‘資源/エネルギー/環境’ カテゴリーのアーカイブ

EV普及の課題

カテゴリー: 資源/エネルギー/環境

2018/01/25  22:01


 

 

JOGMEC東京ブリーフィング(虎ノ門)

 

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査部による第9回石油天然ガス最新動向ブリーフィングが1月25日、東京・虎ノ門で開催された。田村康昌氏は電気自動車(EV)普及の課題について以下の内容を述べた。

「原子力の衰退と自然エネルギーの台頭」

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 資源/エネルギー/環境, 電力ビジネス

2017/12/08  22:15


 

原子力は衰退すると発表するマイケル・シュナイダー氏

 

公益財団法人 自然エネルギー財団主催のメディア懇談会「世界の原子力発電の現状と展望」が8日開かれ、世界原子力産業現状報告(WNISR)2017の主要執筆者兼発行者であるマイケル・シュナイダー氏が「原子力は衰退し、自然エネルギーが台頭している」との知見を発表した。

サウジ、ムハンマド皇太子に権力集中

カテゴリー: 政治/外交/国際/軍事, 資源/エネルギー/環境

2017/11/24  22:32


 

WTI原油価格の推移(月次)世界経済のネタ帳から

 

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の佐藤隆一中東事務所長は11月24日都内で開いた会合で、2017年度第7回石油天然ガス最新動向のブリーフィングを行った。湾岸産油国はVAT等痛みを伴う改革を模索している一方、人口の多いサウジアラビアはムハンマド皇太子への権力集中を進める。近く改革の成果が問われるところだ。

原油価格の下落は2014年以降、過去2年間続いている。14年後半はバレル当たり100ドルを超えていたものの、16年2月には同30ドルを割り込んだ。現在は58ドル前後で推移し、今後もさほど高くない水準が続く見通しが高まっている。

石油輸出国機構(OPEC)は高生産姿勢を崩さず、米シェールの高い持久力などを背景に今の状態が今後も続く見通しが高まっている。

国際通貨基金(IMF)によると、サウジアラビアの財政収支が赤字に転落しないために必要な石油価格は70ドル、アラブ首長国連邦(UAE)60ドル、クウェートとカタールは50ドルと推定されている。これ以上下がると、サウジの財政収支は赤字になるというレベルだ。

ぜいたくな財政支出を減らすことも可能だし、赤字国債を発行することもできる。また税金をとることもできる。基準自体が極めて緩い。多くの湾岸協力会議(GCC)諸国では14年から赤字が続いている。

サウジは政府系ファンド(Sovereign Wealth Funds=SWFの運営するファンド)の外貨準備資産を取り崩したほか(7840億ドル→4850億ドル:約30兆円減)、国債等の発行による外部調達を行った。

また、サウジは公務員および軍人の給与削減を表明したものの、国民に配慮し中止した。王族への資金分配問題でも強硬な姿勢を表明した。

サウジではムハンマド皇太子への権力集中の流れが鮮明になっている。15年1月に経済開発問題会議議長、15年4月にサウジアラムコ最高会議議長、17年6月には政治安全保障問題会議議長に就任した。同年11月4日には反汚職委員会を設立し、議長にもなった。同日、唯一対抗し得るムトイブ王子・国家警備隊長ら11人の王族を含む201人を拘束した。

一方で、イエメン紛争介入やカタール断交、武器購入などを続けており、財政圧迫要因は多い。レバノンのハリリ首相が辞任を発表したのもムハンマド皇太子の関与が指摘されている。

 

昨年完成したADNOC本社ビル

 

湾岸諸国ではUAEが先頭を切って付加価値税(VAT)を導入し始めた。ADNOC初の社債を17年11月に30億ドル発行したほか、ガソリンスタンド部門のIPOも行い、資金を調達した。

ADNOCは戦略的な体制でコスト削減と技術導入を実行。石油化学・マーケットも重視し、新社風は「もはやサンタクロースではない」と強調した。

山から木が出てこないのは「インフラ未整備」のため

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 科学/技術/イノベーション, 資源/エネルギー/環境

2017/09/27  23:15


 

仁多見俊夫東大大学院准教授

 

イワフジ工業の鈴木茂氏

 

三井物産フォレストの吉田正樹氏

 

第2部のディスカッション風景

 

NPO農都会議主催のバイオマスWG「林業技術の革新」を聞いた。国内では大型を中心としたバイオマス発電所の建設・計画が目白押しだが、これを補うのは過半が輸入だ。

日本の山々には放置された残材や未利用材がたくさんあり、利用の活性化が迫られている。山には木がたくさんあるのに、なぜ出てこないのか。本質的な議論が展開された。

3人のパネラーの中で特に面白かったのは三井物産フォレスト企画業務部長の吉田正樹氏。三井物産は日本国内74カ所で4万4000ヘクタールの森林を保有し、三井物産フォレストが山林管理を受託している。つまり社有林を管理し、21人の現業社員(チェーンソーをもって木を切ったり、下刈りをしたり、ハーベスターに乗っている)が山林用の苗木生産から丸太販売までを実施している。一般社員を含めた合計社員は67名。

日本の森林面積は約3730万haの国土の3分の2に当たる約2510万ha。その4万4000haは国土面積の千分の1(0.1%)の広さ。新幹線に乗って線路の両側100mが社有林だとすれば、どのような長さになるかと言えば、北海道の函館から熊本の水俣までの土地になる。

面積の8割が北海道にあるので、民間の持つ森林としては王子製紙19万ha、日本製紙9万ha、住友林業4万6000haに次ぐ日本4番目だ。

米国最大の森林企業であるウェアーハウザー(Weyerhaeuser)。川上の木材生産から川中の製材工場まで手掛けている大手企業。本社ワシントン州シアトル。所有面積は520万ha。国内山林保有企業トップ25社の合計は52万haだから、その10倍を1社で保有する。国土も広いが、「収益を生む基幹産業と捉えられている」(吉田氏)「先進国で林業でもうけない、黒字を達成できない国は日本くらいのものだ」(同)という。

商社が山林を取得した経緯について、旧三井物産が1911年に取得を開始した。炭鉱の坑木用が始まりだとか。戦前、北海道に東洋一野製材工場も確立され、川上から川下までサプライチェーンが確立した。

長期に社有林を保有することを2006年の経営会議で決定した。持続可能な森林の証しとして世界の森林認証FSCと日本の認証であるSGECの両方を三井物産は取得している。

平成25年度森林・林業白書によれば、日本の森林蓄積は人工林を中心に年間約1億㎥蓄積増加。木材資源を余すこと無く使い切る「カスケード利用」を行っている。年間5万~6万㎥伐採し、仕入れ材を含め9万~10万㎥の丸太を当社で取り扱っている。ほとんどが北海道産で、内地はその端数みたいな感じ。

北海道では今年4月28日に「苫小牧バイオマス発電所」(5900KW=5.9MW)が稼働した。燃料の木質チップは北海道に約3万5000ha保有する林地未利用木材で全量を賄う。三井物産が40%を出資し、残りは地元の林業事業体イワクラ、住友林業、北海道ガスが各20%を出資する。

北海道は林業先進地として植える、育てる、切る、使うという林業のサイクルが回っている中で、バイオマス発電の出現でA材、B材、C材、D材といったカスケード利用が進んた。北海道では消費の底上げが進んだが、一方内地の山林ではどうなのか。

付加価値の推移を見ると、昭和55年(1980)は木材がピークだった頃。山元立木価格は2万2000円、丸太価格は3万8000円、製材品価格は6万8000円。それが28年後の平成20年(2008)には13%の3100円、30%の1万1000円、61%の4万2000円となっている。山元価格の減少が著しい。

吉田氏は、「もう少し山元業者にもうけさせてくれませんか」「全部、山元にしわ寄せが来ている。丸太を出す意欲もなくしてしまって、そのまま膝を抱えているのが全国的な零細な山林所有者」と指摘した。

山元としては付加価値を上げて売り上げを伸ばすか、コストを下げる対応しかない。

蓄積が年間1億㎥も増えているのに、なぜ山から木が出ないのか。「山元価格の減少からみれば、経済合理性がないだけ。生産コストを下げ、販売代金を上げていくしかないが、この数式がうまくいかない」。これが結論だ。

バイオマス用にまで経費を掛ける余裕は山元にはない。内地では林内に放置している。そのままにしてある。取りに来てくれ。山渡しだ。

基本のインフラ。山からの搬出林道の整備だ。利用期に差し掛かった山林を積極的に伐採して資源の循環を図ろうという気持ちはあるが、「広域基幹林道」(延長約20km)。全通していない。プラスαの材が出ていかない。

林業を成長産業としたいならば、地域活性化に資するインフラの後押しがなければならない。一企業で賄うコストではない。バイオマス発電所に国産材の供給を続けるのは容易ではない。1つの県に5MWでもできると、全県一丸となってCD材を集荷しなければならない。いくつもできると一体どのように集荷するのか。何で山から出てこないのかと言われる。

山側と発電所側の需給のアンバランス解消するためにも、自分たちの伐採量は一瞬で燃えるようなものでしかない。地域を含めたインフラ整備が安定供給体制の構築の中で必要だ。

一度いまの状況がずっと続いて、もしかして国産材のcd材が需要開拓できなくて、輸入燃料にシフトできると、これを盛り返す体力はないのではないか。機械も集材方法もそういうふうなことのできる大規模なインフラ整備が前提ではないか。

山林を評価する言葉に「出しのいい山と出のいい山」がある。「出しのい山」というのはインフラがいい。集運材コストが低い。しかし、それは50年くらいで無くなる。出しの悪い山を開拓していかなければだめだ。「出が良い」というのは成長が良い。両方兼ね備えているのがベスト。

広域林道のような基幹となる林道が開設されていくと、その周辺の集荷地域というのがくすんでいる地域からバラ色に変わる。民間が林道を付けてくれた例を見た。それによって周辺地域が活性化した。「風力発電の資材運搬道」だった。山元は大歓迎だ。自分でできないのをよそのお金でできる。羨まし限りだ。

川上は搬出コストの削減と付加価値の増大に努力していく。

 

 

ドキュメンタリー映画「日本と再生」

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 映画/テレビ/舞台, 資源/エネルギー/環境, 電力ビジネス

2017/07/14  22:36


 

「日本と原発」河合弘之監督の最新作

 

作品名:「日本と再生」光と風のギガワット作戦
監督:河合弘之(弁護士)
企画・監修:飯田哲也(環境学者)
音楽:新垣隆
エンディングテーマ:坂本龍一

太陽がいっぱい。風がいっぱい。世界はもう、自然エネルギーで動いている。原発差し止め訴訟に長く関わってきた弁護士の河合弘之さんが監督をした最新作「日本と再生」。環境学者の飯田哲也さんとともに欧州や日本などにおける自然エネルギーの取り組みを紹介したドキュメンタリー(2017)だ。

この映画を見てよく分かった。「脱原発と自然エネルギーはコインの裏表。両方同時にやらなきゃならないことがよくわかった」。怒りや悲しみに駆動された前者(「日本と原発」と「日本と原発 4年後」)と楽しさや喜びに満ちあふれている後者。

喜怒哀楽それぞれの観点からエネルギー問題を捉えることは、やがて「人はどう生きるべきか?」という哲学の問題に行き着く。「世界の紛争の主な原因は石油の奪い合いなのです」(ロッキーマウンテン研究所会長、エイモリー・ロビンス氏

熊本県阿蘇郡南阿蘇村に里山エナジーという小さな会社を作った人がいる。2015年4月に設立したばかりで、代表取締役の大津愛梨氏は南阿蘇村でお米を栽培しながら、再生可能なエネルギーの普及を目指す取り組みを続けている。農村の中にチャンスがあるバイオマスを中心とした地域エネルギー開発事業がそれだ。

 

肌が崩れた南阿蘇村、左奥は立野地区(時事通信ヘリ)

 

地震で地肌が崩落した現場=16日午後、南阿蘇村(時事通信ヘリ)

 

2016年4月16日未明に震度6強の熊本地震が襲った。地震で電気が止まった。しかし、大津さん宅では自然エネルギーがあって蓄電池に供給。停電を苦にしなかった。地震の不便さを経験しないで済む暮らしを確保できた。これはPV Japan2017で頭で味わったことと同じだった。

国際送電ビジネスと日本での可能性

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境, 電力ビジネス

2017/04/24  22:11


 

都留文科大学社会学科教授

 

霞が関ビル35階から国会を望む

自然エネルギー100%を目指す「RE100」の取り組み

カテゴリー: 再生可能エネルギー, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2017/03/10  23:32


 

ロッキーマウンテン研究所ビジネス再生可能エネルギーセンターのエルヴェ・トゥアティ氏

 

「Re100」を推進する英クライメート・グループのダミアン・ライアン最高責任者代理

 

世界のトップ企業が自社で使う電力を100%自然エネルギーに転換する取り組みが広がっている。この動きを支援・促進している米ロッキーマウンテン研究所のビジネス再生可能エネルギーセンターのエルヴィ・トゥアティ・マネージングダイレクターと英国際環境NGOクライメート・グループのダミアン・ライアン最高経営責任者(CEO)代理が記者会見し、取り組みについて解説した。

主催は公益財団法人の自然エネルギー財団(会長・孫正義ソフトバンクグループ社長)。

ライアン最高責任者代理は「Re100」(Renewable energy 100)について、自然エネルギー100%を公約に掲げる世界的に最も影響力のある企業で構成された国際イニシアチブで、クライメート・グループがCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)とともに運営していると述べた。拠点はどちらも英国。

クライメート・グループはロンドンを拠点に、ニューヨーク、ニューデリー、北京にオフイスを持つ。小さな組織ではあるものの、それなりの影響力があると希望している。組織ができてから14年になる。企業や地方政府とネットワークを持っている。触媒機能を持ち、ハイインパクトで経済コミュニティーを変化させることを目指している。クリーンエネルギーの設計を促し、パリ協定の2度目標達成に貢献しようとしている。Re100イニシアチブは2014年にスタート。

15年度の環境省報告書によると、自然エネルギーの拡大では企業が非常に重要な役割を担っている。

・日本の自然エネルギー調達は116.1TWhで、主要先進7カ国中で最低の利用水準。
・30年までには太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、海洋エネルギーによりこれが3倍にまで上昇する可能性がある。

メンバー88社が107TWh(テラワット=ギガワットの1000倍)を超える自然エネルギーの需要を創生している。これは現在の日本の総消費量に匹敵する量だから大きな量だ。内訳は北米32社、欧州51社、アジア5社(インド3社、中国2社)。考え方はシンプルだが、強力なイニシアティブだ。アップルやイケアなど。GM、BMWグループ、ゴールドマン・サックス。中小企業だけのイニシアティブだけではなく、主導しているのは世界最大規模、影響力のある巨大企業が参加している。この数をできる限り増やしていきたい。

参加企業は世界トップ企業だが、これは自然エネルギーに対する企業コミュニティーから世界の支持が高まっていることを示している。これはグリーンビジネスではないのがポイントだ。トップ企業だ。

世界企業がRE100に加盟するメリットは4点。クリーンでグリーンであること。

・長期的な支出減/光熱費の安定化
・ビジネスリスクの低減
・排出量削減目標の達成
・社会的評価の向上

2015年のデータに基づくRe100年次報告書2017年版(1月発表)によると、

・15年までに11のメンバーが100%を達成
・大半が24年までに100%達成を目指している
・北米は、Re100メンバーの中で最も高い自然エネルギー需要を示している
・グリーン電力証書の購入が最も一般的な選択肢で、これにグリーン電力メニューの利用が続く
・15年は電気通信部門が97%と最も高かった
・ゼネラル・モーターズ(GM)は自然エネルギー利用により年間500万米ドルを節約した。今後、より拡大していく
・タタ・モーターズは全社の電力の約9%を自然エネルギーから取得し、CO2換算で3万5099トン分の温室効果ガス排出抑止につながっている
・アップルは自社排出量の77%がサプライチェーンに由来するという試算に基づき、20年までに全世界の4GW以上の新エネルギーを導入するため、サプライヤーとともに取り組みを行っている。ただの1社がこれだけのパワーを導入している。

加盟するためには3つの技術的基準を満たさなければならない。

・世界全社の電力の100%を再生可能資源由来とする公約
・自然エネルギーの消費および発電について、年次報告を行う公約
・第3者認証が必要とされる

企業は自家発電(イケア)電力購入などたくさんのオプションを持っている。クライメート・グループとしてはできるだけ多くの企業に加盟を勧めている。市場の需要を変えていくことで市場が急速に伸びるし、転換点に到達し、もはやこうしたイニシアチブが無用になることを望んでいる。

主要なターゲットとしては中国、インドを想定。アジアを増やしたい。日本も重視していることを認識している。ビジネスが需要家も取り入れながら増やしていくか。

米ロッキーマウンテン研究所ビジネス再生可能エネルギーセンターのエルヴィ・トゥアティ・センター長は以下のように語った。電力をグリーン化したいと考えた場合、企業が行う場合、最初のオプションはオンサイト(系統売電)で始めるということだ。グリッドなくして生きていけない。PVのモジュールを屋上に設置する。そのあと何をするか。第2は太陽光で発電を行うことだが、ゼロではできない。グリーンエネルギーをオフサイトから買ってくるしかない。100%にしたい場合、どうしても外部から調達する必要が出てくる。

 

 

        電力購入契約(PPA)の主な特徴

 

アメリカ企業が何をするのか。風力、太陽光などをどのように調達しているのか。主に使われている仕組みはこれだ。

購入企業は風力・太陽光デベロッパーと契約を締結する。電力を欲しい会社がデベロッパーと相対の契約で市場価格で買うと固定料金を支払う。会社側が手にするのは自然エネルギークレジット(REC)と呼ばれる証書。

企業は再エネを使っていると言いたい。自分たちもこういう努力をしたので新たな風力、太陽光発電所ができたと主張したい(追加性=additionality)。

これを日本で行う場合には流動性の高いスポット市場が必要だ。経産省を説得する必要がある。ディベロッパーがプレミアムを受け取り仕組みが必要だ。電気代を上回るプレミアム。日本に是非検討してもらいたい。

ビジネス再生可能エネルギーセンター。これは複数の会社が集まっているコミュニティー。アメリカで自然エネルギーに注力している企業の集まりだ。どういう風に自然エネルギーを調達するか考えている企業で、現在193社がメンバー。バイヤーにはホンダ、ブリチ”ストン、スプリント(ソフトバンク)が入っている。ディベロッパーには米州住友商事、北米住友商事も入っている。

リーダーの存在はどういうところか。あらゆるセクターが参加している。トップ6社は2006年がエクソンモービル、GE、マイクロソフト、シティグループ、BP、ロイヤル・ダッチ・シェルだったが、16年はアップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、エクソンモービル、フェイスブックとハイテクが5社を占めた。

こういう会社は投資家や顧客、従業員に影響力を及ぼしている。だから大事なのだ。サプライチェーンにも影響力を及ぼしている。つまり取引先にも影響力を及ぼしている。この点が大事だ。

フォーチュン100の中で66社が「サステナビリティ」を目標に設定している。101社から250社までは54%、251~500社は30%が何らかの設定を行っている。フォーチュン100ならばPPAを13%が調印済みだ。大きな企業が主導しているものの、これだけ多くの企業にまで影響が広がっている。

トップの会社がサプライヤーに圧力を掛けるので他の会社もどんどん追随していく。

新政権の影響はどうか。選挙の2日後にデトロイトで会議を行った。電話で答えてもらった。「トランプ政権の誕生で自然エネルギー調達の意思にどういう影響が出るか」と聞いた。ほとんどが「変わらない」と答えた。

太陽光業界対石炭業界の雇用は圧倒的に自然エネルギーの方が仕事がある。デトロイトの会議では国際化、過去の教訓、一括取引への参画、経済性がどうか。企業は無駄にお金を払いたくないゆえ、自然エネルギーを買う場合、価格を考える。会社として電力を買いたい場合、すべての会社は専門家ではない。

そのエネルギーはどこから来るのかと聞くと、「壁からくる。コンセントから来る」。あんまり発電の方法を考える必要はなかった。今はスキルが必要となっている。電力を知らないといけない。だからサポートが必要だ。ツールがないと、正しく電気を選べない。

全量を卸市場に卸させる。それによって流動性を高める。

Q:「Re100」に日本企業が加盟していない理由は何か。加盟しなければ日本企業にどのうようなデメリットがあるのか?
A:日本市場に十分関与していないためだ。政策環境が日本において非常に難しいと認識するに至った。これが企業が直接的あるいは間接的に自然エネルギーを調達しにくくしている。これは政策の困難が変わらない限り、変わらない。評価リスク、風評リスクはすぐどうこうというわけではないが、日本企業が国際的に事業を行う場合、自然エネルギーを支持しているとみられることがより重要だと思う。特にコンシューマー製品を提供している企業にとってはなおさらだ。自然エネルギーに対するサポートが主流の企業のコミットメントになるはずだ。

Q:社内的にはCO2を減らしている日本企業はたくさんある。ただ入るメリットがどこにあるのか?タタの9%は少ないのではないか?
A:トヨタ、日産などが色々やっているのは分かるものの、グリーン化の変革は始まったばかり。物を生産する場合、自然エネルギーで行いたい。それをなるべく早く実施したい。リスク管理の戦略だ。サポートがなければマーケットのシフトが起こらない。タタは少ないけれど、コミットをした。ここが鍵だ。具体的にそれを実現する手段を持っている。日本企業の中では100%をコミットすること自体が難しい

Q:電力のどこに変化が起きているのか?
A:電力の世界は劇的に変わってきている。歴史的にみれば、コジェネ、高電圧のグリッドなどから利益を得てきた。それはもうない。高く付く。ガスプラント、石炭プラント、原子力など非常に高くなっている。伝統的な規模の経済はなくなった。一方、新しい電力のビジネスで起こっている。自然エネルギー、エネルギー効率は劇的に変わってきている。需要家のほうに変化が起きている。
A:技術・供給が足りないのではなく、市場からのプルが牽引力となって動きがあった。デマンドサイドの会社の方が多い。風力は5社、太陽光は十数社。デマンド側は全社。そのためにデマンドサイドに集中している。

Q:日本のどこにRe100を邪魔している最大の理由は何か?「コメットすること自体が難しい」のはなぜか?
A:日本では自然エネルギー価格自体がまだ高い。よって調達が難しい。非化石価値取引市場が生まれようとしているが、「自然エネルギーの価値を使っていることを主張できることの仕組みがちゃんと出来ていない」。この2点だ。
A:日本企業の取締役にためらいがあるのかもしれないが、柔軟性があるのは良い点だ。ヨーロッパの会社にとっては自然エネルギーよりも温暖化ガスの削減のほうが重要だ。米国の会社は気候変動の話はしたくない。政治的に今分断されている。気候といいたくないので違う言い方をしているのかもしれない。
A:日本で必要なのはRE100のようなイニシアチブではなくて、企業がもっと低いレベルでコミットできる仕組みが必要なのかもしれない。まだマーケットが十分大きくなく、流動性がないので100%そもそも調達ができないかもしれない。マーケットのデマンドを作り出すことだ。われわれが100%という非常に高い目標を設定した理由は一番高い野心を目指すことがベストだと思ったからだ。かなりの会社が目標を達成していることは喜ばしい。われわれの活動についてはボクシングで言う「ワンツーパンチ」。変化を起こしたいのであれば、最初に自然エネルギーを使いたい、我が社はコミットしている。2つ目のパンチは政府がきて、会社の声は聞こえた。要求は聞いた。会社もサポートしていることが分かった。だから政府も政策を変えて会社がそうできるようにしよう。両方のパンチがあれば、このサイクルが好循環になる。これを要求する。会社はできますよ。じゃあ政府はもっとサポートしよう。というサイクルでどんどんできる良い循環。日本ではそれが良いのかもしれない。ただ、何らかのターゲット設定しなければ循環は始まらない。
A:日本の会社と言えば、日本の電力の消費だけではないと思う。海外に進出している。日本の外でスタートしてもいい。待つ必要はない。日本政府をプッシュしてワットメカニズムを導入して100%可能にするとか。
A:こういうことを話すとアメリカ人はビジネス志向だから、ベネフィットを見る。それもソフトなベネフィット。
Q:トランプ政権の誕生で温暖化対策の予算が削減されることはないか?
A:自然エネルギーは自らを正当化できる。雇用を生むし、エネルギー安全保障も高まる。経済性にも適う。何も気候のためという話をしなくても、経済のために仕事ができる。だから必要だ。だからトランプがそう言ってもあまり心配していない。マイナスの影響はあるかもしれないが、これは想定通りの影響だ。
Q:エネルギー政策における州政府と連邦政府の役割はどうなっているのか?
A:自然エネルギーの需要を主に引っ張っているのは州が決めているRPS制度(Renewable Portfolio Standard)のためで、自然エネルギーの比重が高い。電気調達量の一定量を新エネルギーとすることが義務づけられた。カリフォルニア州は30年まで50%を再エネ、ハワイ州は100%を45年までに目標としている。40年までにできるとしている。
A:新政権のリスクを過小評価できない。気候変動に役に立たないことをするリスクはある。今は一種の勢いがある。市場のモメンタムだ。クリーンエネルギーをプッシュする。多分この勢いはもう止められない。結局は自然エネルギーが今後数十年間で支配的な電源になっていく。これは止めることができない。新政権はスピードを抑えることは出来るが、止めることはできない。だからこそ、Re100はなおさら大事だ。企業関係者Re100を支持していることが目に見えるから。アメリカでは一般市民の中でクリーン化に対してサポートがある。100%以上一般の人が支持している。超党派。国民はクリーンエネルギー展開をサポートしている。こういうことがあるのであまり悲観的にならないで済む。キーパトナーの1つがカリフォルニア州だ。一部の州は引き続きクリーン対策を取っていく。他にも追随するところがある。経済を成長させるためにはあくまでもクリーンテクノロジーと再エネであると期待できると思う

 

サステナブル・ブランド

カテゴリー: 経済/デリバティブ, 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2016/12/09  20:02


 

講演する足立直樹氏

 

新しい言葉が生まれると、それを利用して金儲けをしようと考える人間が多い。特に最近、流行りとも言える「サステナブル」(sastainable)「サステナビリティー」(sastainability)という考え方が大流行している。持続可能な、持続可能性ということだ。

つまり、今や地球は温暖化に直面し、放っておいたらこのままでは地球そのものが消滅しかねないのは確実な情勢だ。何とか努力して持ちこたえることが必要でもある。そこで持続可能な社会を維持するためにはどうしても地球温暖化対策を講じなければいけない。

そこで国連は2015年9月25日、国連加盟193カ国による国連サミットを開催し、2030年までの次の15年間に向けた全17分野169項目にわたる新しい持続可能な開発目標(SDGs)を全会一致で採択した。

SDGsは国連が2000年から15年末までの目標として掲げてきたミレニアム開発目標(MDGs)の後継となる目標だ。MDGsでは大きな進展があったものの、完全ではなく、いまだ世界全体の課題は山積しているのが現状だ。

今回のSDGsはMDGsよりも野心的かつ包括的な目標。開発途上国だけではなく、先進国も含む全ての国々を対象としており、貧困や格差是正、男女平等などのほか、MDGsには含まれなかった気候変動対策や持続可能な消費、イノベーションなどが含まれている。

SDGsは、法的な拘束力があるものではなく、目的達成状況の測定方式なども各国に委ねられている。ただ今後、各国政府は道義的な責任に基づいて目標達成に向けた政策や制度を実行し、国連に毎年達成状況を報告することになっている。

 

世界は何を信じるか!

 

世論調査会社Globescanが実施した信頼度調査によると、2016年は科学・学術機関は48%、NGOは30%、大規模慈善団体は25%、国連は16%、国内企業は12%、国内政府は1%、世界企業は0%だった。

つまり世界企業の信用度は極めて低く、何をやっても信頼されない。事実上ゼロに過ぎなかった。これが実態だ。25カ国の一般的市民が対象だった。

 

目的の明確な会社を支持する

 

ただ、同じGlobescanによると、同じグローバルな企業でも消費者の65%の支持を得たのは目的が明確なブランドだった。アジアでは、消費者の67%が目的の明確なブランドを支持した。

 

共通価値は絶対だ

 

コンプライアンス(法令順守)は当たり前だ。その上に未来を守るサステナビリティ(持続可能性)が必要だ。しかし、それでも足りない。そこで、独自のものとして栄養、水資源などに対する社会貢献を共通価値として挙げた。これがネスレの絶対価値だ。

ネスレだけではない。他の企業も明確なビジョンを持たなければならない。東芝のAdvertizing Sloganは「Leading Innovation」、日立は「Inspire the Next」、Panasonicは「A better Life、 A better world」。

これがグループとしての共通価値かもしれない。とにかく、企業は走り続けなければならない。大変だ。

サステナブルブランド国際会議2017東京が来年3月に東京ミッドタウン・ホールで開催される。それに向けた動きが始まっている。主催するのはサステナブル・ブランドジャパンを運営する博展。

サステナブル・ブランドジャパンは米総合メディア企業のサステナブル・ライフ・メディア社のサイト運営に関わっている。同社は2006年に創設され、今年は6月にカリフォルニア州サンディエゴで開かれた。23カ国から約1500人が参加。今年のスローガン「Activating Purpose」について30以上の講演やシンポジウム、ワークショップが繰り広げられた。

 

 

再生可能エネルギーのコストが低減

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

2016/12/08  23:38


 

理事長のトーマス・コーベリエル氏

 

再生可能エネルギーの価格が下がる

 

中国の風力発電所の設置台数がうなぎ登り

 

発電量の年率推移

 

自然エネルギー財団のトーマス・コーベリエル理事長が記者会見し、パリ協定後の世界的なエネルギーについて、再生可能エネルギーのコストが急激な値下がりを見せていると指摘。記者団の質問に答えた。

目玉は『ナノセルロース展』

カテゴリー: 講演会/シンポ/セミナー/勉強会, 資源/エネルギー/環境

  23:28


 

ナノセルロース展

 

日本製紙グループ

 

王子ホールディングス

 

環境・エネルギー展の中心はナノセルロース展。経産省の展示の両サイドに王子ホールディングスと日本製紙グループの2大展示が占めた。

日本製紙は先発だ。紙オムツを開発した。それに比べ、かなり遅れたものの、先行を必死に追っている。その違いが展示でみられるかもしれない。