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防衛庁に押し込まれる外務省

カテゴリー: 途上国/ODA

2004/12/29  14:31


 日本のODA(政府開発援助)関係者と久しぶりに会い、最近のODAを取り巻く情勢についてレクチャーしてもらった。ODAは個人的に関心を持ってきたテーマだが、本来業務が忙し過ぎて、ここしばらく、ご無沙汰していた。個人的に感じていることを確認、あるいは修正したかった。
 
 何と言っても大きな変化は軍事色が急激に強まったことだ。防衛庁・自衛隊の存在が非常に大きくなった。もちろん、その背景にあるのはイラク戦争。従来の国連平和維持活動(PKO)の枠を一気に超え、イラクに自衛隊を派遣。派遣期間の1年延長もほとんど議論のないまま12月9日、閣議決定された。小泉首相は決定後記者会見し、自分の考えを語ったが、どう考えても、順番が逆だと思う。

 防衛庁は、来年1月から始まる通常国会に自衛隊法改正案を提出し、PKOへの協力や物資輸送などの「国際貢献」活動を現行の「付随的任務」から、国土防衛と並ぶ「本来任務」に格上げすることを目指していたが、断念。しかし直後の12月26日朝発生したスマトラ島沖地震に絡み、タイ側の要請を受けた形とはいえ、海上自衛隊の護衛艦など3隻を国際緊急援助隊派遣法に基づき、プーケット島に派遣。海外活動への取り組み意欲は実に旺盛だ。

 防衛庁・自衛隊に押されっぱなしなのが外務省・国際協力機構(JICA)連合。平時は「人道援助」が重要だが、いざ戦時なり、緊急時にはどうしても「軍事援助」に敵わないということなのか。2005年度ODA政府予算案は前年度3・8%減の7862億円と6年連続の減額。予算もさることながら、気になるのは外務省・JICA連合軍の影の薄さだ。押し込まれるのはODAへの取り組みに対する理論武装が弱体化しているのでないか。テロを生む最大の理由は「貧困」であり、それを解消するのは武力ではないはずだ。そのメッセージを訴える力が衰えていると感じるのは私だけだろうか。

途上国頼みのIT産業

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2004/12/26  23:19


 近着の国際協力機構(JICA)広報誌「国際協力」12月号をめくっていたら、「世界の鉱物資源(非鉄金属)」(DATA BOX欄)を取り上げていた。鉱物資源はさまざまな形でわれわれの暮らしを支えているが、中でも社会基盤が高度化するに伴い、重要度を増しているのが非鉄金属資源。銅、鉛、亜鉛、アルミニウムなどの「ベースメタル」(卑金属)とニッケル、クロム、チタン、コバルト、マンガンなどの「レアメタル」(希少金属)がそれである。

 近年、特に注目されているのは「レアメタル」だ。携帯電話や液晶テレビ、電池などに利用され、IT(情報技術)産業や航空・宇宙開発などでも不可欠な鉱物。今後ますます消費量が伸びると予想されている。日本は今や、ニッケルは16%、コバルト25%と、世界最大級のレアメタル消費国になっている。

 問題はこれらレアメタルの埋蔵国が一部に限定され、しかもアフリカなど政治・経済情勢の不安定な開発途上国に偏っていることだ。政情不安や内乱などが起こった場合、一気に供給が途絶するリスクを常に抱えているわけだ。国際協力誌が「日本の産業活動の持続・発展のためにも、世界の平和と安定への国際協力が大切だ」と主張するゆえんだ。

 供給が途絶した場合の価格高騰が心配だ。それでも先物取引所に上場されていれば、高騰しても、市場メカニズムから、価格抑制力が働くが、そうでない場合は、青天井。まず、止まらない。先物でレアメタルを上場しているのはロンドン金属取引所(LME)と大阪商品取引所(OME)だけで、それも取引しているのはニッケルのみ。国内IT業界のために、何もないことを祈るだけである。

投資家から選別される時代

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2004/12/23  19:55


 12月22日夕、久しぶりに人形町に行った。隣の蛎殻町と並んで、とても懐かしい街だ。かつて商品先物取引業界を取材していたころ、毎日、この街の空気を吸っていた。つい5年前までのことだ。街並みは変わっているところもあるが、大概は変わっていない。変わってなくて嬉しいのは街並みや賑わいだ。変わって欲しいものもある。

 「2004年末」というのは市場関係者にとって特別の響きを持つ。というのも、1999年4月に施行された改正商品取引所法で、「2004年末」に先物取引会社の収益の大半を占める委託手数料を完全自由化することが盛り込まれたからだ。その「2004年末」が遂に来た。

 2005年は日本の商品先物取引業界にとって歴史に残る年になるだろう。年明け早々からの手数料完全自由化で、一段と競争が激化するのに加えて、投資家保護に思想を転換したとさえ言われる新改正商品取引所法が5月1日に施行され、不招請勧誘の禁止など営業行為にも厳しい規制が課せられるからだ。本当に、体力のある取引会社しか生き残れない。

 投資家自身の自己責任を強く求められる金融自由化時代。しかし、市場制度そのものが”業界本位”では話にならない。業界のための市場ではなく、投資家のための市場、国民経済に資する市場でなければならないはずだ。それにしても、業界のための市場である時代が長過ぎた。それでも、やっと業界が投資家から選別される時代が幕を開ける。

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