‘科学/技術/イノベーション’ カテゴリーのアーカイブ

東大レアース泥開発推進コンソーシアム活動報告会

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2018/10/30  15:38


 

全体報告する加藤泰浩教授

 

現在の主なレアアース製品群

 

 

 

コミュニテーセンターの前を闊歩する東大生(左手が福武ホール)

 

300年の歴史薫る東大の日本酒「淡青」好評発売中!(コミュニケーションセンター)

 

東京大学レアアース泥開発推進コンソーシアム(座長・加藤泰浩大学院工学系研究科教授)の第4年度活動報告会が30日、東大情報学環・福武ホール福武ラーニングシアター(地下2階)で開かれた。

小型ビジネスジェット「HondaJet」を日本で発売開始

カテゴリー: イノベーション/, 会見メモ, 科学/技術/イノベーション

2018/08/10  23:56


 

登壇した藤野道格社長

 

インスピレーションの湧いたコンセプトスケッチ

 

じっくりと話す藤野氏

 

Hondaの航空企業子会社ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HACI)は小型ビジネスジェット機「HondaJet」の日本での受注を開始した。それに当たって同社の藤野道格社長は日本記者クラブで会見した。

環境にやさしい「バイオプラスチック」

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2018/06/23  18:06


 

生き物が造り出す価値あるもの

 

東京大学農学部公開セミナーが6月23日(土)開かれた。あいにく雨が降り出す空模様だったが、多くの知的好奇心の旺盛な人たちが集まった。

 

これがちゃんと土に還るテラマック使用の手提げ袋

プログラムは①微生物が造り出す価値あるもの②バイオマスエネルギーの現状と課題③未来を拓け!環境にやさしいバイオプラスチック-の3つ。この3つ目のバイオプラスチックが原料が植物のテラマック。

テラマックは樹脂、繊維、フィルム、不織布などあらゆる形態に加工できる。ゴミ袋や手提げ袋、ティーバック、幼児食器。ユニチカ株式会社テラマック事業開発部が作っている。

プラスチックは石油から造られ、工学部の研究テーマだと思われる人が多いが、天然多糖類や植物油などのバイオマスからつくる農学部アプローチも存在することを知ってもらいたい。生物材料科学専攻の岩田忠久教授が講演した。

熱を入れると様々なものに成形加工できる。最大の特徴は軽くて丈夫で長持ちする。われわれの身の回りにはいろんなものがプラスチックで造られている。ペットボトルはすぐ分かるが、成分が同じものもある。

人間が使って捨てると環境に大きな影響を及ぼす。最近では小さく小さくなっていって魚が食べるなどマイクロプラスチックの問題がクローズアップされている。エリザベス英女王は今年2月、プラスチック製品不使用、フランスはスーパーのレジ袋を禁止する政策を導入した。

石油を原料とせずに植物を原料として新しいプラスチックを生み出していく。バイオプラスチックとは、環境中の微生物の分泌する分解酵素の働きにより二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」と、再生可能資源である植物バイオマスなどから微生物変換や化学変換の手法によって作られる「バイオマスプラスチック」との総称だ。

ワンショット3D形状測定機

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション

2018/06/21  21:37


 

三次元測定機(キーエンス)

 

 

 

THKのユニットビジネス

 

日本ものづくりワールド2018年のヘルスケア・医療機器開発展をのぞいた。東京ビッグサイト東西ホールを会場に同時開催されていた。3D&バーチャルリアリティ展や機械要素技術展も見た。結構疲れたが、面白かった。

上がキーエンスのワンショット三次元形状測定機。VR-5000。従来の測定機は対象物全体の凹凸状況が把握できず、感覚的な狙いでポイントを測るしかなく、測定値が安定しなかった。

ワンショット3D形状測定機は一瞬で対象物全体の凹凸状況をスキャンし、対象物の測りたいポイントを確実に捉える。面で測定できるのが特徴だ。

小さな部品から大きな製品まで幅広い業務に活用可能で、面全体を最速1秒という圧倒的なスピードで測定できる。

下の写真は次世代産業用ロボット「NEXTAGE」。THK(東京都港区芝浦)グループはTHKインテックスなどを含む。1972年にそれまで困難といわれていた機械の直線運動部の「ころがり化」を世界で初めて実用化させた「LMガイド」を開発し、東邦精工として製造・販売を開始した。

 

黒瀬ぶり/近代支援の食縁ぶり

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 食/食堂/レストラン

2017/12/30  19:44


 

これが「黒瀬ぶり」!

 

黒瀬ぶり

 

光が丘IMAの専門店街に魚屋は2軒ある。1軒は魚耕ホールディングス傘下魚耕(荻窪本店)の光が丘店、もう1軒は福岡県・博多に本社を持つ海星ムサシ(福岡市中央区)。魚耕は1951年(昭和26年)創業の4代目社長、海星ムサシは1994年(平成6年)創業だ。

魚耕は荻窪本店を中心として東京都、埼玉県、神奈川県に11店舗を展開、魚の正統派を名乗っている。海星ムサシは後発ながら全国展開し、鮮魚15店舗(精肉、惣菜、食品スーパーを含めると53店舗)を展開する大型店だ。

私は12月30日、初めて魚耕で活(かつ)じめ「黒瀬ぶり」を見た。日本水産が2004年1月に宮崎県串間市に設立した黒瀬水産による養殖ブリだ。これまでニッスイが培ってきた配合飼料の生産原料調達力や養殖魚に関する研究開発力を生かしたものだ。

ぶりの稚魚である体重2グラムの天然もじゃこを毎年4~5月ごろ、漁業者が捕獲し、志布志湾内の穏やかで清浄な海域に設けた専用養殖場で飼育した上で、秋になって1キロ前後に育った幼魚を湾内串間沖3キロの黒瀬漁場に移され、成魚になるまで育つ。これがニッスイのブランド商品である黒瀬ぶりだ。

一方で、黒瀬水産は2009年6月から夏向けに「黒瀬の若ぶり」の出荷を始めた。飼育した親魚から早期採卵した人工種苗技術をを活用した。これは光周期(昼と夜の長さの違い)や水温を操作できる水槽を使った研究で、これにより肉質の良い2歳魚がこれまでよりも1,2カ月早く水揚げできるようになった。

これまで冬が旬だったぶりの旬を夏にもっていくことを可能にした「黒瀬の若ぶり」を出荷できるようになった。これは画期的なことと思われる。

 

 

近畿大学支援による食縁ぶり

 

「食縁のブリ」は匂わないのが特徴で、魚嫌いの人にも食べてほしい新しい味だという

 

海星ムサシの陳列棚では近畿大学支援による食縁ぶりが売られていた。近大(大阪府東大阪市)は世界で初めてクロマグロ「近大マグロ」の完全養殖に成功したことで有名だが、同校の誇る養殖技術でマグロに次いで乗り出したのが完全養殖ぶりの生産だ。

株式会社「食縁」(社長は近大の有路昌彦教授、和歌山県新宮市)はブリを中心に養殖魚の成長を目指して新規市場開拓に取り組み、ブリの加工・販売を行っている6次産業化事業体・水産加工会社。近畿大学の種苗を使用して国内の養殖業者によって養殖した完全養殖ブリを自社工場でフィレに加工し、冷蔵・冷凍製品として国内外への販売を目指している。

近代支援で実現した「におわないブリ」はファミレス「ガスト」で6月15日~10月18日まで定食メニューに登場した。青魚特有の匂いを抑え、魚が苦手な人や外国人でも食べられるよう養殖方法を工夫した。

ブリの販売が飛躍的に向上することが期待できそう。

 

人と共生するロボット

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/21  22:01


 

人工筋肉で動くロボットアーム「ジャコメッテイアーム

 

一般社団法人蔵前工業会(東京工業大学同窓会)は、時宜に適した技術テーマを取り上げて「蔵前科学技術セミナー」を主催しているが、10月21日(土)に開かれた第37回は「人とロボットの近未来」の特集をテーマとする講演会を開催した。

人工知能やICT(Information and Communication Technology=情報通信科学)が活躍する近未来の社会では人と共生するロボットがどのような仕組みや原理で成り立っているかについて開発に携わっている専門家が分かりやすく解説した。

面白かったのは「生体の動きをロボットで模倣する」と題した中島求東工大工学院システム制御系教授の「イルカ型ロボットの開発」。イルカ(全長3m)は最高時速30km(ちなみにマグロは100キロとも160キロとも言われている)なのに比べ、原子力潜水艦(旧ソ連製アルファ型スーパー原潜、全長80m)は80km。体長比で言えば、イルカのほうが原潜より10倍くらい速い。

しかもイルカは流れをかき乱さないのでエネルギーロスも少ないのではないか。ジャンプしたり、すばやく方向転換する能力は原潜には到底できない。イルカの動きは非常にすぐれたものだ。それを応用することによって、これまでにない人工物ができる。推進力の源泉が尾ひれだが、三日月の形状である理由がいまだ分かっていない。

一方、遠藤玄東工大工学院機械系教授はヘビ型ロボットの開発状況を明らかにしながら、「廃炉支援ロボット」について話した。タマゴヘビというウズラの卵のみを餌にしている珍しいヘビ。丸ごと卵を飲み込んで殻だけを吐き出す特徴があり、つぶらな瞳はヘビ愛好家に人気。飼育日記をブログに公開している人もいるくらいだ。

このタマゴヘビは構造としては極めて単純ながら、多様な機能を持っている。日本固有種の無毒のシマヘビを油を撒いた床に置くと、アコーディオン式滑走をする。「くねり」を含め、蛇行推進など環境によってどういう動きをすればいいのかをヘビは考える。

我々は、ヘビのこうした動きを工学的に考えようとした。蛇行で進むメカニズムは水陸両用にも使える。2004年に東工大発ベンチャー「ハイボット」を立ち上げた。継続開発を進め、清水建設と共同で実用化。東京電力福島第1原発1号炉の検査に投入された。

ヘビを「アーム(腕)」として使用することも考えている。原子炉のデブリを取り出すために核燃料だけでなく、構造体もろとも溶けている。大変な状況で、誰も取り出し方が分からない。どこにありそうだということが最近になって分かり始めたのが現状。見にいくために長いアームを差し込む必要性があると研究を始めた。

 

 

2012年直後から、そうした長いアームを入れて中をみたらどうかというコンセプトを提案。長いアームを実現しようと思うと、片持ちになるので、非常に大きなモーメントが手元に働く。どれだけ大きなモーメントを支えるかが重要な課題。それを解決し、放射線に強いアームを完成した。

質疑応答で会場から何ができたら廃炉という開発目標を達成したと言えるのかについて質問があった。遠藤教授は、最初の工程表では「燃料デブリの取り出し方法を決めたい。そのためにはどこにあってどんな状態なのかを知りたい」だったが、「今も見つかっていないのが現状で、後ろ倒しになっている」と説明。「見つかってから技術開発をやらなければならない」とし、どんな状態であるかが分かった段階でも成果かなと思うと述べた。

「3号機で水の中にデブリがある写真が初めて撮れた。2号機はどこにあるか分からない。1号機はちょっとだけ写ったかなという感じだ。正直どこまで進んだら終わるのかは分かっていない」と述べた。

事故発生時には廃炉には30年から40年はかかると言われたが、今はあれから6年半経過している。今聞かれたら、本当なら24年から34年に終わると言わなければならないが、まだ「30年から40年」と言っている。これがどこまで続くか分からない。なるべく早く頑張るしかないと答えた。

燕三条トレードショウ2017

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/05  21:40


 

燕三条トレードショウ2017

 

 

キッチンツールのトング

 

 

備長炭入りちびくろちゃん

 

ドリップ用にぴったり

 

北陸自動車道のインター名は「三条燕IC」、片や上越新幹線の駅名は「燕三条駅」。外からこの地を訪れる人にとってはどちらが正しいのかよく分からない不親切さも塊だが、それには大きな遺恨の歴史があった。

新潟県の中央に位置する燕市は洋食器で有名だが、一方の三条市も包丁などの刃物産地として有名だ。江戸時代初期からは銅器やキセル、ヤスリ、矢立などを生み、明治になって金属洋食器、金属ハウスウエアなどの金物の町としてどちらも有名だが、燕の農民たちは金物を作っても直接販売することは禁止されていた。売買するのは三条に納めねばならず、三条商人は燕の品を買い叩き、恨みを買ったといわれる。(燕VS三条戦争)

そうした燕と三条の戦いを緩和するために考え出されたのが燕三条地場産業振興センター。両市の融和を図ったためだ。今はいろんなところと結び付かなければ勝てない時代だ。燕だ三条だと争っていてもどちらも埋没してしまう。グルーピングが必要だ。

金属加工のものづくりが盛んな県央地域のメーカー、卸業者が扱う製品をアピールする展示会「燕三条トレードショウ2017」が10月5日(木)、三条市の燕三条地場産業振興センターで開幕した。昨年の「燕三条卸メッセ」から名称を変更してメーカーも参加した。

数年前から一度どんなものか見たいと思っていたが、今年は日経新聞の朝刊に広告が出たので、出掛けて見る気になった。関越道が新潟県長岡市で北陸道に変わり、20数キロ先が目的地だった。3時間かかった。

 

嗅覚センサーの業界標準化を推進

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション

2017/10/04  23:13


 

mssを開発した物質・材料研究機構の吉川元起氏

 

mssフォーラム関係者

 

国立研究開発法人の物質・材料研究機構(NIMS)など7機関は、超小型センサー素子「MSS(Membrane type Surface stress Sensor=膜型表面応力センサー)」を用いた嗅覚loTセンサーの業界標準化推進に向けた活動を行う「MSSフォーラム」を11月1日に発足させる。

MSSとは、NIMS国際ナノアーキテクトニクス研究拠点の吉川元起氏を中心とした国際共同研究によって、2011年に開発されたセンサー素子。

山から木が出てこないのは「インフラ未整備」のため

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 科学/技術/イノベーション, 資源/エネルギー/環境

2017/09/27  23:15


 

仁多見俊夫東大大学院准教授

 

イワフジ工業の鈴木茂氏

 

三井物産フォレストの吉田正樹氏

 

第2部のディスカッション風景

 

NPO農都会議主催のバイオマスWG「林業技術の革新」を聞いた。国内では大型を中心としたバイオマス発電所の建設・計画が目白押しだが、これを補うのは過半が輸入だ。

日本の山々には放置された残材や未利用材がたくさんあり、利用の活性化が迫られている。山には木がたくさんあるのに、なぜ出てこないのか。本質的な議論が展開された。

3人のパネラーの中で特に面白かったのは三井物産フォレスト企画業務部長の吉田正樹氏。三井物産は日本国内74カ所で4万4000ヘクタールの森林を保有し、三井物産フォレストが山林管理を受託している。つまり社有林を管理し、21人の現業社員(チェーンソーをもって木を切ったり、下刈りをしたり、ハーベスターに乗っている)が山林用の苗木生産から丸太販売までを実施している。一般社員を含めた合計社員は67名。

日本の森林面積は約3730万haの国土の3分の2に当たる約2510万ha。その4万4000haは国土面積の千分の1(0.1%)の広さ。新幹線に乗って線路の両側100mが社有林だとすれば、どのような長さになるかと言えば、北海道の函館から熊本の水俣までの土地になる。

面積の8割が北海道にあるので、民間の持つ森林としては王子製紙19万ha、日本製紙9万ha、住友林業4万6000haに次ぐ日本4番目だ。

米国最大の森林企業であるウェアーハウザー(Weyerhaeuser)。川上の木材生産から川中の製材工場まで手掛けている大手企業。本社ワシントン州シアトル。所有面積は520万ha。国内山林保有企業トップ25社の合計は52万haだから、その10倍を1社で保有する。国土も広いが、「収益を生む基幹産業と捉えられている」(吉田氏)「先進国で林業でもうけない、黒字を達成できない国は日本くらいのものだ」(同)という。

商社が山林を取得した経緯について、旧三井物産が1911年に取得を開始した。炭鉱の坑木用が始まりだとか。戦前、北海道に東洋一野製材工場も確立され、川上から川下までサプライチェーンが確立した。

長期に社有林を保有することを2006年の経営会議で決定した。持続可能な森林の証しとして世界の森林認証FSCと日本の認証であるSGECの両方を三井物産は取得している。

平成25年度森林・林業白書によれば、日本の森林蓄積は人工林を中心に年間約1億㎥蓄積増加。木材資源を余すこと無く使い切る「カスケード利用」を行っている。年間5万~6万㎥伐採し、仕入れ材を含め9万~10万㎥の丸太を当社で取り扱っている。ほとんどが北海道産で、内地はその端数みたいな感じ。

北海道では今年4月28日に「苫小牧バイオマス発電所」(5900KW=5.9MW)が稼働した。燃料の木質チップは北海道に約3万5000ha保有する林地未利用木材で全量を賄う。三井物産が40%を出資し、残りは地元の林業事業体イワクラ、住友林業、北海道ガスが各20%を出資する。

北海道は林業先進地として植える、育てる、切る、使うという林業のサイクルが回っている中で、バイオマス発電の出現でA材、B材、C材、D材といったカスケード利用が進んた。北海道では消費の底上げが進んだが、一方内地の山林ではどうなのか。

付加価値の推移を見ると、昭和55年(1980)は木材がピークだった頃。山元立木価格は2万2000円、丸太価格は3万8000円、製材品価格は6万8000円。それが28年後の平成20年(2008)には13%の3100円、30%の1万1000円、61%の4万2000円となっている。山元価格の減少が著しい。

吉田氏は、「もう少し山元業者にもうけさせてくれませんか」「全部、山元にしわ寄せが来ている。丸太を出す意欲もなくしてしまって、そのまま膝を抱えているのが全国的な零細な山林所有者」と指摘した。

山元としては付加価値を上げて売り上げを伸ばすか、コストを下げる対応しかない。

蓄積が年間1億㎥も増えているのに、なぜ山から木が出ないのか。「山元価格の減少からみれば、経済合理性がないだけ。生産コストを下げ、販売代金を上げていくしかないが、この数式がうまくいかない」。これが結論だ。

バイオマス用にまで経費を掛ける余裕は山元にはない。内地では林内に放置している。そのままにしてある。取りに来てくれ。山渡しだ。

基本のインフラ。山からの搬出林道の整備だ。利用期に差し掛かった山林を積極的に伐採して資源の循環を図ろうという気持ちはあるが、「広域基幹林道」(延長約20km)。全通していない。プラスαの材が出ていかない。

林業を成長産業としたいならば、地域活性化に資するインフラの後押しがなければならない。一企業で賄うコストではない。バイオマス発電所に国産材の供給を続けるのは容易ではない。1つの県に5MWでもできると、全県一丸となってCD材を集荷しなければならない。いくつもできると一体どのように集荷するのか。何で山から出てこないのかと言われる。

山側と発電所側の需給のアンバランス解消するためにも、自分たちの伐採量は一瞬で燃えるようなものでしかない。地域を含めたインフラ整備が安定供給体制の構築の中で必要だ。

一度いまの状況がずっと続いて、もしかして国産材のcd材が需要開拓できなくて、輸入燃料にシフトできると、これを盛り返す体力はないのではないか。機械も集材方法もそういうふうなことのできる大規模なインフラ整備が前提ではないか。

山林を評価する言葉に「出しのいい山と出のいい山」がある。「出しのい山」というのはインフラがいい。集運材コストが低い。しかし、それは50年くらいで無くなる。出しの悪い山を開拓していかなければだめだ。「出が良い」というのは成長が良い。両方兼ね備えているのがベスト。

広域林道のような基幹となる林道が開設されていくと、その周辺の集荷地域というのがくすんでいる地域からバラ色に変わる。民間が林道を付けてくれた例を見た。それによって周辺地域が活性化した。「風力発電の資材運搬道」だった。山元は大歓迎だ。自分でできないのをよそのお金でできる。羨まし限りだ。

川上は搬出コストの削減と付加価値の増大に努力していく。

 

 

農業の新たなビジネスチャンス

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2017/09/15  20:27


 

熱弁を振るう三輪泰史氏

 

ABJ(アグリビジネスジャパン)カンファレンスセミナー会場は3日目の15日(金)も盛会だった。14時からは日本総合研究所創発戦略センターのシニアスペシャリスト(農学)、三輪泰史氏が「loT とAIが生み出す農業の新たなビジネスチャンス」と題して講演した。

loTとAIを使ったスマート農業がなぜ今注目されているのか。これからどう生かされるのか。

食料需給率(カロリーベース)の低下、農業就業人口の減少、耕作放棄地の増加、生産力低下など日本の農業の指標を一つずつ見ていくと、すべてお先真っ暗。だから弱いよね、補助金で守らないといけないと言ってきたのが実情だ。守ってきた行き着き先が今の現状だ。

三輪氏はこのような数字を見て嘆くのはもうやめようと主張した。シンクタンク的な目線から言うと、これらの指標を組み合わせることによって何がチャンスがあるのではないか。農業者が減っていることは一戸当たりの農業面積は増える。その部分に光明を見出す。スマート農業にスポットライトを当てる時代ではないか。