

理想の酪農「山地酪農」(やまちらくのう)の実現を胸に、東京農業大学卒業後すぐに千葉から田野畑へ移住した吉塚公雄(よしづか・きみお)はその後単独で牧場開拓を開始した。

プレハブの家でのランプ生活が続くなか、妻・登志子(としこ)との間に授かった7人の子どもたちとともに、山林を切り拓き、シバを植え、乳牛を放つ。

牛がのんびりと過ごし、自由に交配し、子牛を生み、牛乳が生み出され、糞尿を落とし、山が育ち、シバが再生され、それをまた牛が菜食する。これが植物学者の楢原恭爾(なおはら・きょうじ、1908~1987年)氏の唱える山地酪農だ。

大学在学中に猶原氏と出会い、山地酪農に人生をかける決心をし、卒業後、既に山地酪農を実践していた先輩の熊谷さんを頼って田野畑村に移住。自らの手で山を牧場に開拓し、熊谷牧場と二人三脚で「田野畑山地酪農牛乳」を創設した。

猶原氏と山地酪農に出会ったのは1971年、公雄が20歳のときだった。2019年の現在68歳。苦難の道だった。季節はめぐり、子どもたちも育っていく。

5男2女の7人の子どものうち、長女・都は吉塚牧場に来ていた実習生と結婚。のちに夫の母のいる岡山県へ移住。次男・恭次(きょうじ)は自らの酪農方法を見出し北海道中標津町で酪農を行っている。

頑固一徹の公雄には兄弟思いの優しい長男・公太郎(こうたろう)、営業を任せられている3男・純平(じゅんぺい)、台所にも立つ母思いの4男・勇志(ゆうし)、末っ子の5男・壮太(そうた)が父を支えている。