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「空き家解決セミナー」受講

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 高齢者/福祉/街づくり

2018/08/04  21:58


 

「空き家解決セミナー」のパンフレット

 

「地元の空き家解決セミナー」(事務局:ハイアス・アンド・カンパニー)が4日、ベルサール新宿グランドコンファレンスセンターで開催された。同事業は2018年度国土交通省の地域の空き家・空き地等の利活用等に関するモデル事業に採択された中の1つ。

国交省のモデル事業だが、関連する事業がたくさんあって、どういう内容なのか素人目にはすぐに分からない。2017年度も同じ内容のものが行われているものの、少しずつ内容が変わっていて理解できない。

しかし、こうした公共事業に精通したプロからみれば、「おいしい」話ばかりのようだ。不動産業界など公共事業である。官が仕事を投げれば、パクっと食いつく人ばかりだ。それはさておき本題は以下の通り。

ハイアス・アンド・カンパニー株式会社(HyAS&Co、本社・東京都品川区上大崎、濵村聖一社長、東証マザーズ)は2005年3月設立、資本金3憶5800万円。役職員数133名。経営コンサルティング事業が中心だ。

ハイアスの目玉は「不動産相続の相談窓口」。地域の情報に強い全国約170エリア(2018年2月現在)の住宅・不動産会社が加盟し、全国ネットを形成して、相談業務に応じている。不動産の相続に関する知識と、顧客の相談に応じることのできるコンサルティングネットワークが強みだ。

この日話をしたのは株式会社k-コンサルティング(千葉県柏市)の大澤健司社長。不動産コンサルティングを中心におおよそ以下のような話を行った。

・日本人の資産の大半は不動産。不動産をどうするかが「相続対策」の中でかなりのキーポイントになっている。

・不動産は分けにくい、価値がよく分からない、評価額も分かりにくい。こういった諸点のサポートを行っている。

・空き家に対する相談が非常に多くなっている。コンサルティングの観点から対応している。

・「特定空き家」に認定されると、その段階で固定資産税が6倍に上がる。

・5年を超えて不動産を保有している人が売却すると譲渡所得税(26%から今は戦後最低の20%)がかかる。不動産を保有していると毎年固定資産税がかかる。使おうが使わまいが、収益を上げようが上げまいが保有税としての固定資産税がかかる。持っているだけでかかる。資産は目減りする。2%以上値上がりでないと固定資産税分ペイしない。

・不動産は結構うまくできている。不動産の価値が値上がりをしてくると、逆に税金が上がる。

・不動産を持っていない資産家もいる。住宅も賃貸。「なぜ不動産を持っているのか。持っているだけで固定資産税を払い続けなければならない。資産としては目減りする。値下がりをする株式は絶対持たない。不動産持っている方って不思議ですよね。目減りすることが分かっているのに」。不動産持っている人は単純に固定資産税払うのは当たり前だと思っているだけ。しかし、資産という考え方からすれば、毎年目減りするだけだ。だったら売却して現金で預金していたほうが減らない。わずかでも増える。不動産は劣化もし、どんどん値下がりする。

・不動産を資産としてみると、空き家で放置しておくのは資産を目減りさせるだけのことだ。

・空き家にしておく理由は「物置として必要だから」「解体費用をかけたくないから」「特に困っていないから」がビック3(国交省平成26年空家実態調査)。大半は「積極的な理由ないんですよ」。何となく、お金をかけたくないし、売っても安いかもしれないし、税金もかかるし・・・。

・総務省調査によると、2013年は空き家は820万戸、空家率13.5%。野村総合研究所によると、18年は1083万戸(17.0%)、23年は1405万戸(21.1%)、28年は1772万戸(25.7%)、33年は2166万戸(30.4%)。3軒に1軒は空き家。団塊世代が亡くなり、相続が発生。子供たちは少ない。若い人が少なくなり、不動産は要らなくなる。空き家が増えてくる。

・空き家は増えるべくして増えている。需要≪供給の傾向は今後ますます強くなる。供給過剰の状況になる。

・不動産資産の観点から空き家の期間が長ければ長いほど資産価値が落ちる。建物の劣化だけの問題ではない。風評被害も。人が寄り付かなくなり、街全体の資産価値も落ちる。人が入ってくるから不動産の価値がある。人が入ってこないと価値は落ちるばかり。

同じような築年数、同じような世代。空き家は増え始めると爆発的に一気に増える。処分できない。不動産もお金を払って買ってもらう時代になる。欲しい人がいなくなる。売れないと言いながら今だと売れたりする。近いうちに売れなくなる。

・空き家(地元の実家)はどうしたい?とにかく手放したい。圧倒的に相談としては多い。持っておきたくない、とにかく手放したい。なぜ放置されているか。

・空き家も含めて相続は時間が経てば経つほど解決がどんどん難しくなる。とにかく早い段階で進めておくこと。「そのうち、そのうち、何とかしないとね」まではいくが、ではどうするかまで具体化しない。

・空き家にしない対策は2つ。遺産分割対策と認知症対策。空き家の対策は相続対策だ。相続が発生してからどうするかと考えていっても決まらない。誰が相続をし、誰がこの不動産を管理するのか。決めておかないとあとでは決まらない。場合によっては誰が相続するか決めておく。親の資産だから権利は平等だから子供たちでは決められない。だから親が遺言状を書いておく。諸外国に比べると日本で遺言状を書く比率は1割程度。欧米は6割~8割。習慣がない。家督相続が残っている。分割のトラブルを回避する一番は遺言状だ。書いた通りでなくてもOKだ。遺言状があったとしても相続人の全員が別の形で合意をすればその形で相続してもOK。まとまらなかったら最後、これでやりなさいというものが残っていないと困る。相続も親からもらった資産だ。相続は子が親からもらうものなので、親が決めておく。

・認知症になると、不動産資産は基本的に凍結になる。売ることもできないし、貸すこともできなくなる。

・遺産分割は現物分割(相続資産の現物をそのまま分けて相続する)、換価分割(相続資産を売却し、金銭に変えて分割相続する)、代償分割(特定の人が本来の相続分以上を相続する代わりに他の相続人に代償として自己の財産を交付し相続する)の3つの方法がある。

・不動産をやっている人間から言えば、不動産は共有名義で相続しないことが鉄則。全員合意が必要だから。不動産の現状と価値を把握する。「売れない」と思い込んでいるのではないか。まったく売れないのか、100万円なら売れるのか、50万円なら売れるのか。

・価値が分からない場合は、第三者の専門家に確認していく。自分たちは何をしたらいいのか、どんな手続きが必要なのか、どんな価値なら売れるのか。何が問題なのか。

・空き家になってしまった時の解決策。大きく分けて①維持管理②賃貸③売却④用途変更して活用ーの4つ。利用目的が明確ならば維持管理をするか、建て替えをするかの選択。

・維持管理の目安は近隣に迷惑をかけない。月に1回の建物・敷地の確認と月に1回の草刈り、清掃。夏なんか草はすぐにはえる。将来、自分たちあるいは子供たちが使えなくなるかもしれない。不動産が使えるようにする、自分たち、子供たちに対する投資だ。それができない場合、シルバー人材センターや空家・空地管理センターにお金を払ってお願いする。

・賃貸。普通の賃貸借かサブリース。賃貸は貸し出せる状況までのリフォームなど投資が必要。賃貸収益が期待できる。空室のリスクがある。一方、サブリースは業者に一括して借り上げてもらうこと。業者がまた貸しする。リフォームは業者が行う。賃料は固定資産税分くらいしかもらえない。

・売却。査定が必要だ。とにかく、売るんだったらいくらで売るのかを知らないといけない。「何となく」の感覚では話はまとまらない。明確にいくらなら売れるのかという金額が分かれば、ではどうするかということになりやすい。売却と下取りがあるが、圧倒的に売却が多い。

・仲介での売却のメリットは高く売れること。一般消費者との直接契約により市場価格で売却できる。間に不動産会社が仲介に入って買い手を見つけてくれる。その代わりデメリットとしていつ売れるかが分からない。書い手が付いてから。瑕疵担保の保証とかも。条件面で付くこともある。怖いからある程度保証を付けることになる。仲介手数料が必要。

・業者の下取りは現金化スピード。残置物は残ったまま。その代わりそれは価格に反映する。安くなる。

・需要がない!空き家の状態が悪い。さらに時間が経つことで事態は悪化する。

・ネットワークを使う。どういうふうにすればこの不動産の価値が見いだせるか。どういう方に買ってくれれば、ある程度価格が見いだせるのか。ネットワークを駆使してやっていく。

・空き家を相続で取得した場合、3000万円の特別控除がある。利益が3000万円までならば税金かからない。要件としてはなくなった方が1人暮らしであったこと、昭和56年5月31日以前に建てられた建物であること(旧耐震)、相続から譲渡まで引き続き空き家であること、平成31年末までに譲渡すること、耐震補強工事にするか、更地にするかどちらかにしなければならない。

・空き家問題は時間が解決してくれることはない。時間がかかればかかるほど問題は拡散するだけ!大きくなるだけ!不動産自体が劣化し、年齢を重ねて認知症になる、売れなくなる。

・不動産を資産とするのか、あるいは負動産とするかは所有者次第!問題になっている方と問題になっていない方がいる。この違いはどこにあるのか。判断→決断→行動と当たり前のことを行う。

・これをやるためにどうしたらいいのか。決断、行動は結構できる。一番難しいのは判断。判断をするのに一番重要なことは情報だ。情報を持っていない。不動産に関してどういう手続きが必要で、いくらくらいの価値で、どんなふうにすれば解決ができるのかといった情報がないから判断ができない。ちゃんと解決を図られた方はちゃんと情報を持っている。きちんと正しい情報を得ておいて判断をし、決断とし、行動を起こしていただきたい。

・空き家は大きな社会問題になってきており、人口減少が続いて今後は不動産需要がどんどん少なくなってくる。伴って不動産の価値はどんどん下がってくる。昔みたいに持っていればいいというものではなくなっている。不動産はどうやって活用するのかが重要になってくる。活かしていくことが必要だ。自分たちが活かせないのなら、活かしてくれる人に譲っていく。自家がぼろぼろになり、迷惑がられて、これは親が望んでいたのか。行動を起こすきっかけになれば幸いだ。

アジア国際送電網

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2018/07/23  21:57


 

「アジア国際送電網研究会第2次報告書」発表シンポジウム

 

公益財団法人自然エネルギー財団は23日、「アジア国際送電網研究会」から日韓間、日露間の国際送電線の建設ルート、建設費試算を行った第二次報告書が公表されたことを受け、日本における国際送電網の意義、実現への展望などを議論するシンポジウムを行った。

モデレーターの大林ミカ自然エネルギー財団事業局長は「明らかに利益がある、明らかに技術的なフィージビリティーある」ことは分かっていながらも、それに踏み込めないところで議論がとどまっている」と述べた。

環境にやさしい「バイオプラスチック」

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2018/06/23  18:06


 

生き物が造り出す価値あるもの

 

東京大学農学部公開セミナーが6月23日(土)開かれた。あいにく雨が降り出す空模様だったが、多くの知的好奇心の旺盛な人たちが集まった。

 

これがちゃんと土に還るテラマック使用の手提げ袋

プログラムは①微生物が造り出す価値あるもの②バイオマスエネルギーの現状と課題③未来を拓け!環境にやさしいバイオプラスチック-の3つ。この3つ目のバイオプラスチックが原料が植物のテラマック。

テラマックは樹脂、繊維、フィルム、不織布などあらゆる形態に加工できる。ゴミ袋や手提げ袋、ティーバック、幼児食器。ユニチカ株式会社テラマック事業開発部が作っている。

プラスチックは石油から造られ、工学部の研究テーマだと思われる人が多いが、天然多糖類や植物油などのバイオマスからつくる農学部アプローチも存在することを知ってもらいたい。生物材料科学専攻の岩田忠久教授が講演した。

熱を入れると様々なものに成形加工できる。最大の特徴は軽くて丈夫で長持ちする。われわれの身の回りにはいろんなものがプラスチックで造られている。ペットボトルはすぐ分かるが、成分が同じものもある。

人間が使って捨てると環境に大きな影響を及ぼす。最近では小さく小さくなっていって魚が食べるなどマイクロプラスチックの問題がクローズアップされている。エリザベス英女王は今年2月、プラスチック製品不使用、フランスはスーパーのレジ袋を禁止する政策を導入した。

石油を原料とせずに植物を原料として新しいプラスチックを生み出していく。バイオプラスチックとは、環境中の微生物の分泌する分解酵素の働きにより二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」と、再生可能資源である植物バイオマスなどから微生物変換や化学変換の手法によって作られる「バイオマスプラスチック」との総称だ。

社友会

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2018/05/17  21:45


 

時事通信ビルは結構大きなビルだった

 

時事通信ビル/時事通信ホール

 

時事通信社の社友会が行われた。会社を辞めて10年。社友会には勧められ、10年ぶりに入会し、初参加した。

人間がひねくれてくると、誰からも相手にされなくなる。ジジババすらも言ってもらえない。そう思っていたのに10年ぶりの参加でも、「久しぶりだね」と声をかけてくれる人がまだ何人もいたのは感謝すべきだ。

社友会への入会はこちらで「拒否」していた。しかし、あんまり拒否し続けるのも大人げないと思い直して、会社を辞めて10年になるのを機会に入会を決意した。

やはり人間関係は重要だ。知っている人がいることだけでも重要だ。そうでなくても知らない人のほうが多くなるからだ。

「(日本記者クラブの)試写会で後ろ姿を見掛けましたよ」「今は高尾の観光事務所で週1回働いています」「(時事の刊行物に私が書いている)原稿を読んでいますよ」「商品経済部では2年お世話になりました」などの声が掛かった。

そんな言葉を聞いて、自分がまだ忘れられた存在でないことに気付いた。嬉しかった。この会社にお世話になって嬉しいこともたくさんあった。自分の人生だった。

しかし、まだ自分と相性や気分と合わなかった人などとは虚心に近づくことができない自分がいる。何かを意識している。人間というのは難しいものだ。どうしたらそんなものを忘れて無心に話せるのだろうか。

一方で、ある先輩から書けなくなってきたことについて、「情報密度の低下」を指摘された。これは自分でも感じている。最先端の知識を得るのは涙ぐましい努力が必要だ。シンポジウムに参加したり、大変な努力が必要でもある。できるだけそうした努力を続けたい。

社友会の会員数は391人(今年3月末現在)。最高年齢は103歳。90代は46人もいる。平均年齢は79.8歳だ。「現役よりOBのほうが元気」といわれるのはやはりまずい。

 

講演する田坪睦氏

 

通常総会に先立って午前11時から「トランプ政権の1年とこれから」と題して時事通信社外信部の田坪睦氏(元ワシントン支局長)が時局講演会を行った。

ウソを付く政治家は信じられないが、トランプ大統領は「本当に簡単にウソをつく。息を吐くようにウソを付く」人だと田坪氏は指摘した。こんな人が世界最強国の大統領になった不幸は図りしれないとも語った。

「ポリティカル・コレクトネス」という言葉がある。公民権運動や女性解放運動、ゲイ解放運動など差別是正運動の流れのなかで生まれた。マイノリティーや弱者に寛容になろうとの呼びかけだ。

それがトラップ大統領の誕生とともに、ウソでも何でもよいから、スカッとしたことを言う人には拍手を送るようになっている」という。

こういう人を大統領に選んでしまった国は実に不幸だ。もう二の句が告げられない。

農業分野における外国人労働力受け入れについて

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2018/01/24  23:01


 

石田一喜氏

山持ちが割りを食う

カテゴリー: 花/木/樹, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/12/11  19:36


 

岐阜大学の川﨑晴久名誉教授(左)

 

次世代の林業機械、森林管理システムを考えるNPO法人農都会議の「林業技術の革新」に関する勉強会が開かれ、枝打ちロボットの研究開発に従事している岐阜大学工学部の川﨑晴久名誉教授と航測レーザー計測技術による林業支援を行うアジア航測の矢部三雄社会システム開発センター総括技師長が語った。

▇川﨑晴久岐阜大名誉教授(工学部機械工学科)

・林業経営は長期的な林業採算性が悪化し、人材の価格が非常に低下している。森林所有者は経営意欲を低下させている。

・林業の作業現場は高齢化率(65歳以上)が21%と高い。全国産業平均に比べると、2倍以上だ。最近若い人も入っているものの、全体としては高い。労働災害発生率は1000人に対し28.7人と製造業・全産業の5~6%に比べダントツに高い。林業は「危険な産業」という実態を表している。

・森林の管理の放棄が始まっている。平成23年の立木伐採面積7.4万ha、植林面積2.4万ha。この差5万haは切った後何もしていないことに近い状態。伐採すれど、植林もしない「ほったらかし」の森林が5万haとなっている。伐採は進んでいるものの、植林面積を増やす林業家の意欲が衰えているのでこの差が累積していく。日本の至るところが切り取った状態の山になる。

・森林管理の放棄の結果、災害防止機能、水源の元を作る機能、環境保全とか、生物多様性機能といった多面的機能が低下する。「医療の砂漠」と言う言葉があるようだが、山がそういう状態になっていく。

・人工林としてやってきたところはどんどんそういった状態になりつつあるのではないかと危惧している。

・林業経営が持続的になる仕組みを考えていかないと難しい。生産性の向上、労働効果の低減、安全性の改善、林業副産物の活用(バイオマス産業)といった課題を解決していく必要がある。

・植林した木を刈れるのは何年先か。次に刈れるのは早くて40年後。50 年、60年、100年。自分が植えた木は自分の子どもじゃなくて、孫の代に切る。そういう長期ビジョンが見渡せるような施策が背景にないと木を植えて次に行きますという手が上がってこない。100年長期ビジョンでの研究開発、経営支援が要る。

・森林で育林作業を支援するロボット技術が大きな課題。ロボットの開発について国は大きな旗を振っていない。日本中ロボットの研究をやっている大学はいっぱいあるし、研究者もたくさんいる。森林分野のロボットを研究している人・グループは3つぐらいしかない。産業用、民生用、医療用ばかり。あまりにも少なすぎる。国が誘導していない。林業労働者も声を上げない。何を研究していいのか分からない。育林にとらわれずにこういうロボットの開発が重要だと思っている。

・ロボットの研究者+国の機関+現場の人の3者が意見交換する場を作られるべきだ。

・森林管理システムがなかなか確立されていない。日本の山は資源を生まない山とするのか資源を生む山とするのか。基本的な政策をしっかり持たないと、「植えて育てて」というところに行かない。行くような仕組みが必要だ。

・森のサイクル:植栽→雑草刈り(下刈り)→真っ直ぐにするために密に育てる→太くするために間引く→枝打ちする→間伐→主伐 最低で40年、へたすると100年。そういう流れの投資ができるような仕組みがないとなかなか林業家が手を出せなくなってくる。そうならないように育成支援ロボティクスが課題だ。

・森のサイクルは造材→搬出→運搬→利用という別の流れもある。高性能林業機械を導入して積極的にやっていると考えている。多くは海外製の製品を少しモデルチェンジしたタイプのものを導入することに近い。

・循環してロボット化してやる部分はロボット化は皆無だ。間伐の場合、木に登ってまず落ちて死ぬ。いくら熟練でもその日の木や人間の状態による。非常に危険な作業だ。枝打ちの出来る人が少ない。育林事業者は枝打ちをしなくなる。枝打ちをしないで集成材のようにして使う発想だ。したくてもできないという発想。

・枝打ちをしたい人ができるような仕組みを作っていく。枝打ちのためには①無節な良質な木材生産(柱を直に見せることがなくて、なかに節があろうが、なかろうが構わない)②木材の輸出強化③食害防止④森林の環境保全⑤水資源の保全-が必要。

・このためにはインテリジェント枝打ちロボットが必要だ。18kg以下が目標。昔は30kgだった。2人必要だったが、1人でもできるようにしたい。

・作業していると同時に森林管理の状況が蓄積される。GPSとIOTを利用して森林管理・作業管理に向けた通信システム技術が必要だ。ロボットが作業したときに、作業しているときの状況、枝の数、太さなどが分かる。これを通信機能を使って送ると、同時に森林管理の状況も蓄積される。IOT通信機能を持ったインテリジェント枝打ちロボットシステムの開発が重要だ。

・昔作られた枝打ちロボットはあるものの、日本では販売中止になっている。大学等で研究開発された例はあるものの、実用化されたものはない。

・事業化計画については「レオニックス」が担当する。

 

アジア航測の矢部三雄総括技師長

 

▇矢部三雄アジア航測国土保全コンサルタント事業部総括技師長

・航空機(セスナ機6機)から地上をセンサーで測って地図を作成する会社。平成22年(2010年)からそうした技術を森林に応用。航空レーザー計測技術を用いて広範囲の森林をハイスピードに計測している。

アジア計測(東京都新宿区西新宿)東日本は東京都調布飛行場(東京都三鷹市)、西日本は国管理の八尾空港(大阪府)を基地にしている。自らの会社で航空機を自主運用して撮影するのはアジア航測だけ。

1994年(平成6年)と2016年(平成28年)における木材価格の比較

 

・木のボリュームから丸太のボリュームを引いたのが「歩留まり」と呼ぶ。丸太にする場合は立木からの75%ぐらいまで落ちる。丸太の量から製材品にする場合は良くて6割まで落ちる。いろんなセミナーで幹部は無視した説明をしているので要注意。

・立木の価格が落ちている。3720円⇒840円。1本からとれる製材品価格は8480円⇒7830円。そんなに落ちていない。製材品は国際価格ですからあんまり変わらない。

・「山には木がたくさんあるのになぜ出てこないのか」に対する1つの答えがこれだ。山で木を育てる段階と、山から切って丸太を工場に持って行く段階、丸太を製材品に加工する段階を3つに分けて、それぞれの取り分がどう変化してきたか。

・今日本の加工場で何が起こっているかというと、丸太を安く買えるのですごく儲かっている。ウハウハだ。中小の製材工場が同じ土俵で生きているので、その人たちが生きている土俵で丸太が流通する。大規模な効率の良い製材工場はその分全部儲けになる。そういう構造だ。

・山に全部しわ寄せが行っている。森林所有者はいくらで木を作ったか、60年前から育てているので、資金が必要なときに木を売却する。経営意欲は低下している。ここをぶちこわすのが私のテーマだ。なぜぶちこわすのか。森林所有者に自分の森林の価値を理解してもらうため。これが一番手っ取り早い。

・航空レーザー計測とは、航空機に搭載したレーザー測距装置を使用して地表を水平方向の座標(x、y)、高さ(z)の三次元で計測する方法。レーザーを照射する機械であり、地上から跳ね返ってくるレーザーを受け取る機械。1秒間に20万発から40万発発射する。捕捉するまでの時間を正確に測ると、撃ったところから当たったとこまでの距離が正確に分かる。航空機の位置も正確に分かる。

・昔は人間が写真を推測して見て等高線図(コンタ図=contour map)を作っていた。見えないところは見えない。航空レーザー計測だと火口列が発見された。地図を作る上で革新的な技術と評価されている。

・木の種類によって反射強度に変化がある。その特徴を活かして樹種も特定できるようになった。レーザー計測結果を色分けすると誰でも分かるようになった。樹頂点(木のてっぺん)も特定できる。しかし、太さは分からない。それがレーダー計測の結果、1本1本の枝葉の広がりを特定することができた。本数、樹高、太さも分かった。

・「あなたの山はこれだけ面積があって、丸太にしたらこれだけ出てくる。今の価格ならこのくらいになるはずなので、素材生産業者のいいなりになって売ったらだめですよ」と言った情報を森林所有者に提供している。

・日本は外材が安くて負けたというが、これは昔の話。今は日本のスギのほうがずっと安い。なぜかというと、製材工場が買いたたいて安くしているから。パルプも海外から入ってくるチップのほうが高い。

・道を作る場合もどこに道を作れば効率的かも把握できている。路肩クラックの把握も容易。

・若い人は市販スマホの中にデータを全部入れて山に行く。山に行くと、どこにいて、どんな木があってなどすべて分かる。これが最近受けている。ちょっと年配者は「赤色立体地図」を紙に印刷して山に行く。コンタ図は道に迷うが、これだと道に迷わない。

・伐採するときにそのデータを使えないか。ハーベスタヘッド。ICT林業、スマート林業。

・境界明確化のためのツール。飛行機飛ばして、計測して、解析までして、こんな位の丸太が出ると分かる。ha当たり3500円。ところが1000haやったら350万円。営業に行ったらそこで終わり。

おいしさとは何か?

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 農業/農地/農政

2017/11/11  23:50


 

農学部一条ホール前の立て看

 

東京大学農学部の第53回公開セミナーが11日午後1時30分から、同学部一条ホールで開催された。応用生命化学専攻の東原和成(とうはら・かずしげ)教授が「いい香り、不快な匂い、何が違う?」、同三坂巧(みさか・たくみ)教授が「おいしさとは何か?」、応用動物科学専攻の竹内ゆかり教授が「暮らしに役立つ!?ほ乳類フェロモン」について話した。

・食品を摂取すると、知らず知らずのうちに色々な感覚が活性化される。食品からは様々な情報が入力される。これに呼応し、五感を始めとする種々の感覚を感知し、総合的に食品の価値を判断している。

・「おいしい」と思う過程を明らかにしたい。なぜ我々が肉がおいしいのか、乳がおいしいのか、ケーキがおしいのか。何でおいしいと感じるのか。これが我々の研究テーマ。

・我々の舌の上には「味蕾」(みらい)という味を感じる器官が存在している。味蕾は味細胞と呼ばれる細胞で構成されており、この細胞が食品の味を感じている。口腔内には甘味、苦味、塩味、酸味、旨味の5種類の味細胞が存在する。

・普段食べている食品には技術が盛りだくさん。瓶詰め、缶詰、レトルト。スーパーの常温コーナーに置かれている。冷凍・冷蔵しなくても日持ちがするのは適切に加熱滅菌処理をして菌が死んでいるからだ。びんやかんはナポレオン時代に発見されたが、レトルトは1968年にボンカレーが最初。軽くて丈夫で長持ちする。

・カット野菜もそう。家庭でキャベツを刻んで袋に入れると、すぐに黒くなって腐る。メーカーのカット野菜は数日間日持ちしておいしさはそのままだ。きれいに塩素で洗って店頭においたが、最近は紫外線と保存水を利用する。水で洗わなくてもいい。洗浄の方法が変わった。いずれにしろ、きれいに洗って数日間長持ちする。しかも数種類混ぜて売るから売れて売れて仕方がない。もうかって仕方がない。

・明治の「おいしい牛乳」。ちゃんと根拠がある。加熱殺菌するが、酸化する。牛乳は乳脂肪があるので酸化をすると嫌な匂い物質が出てくる。匂い物質が出ると、まずいと感じるので、加熱殺菌する前に酸素を減らす。酸素を減らした状態で加熱殺菌すると、酸化が抑えられて、嫌な匂いが少なくなる。だからおいしい。1~2日経つと、匂いが少ないので、しばらくおいしい。プラス50円なので価値があるのでなかなか売れない。技術が入ってきちっとおいしい。

・自分が食べられるかどうかを「味」を使って判断するために、何を食べるかを決めるという意味ですべての生き物は「味」を感じている。脊椎動物は似通った仕組み。虫は別の仕組みを持っている。食べていいものを判断するために味覚を持っていて、必要な感覚だということも言える。

・匂いは数十万種類あると言ったが、味は5種類。砂糖を口に入れると甘い味がする。世界共通だ。レモンや酢を口に入れると酸っぱい。食塩は塩っぱい味。野菜の苦味は苦い。この4つの味は古くから別の味で、独立の味として認識されていた。アミノ酸の味である旨味は欧米では認知されていなかったが、2000年に入ってセンサーが見つかって国際的に認知された。

・甘味。糖類。エネルギーになる。甘い味はエネルギーになるので食べていい味。アミノ酸が示す旨味はたんぱく質が分解したもので、これも食べていい。果物くらいの弱い酸味はエネルギーになるので食べるが、強い酸味は腐っているシグナル。塩に関してはミネラル補給しなければならない。味噌汁くらいの塩味は食べるが、海の水くらい濃いとナトリウム取り過ぎ、ノー。苦味は一般的にノー。甘味、弱い酸味、弱い塩味は積極的に食べる。強い酸味、強い苦味はNG。動物はたべていいかを判断するために5種類の味をフル動員しながら、食べられないものは吐き出す。

・味を感じる入り口の「味覚受容体」が2000年に米国人によって開発された。2000年以降に入り口に位置する受容体の正体が分かった。これに伴い人間の評価システムも進化した。舌の上に味細胞という味を感じる細胞を持っていて、これで味を感じる。舌の上で味を感じる細胞は非常に少ない。先端にぱらぱら、奥のほうにちょっと集まっている。わずかしかない受容体は神経を伝わって脳にいって味として認識している。こうした仕組みが分かったのもつい最近だ。

 

人と共生するロボット

カテゴリー: 科学/技術/イノベーション, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/21  22:01


 

人工筋肉で動くロボットアーム「ジャコメッテイアーム

 

一般社団法人蔵前工業会(東京工業大学同窓会)は、時宜に適した技術テーマを取り上げて「蔵前科学技術セミナー」を主催しているが、10月21日(土)に開かれた第37回は「人とロボットの近未来」の特集をテーマとする講演会を開催した。

人工知能やICT(Information and Communication Technology=情報通信科学)が活躍する近未来の社会では人と共生するロボットがどのような仕組みや原理で成り立っているかについて開発に携わっている専門家が分かりやすく解説した。

面白かったのは「生体の動きをロボットで模倣する」と題した中島求東工大工学院システム制御系教授の「イルカ型ロボットの開発」。イルカ(全長3m)は最高時速30km(ちなみにマグロは100キロとも160キロとも言われている)なのに比べ、原子力潜水艦(旧ソ連製アルファ型スーパー原潜、全長80m)は80km。体長比で言えば、イルカのほうが原潜より10倍くらい速い。

しかもイルカは流れをかき乱さないのでエネルギーロスも少ないのではないか。ジャンプしたり、すばやく方向転換する能力は原潜には到底できない。イルカの動きは非常にすぐれたものだ。それを応用することによって、これまでにない人工物ができる。推進力の源泉が尾ひれだが、三日月の形状である理由がいまだ分かっていない。

一方、遠藤玄東工大工学院機械系教授はヘビ型ロボットの開発状況を明らかにしながら、「廃炉支援ロボット」について話した。タマゴヘビというウズラの卵のみを餌にしている珍しいヘビ。丸ごと卵を飲み込んで殻だけを吐き出す特徴があり、つぶらな瞳はヘビ愛好家に人気。飼育日記をブログに公開している人もいるくらいだ。

このタマゴヘビは構造としては極めて単純ながら、多様な機能を持っている。日本固有種の無毒のシマヘビを油を撒いた床に置くと、アコーディオン式滑走をする。「くねり」を含め、蛇行推進など環境によってどういう動きをすればいいのかをヘビは考える。

我々は、ヘビのこうした動きを工学的に考えようとした。蛇行で進むメカニズムは水陸両用にも使える。2004年に東工大発ベンチャー「ハイボット」を立ち上げた。継続開発を進め、清水建設と共同で実用化。東京電力福島第1原発1号炉の検査に投入された。

ヘビを「アーム(腕)」として使用することも考えている。原子炉のデブリを取り出すために核燃料だけでなく、構造体もろとも溶けている。大変な状況で、誰も取り出し方が分からない。どこにありそうだということが最近になって分かり始めたのが現状。見にいくために長いアームを差し込む必要性があると研究を始めた。

 

 

2012年直後から、そうした長いアームを入れて中をみたらどうかというコンセプトを提案。長いアームを実現しようと思うと、片持ちになるので、非常に大きなモーメントが手元に働く。どれだけ大きなモーメントを支えるかが重要な課題。それを解決し、放射線に強いアームを完成した。

質疑応答で会場から何ができたら廃炉という開発目標を達成したと言えるのかについて質問があった。遠藤教授は、最初の工程表では「燃料デブリの取り出し方法を決めたい。そのためにはどこにあってどんな状態なのかを知りたい」だったが、「今も見つかっていないのが現状で、後ろ倒しになっている」と説明。「見つかってから技術開発をやらなければならない」とし、どんな状態であるかが分かった段階でも成果かなと思うと述べた。

「3号機で水の中にデブリがある写真が初めて撮れた。2号機はどこにあるか分からない。1号機はちょっとだけ写ったかなという感じだ。正直どこまで進んだら終わるのかは分かっていない」と述べた。

事故発生時には廃炉には30年から40年はかかると言われたが、今はあれから6年半経過している。今聞かれたら、本当なら24年から34年に終わると言わなければならないが、まだ「30年から40年」と言っている。これがどこまで続くか分からない。なるべく早く頑張るしかないと答えた。

「フェイクニュースとPR報道にだまされないために」

カテゴリー: ジャーナリズム, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会

2017/10/19  23:14


 

講演する瀬川至朗教授(日比谷図書文化館)

 

元毎日新聞の記者で現在早稲田大学政治経済学術院の瀬川至朗教授は10月19日、千代田区立日比谷図書文化館で開かれた日比谷カレッジで、「フェイクニュースとPR報道にだまされないための基礎知識」と題して講演した。

フェイクニュースとは「政治目的やウェブサイトへのアクセスを増やすために、サイトから配信される偽情報やデマ。ソーシャルメディアによって拡散される間違った情報」(オーストラリアのマッコーリー英語辞典、2016年の言葉)。

またポストトゥールース(ポスト真実)とは「世論の形成において、客観的な事実よりも、感情や個人的な信条へのアピールが影響力を持つ状況」(英オックスフォード辞典、2016年の言葉)

瀬川教授はフェイクニュースは19世紀の大新聞王ピューリツアー氏のイエロージャーナリズムの時代にも「フェイク」という言葉が現れているとした上、情報の発信を市民が担い、加工も容易で断片化し、拡散のスピードも速い現代のような時代こそフェイクニュースには最も気を付けるべきであると指摘した。

その上で同教授はフェイクニュース対策として、①記事・情報の構造を知る②ニュース発信の仕組みを知る③メディア報道の歴史に学ぶ-など、だまされないためのメディア・リテラシー(ニュース・リテラシー)を養う必要があるとの認識を示した。

具体的には記事・情報を見極めるためのチェックリストとして、①掲載されているメディアサイトはどのようなものか②発信されている内容は具体的か③発信者を信用できるか④情報源は信用できるか⑤記事・情報にはどのようなエビデンス(根拠)が示されているか。またそのエビデンスは信用できるか⑤記事・情報が扱っている内容について、別の説明の仕方や理解の仕方はあるか-などを挙げた。

花畑ビーフカレー

カテゴリー: 旅行/移動/街歩き, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 食/食堂/レストラン

2017/10/05  22:54


 

通常のミルトアとカシェ(左側=アメリカの高級デパートで、一般家庭向けに販売されているデザイン)

 

スープ

 

「畑のカレー」

 

燕三条地場産業振興センターの1階にあるレストラン「メッセピア」。燕市は世界的に有名な金属加工の町。とりわけ金属洋食器製造は1911年(明治44)に始まったといわれる。

デイリーランチ(月~金)は花畑のビーフカレー夕焼けライス。人参を刻み込んだ人参ライスはまるで夕焼け色。旬の野菜はやさい畑のようだった。セットを頼むとスープとデザートが付いた。

このお店は料理を注文すると同時に、カトラリー(洋食器類)も選べること。ミルトア(小林工業)が付いているが、希望に応じて別種のカトラリーも持ってきてくれた。カシェは山崎金属工業製。