‘経済/デリバティブ’ カテゴリーのアーカイブ

「迷ったら茨の道を行け」佐田展隆社長

カテゴリー: 経済/デリバティブ, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2019/02/04  23:25


 

紳士服業界に旋風を巻き起こす佐田展隆SADA社長

 

大手寡占のスーツ業界に風穴をあけた「オーダースーツSADA」V字回復の奇跡を株式会社佐田の佐田展隆社長が4日、企業価値フォーラムで事例発表した。

佐田社長は昨年12月、『迷ったら茨の道を行け~汗と涙の経営実践指南書~』(ダイヤモンド社)から出版し、現実にあった中小企業再生劇を公開した。メディアを巻き込んだ戦略や社長が率先して行う販促活動など面白いと思えば面白い。つまらないと言えばつまらない。

しかし、売り上げの半分を占める大手得意先の倒産。大赤字。売り上げを超える有利子負債。莫大な金利。親子闘争。幹部社員の離脱。金融機関からの厳しい追及・父親の自己破産。再生ファンドへの会社売却。社長追放。東日本大震災での自社工場被災。再びの大赤字。父親の後を託された若き4代目経営者。これだけのテーマが並ぶ。話を聞いてみてもいいだろう。

佐田氏は1974年東京生まれ。一橋大学経済学部卒。高校までサッカー部、大学時代はノルディック複合選手の体育会系。大学卒業後、東レでテキスタイル営業。

2003年、父に乞われ、株式会社佐田入社。05年、代表取締役社長就任。バブル時代の大手取引先そごう倒産の傷跡が深く、破綻寸前の企業を黒字化するも、莫大な有利子負債は如何ともしがたく、07年、金融機関の債権放棄とともに、会社を再生ファンドに譲渡。

08年、引き継ぎを終え佐田を退社。しかし、リーマンショックで再生ファンドが解散となり、会社の所有権は転々とする。そこへ東日本大震災が起こり仙台工場が被災し、会社の引き受け手がいなくなった。11年7月に再々生のため呼び戻される。

12年に社長に復帰し、仙台と北京に工場をもつオーダースーツの工場直販事業強化を柱に、直営店による小売業も強化。企業改革を進め、3期連続増収増益を達成し業績を安定化させた。以後も売り上げの拡大を継続。現在では自社をオーダースーツチェーン店舗数日本一に成長させる。

自身が広告塔だ。自社オーダースーツPRのため、自社スーツをまとい、スキージャンプを飛ぶ。富士山に登る。東京マラソンを走る等のチャレンジを行っている。現在、全国に49店舗を持つ製販一体のオーダースーツ会社として業容を拡大している。

現在サッカーJリーグの9チームやバスケ日本代表、プロ野球球団へもオーダースーツを提供するなど品質には高い評価を得ている。

座右の銘は高杉晋作の辞世の句「おもしろき こともなき世を おもしろく」。どうやら私と同じのようである。

「オーダースーツのSADA」と言われてもピンとこない。既成スーツはメーカーが一定規格で大量生産したスーツのこと。DIFFERENCE新宿南口店エリアマネージャーの杉原一臣氏によると、吊るしのスーツがこのタイプ。手軽な完成した状態で売られており、必要なときにすぐ購入できるし、価格も安い。

ただ既製服もデメリットがある。標準体型から外れている人にとっては制限があるし、品質面でもオーダーメイドに比べ生地や縫製のクオリティーを落としているケースもあるからだ。

オーダースーツのメリットは自分の体型に合ったスーツを作れること。自分の好きな生地やデザインを選んでスーツを作れることもOKだ。一度作ってしまえばあとは簡単にオーダーできる。

オーダースーツには3つのオーダー方法が存在する。最も高価なのがフルオーダー。オリジナルの型紙を起こすところから工程が始まるため、完全にオリジナルの一着を作れる。

一方、パターンオーダーはほとんど既製品を選ぶ感覚で作れる。用意されたサンプルの中から自分の体に近いものを選び、着丈などの細かい部分を調整して仕上げるオーダー方法だ。

あらかじめ決められた型紙を使い、工場で大量生産される。価格も安く、仕上がりも早いのが特徴だ。既製品と同じく標準体型に合わせて作った型紙を使うため、よりフィット感のある既製スーツを求めている人に向いている。

フルオーダーとパターンオーダーの中間に当たるのがイージーオーダー。あらかじめ何種類かの型が決まっていて、各自の体に合わせて新しい型紙を起こすようなことはしない。しかし、体型に合わせてCADシステムや手書きで型紙を修正し、それに合わせてスーツを仕立てる。比較的手頃な価格で各自の体型に合ったスーツを仕立てられるのがメリットだ。

「はやりを作るのが仕事」VIDA Corporation社長

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 経済/デリバティブ

  19:45


VIDA Corporationの杉本大社長

 

2019年度上期企業価値フォーラムが4日、パレスホテル東京で開催され、認定企業3社の社長が事例を報告した。経済産業省中小企業庁と中小企業基盤整備機構が後援している。

同フォーラムは早稲田大学商学部を卒業し、三菱レイヨン、日本経営合理化協会を経て2009年にコンサルタントしとして独立した武井則夫氏が設立した企業価値協会が開催している。

中堅中小企業が対象に、自社が持つ特徴的価値の発見(価値認定)、広報(メディア交流)、進化(活性化)を支援する業務を行っている。

具体的には認定企業を選定し、年2回の認定式を開催。企業とメディアをつなげる業務を行っている。認定を受けると、メディアとのパイプができ、取り上げられる機会が増える。今はテレビの威力が大きいが、テレビ局の記者は「必ず新聞記事を持って取材にくる」(佐田展隆・佐田社長)という。

最初に登壇したのは29歳で創業したVIDA Corporationの杉本大社長。2005年設立。vidaはポルトガル語でライフスタイルの意味。カー用品総合専門店のオートバックスセブンに入社し、米たばこ会社のフィリップモリスジャパンに転職した。創業するのが目的だった。

・車好きの人ばかりだったオートバックスで居酒屋にいったときに、自分が飲みやすい店、先輩と話やすい店をつくろうと思った。「無の空間を笑える空間に変貌させたい」。自分の使い勝手の良い会社を作ろうと思ったのが内装工事業を始めたのがきっかけだ。建築や不動産の勉強をしていたわけでもないが、自分のやりたいことを先に決めた。ポルトガル語のライフスタイルという言葉はそこからきている。

・グループ企業4社で「空間価値を創造する」のがビジネスモデル。物件を探す(不動産仲介業=VIDAマネジメントサービス)、店舗を造る(VIDA Corporation=内装工事業)、守る(VIDAメンテサービス)。それと海外出店サポートのVIDAデザインインターナショナル)。1個ずつだと売り切り商売で終わる。毎回新しい客を開拓しなければならない。新しい商材を作らなければならない。この3つをつなぐことでスポットの仕事からストップの仕事に移行。点から線を作っていく。

・グループ会社が大きくなることで円も大きくなる。8000社の顧客リストを持っている。これが成長基盤であり、大きなビジネスモデルになっている。

・2Dではなく3Dで組織図を見る。・総務・人事など管理系の部署を1つ置く。真ん中に1つを作ることによってビジョンの共有を行う管理体制をとる。

・理念の創造として「ハッピーの創造」。社員数50人。創業して10年間は自分の考えできたが、10年後以降は社員のハッピーを具現化する。

・「うどんやを造ってくれ」といわれた際にうどんやをつくるだけなら単なる請負業。頼まれたことを形にするだけ。価格競争に飲み込まれていく。わたしたちなりの味付けをし物事を生み出す提案をする。これをかなえるためにビジネス自体をデザインする。こうしていったほうがうどんが売れるんじゃないですか。こうやってレイアウト組んだほうが効率が良いのではないか。われわれの提案を付け加えることによってビジネスをもっとうまくするためにデザインする。

・その行為論で不動産を紹介したり、その行為論で設計をしたり、その行為論でメインテナンスを行う。行為で稼ぐのではなく、目的で稼ぐ。そうした体制を強化していきたい。

・小型案件(1~10店舗)から中型案件(11~50店舗)を主戦場としている。小型案件は店長をやりながら社長をやっている。コンテンツはあるが、店舗の広げ方が分からない。自分で不動産を見つけにいけない。この小型案件を中規模に持ち上げていく。

・この小規模なラーメン屋やうどん屋に対して一気通貫でやれますよという会社は存在していない。ここがわれわれの主戦場となっている。

・東京は1つのマーケットプレース。名古屋から東京に出てきた居酒屋(新時代)。名古屋のコンテンツが売り。札幌のお好みやや岩手のそばやが東京出店。東京で名をはせたイタリアンが全国に出て行く。東京新橋で生まれたQueen of Chickensが長岡、京都、大阪と全国展開中だ。東京で認知度を上げることによって地方でも経営したい。地方から強いコンテンツが東京にきて東京でブランディングをかけるビジネスを支援し多角展開していく。

・外食産業もアパレル産業も人口の多い国で出て行く。進出をしやすい受け皿にもなっている。千房は上海に進出している。

・農林水産省とがっつりタッグを組んでいる。米や肉などの国内消費量が減っていく。海外で和食店を作って一次産業を世界に輸出する。外貨を稼ぐ。VIDAがサポート。日本食料理人の海外展開支援事業、日本食サポーター認定制度、調理師技能認定制度の3つを農水省から受託している。農水省との枠組みの中で取り組みができているのは国内ではVIDAだけだ。

・国内では都市部に出て行くか、海外に出て行くか。都市部は競争が激化している。ブルーオーシャンを目指す人も多い。2018年は300人がセミナーに参加した。すべて助成金で賄っている。テストマーケティング、立地調査、渡航費、ホテル代、セミナー費用も税金で賄っている。いわば「味見」だ。

・「なんちゃって寿司屋」などが海外にはたくさんある。競合・類似品との差別化を図るために農水省はロゴ認定マークを出している。日本の農水省が認定した食材を使っている店。

・退店も多い。主因は従業員の雇用が維持できない。修了証を出す。フレンチやイタリアンも出しており、それの農水省版。やめるタームをどう長くするか。1年ではなく3年。海外戦略の支援をしている。今時点ではわれわれだけだ。

・世界各地に商業施設を50個所ほど作りたい。中国福建省福州の中城大洋百貨内にジャパンフードタウン。和食は世界で名の通った食べ物。日本のカルチャーに興味を持った人が集まってくる。集客の武器として和食を使う。

・日本文化を知ってもらって、その国の文化をもっとハッピーにしてもらう。和食を知ってもらってハッピーのなってもらう。日本カルチャーの幸せのお裾分け。そこでテストマーケティングしてリアルマーケティングの場を構築していきたい。これが海外戦略の1つだ。

・ロシアやドバイ万博(2020)。和食ももっと知りたい。ロシアの平均寿命は約58歳。寒いし味の濃いものを食べる。味噌や納豆などに興味持っている。長生きしたい思いが強い。「和食を食べれば長寿になれる」というイメージが海外では強い。マレーシア、台湾など。

・外国人労働者の雇用が4月以降増える。3~4万人。労働環境の進化が求められる。工場の設計はこれまで作業場という捉え方をしていたが、効率重視だった。労働環境も改善が求められる。工場の作り方に対する注文も増えている。

・過去にやったことのないことにどうチャンレンジしていくかが重要だ。過去の実績から積み上げて物事を考えるのではなく、時代を横軸でみて、今年は何がはやってどう動くのか。来年のトレンドは何か。毎日ミーティングを行っている。

・ある編集者は「はやりやムーブメントに乗るのは私たちの仕事ではない。それを作るのが自分たちの仕事だ」。VIDAグループも「ムーブメントをいろいろ提供していって楽しみに変えていき、今後も事業を進めていきたい」。

「世界経済も鈍化すれど、景気後退には陥るまい」門間一夫氏

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2019/01/15  23:21


 

今年最初に登壇した門間みずほ総研エグゼクティブエコノミスト(ピンボケですみません)

 

ゲスト:門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミスト
テーマ:2019年の経済展望
2019年1月15日@日本記者クラブ

 

門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストが1月15日、「2019年の経済展望」と題して日本記者クラブで話した。同氏は日銀の元調査統計局長、理事。

・世界経済は2017年が非常に良かった。実質GDPで1.9%成長。18年は反動で0.9%成長(みずほ総研予測値)にとどまった。19年は普通の状態に戻る。あわてないこと、あまり悲観的になる必要はない。

・18年の世界経済の調整色は強まり、この先もう一段強まっていく可能性は高いものの、景気後退など深い調整までは至らない可能性のほうが高い。

・米国は難しい判断にきている。利上げするかしないのか米連邦準備制度理事会(FRB)は白紙だと思う。白紙の状態を出しながら、それをどう表現するかは実にチャレンジングだ。

・パウエルFRB総裁はFOMC(FRB幹部と地区連銀総裁からなる金融政策を決める委員会)で毎回会見を開く。昨年は8回中4回だった。ノイズとなるかどうか。物価だけみて政策を運営していいのか。金融面での不均衡も注目する必要がある。

・ユーロ圏の成長率は17年は予想を上回る好調ぶりを示したが、18年は反動もあって減速。イタリアではポピュリスト政権の下で財政支出の増大圧力が強く、市場金利の上昇要因となっている。フランスも最近ややそうした動き。

・コア・インフレ率は1%近辺で横ばい圏内にあり、インフレ目標である「2%近く」まで着実に上がるかどうか不確実性は大きい。欧州中央銀行(ECB)は19年夏まで現状の政策金利を据え置く姿勢を明確にしているが、その後利上げを実現できるかどうかは物価情勢次第の面が大きい。

・中国経済は減速傾向が次第にはっきりしてきている。減速の背景は①企業の過剰債務への政策的な取り組み②米国との摩擦-などでもう少し悪化しそう。最近目立つのは自動車販売で、18年は28年ぶりにマイナスとなった。米中対立の激化に伴う消費者コンフィデンスの低下を反映している。

・中国の企業債務はGDP比で200%を超える水準だ。この水準に達した国(日本、スペイン)はその後バブルが崩壊した。国家資本主義だから、面子もある。中国政府も急速に落とすのではなく、さじ加減が難しい。危機感を持って取り組んでいる。債務の調整が進めば当面の成長には鈍化要因になるが、成長の持続性にはプラス。

・世界2位の国で18~23年は5.7%成長。これはすごいが、人口も減少過程に入っていくし、産業構造の変換も大変だ。「安くて低賃金」で稼ぐのではなく、世界最先端の技術で稼ぐと「製造2025」でうたったが、これが米国の逆鱗に触れている。産業変革の重要性を認識しているものの、米国から「それをやるな」と言われ、板挟みになっている。債務以外にも重要な問題が多い。

・日本は16年半ばから17年にかけてが非常に良かった。中国の投資需要、半導体関連の需要急増などを中心に輸出・生産とも力強く伸びていたが、18年入り後は一服。反動がきている。世界とつながっており、中国向け輸出が減速している。

・中国向け輸出は17年が絶好調だった。工作機械の受注は倍増していた。18年はその反動が出ており、前年比のマイナス幅が拡大してきている。これが起こるのはある意味でしようがない。

・半導体はデータセンターや自動車向けなどの新市場拡大もあり、第4次半導体革命。スーパーサイクルとか景気のよい言葉がはびこった。長期的な見通しは引き続き良好ながら、足下は減速。メモリーやフラットパネルのための設備投資も世界的に一服してきたため、製造装置の販売は高水準ながら頭打ち感が出ている。

・東京エレクトロンは冬のボーナスだけで280万円。今年はアゲインストになってくる。世界経済はいろんなことが起きていて、トランプだけが悪いわけではない。

・景気拡大の期間は19年1月で戦後最長となる。「実感がない」とおっしゃるが、当たり前で「低空飛行」。いざなぎ景気のときも実感がないといわれてきた。それより低い。潜在成長率の対比でいうと、日本は相当頑張っている。これで実感がないんだったら、実感のある景気はもう日本にはこない。

・「景気」という言葉はもう使わないほうがいい。「景気が良い」というと、それに合う実感のときはもうないわけですから、世の中にないことにいつまでも拘っていてもしようがない。「景気が良い」とか「景気が悪い」とかもう言わない。

「貿易でも米国につぶされた30年」斉藤惇氏

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2018/12/04  19:38


 

日本は確実に貧しくなったと語る斉藤惇CEO

 

ゲスト:斉藤惇元日本取引所グループCEO
テーマ:平成とは何だったのか⑭「バブルの崩壊と再生」
2018年12月4日@日本記者クラブ

斉藤惇(さいとう・あつし)元日本取引所グループCEOが「バブルの崩壊と再生」について語った。

・日本はバブルを作らされ、破壊されたあとも立ち直ることができない。デザインができない。

・規制緩和。市場が莫大に広がっていく。構造的インフレに入った。債券の先物とかオプション導入の張本人が私だ。あらゆる流動性のないモノを証券化して販売する。逆に言うと流動性を付ける。金や石油、最も流動性のない不動産などを証券化することによって流動性を付ける。

・そのバックはそこに正しい理論価格を付けることだった。米国にいたときに盛んにそれを教えられ、ディスカウントバリューの作り方、現在価値の計算、不動産のバリュエーション。不動産を借りている人が払う家賃を金利とする債券を作ったが、日本ではそういう理論が普及していなかった。あそこの土地がいくらだから、ここの土地はいくらだ、という路線価格ベースだった。

・日本のジャブジャブのお金が結果的にできたわけだが、それをジャブジャブに持っていたのは日本の生保。ザ生保が世界に通じた。東証の時価総額を並べられると、トップから30番目くらいまで日本の金融機関がずらり並んだ。世界を全く席巻する姿が見えた。

・いま同じような表を眺めると、27番目のほうにトヨタが1社ポンとあるだけで、日本の日も出てこない。ほとんどがアメリカ、ちょっと中国、スイス、韓国というのが時価総額トップ30の姿だ。

・英シティーではジャパンマネーが世界を席巻してしまうと恐怖感を持って語られ、米ウォール街でも「お前らの最終ターゲットは何だ。世界を支配したいのか」という質問をしていた。私は米国野村證券にいたが、一支店が1400億円も利益を出すことに、彼らは「何をこいつら(日本の金融機関は)やっているんだ」と日本を大変怖がっていた。

・メリル・リンチ本社ビルとかCMEビル(シカゴ)とかエクソンモービルなども証券化したし、東ドイツでさえホテルとして買うほど。「ジャパンマネー」一色だった。ロンドンのウオーターフロントは兆円単位の開発だったが、「日本のマネーが1兆円ほどほしい」といわれ、いい気になっていた。

・振り返って見ると、米国からの内需喚起政策、強烈な貿易規制、クリントン大統領を中心に数量規制をやり始めた。構造協議の前は自動車が160万台から230万になっていたのを再び180万台に規制された。これ以上輸出したらだめだと言われ、日本政府はこれを呑んだ。トヨタは賢いリアクションをやって、アメリカにでかい工場をどんどん作り、うまく対応した。

・日本から輸出しようとするものはみんなブロックされた。半導体も64Kビット当たりで米半導体業界がダンピングしていると言い出した。強烈な半導体交渉を始めた。NECや富士通が拠点になると勢いだったが、20%以上の輸出はだめ。その間に米半導体業界は日本で20%、30%とシェアを上げていく。ブッシュが使ったのはスーパー301条だから似てる。

・トランプが米国ファーストと言うと、「ひどい大統領だ」と言われるが、私は米大統領は初代からずっと米ファーストだと思う。米ファーストじゃないと思う方がおかしい。米国に立ち向かったら、真剣になってたたき潰しにくる。日本はその歴史を戦争に次いで今度は貿易で徹底的にあった。これが平成だと思う。

・海部首相が10年間で430兆円の投資計画を作ってこれがバブルスタートとなった。1994年に村山内閣が社会資本整備費として200兆円を積み上げた。10年と言えども、630兆円というとんでもない金額の内需喚起予算を立てて、これがジャブジャブこの辺に出てきた。これが平成の後半の結果になる。

・米国は輸入規制で米消費者を犠牲にして米メーカーを守った。しかし、GM以外は守ったために強くなれなかった。米半導体協会(SIA)が政府に訴えて日米半導体協定を結んだ。これが日本の今日のAI時代というか半導体時代

・東芝没落は経営ミスだが、フラッシュメモリを1984年に発明したのは東芝社員の舛岡富士夫氏。彼は「フラッシュメモリは将来のためである」と言ったが、彼を逆に左遷し東北大学に追いやった。その時に近づいたのがサムスンとインテルで「フラッシュメモリはすごい」。巨額の設備投資が必要だった。サムスンの大戦略商品になった。

・リチウムイオン二次電池も旭化成の吉野彰氏が開発されたものですし、QRコードはデンソーの原昌宏氏が開発したものだ。非常に残念なのは世界を席巻する商品はほとんどが日本人が開発したものだ。リチウムもパナソニックも頑張っているものの、中国に抜かれた。

・政治、経済、技術をベースにした世界的な渦が巻いて、最終的には政府間交渉が来るのだが、やむを得ない場面もあるんだが、ほとんど米国の主張を受け入れた。結果的に日本の技術をベースにする産業が育たなくて自らだんだん戦略を喪失していったのが平成の印象がある。

・米国はガルブレイスが予想した通りリーマン危機が起こったが、不正会計をやった。邦銀は相対的にひどい状況ではなかった。

・産業再生機構は国ではないが、「国だ」とすぐ折れる。「しようがないですね」。これをみて怖いなと思った。この切れ味を覚えると人間がだめになる。ひれ伏す。使命感がないと国のお金を易々と民間に使ってはならない。5年の時限立法。

・1兆円のクレジットを設定する。どこよりも低金利でうちから借りてくれと銀行は競争していた。それを投資してやった。利益が800億円程度出た。クレジットは使ったが、現金は使わなかった。国の機関としてこれほど利益が出たのは初めて。これは危ないなと思った。変な集まりの集団に変わってしまう。

・私の平成というもののイメージは世界を股にかけて激しい仕事をした。日本の位置づけがぐんぐん上がっていったが、背景は本当は地政学的な動きから出てきたオーバーフローしたキャッシュの行き所の処理であって、それが日本の銀行をヒットして幾つもの銀行は去らざるを得なくなった。その辺をしっかり読みながら次の政策を打てた企業とそうでない企業、あるいは日本自体がどういう構造の国にするかとデザインできていなかった。

・AIは大きく落ちるし、ロボットもドイツ、中国、アメリカに技術的にも抜かれ始めている。どういう時代が来るからどういう人材をどう育てるか。人口動態も誰でも分かっていた。アタリ氏が朝食会で「Japanese is foolish」と言った。日本の問題は何かと聞いたら人口問題だ。みんな言う。対策は言ったら、女性の担当大臣を作った。どういう政策があるのか。

・フランスには人口というのは力だというのがものすごくある。国力減退の第一歩。教育機会とか援助。子どもを促進するための税制度を作っている。3人作れば、所得税払わなくていい。結婚をしなくても同棲をして3人くらい子ども育てる。そういう人がたくさんいる。バースレートは2ぐらい。正式結婚で子ども3人は意外に少ない。30年から40年かかる。そういう計画が日本にはない。常にパッチワークだ。保育園作っても子どもは増えないぞ。深読みの大きな政策が欠けた平成であったかな。

・70歳定年でも30年あるいは35年の年金生活。危ない。将来をキャリーオーバーした平成だったかなという感想。

・野村はかなり積極的にグローバル展開した。ny支店も20人くらいの日本人が2000人の米国人を雇っていた。ああいうことがなかりせば、ひょっとしたらひょっとしたかな。ウォール街で相当の位置づけになったかもしれない。ゴールドマンといい勝負していた。互角勝負。別の事件で縮小せざるを得なかったが、世界に旗を立てるのが野村の夢だった。失敗した。誇れるものはほとんどない。再生機構の社員は気持ち良かった。ピカピカの人材が必死で働く。「ここで日本が沈んだら日本はおしまいだ」が使命だった。不良債権が8%あったが、これを1%に減らそうという使命感だった。

・日本が取り組むべきだったのはやはり人口問題。フラットにするということと教育の形。縦割り的な大学ではとても勝てない。グループとして国家として勝てない。アジアの優秀な生徒は東京に来る魅力ある制度が必要だった。ハーバード大学の教授は卒業生が20%程度。世界から良い先生を引っ張ってくる。大学のレベルを上げる競争をしている。ハーバード大を出ているから同大の先生に自動的にはなれない。日本の一流の大学はほとんどが卒業生で、しかも縦割りだ。横の連絡がない。これでは勝てない。リベラル、オープンにする。

・純粋に日本人だけでやるのもいいが、自分を守ってくれるのはパスポートだけ。私を守ってくれるのは菊の旅券しかない。どの国だってそうだ。現実を知って、深い発想をしないと言葉で遊んでいることがこの国は今も多い。痛みの伴う、しかし将来は改革になるかもしれない政策は非常に不人気だ。本当の意味での国家計画を立てていかなければならないと思う。

・利益性がない。何を比べても米国に追いつかない。大分良くなってきたが、企業経営を何のためにやっているのか。社会のためという経営者が多く、リスペクトされるが、社会のためなら利益を出さなければだめだ。税金もたくさん納め、人もたくさん採用するのが社会のため。企業を経営する人の倫理だ。利益もあまり、銀行からお金を借りてリスクマネーかノンリスクマネーかも分からない状況でマーケットシェアだけ取りに行くロープロフィットマージンの経営が結局株も上げなかった。あれは株高は株屋がやるものだとリンケージが切れている。

・株というのはインディケーター。完全に指数なんで長期的にみたら企業の利益の正しい姿を表していく。ですから我々が舞い上がったときは3万8000円、総額600兆円。ny証券市場は470兆円。今相手は3000兆円。日本はまだ700兆円。この差だ。これだけ日本は相対的に米国あるいは世界に対して貧しくなっている。決して豊かになっていない。貧しさという点では本当にみんな思うほど豊かではない。若者の給料が200万円、300万円だが、米国ではちょっとした人でも大学を卒業しただけで1000万円単位。そういう時代になっているのに、利益を出すことを卑下する感覚が強かった。配当を上げる。結果的に利益が出ないから賃金も上がらない。

・マクロ的にどーんと伸びていくときにはグループでうまくいった。ある程度まで達して個別利益の段階に入ったときに幹をなくしてしまった。皮肉なことに米国の工場の生産性改善の理論はトヨタだ。トヨタの看板方式を理論化している。大学や識者がそう言っている。アマゾンのビジネスモデルは典型的な日本が昔やったシェア主義。ものすごい借金をしてもうからなくてもシェアを取りに行く。非常に計画的にやったために競争相手が競争できないくらいまでシェアを抑えた。

・工業技術と同じように経営技術も意外と日本にもあった。アメリカの場合はビジネススクールの教授とかコンサルタントファームやプライベートファンドあたりが一緒になって理論化して普遍化する。トヨタの看板方式は自動車生産だけでなくリテールや国の経営などありとあらゆるところに使われている。これがアメリカの工場の生産性を上げている。

・一番普遍化しているのは日本ではトヨタしかなくて、アメリカは日本から学ぶものはないという言い方をしている。オリジナルはそういうこと。非常に残念。国内景気的に見ると、もっと利益を追わないといけないと思う。

・安倍さんは現実的な政治という点では非常にポイントを突いた政策を出している。しかし既得権益勢力に打ち返されて忸怩たるものがあるだろう。医療全体では上がる。そのために設計が必要だ。

・日本人はコンピューターとかAIとか言っているが、一番向かないじゃないか。例えば住所。東京都中央区内幸町1丁目1番地を1-1-1と書いたりしている。こんな国はない。外国から見ると、非常に非効率国民だ。不可思議に思う。数字だけでなくローマ字や漢字が入る。機械のスピードが違う。交通信号もずっと青信号。日本はガチャガチャと詰まる。これで交通事故がないんだよ。走れないようにすることで交通事故を減らす。交通事故のない警察官の点数は高い。どうやって車をガンガン走らせないか。これが警察官のアイデア。ジグザグジグザグ。ものすごく不経済だ。

・シカゴの高速では詰まる。何をやるかと言うと、こっちへこいと側道を走らせる。日本はおまわりさんは隠れて捕まえる。こういうことなんですよ。これがいろんなことにある。日本の制度、行政、考え方。既得権益にそういうものが出てくる。全体を大きくするためにはどうしたらいいか。論議してプランを作っておく。それぞれに任せると縦割りがひどい。おまわりさんは中央区の点数。そうじゃない。何時から何時までは車が混むので道を流してやることをきちっと決める。そういうことをやっていく。

・AIの時代だ。数字で決まっている。0-1,0-1の数字でカクカク。この数字に乗らないと非常に不合理だ。それが経営なんかにも現れている。

・M&Aは日本人がトップじゃなければいけないという考え方。これ無理ですよ。マーケット自体が落ちている中で、大きくなろうとすれば世界しかない。そうしたら世界に通用する会社を作らないといけない。日本の会社に入ったら日本ファンになるから日本の文化はあっていいが、経営者のラショナル(理にかなった)な能力というのは正直いうと、彼らが勝っている。人員整理を行った場合、マスコミは大騒ぎする。9000人の整理をしなかったらあの会社は潰れている。潰れていたら何万人と失業している。9000人を整理してあと何万人と採用している。その効果をなぜ評価しないのか。感覚がおかしい。

・M&Aに対するバリュエーションが全然違う。ちゃんと教えないとだめだと思う。優秀な経営者はたくさんいるが、グローバルに出て行った場合、株主からみればCEOも使用人。優秀な連中を使えばいい。こちら株主で。プライドを持ってしっかりやれ。やれなかったらお前は首だと使っていけばいい。

・もっと早い段階で人口対策や教育対策をやっていれば別だが、やっていない。セカンドベストをやるしかない。グローバルM&A。そして世界の人材を持ってきて会社をプロフィタブルな組織に変えると社会にもいい面がスピルオーバーするはずだ。

 

 

日本、ロシアになる恐れも

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2018/09/27  21:43


 

「10年後にはソ連が崩壊したときのような経済・社会状況に陥る可能性もある」と懸念する野口悠紀雄氏

 

ゲスト:野口悠紀雄氏(経済学者)
テーマ:平成の経済史
2018年9月27日@日本記者クラブ

 

早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、野口悠紀雄氏が「平成とは何だったのか」と題する研究テーマで講演し、「平成とは日本人が世界経済の大きな変化に気づかず、取り残された時代」と定義した。

企画委員の竹田忠氏によると、野口氏は平成を3つに分け、第1期は主に1990年代。戦後経済を支えた1940年体制(戦時経済体制)がバブル崩壊によって大きく変質。金融機関を通して政府が経済を間接コントロールする仕組みが弱まった。同時に中国の工業化とIT技術の進展で世界経済の構造が変わったことの日本は気づかす、遅れを取った。

第2期の2000年代は、”偽りの回復”。政府による空前絶後の為替介入で危機的な円高が抑えられ、日本の輸出産業は息を吹き返した。しかし所詮は円安頼みの回復であったことが2008年に明らかに。リーマンショックでアメリカから資金が逆流して急激な円高となり、車などの輸出産業は壊滅的な打撃を受けた。

この過程で製造業の政府への依存が強まったと氏は強調する。メーカーなどが政府にあからさまに直接的な補助を要請するようになった。結果、自動車産業を救うためのエコカー減税などの施策が次々と取られた。これに対する強い批判も起きなかった。日本の言論界の批判的な能力も衰えたのではないかとも指摘する。政府がどうするかを問うだけで、自分たちで改革しようという考えがなくなった。

第3期はリーマンショックの後から今まで。問題の本質は日本が置き去りにされていることに気づき、国際的な水平分業体制や規制緩和に正面から取り組むことだと指摘した。

・1ドル=100年を超えて円高になると、政府が介入する。そうならないことを政府が”約束”をした。この結果、円を売ってドルを買う動きが顕著に増加した。

「日本の経営者はリスクをとり、イノベーションに励め」吉川洋氏

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2018/05/31  19:55


 

平成について語る吉川洋氏

 

ゲスト:吉川洋(よしかわ・ひろし)立正大学教授
テーマ:「平成とは何だったのか」③
2018年5月31日(木)

 

吉川洋立正大学教授は31日、「平成とは何だったのか」について話をした。

バブルの崩壊後の過去20年間(1996~2015)が時代の閉塞感から抜け出せなかった原因について「恐竜は隕石が地球に落ちて死滅したといわれるが、時代の出発点であるバブル崩壊のインパクトがあまりにも大きかった」ことを挙げた。

さらに吉川教授は日本企業の現金預金が20兆円を超えている中で役員報酬だけが急増している状況はおかしいとし、起業家がリスクを取って日本経済を引っ張り、イノベーションに励む努力を怠っているのではないかと警鐘を鳴らした。

 

『官僚たちのアベノミクス』

カテゴリー: 経済/デリバティブ, Books

2018/04/13  21:21


 

真筆の動機から語り始めた軽部謙介氏

 

ゲスト:軽部謙介(時事通信社解説委員)
テーマ:『官僚たちのアベノミクス』(異形の経済政策)&その後

・2012年9月自民党総裁選に勝利し、総裁として経済政策を語る。同年12月の総選挙で首相として経済政策を語る。現在に至るまでのアベノミクスを検証した。

・いわばプロセスの検証だが、金融政策をど真ん中に据えた。アドバイザー的な役割を果たした方々を中心に政策がつくられていくことはこれまでほとんどなかった。それが執筆の動機だ。

・アベノミクスは論点の多い経済政策。アベノミクスの評価はあまり前面に出していない。ファクト・ファインディングの必要性。記録性を重視した本。

・政策決定は合成ベクトルに似ている。どんな当事者がどんな力学で引っ張ってその政策を推進しようとしたのか。ベクトル的な発想で考えていく必要があるのではないか。

・安倍晋三氏が自民党総裁になり、総選挙で勝って首相になり、経済政策を霞が関に落とし込んでいくプロセス。これはいったいどういったプロセスだったのか。ここで国家意思が形成されていく過程を考察したいと思ったのが執筆の動機だ。

OECD事務総長

カテゴリー: 会見メモ, 経済/デリバティブ

2017/04/13  23:06


 

陽気なグリア事務総長

 

貿易担当局長

 

ゲスト:アンヘル・グリアOECD事務総長
テーマ:2017年対日経済審査報告

 

 

資本・技術集約型にシフトする中国の製造業

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 経済/デリバティブ

2017/03/02  20:28


こちらはシンポの主催者である帝京大学の郭四志経済学部教授

 

東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授は3月2日、帝京大学主催の中国経済シンポジウムで、「資本・技術集約型へ転換する中国の製造業」と題して講演した。

中国の製造業はかつて、「安価で豊富な労働力」が最大の強みとされ、労働力を大量に必要とするアパレル、雑貨、おもちゃといった産業で強い国際競争力を発揮してきた。

ところが2005年を契機に、労働力不足、労賃の上昇が次第に顕著になり、2008~09年のリーマンショックでその勢いは一時的に鈍るものの、その後再び賃金が上昇に転じた。

賃金の上昇は、それを上回る労働生産性の上昇、あるいは為替レートの下落がなければ輸出は困難になるものだが、実際は中国の輸出シェアは2005年の7.3%から10年には10.5%、15年には13.9%へと上昇した。為替レートは名目04年の1ドル=8.3元から14年には6.1元。実質実効為替レートも丸山教授の計算では53%上昇した。

これは何を意味するのか。つまり、総体として中国の輸出は、労働集約型生産技術から資本・技術集約型生産技術に転換し、労働生産性の上昇が起こったと考えざるを得ない。

2005年以降、深セン・農村部の賃金は急速に上昇し、都市部の賃金とあまり変わらなくなった。その結果、一般ワーカーの賃金水準(中国3都市=北京、上海、深セン)はクアラルンプールやバンコクよりも高く、シンガポール、韓国、台湾を除いてアジアの中でも高賃金になった。

衛生陶器(便器)=1997年まではそれほどではなくて輸入が多かった。15年は輸入3611万ドル、輸出は46億ドルの貿易黒字で、世界輸出の58%を占めた。重量当たり単価は2.5ドル/kgで、第2位のメキシコ(1.7ドル)より高いものの、第3位のドイツ(6.3ドル)、第4位のイタリア(5.9ドル)に見劣りがした。ブランドとして日本ではTOTOかINAXだが、アメリカではアメリカンスタンダードやコーラーだが、中国ブランドはあまり聞かない。

中国の一番の中心地は広東省佛山市。有力なブランドはここにある。ほかには広東省潮安市、山東省 博市や河南省許昌市、長葛市など。潮安市と長葛市は中低級品が中心だ。

中国の衛生陶器の市場構造は極めて分散的で最大シェアのコーラーと言えども2%以下。第2位のTOTO。

佛山の企業はウオッシュレット(特定メーカーの言い方)。知能便器。機能は同じようなもので、人が入るとフタが自動的に開く。パイプの形を変えてリクライニングで水が流れるようにする。彼らのとって残念なことに中国の有力メーカーがウオッシュレットみたいなものを作れるというのは中国国内でもあんまり認識されていない。ほとんど認識されていない。だから日本に来て爆買いする。彼らは悔しがっている。よりグレードアップしようとすると、まだまだ努力が必要だ。

潮安市では何が起きているか。下焼した便器をベルトから降ろして。毎月何十社が潰れているのが実態だ。

ドローン=この産業の存在を知ったのは2015年。既に世界シェアの6~7割を占めている。トップメーカーはDJI(深セン)。2006年に香港科技大学の院生によって設立された。大当たりで20人出始めたが、目下、従業員数6000人に拡大。

高級なおもちゃ。中国の実力ではあるけど、これが何の役に立つのかよく分からないところ。何の役に立つのかを世界のユーザーとともに世界のユーザーとともに考えなければいけない。DJIがうまく言っているのは先進国のユーザーと対話してこれがどういう役に立つのかということを情報交換しているというオープンな姿勢があるのが良かった。

アパレル=どうしようもなく労働集約型産業で、労働力を機械によって代替させることが困難。賃金上昇によって輸出向け工場が中国から他の国に移るのは必然だ。

中国は長く「世界のアパレル縫製工場」であったことから、その技術や経験は他国に移せない。CADデータを送らなければならないが、私はできない。どうすればいいのか。消費者の需要に即応する能力を高めることで消費地に工場を残すことも考えられる。

industrrie4.0を実践する報喜鳥集団。すべてオーダーメイド。これ自体は日本にもあるが、これがすごいのはドイツのindustrie4.0で言われる「マス・カスタマイゼーション」を実践中。つまり大量生産でありながら、カスタマイズする。工場内のハンガーに1個1個ICチップが入っていて、そこに服の情報が入っている。作業者は1着ごとに違う作業を要求される。ntelligent hanger sytem。

彼らが言うにはリードタイムは7日間。日本でも同じようなことをやっている会社もあるものの、約3週間。なかなかすごいものだ。

サステナブル・ブランド

カテゴリー: 経済/デリバティブ, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2016/12/09  20:02


 

講演する足立直樹氏

 

新しい言葉が生まれると、それを利用して金儲けをしようと考える人間が多い。特に最近、流行りとも言える「サステナブル」(sastainable)「サステナビリティー」(sastainability)という考え方が大流行している。持続可能な、持続可能性ということだ。

つまり、今や地球は温暖化に直面し、放っておいたらこのままでは地球そのものが消滅しかねないのは確実な情勢だ。何とか努力して持ちこたえることが必要でもある。そこで持続可能な社会を維持するためにはどうしても地球温暖化対策を講じなければいけない。

そこで国連は2015年9月25日、国連加盟193カ国による国連サミットを開催し、2030年までの次の15年間に向けた全17分野169項目にわたる新しい持続可能な開発目標(SDGs)を全会一致で採択した。

SDGsは国連が2000年から15年末までの目標として掲げてきたミレニアム開発目標(MDGs)の後継となる目標だ。MDGsでは大きな進展があったものの、完全ではなく、いまだ世界全体の課題は山積しているのが現状だ。

今回のSDGsはMDGsよりも野心的かつ包括的な目標。開発途上国だけではなく、先進国も含む全ての国々を対象としており、貧困や格差是正、男女平等などのほか、MDGsには含まれなかった気候変動対策や持続可能な消費、イノベーションなどが含まれている。

SDGsは、法的な拘束力があるものではなく、目的達成状況の測定方式なども各国に委ねられている。ただ今後、各国政府は道義的な責任に基づいて目標達成に向けた政策や制度を実行し、国連に毎年達成状況を報告することになっている。

 

世界は何を信じるか!

 

世論調査会社Globescanが実施した信頼度調査によると、2016年は科学・学術機関は48%、NGOは30%、大規模慈善団体は25%、国連は16%、国内企業は12%、国内政府は1%、世界企業は0%だった。

つまり世界企業の信用度は極めて低く、何をやっても信頼されない。事実上ゼロに過ぎなかった。これが実態だ。25カ国の一般的市民が対象だった。

 

目的の明確な会社を支持する

 

ただ、同じGlobescanによると、同じグローバルな企業でも消費者の65%の支持を得たのは目的が明確なブランドだった。アジアでは、消費者の67%が目的の明確なブランドを支持した。

 

共通価値は絶対だ

 

コンプライアンス(法令順守)は当たり前だ。その上に未来を守るサステナビリティ(持続可能性)が必要だ。しかし、それでも足りない。そこで、独自のものとして栄養、水資源などに対する社会貢献を共通価値として挙げた。これがネスレの絶対価値だ。

ネスレだけではない。他の企業も明確なビジョンを持たなければならない。東芝のAdvertizing Sloganは「Leading Innovation」、日立は「Inspire the Next」、Panasonicは「A better Life、 A better world」。

これがグループとしての共通価値かもしれない。とにかく、企業は走り続けなければならない。大変だ。

サステナブルブランド国際会議2017東京が来年3月に東京ミッドタウン・ホールで開催される。それに向けた動きが始まっている。主催するのはサステナブル・ブランドジャパンを運営する博展。

サステナブル・ブランドジャパンは米総合メディア企業のサステナブル・ライフ・メディア社のサイト運営に関わっている。同社は2006年に創設され、今年は6月にカリフォルニア州サンディエゴで開かれた。23カ国から約1500人が参加。今年のスローガン「Activating Purpose」について30以上の講演やシンポジウム、ワークショップが繰り広げられた。