‘講演会/シンポ/セミナー/勉強会’ カテゴリーのアーカイブ

農業分野における外国人労働力受け入れについて

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2018/01/24  23:01


 

石田一喜氏

山持ちが割りを食う

カテゴリー: 花/木/樹, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/12/11  19:36


 

岐阜大学の川﨑晴久名誉教授(左)

 

次世代の林業機械、森林管理システムを考えるNPO法人農都会議の「林業技術の革新」に関する勉強会が開かれ、枝打ちロボットの研究開発に従事している岐阜大学工学部の川﨑晴久名誉教授と航測レーザー計測技術による林業支援を行うアジア航測の矢部三雄社会システム開発センター総括技師長が語った。

▇川﨑晴久岐阜大名誉教授(工学部機械工学科)

・林業経営は長期的な林業採算性が悪化し、人材の価格が非常に低下している。森林所有者は経営意欲を低下させている。

・林業の作業現場は高齢化率(65歳以上)が21%と高い。全国産業平均に比べると、2倍以上だ。最近若い人も入っているものの、全体としては高い。労働災害発生率は1000人に対し28.7人と製造業・全産業の5~6%に比べダントツに高い。林業は「危険な産業」という実態を表している。

・森林の管理の放棄が始まっている。平成23年の立木伐採面積7.4万ha、植林面積2.4万ha。この差5万haは切った後何もしていないことに近い状態。伐採すれど、植林もしない「ほったらかし」の森林が5万haとなっている。伐採は進んでいるものの、植林面積を増やす林業家の意欲が衰えているのでこの差が累積していく。日本の至るところが切り取った状態の山になる。

・森林管理の放棄の結果、災害防止機能、水源の元を作る機能、環境保全とか、生物多様性機能といった多面的機能が低下する。「医療の砂漠」と言う言葉があるようだが、山がそういう状態になっていく。

・人工林としてやってきたところはどんどんそういった状態になりつつあるのではないかと危惧している。

・林業経営が持続的になる仕組みを考えていかないと難しい。生産性の向上、労働効果の低減、安全性の改善、林業副産物の活用(バイオマス産業)といった課題を解決していく必要がある。

・植林した木を刈れるのは何年先か。次に刈れるのは早くて40年後。50 年、60年、100年。自分が植えた木は自分の子どもじゃなくて、孫の代に切る。そういう長期ビジョンが見渡せるような施策が背景にないと木を植えて次に行きますという手が上がってこない。100年長期ビジョンでの研究開発、経営支援が要る。

・森林で育林作業を支援するロボット技術が大きな課題。ロボットの開発について国は大きな旗を振っていない。日本中ロボットの研究をやっている大学はいっぱいあるし、研究者もたくさんいる。森林分野のロボットを研究している人・グループは3つぐらいしかない。産業用、民生用、医療用ばかり。あまりにも少なすぎる。国が誘導していない。林業労働者も声を上げない。何を研究していいのか分からない。育林にとらわれずにこういうロボットの開発が重要だと思っている。

・ロボットの研究者+国の機関+現場の人の3者が意見交換する場を作られるべきだ。

・森林管理システムがなかなか確立されていない。日本の山は資源を生まない山とするのか資源を生む山とするのか。基本的な政策をしっかり持たないと、「植えて育てて」というところに行かない。行くような仕組みが必要だ。

・森のサイクル:植栽→雑草刈り(下刈り)→真っ直ぐにするために密に育てる→太くするために間引く→枝打ちする→間伐→主伐 最低で40年、へたすると100年。そういう流れの投資ができるような仕組みがないとなかなか林業家が手を出せなくなってくる。そうならないように育成支援ロボティクスが課題だ。

・森のサイクルは造材→搬出→運搬→利用という別の流れもある。高性能林業機械を導入して積極的にやっていると考えている。多くは海外製の製品を少しモデルチェンジしたタイプのものを導入することに近い。

・循環してロボット化してやる部分はロボット化は皆無だ。間伐の場合、木に登ってまず落ちて死ぬ。いくら熟練でもその日の木や人間の状態による。非常に危険な作業だ。枝打ちの出来る人が少ない。育林事業者は枝打ちをしなくなる。枝打ちをしないで集成材のようにして使う発想だ。したくてもできないという発想。

・枝打ちをしたい人ができるような仕組みを作っていく。枝打ちのためには①無節な良質な木材生産(柱を直に見せることがなくて、なかに節があろうが、なかろうが構わない)②木材の輸出強化③食害防止④森林の環境保全⑤水資源の保全-が必要。

・このためにはインテリジェント枝打ちロボットが必要だ。18kg以下が目標。昔は30kgだった。2人必要だったが、1人でもできるようにしたい。

・作業していると同時に森林管理の状況が蓄積される。GPSとIOTを利用して森林管理・作業管理に向けた通信システム技術が必要だ。ロボットが作業したときに、作業しているときの状況、枝の数、太さなどが分かる。これを通信機能を使って送ると、同時に森林管理の状況も蓄積される。IOT通信機能を持ったインテリジェント枝打ちロボットシステムの開発が重要だ。

・昔作られた枝打ちロボットはあるものの、日本では販売中止になっている。大学等で研究開発された例はあるものの、実用化されたものはない。

・事業化計画については「レオニックス」が担当する。

 

アジア航測の矢部三雄総括技師長

 

▇矢部三雄アジア航測国土保全コンサルタント事業部総括技師長

・航空機(セスナ機6機)から地上をセンサーで測って地図を作成する会社。平成22年(2010年)からそうした技術を森林に応用。航空レーザー計測技術を用いて広範囲の森林をハイスピードに計測している。

アジア計測(東京都新宿区西新宿)東日本は東京都調布飛行場(東京都三鷹市)、西日本は国管理の八尾空港(大阪府)を基地にしている。自らの会社で航空機を自主運用して撮影するのはアジア航測だけ。

1994年(平成6年)と2016年(平成28年)における木材価格の比較

 

・木のボリュームから丸太のボリュームを引いたのが「歩留まり」と呼ぶ。丸太にする場合は立木からの75%ぐらいまで落ちる。丸太の量から製材品にする場合は良くて6割まで落ちる。いろんなセミナーで幹部は無視した説明をしているので要注意。

・立木の価格が落ちている。3720円⇒840円。1本からとれる製材品価格は8480円⇒7830円。そんなに落ちていない。製材品は国際価格ですからあんまり変わらない。

・「山には木がたくさんあるのになぜ出てこないのか」に対する1つの答えがこれだ。山で木を育てる段階と、山から切って丸太を工場に持って行く段階、丸太を製材品に加工する段階を3つに分けて、それぞれの取り分がどう変化してきたか。

・今日本の加工場で何が起こっているかというと、丸太を安く買えるのですごく儲かっている。ウハウハだ。中小の製材工場が同じ土俵で生きているので、その人たちが生きている土俵で丸太が流通する。大規模な効率の良い製材工場はその分全部儲けになる。そういう構造だ。

・山に全部しわ寄せが行っている。森林所有者はいくらで木を作ったか、60年前から育てているので、資金が必要なときに木を売却する。経営意欲は低下している。ここをぶちこわすのが私のテーマだ。なぜぶちこわすのか。森林所有者に自分の森林の価値を理解してもらうため。これが一番手っ取り早い。

・航空レーザー計測とは、航空機に搭載したレーザー測距装置を使用して地表を水平方向の座標(x、y)、高さ(z)の三次元で計測する方法。レーザーを照射する機械であり、地上から跳ね返ってくるレーザーを受け取る機械。1秒間に20万発から40万発発射する。捕捉するまでの時間を正確に測ると、撃ったところから当たったとこまでの距離が正確に分かる。航空機の位置も正確に分かる。

・昔は人間が写真を推測して見て等高線図(コンタ図=contour map)を作っていた。見えないところは見えない。航空レーザー計測だと火口列が発見された。地図を作る上で革新的な技術と評価されている。

・木の種類によって反射強度に変化がある。その特徴を活かして樹種も特定できるようになった。レーザー計測結果を色分けすると誰でも分かるようになった。樹頂点(木のてっぺん)も特定できる。しかし、太さは分からない。それがレーダー計測の結果、1本1本の枝葉の広がりを特定することができた。本数、樹高、太さも分かった。

・「あなたの山はこれだけ面積があって、丸太にしたらこれだけ出てくる。今の価格ならこのくらいになるはずなので、素材生産業者のいいなりになって売ったらだめですよ」と言った情報を森林所有者に提供している。

・日本は外材が安くて負けたというが、これは昔の話。今は日本のスギのほうがずっと安い。なぜかというと、製材工場が買いたたいて安くしているから。パルプも海外から入ってくるチップのほうが高い。

・道を作る場合もどこに道を作れば効率的かも把握できている。路肩クラックの把握も容易。

・若い人は市販スマホの中にデータを全部入れて山に行く。山に行くと、どこにいて、どんな木があってなどすべて分かる。これが最近受けている。ちょっと年配者は「赤色立体地図」を紙に印刷して山に行く。コンタ図は道に迷うが、これだと道に迷わない。

・伐採するときにそのデータを使えないか。ハーベスタヘッド。ICT林業、スマート林業。

・境界明確化のためのツール。飛行機飛ばして、計測して、解析までして、こんな位の丸太が出ると分かる。ha当たり3500円。ところが1000haやったら350万円。営業に行ったらそこで終わり。

おいしさとは何か?

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2017/11/11  23:50


 

農学部一条ホール前の立て看

 

東京大学農学部の第53回公開セミナーが11日午後1時30分から、同学部一条ホールで開催された。応用生命化学専攻の東原和成(とうはら・かずしげ)教授が「いい香り、不快な匂い、何が違う?」、同三坂巧(みさか・たくみ)教授が「おいしさとは何か?」、応用動物科学専攻の竹内ゆかり教授が「暮らしに役立つ!?ほ乳類フェロモン」について話した。

・食品を摂取すると、知らず知らずのうちに色々な感覚が活性化される。食品からは様々な情報が入力される。これに呼応し、五感を始めとする種々の感覚を感知し、総合的に食品の価値を判断している。

・「おいしい」と思う過程を明らかにしたい。なぜ我々が肉がおいしいのか、乳がおいしいのか、ケーキがおしいのか。何でおいしいと感じるのか。これが我々の研究テーマ。

・我々の舌の上には「味蕾」(みらい)という味を感じる器官が存在している。味蕾は味細胞と呼ばれる細胞で構成されており、この細胞が食品の味を感じている。口腔内には甘味、苦味、塩味、酸味、旨味の5種類の味細胞が存在する。

・普段食べている食品には技術が盛りだくさん。瓶詰め、缶詰、レトルト。スーパーの常温コーナーに置かれている。冷凍・冷蔵しなくても日持ちがするのは適切に加熱滅菌処理をして菌が死んでいるからだ。びんやかんはナポレオン時代に発見されたが、レトルトは1968年にボンカレーが最初。軽くて丈夫で長持ちする。

・カット野菜もそう。家庭でキャベツを刻んで袋に入れると、すぐに黒くなって腐る。メーカーのカット野菜は数日間日持ちしておいしさはそのままだ。きれいに塩素で洗って店頭においたが、最近は紫外線と保存水を利用する。水で洗わなくてもいい。洗浄の方法が変わった。いずれにしろ、きれいに洗って数日間長持ちする。しかも数種類混ぜて売るから売れて売れて仕方がない。もうかって仕方がない。

・明治の「おいしい牛乳」。ちゃんと根拠がある。加熱殺菌するが、酸化する。牛乳は乳脂肪があるので酸化をすると嫌な匂い物質が出てくる。匂い物質が出ると、まずいと感じるので、加熱殺菌する前に酸素を減らす。酸素を減らした状態で加熱殺菌すると、酸化が抑えられて、嫌な匂いが少なくなる。だからおいしい。1~2日経つと、匂いが少ないので、しばらくおいしい。プラス50円なので価値があるのでなかなか売れない。技術が入ってきちっとおいしい。

・自分が食べられるかどうかを「味」を使って判断するために、何を食べるかを決めるという意味ですべての生き物は「味」を感じている。脊椎動物は似通った仕組み。虫は別の仕組みを持っている。食べていいものを判断するために味覚を持っていて、必要な感覚だということも言える。

・匂いは数十万種類あると言ったが、味は5種類。砂糖を口に入れると甘い味がする。世界共通だ。レモンや酢を口に入れると酸っぱい。食塩は塩っぱい味。野菜の苦味は苦い。この4つの味は古くから別の味で、独立の味として認識されていた。アミノ酸の味である旨味は欧米では認知されていなかったが、2000年に入ってセンサーが見つかって国際的に認知された。

・甘味。糖類。エネルギーになる。甘い味はエネルギーになるので食べていい味。アミノ酸が示す旨味はたんぱく質が分解したもので、これも食べていい。果物くらいの弱い酸味はエネルギーになるので食べるが、強い酸味は腐っているシグナル。塩に関してはミネラル補給しなければならない。味噌汁くらいの塩味は食べるが、海の水くらい濃いとナトリウム取り過ぎ、ノー。苦味は一般的にノー。甘味、弱い酸味、弱い塩味は積極的に食べる。強い酸味、強い苦味はNG。動物はたべていいかを判断するために5種類の味をフル動員しながら、食べられないものは吐き出す。

・味を感じる入り口の「味覚受容体」が2000年に米国人によって開発された。2000年以降に入り口に位置する受容体の正体が分かった。これに伴い人間の評価システムも進化した。舌の上に味細胞という味を感じる細胞を持っていて、これで味を感じる。舌の上で味を感じる細胞は非常に少ない。先端にぱらぱら、奥のほうにちょっと集まっている。わずかしかない受容体は神経を伝わって脳にいって味として認識している。こうした仕組みが分かったのもつい最近だ。

 

人と共生するロボット

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/21  22:01


 

人工筋肉で動くロボットアーム「ジャコメッテイアーム

 

一般社団法人蔵前工業会(東京工業大学同窓会)は、時宜に適した技術テーマを取り上げて「蔵前科学技術セミナー」を主催しているが、10月21日(土)に開かれた第37回は「人とロボットの近未来」の特集をテーマとする講演会を開催した。

人工知能やICT(Information and Communication Technology=情報通信科学)が活躍する近未来の社会では人と共生するロボットがどのような仕組みや原理で成り立っているかについて開発に携わっている専門家が分かりやすく解説した。

面白かったのは「生体の動きをロボットで模倣する」と題した中島求東工大工学院システム制御系教授の「イルカ型ロボットの開発」。イルカ(全長3m)は最高時速30km(ちなみにマグロは100キロとも160キロとも言われている)なのに比べ、原子力潜水艦(旧ソ連製アルファ型スーパー原潜、全長80m)は80km。体長比で言えば、イルカのほうが原潜より10倍くらい速い。

しかもイルカは流れをかき乱さないのでエネルギーロスも少ないのではないか。ジャンプしたり、すばやく方向転換する能力は原潜には到底できない。イルカの動きは非常にすぐれたものだ。それを応用することによって、これまでにない人工物ができる。推進力の源泉が尾ひれだが、三日月の形状である理由がいまだ分かっていない。

一方、遠藤玄東工大工学院機械系教授はヘビ型ロボットの開発状況を明らかにしながら、「廃炉支援ロボット」について話した。タマゴヘビというウズラの卵のみを餌にしている珍しいヘビ。丸ごと卵を飲み込んで殻だけを吐き出す特徴があり、つぶらな瞳はヘビ愛好家に人気。飼育日記をブログに公開している人もいるくらいだ。

このタマゴヘビは構造としては極めて単純ながら、多様な機能を持っている。日本固有種の無毒のシマヘビを油を撒いた床に置くと、アコーディオン式滑走をする。「くねり」を含め、蛇行推進など環境によってどういう動きをすればいいのかをヘビは考える。

我々は、ヘビのこうした動きを工学的に考えようとした。蛇行で進むメカニズムは水陸両用にも使える。2004年に東工大発ベンチャー「ハイボット」を立ち上げた。継続開発を進め、清水建設と共同で実用化。東京電力福島第1原発1号炉の検査に投入された。

ヘビを「アーム(腕)」として使用することも考えている。原子炉のデブリを取り出すために核燃料だけでなく、構造体もろとも溶けている。大変な状況で、誰も取り出し方が分からない。どこにありそうだということが最近になって分かり始めたのが現状。見にいくために長いアームを差し込む必要性があると研究を始めた。

 

 

2012年直後から、そうした長いアームを入れて中をみたらどうかというコンセプトを提案。長いアームを実現しようと思うと、片持ちになるので、非常に大きなモーメントが手元に働く。どれだけ大きなモーメントを支えるかが重要な課題。それを解決し、放射線に強いアームを完成した。

質疑応答で会場から何ができたら廃炉という開発目標を達成したと言えるのかについて質問があった。遠藤教授は、最初の工程表では「燃料デブリの取り出し方法を決めたい。そのためにはどこにあってどんな状態なのかを知りたい」だったが、「今も見つかっていないのが現状で、後ろ倒しになっている」と説明。「見つかってから技術開発をやらなければならない」とし、どんな状態であるかが分かった段階でも成果かなと思うと述べた。

「3号機で水の中にデブリがある写真が初めて撮れた。2号機はどこにあるか分からない。1号機はちょっとだけ写ったかなという感じだ。正直どこまで進んだら終わるのかは分かっていない」と述べた。

事故発生時には廃炉には30年から40年はかかると言われたが、今はあれから6年半経過している。今聞かれたら、本当なら24年から34年に終わると言わなければならないが、まだ「30年から40年」と言っている。これがどこまで続くか分からない。なるべく早く頑張るしかないと答えた。

「フェイクニュースとPR報道にだまされないために」

カテゴリー: ジャーナリズム, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/19  23:14


 

講演する瀬川至朗教授(日比谷図書文化館)

 

元毎日新聞の記者で現在早稲田大学政治経済学術院の瀬川至朗教授は10月19日、千代田区立日比谷図書文化館で開かれた日比谷カレッジで、「フェイクニュースとPR報道にだまされないための基礎知識」と題して講演した。

フェイクニュースとは「政治目的やウェブサイトへのアクセスを増やすために、サイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」(オーストラリアのマッコーリー英語辞典、2016年の言葉)。

またポストトゥールース(ポスト真実)とは「世論の形成において、客観的な事実よりも、感情や個人的な信条へのアピールが影響力を持つ状況」(英オックスフォード辞典、2016年の言葉)

瀬川教授はフェイクニュースは19世紀の大新聞王ピューリツアー氏のイエロージャーナリズムの時代にも「フェイク」という言葉が現れているとした上、情報の発信を市民が担い、加工も容易で断片化し、拡散のスピードも速い現代のような時代こそフェイクニュースには最も気を付けるべきであると指摘した。

その上で同教授はフェイクニュース対策として、①記事・情報の構造を知る②ニュース発信の仕組みを知る③メディア報道の歴史に学ぶ-など、だまされないためのメディア・リテラシー(ニュース・リテラシー)を養う必要があるとの認識を示した。

具体的には記事・情報を見極めるためのチェックリストとして、①掲載されているメディアサイトはどのようなものか②発信されている内容は具体的か③発信者を信用できるか④情報源は信用できるか⑤記事・情報にはどのようなエビデンス(根拠)が示されているか。またそのエビデンスは信用できるか⑤記事・情報が扱っている内容について、別の説明の仕方や理解の仕方はあるか-などを挙げた。

花畑ビーフカレー

カテゴリー: 旅行/移動/街歩き, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 食/食堂/レストラン

2017/10/05  22:54


 

通常のミルトアとカシェ(左側=アメリカの高級デパートで、一般家庭向けに販売されているデザイン)

 

スープ

 

「畑のカレー」

 

燕三条地場産業振興センターの1階にあるレストラン「メッセピア」。燕市は世界的に有名な金属加工の町。とりわけ金属洋食器製造は1911年(明治44)に始まったといわれる。

デイリーランチ(月~金)は花畑のビーフカレー夕焼けライス。人参を刻み込んだ人参ライスはまるで夕焼け色。旬の野菜はやさい畑のようだった。セットを頼むとスープとデザートが付いた。

このお店は料理を注文すると同時に、カトラリー(洋食器類)も選べること。ミルトア(小林工業)が付いているが、希望に応じて別種のカトラリーも持ってきてくれた。カシェは山崎金属工業製。

 

燕三条トレードショウ2017

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

  21:40


 

燕三条トレードショウ2017

 

 

キッチンツールのトング

 

 

備長炭入りちびくろちゃん

 

ドリップ用にぴったり

 

北陸自動車道のインター名は「三条燕IC」、片や上越新幹線の駅名は「燕三条駅」。外からこの地を訪れる人にとってはどちらが正しいのかよく分からない不親切さも塊だが、それには大きな遺恨の歴史があった。

新潟県の中央に位置する燕市は洋食器で有名だが、一方の三条市も包丁などの刃物産地として有名だ。江戸時代初期からは銅器やキセル、ヤスリ、矢立などを生み、明治になって金属洋食器、金属ハウスウエアなどの金物の町としてどちらも有名だが、燕の農民たちは金物を作っても直接販売することは禁止されていた。売買するのは三条に納めねばならず、三条商人は燕の品を買い叩き、恨みを買ったといわれる。(燕VS三条戦争)

そうした燕と三条の戦いを緩和するために考え出されたのが燕三条地場産業振興センター。両市の融和を図ったためだ。今はいろんなところと結び付かなければ勝てない時代だ。燕だ三条だと争っていてもどちらも埋没してしまう。グルーピングが必要だ。

金属加工のものづくりが盛んな県央地域のメーカー、卸業者が扱う製品をアピールする展示会「燕三条トレードショウ2017」が10月5日(木)、三条市の燕三条地場産業振興センターで開幕した。昨年の「燕三条卸メッセ」から名称を変更してメーカーも参加した。

数年前から一度どんなものか見たいと思っていたが、今年は日経新聞の朝刊に広告が出たので、出掛けて見る気になった。関越道が新潟県長岡市で北陸道に変わり、20数キロ先が目的地だった。3時間かかった。

 

東京内科医会市民セミナー2017

カテゴリー: 体調/体力/運動/病気, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/01  21:36


 

 

東京内科医会市民セミナーが10月1日、新宿区の新宿住友ビル47階スカイルームで開かれた。東京内科会のほか、興和創薬、日本イーライリリー、日本べーリンガーインゲルハイムが共催した。

東京内科医会理事の安田洋目黒通りハートクリニック院長は糖尿病と狭心症・心筋梗塞について基調講演し、薬で何とかなる人もいるとしながらも、手術が必要になると指摘。まず歴史の長い冠動脈バイパス手術について、胸骨や前腕にある動脈や下肢の静脈を用いて、冠動脈の病変をバイパスして血管をつなぐ手術であると説明した。単純で難しい手術でありながら、つなぐ手術の上手い、下手があるという。

もう1つはカテーテル手術。遠隔操作で風船カテーテルを用いて冠動脈の病変を拡げる手術だが、冠動脈バイパス術に比べて、全身麻酔や開胸の必要がないので、日本ではこちらのほうが圧倒的に多いと説明した。狭いところを風船で拡げる手術だ。風船治療ともいう。ドイツ人が開発した。

安田院長は糖尿病患者の血管の老化はひどいと語った。狭いところが長い。1カ所だけではなく、いろんな部分が弱い(多肢病変)。カルシウムが付きやすき石のように硬い。カテーテルが不向きで、糖尿病がある限り、冠動脈のバイパス手術を勧められる。

心臓・・・握り拳上のもの。全身に血液を送るポンプ。約1分間に5リットル。運動すると5倍の25リットル送り込む能力がある。50年間に換算すると東京ドーム1杯分。ずっと動き続けている。10秒間停止するだけで脳の血流が低下し、意識が消失する。10分間停止すると意識は元に戻らない。お腹の中にいるときからずっと動き続けているが、止まるとかなり厄介なことになる。

冠動脈・・・心筋(心臓の筋肉)に栄養を与える血管。文字通り感情に心臓の表面に覆い被さった形をしており、左右1本ずつあり、左はさらに2本に分かれている。冠動脈に生じるのが動脈硬化という現象だ。

血管・・・水道管を思い浮かべればいいが、老化する。動脈硬化。だんだん詰まってくる。糖尿病があると、コレステロールが溜まりやすくなる。狭くなり、血液の流れが悪くなり、血流が悪くなり、狭心症になる。何かの拍子でコレステロールが血管の中に出てしまうと、血の塊がべっとり付いてしまって血液が流れない状態になる。これを心筋梗塞と言う。

心筋梗塞・・・血管は半分も狭いことはない。軽い狭窄のほうが詰まりやすい。だんだん狭まってきて最後に詰まるイメージだが、ある程度狭いところが何かのストレスでコレステロールが出てしまい、血栓と呼ぶ血の塊が付く心筋梗塞になるといわれている。

突然死・・・突然火山が噴火すると、環境が壊滅し、恐ろしいことになるとの同じで、そんなに症状がないのに血管は突然閉塞して心筋梗塞を起こして突然死を起こす。ノーマークだった人が心筋梗塞を起こして突然死するのが心筋梗塞の怖いところだ。

狭心症・心筋梗塞の症状・・・手の平くらいの大きさの締め付け感があるのが特徴だ。真ん中の部分に症状があって、左の肩から左の腕にかけて放散痛といわれる痛みがする。人によっては奥歯や胃が痛む。よくよく聞くと、胸の真ん中がおかしい。なりやすい方は分かっている。肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症の「死の四重奏」だ。4つが重なったときに30倍と加速度的になりやすい。怖い病気だ。

心臓の検査・・・心臓は電気信号が出ているので心電図を測定するのは有効的だ。12個の誘導(波形の測定方法)をみて、どの場所が狭心症、心筋梗塞の変化があるのか診断する。解釈が難しいが、分かると非常に有用な検査。運動負荷心電図もある。超音波を使った心臓エコーも有効だ。弁や血液の流れも見える。被爆の問題も無いので、非常に有用で情報量も多い検査。

直接検査・・・心電図も心エコー、心筋シンチグラフィも予想。冠動脈を直接見る検査もある。挿入したカテーテルの中に注射器で造影剤を注入してレントゲン撮影を行う検査。冠動脈バイパス術。カテーテル検査。カテーテル検査をすると、血管の老化のひどい部分が一目瞭然になるので、狭心症・心筋梗塞の最終的な検査は絶対にこれになる。

 

 

農業の新たなビジネスチャンス

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2017/09/15  20:27


 

熱弁を振るう三輪泰史氏

 

ABJ(アグリビジネスジャパン)カンファレンスセミナー会場は3日目の15日(金)も盛会だった。14時からは日本総合研究所創発戦略センターのシニアスペシャリスト(農学)、三輪泰史氏が「loT とAIが生み出す農業の新たなビジネスチャンス」と題して講演した。

loTとAIを使ったスマート農業がなぜ今注目されているのか。これからどう生かされるのか。

食料需給率(カロリーベース)の低下、農業就業人口の減少、耕作放棄地の増加、生産力低下など日本の農業の指標を一つずつ見ていくと、すべてお先真っ暗。だから弱いよね、補助金で守らないといけないと言ってきたのが実情だ。守ってきた行き着き先が今の現状だ。

三輪氏はこのような数字を見て嘆くのはもうやめようと主張した。シンクタンク的な目線から言うと、これらの指標を組み合わせることによって何がチャンスがあるのではないか。農業者が減っていることは一戸当たりの農業面積は増える。その部分に光明を見出す。スマート農業にスポットライトを当てる時代ではないか。

 

日本最大の野菜宅配会社「オイシックスドット大地」誕生

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2017/09/13  23:31


 

「農×食」バリューチェーンの創造に向けて(会場風景)

 

『アグリビジネスジャパンの「農×食」バリューチェーンの創造に向けて』と題したシンポジウムが東京ビッグサイト東2で開催された。パネリストには東京青果経営戦略室長の久保忠博氏、ベジタリアの小池聡社長、オイシックスドット大地の高島宏平社長の3人が登場した。モデレーターは時事通信社のデジタル農業誌Agrio編集長の増田篤氏。

オイシックス(高島宏平社長)は2000年6月、「子どもに安心して食べさせられる食材」をコンセプトに、有機・特別栽培野菜、添加物を極力使わない加工食品など多様な食品と豊かで楽しい食生活に役立つ情報を、オンラインサイト「Oisix(おいしっくす)」で提供する事業を開始した。

13年7月からは、主に働く女性の「忙しくて毎日の食事に妥協したくない」というニーズに応えるため、Oisix基準を満たした安心安全な食材を使い、5種類以上の野菜がとれる主菜と副菜の2品が20分で完成する献立キット「Kit Oisix」(きっとおいしっくす)の展開を始めた。

そして16年12月、有機・無農薬食材の会員制宅配事業の草分け的存在である「大地を守る会」との経営統合について合意に達し、 今年7月1日付で社名を「オイシックスドット大地」に変更した。10月1日付で新社名に切り換える。

「ベジ太郞の家族と食べたい!野菜宅配」によると、会員数はオイシックスが約14万人、大地が10万人。合併すると約24万人となり、この分野で1位の「らでぃっしゅぼーや」(16万人)を抜いてトップに躍り出る。日本最大級の野菜宅配会社の誕生だ。

社名は変わるものの、サービスは変わらない。サービスの対象はオイシックスが30代、大地は40代後半~60代と割と高かったが、統合で幅広い世代にアピールできることが世代の狙いだ。

高島社長は1973年神奈川県生まれ。東大大学院工学系研究科情報工学修了。卒業と同時に外資系コンサルティング会社のマッキンゼーに入社。Eコマースグループのコアメンバーとして活動。2000年にオイシックスを立ち上げた。高島社長は野菜宅配業を「農業に近接しているアグリ業」と位置づけており、統合によるコスト削減能力の向上で宅配価格の引き下げに期待したいところだ。

一方、ベジタリア社長の小池聡氏はIT系出身。同氏は2000年前後に日本で起こったインターネット・ブームを代表したネットエイジやネットイヤーグループをリードした人物。当時最も著名なネット企業の1つだった。

ベジタリアンの創業は2010年。農業ICTに注目が集まる前だった。オランダや米国では「アグリテク」の可能性が問われ出した時代だった。今から7年前である。儲かれば何をやってもいいといった風潮に疑問を持ち、「ITから足を洗いたい」と思うようになったからだ。

2008年、東大の社会人向けビジネススクール「エグゼキュティブ・マネジメント・プログラム」(EMP)に学生として入学した。そこで注目したのは農業だった。人間のエネルギー源である食料の問題は環境、エネルギー、資源、医療などよりも重要だと考えた。

富士通が運営するICT活用のヒントを発信するWebサイト「Digital Innovation Lab」によると、小池氏は2009年に就農した。有機でイタリア野菜を栽培した。しかし、丹精を込めて育てた野菜は病害虫でほぼ全滅。農業の素人にありがちで、無農薬栽培でやろうとした。現実は厳しく、病気や害虫、雑草、天候との戦いだった。