レセプション参加はやめられない!

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2005/01/11  23:55


 シカゴ商品取引所(CBOT)と全米先物業協会日本支部(FIAJ)共催の第2回年次レセプションが1月11日夜、東京會舘で開かれた。FIAJ主催のレセプションにはこれまで、シカゴにあるもう1つの先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の首脳が出席することが多かったが、今回はライバルのCBOTが共同スポンサー。
 
 レセプションではCBOTのバーナード・ダン理事長兼最高経営責任者(CEO)があいさつ。2005年の世界の先物産業の最優先課題はマーケットへのアクセス(参入)を増やすことであると述べ、CBOTとしてもそのために全力を傾注する考えを明らかにした。市場拡大の続くアジアとの連携は重要との判断がCBOT側にもあるようだ。

 レセプションの楽しみはもちろん、顔なじみに会って旧交を温めることもその1つだが、最大の楽しみは、それまで全く存在すら知らなかった人物と偶然に話を交わすことができることだ。今夜も最初に言葉を交わしたのが何と米連邦準備制度理事会(FRB)傘下の連邦準備銀行から出張中の調査部門担当者。へえ、こんなところに、こんな人が来ているということを知るのは格別の楽しみで、さらに、その人物と実際に話しをできるのは実に幸せだ。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のトーマス・J・マクマン氏とは昨年11月の東京工業品取引所(TOCOM)レセプションで会って以来。同氏は11日付で、NYMEX東京事務所の代表就任が発表されたばかり。びっくりしたのは前日、フェアに参加した大阪証券取引所の執行役員氏に声を掛けられたこと。外国為替証拠金の上場を間近かに控え、ちょうど会いたいなと思っていた東京金融先物取引所(TIFFE)の太田省三専務にも会えた。これだから、パーティー出席はやめられない。

大証株式先物・オプションフェア2005

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2005/01/10  23:25


 大阪証券取引所(OSE)主催の「株式先物・オプションフェア2005」が1月10日、東京国際フォーラムで開かれた。講演会と先物取引仲介業者の出展をセットしたフェアで、色んな意味で注目を集めている日本振興銀行の木村剛社長が講師を務めたこともあったためか、会場にはたくさんの投機家が詰め掛けていた。

 木村氏の演題は「おカネの発想法~本物のおカネ持ちになろう!」。話は軽妙洒脱で力強く、かつ論理明晰。日本が抱えている借金(国・地方の長期債務残高合計)は約700兆円と、国内総生産(GDP)の140-160%にも上り、国は全く当てにできない状態。「霞ヶ関にも良い人はいるかもしれないが、米びつは空。無い袖は振れないから、国に頼ってはだめ」と霞ヶ関を切って捨てた上、自分の資産は自分で守るしかないと強調。しかし、最後に氏が披露した投資原則は、「世の中にうまい話はない」。やはり、そう簡単にはおカネ持ちになれなさそう。

 「個人投資家が勝ち抜くためには!」と題して講演したのは日本システムトレーディングの柳谷雅之社長。自らの選んだ相場手法である「短期システム売買」について自説を展開。相場のある種の挙動に法則性を発見し、それを利用する売買をルール化するとの考え方に基づき、数秒から1週間以内の時間枠で短期売買を繰り返す。時間枠が短いほど値動きの予測がしやすいためで、氏の得意とする時間枠は丸1日。つまり、1日1回市場に入って、1回仕切るというものだ。

 しんがりはシンプレクス・インスティテュートの伊藤祐輔社長。タイトルは「プロのトレーダーが語るデリバティブ」。本物のプロには”ストレス”という名の友人がおり、また”リスク”という名の愛人がいるという。トレーダーは大概人が悪く、何でも賭けの対象にしたがる性癖があり、また、勉強家で負けず嫌いという特徴を有するとか。こうしたプロが好んで使うのが先物で、「買い」でも「売り」でも可能な点が魅力だという。現物株は銘柄が多くて、情報を集める手間も大変だが、日経平均株価(日経225)先物は”1銘柄”で、フォローする楽さ加減は話にならないというのが氏の見解だ。

 大証が日経225先物市場を開設したのは1988年9月。株式関連デリバティブのセントラルマーケットとして、市場改革への取り組みは東京証券取引所を凌駕する。大阪はかつて、世界の先物取引の始まりであるといわれる「堂島米会所」を生んだ土地。大証としては、現物株取引の東証一極化が進む中で、ここまで育てた日経225先物は何としても死守しなければならない市場だ。先物への個人投資家の関心が高まっているのを目の当たりに見て、意を強くした1日だった。

浅草で「大衆演劇」を見る

カテゴリー: 東京日誌

2005/01/09  23:30


 3連休の中日の1月9日、東京・浅草の浅草寺に初詣に出掛けた。今年の初詣は東京大仏、新井薬師、北野神社に次いで4つ目。神社仏閣のご加護やご利益を強く信じているわけではないが、何となく、神仏に祈れば、気持ちが改まるのは確か。申し訳ないが、信仰心で参拝するというよりも、レジャーの一環とでも言うべきか。

 浅草に行く別の目的は大衆演劇。人情劇中心の芝居と歌謡・舞踊ショーの2部構成で、一歩館内に入れば、難しいことは忘れて、3時間ほど、現世離れした世界に浸れる。昨年は浅草大勝館で、橘劇団(座長・橘菊太郎)の新春特別公演を見たが、今年は木馬館。市川千太郎劇団の演じる平成17年を華と飾る初春公演「夢舞台」。なかなかの演技力にはいたく感心。客層に違和感があったものの、どうも病みつきになりそうだ。

 受付で買った月刊情報誌「演劇グラフ」2月号の表紙は市川千太郎座長の大写し。加えて5ページにわたるグラビア。歌舞伎が自前の劇場を持つ大芝居で、伝統と格式を重んじるとすれば、大衆演劇は分かりやすく、庶民的な「小芝居」。劇団数も全国に100以上もあるという。

 正午開演の公演が終わって外に出ると午後3時半すぎ。ぐんと冷え込み、お腹も空いた。とあれば、目指すは「今半別館」しかあるまい。総桧造りの部屋と緑の庭園、それに明治から80年の伝統と独特の味(割り下)が売り物のすき焼の老舗だ。残念ながら、この日は個室は無理で、別館に隣接の「安愚楽亭」(椅子席とカウンター席)に通されたが、熱いすき焼が空腹を満たしていくのは快感。熱燗も2本いただいて、非常に幸せでした。

変革の年

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2005/01/06  01:10


  商品先物取引業界の新年賀詞交歓会が1月4日午前、千代田区丸の内の東京會舘9階のローズルームで開かれた。この業界と縁ができて以降の10年間、毎回参加している。10年とつぶやいて、我ながら、感慨深いものを感じる。
 
 今年は同業界にとって大きな変革の年。委託手数料が年明けとともに、完全に自由化されたほか、5月からは委託者保護を中心とした改正商品取引所法が施行される。課題の多い年だが、「この課題を克服していければ、将来に向け、大きな展望を持てる年になる」(森実孝郎東京穀物商品取引所理事長)のは確か。

 問題は、「制度が改正されて大変だと考えるのでなく、これを契機に、ビジネスの形を改革するチャンスと捉える」(迎陽一経済産業省商務流通審議官)ことができるかどうかだ。恐らく、それができるところだけが生き残り、できないところは市場から退場を余儀なくされることになろう。

 ある業界関係者からもらった年賀状には「今年は正念場」とあった。取引所や所管官庁、商品取引会社など業界関係者ばかりが主役で、肝心の委託者(投資家)の理解を得ることにあまり熱心でなかったのがこれまでの日本の商品先物市場。その市場の中心にようやく委託者が座ろうとしている。業界が本当に委託者あっての市場だと考えているのか、答えの出るのはそんなに遅くないはずだ。
 

謹賀新年

カテゴリー: 東京日誌

2005/01/04  00:00


 今年の正月は6年ぶりに東京の自宅で迎えた。大晦日が仕事の出番だったためで、自宅に戻ったのは新年になる10分前。風呂に入っている間に、「行く年」が「来る年」に変わっていた。それにしても、何と、時間は、あっけなく、過ぎていくものよ。

 逃げ足が実に速い。時計の秒針を眺めるのが恐ろしい。時間は追い立てなければならない。追い立てるぐらいでちょうどだ。でなければ、追い立てられるだけだ。追い立てられて、踏み切った行動はとかく思慮を欠く。行動は速いに越したことはない。躊躇しているうちにも時間は去り、状況も変わる。間違った思えば、引き返せばよい。

 初詣は東京大仏(東京都板橋区=元旦)と新井薬師(東京都中野区=3日)の2回。新井薬師は意外と穴場かも。住職の説教が外にいてもよく聞こえ、寺と参拝客との距離が小さく、ひどく身近に感じられて良かった。道路を挟んで隣接する北野神社の境内で、紅梅がもう咲いていた。

 3日はUnited Cinemas Toshimaenで「ハウルの動く城」(宮崎駿監督作品)を観る。90歳の少女ソフィーがヒロイン。恋人は弱虫の魔法使いハウル。その弟子マルクル、ハウルの城の暖炉に住み、城を動かす火の悪魔カルシファー、ソフィーが荒地で助けたカブ頭のカカシなどが繰り広げるファンタジーだ。大人が観ても楽しめた。

 イラク・テロ、アテネ五輪、台風最多上陸、拉致問題、新潟中越地震、極め付けはスマトラ沖大地震・津波と昨年はいろいろありました。今年は何があるのだろう。でも、何かを待っているのはやめて、自分でやりたいことに取り組みたい。時間を追い立てよう。押し込まれないためにも。自分で納得のいく時間をどれだけたくさん持てるか、それが重要だと思う。

 

酔画仙

カテゴリー: 映画/テレビ/舞台

2004/12/29  18:04


 激動の19世紀朝鮮時代を生きた天才画家、チャン・スンオプ(張承業)の波乱に満ちた人生を描いた「酔画仙」を岩波ホールで観た。韓国映画界の巨匠、イム・グォンテク(林権澤)監督が2002年に製作、韓国映画として初めて、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した作品だ。

 チャン・スンオプ(雅号:吾園=オウォン、1843-1897)は朝鮮半島末期に貧しい家に生まれ、各地を漂白しながらも、筆一本で宮廷画家にまで登りつめた実在の人物。伝統に囚われない自由な作風が身上で、名を残していながら、記録は乏しく、「宮廷画家に任命されてから宮廷を3回も逃げ出した」、「酒と女なしでは絵を描けなかった」放蕩者などの逸話が残っているだけだ。

  映画はそんな破天荒なスンオプの謎に包まれた生涯を描く。彼は山水、人物、器皿、折枝など、幅広く描いた。心を許した女メヒャンの純白のチマに赤い絵の具で描かれる梅の花、同居する女ジノンが別れる際に所望した屏風絵の梅花図。まるで命が吹き込まれるように、力強く紙の上を流れる筆の躍動感を眺めているだけでも気持ちがよい。

 主たる舞台は外国の侵略と腐敗政治、反乱などで国運の傾いていた朝鮮時代の首都・漢陽(今のソウル)。清軍や日本軍も軍事介入し、庶民の生活も困窮する中で、スンオプを慰めていたのは路地裏の居酒屋。それが実にリアルに描かれ、そこに集まる庶民の姿も妙に生き生きとしていて、非常に印象的だった。

 

防衛庁に押し込まれる外務省

カテゴリー: 途上国/ODA

  14:31


 日本のODA(政府開発援助)関係者と久しぶりに会い、最近のODAを取り巻く情勢についてレクチャーしてもらった。ODAは個人的に関心を持ってきたテーマだが、本来業務が忙し過ぎて、ここしばらく、ご無沙汰していた。個人的に感じていることを確認、あるいは修正したかった。
 
 何と言っても大きな変化は軍事色が急激に強まったことだ。防衛庁・自衛隊の存在が非常に大きくなった。もちろん、その背景にあるのはイラク戦争。従来の国連平和維持活動(PKO)の枠を一気に超え、イラクに自衛隊を派遣。派遣期間の1年延長もほとんど議論のないまま12月9日、閣議決定された。小泉首相は決定後記者会見し、自分の考えを語ったが、どう考えても、順番が逆だと思う。

 防衛庁は、来年1月から始まる通常国会に自衛隊法改正案を提出し、PKOへの協力や物資輸送などの「国際貢献」活動を現行の「付随的任務」から、国土防衛と並ぶ「本来任務」に格上げすることを目指していたが、断念。しかし直後の12月26日朝発生したスマトラ島沖地震に絡み、タイ側の要請を受けた形とはいえ、海上自衛隊の護衛艦など3隻を国際緊急援助隊派遣法に基づき、プーケット島に派遣。海外活動への取り組み意欲は実に旺盛だ。

 防衛庁・自衛隊に押されっぱなしなのが外務省・国際協力機構(JICA)連合。平時は「人道援助」が重要だが、いざ戦時なり、緊急時にはどうしても「軍事援助」に敵わないということなのか。2005年度ODA政府予算案は前年度3・8%減の7862億円と6年連続の減額。予算もさることながら、気になるのは外務省・JICA連合軍の影の薄さだ。押し込まれるのはODAへの取り組みに対する理論武装が弱体化しているのでないか。テロを生む最大の理由は「貧困」であり、それを解消するのは武力ではないはずだ。そのメッセージを訴える力が衰えていると感じるのは私だけだろうか。

途上国頼みのIT産業

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2004/12/26  23:19


 近着の国際協力機構(JICA)広報誌「国際協力」12月号をめくっていたら、「世界の鉱物資源(非鉄金属)」(DATA BOX欄)を取り上げていた。鉱物資源はさまざまな形でわれわれの暮らしを支えているが、中でも社会基盤が高度化するに伴い、重要度を増しているのが非鉄金属資源。銅、鉛、亜鉛、アルミニウムなどの「ベースメタル」(卑金属)とニッケル、クロム、チタン、コバルト、マンガンなどの「レアメタル」(希少金属)がそれである。

 近年、特に注目されているのは「レアメタル」だ。携帯電話や液晶テレビ、電池などに利用され、IT(情報技術)産業や航空・宇宙開発などでも不可欠な鉱物。今後ますます消費量が伸びると予想されている。日本は今や、ニッケルは16%、コバルト25%と、世界最大級のレアメタル消費国になっている。

 問題はこれらレアメタルの埋蔵国が一部に限定され、しかもアフリカなど政治・経済情勢の不安定な開発途上国に偏っていることだ。政情不安や内乱などが起こった場合、一気に供給が途絶するリスクを常に抱えているわけだ。国際協力誌が「日本の産業活動の持続・発展のためにも、世界の平和と安定への国際協力が大切だ」と主張するゆえんだ。

 供給が途絶した場合の価格高騰が心配だ。それでも先物取引所に上場されていれば、高騰しても、市場メカニズムから、価格抑制力が働くが、そうでない場合は、青天井。まず、止まらない。先物でレアメタルを上場しているのはロンドン金属取引所(LME)と大阪商品取引所(OME)だけで、それも取引しているのはニッケルのみ。国内IT業界のために、何もないことを祈るだけである。

投資家から選別される時代

カテゴリー: 経済/デリバティブ

2004/12/23  19:55


 12月22日夕、久しぶりに人形町に行った。隣の蛎殻町と並んで、とても懐かしい街だ。かつて商品先物取引業界を取材していたころ、毎日、この街の空気を吸っていた。つい5年前までのことだ。街並みは変わっているところもあるが、大概は変わっていない。変わってなくて嬉しいのは街並みや賑わいだ。変わって欲しいものもある。

 「2004年末」というのは市場関係者にとって特別の響きを持つ。というのも、1999年4月に施行された改正商品取引所法で、「2004年末」に先物取引会社の収益の大半を占める委託手数料を完全自由化することが盛り込まれたからだ。その「2004年末」が遂に来た。

 2005年は日本の商品先物取引業界にとって歴史に残る年になるだろう。年明け早々からの手数料完全自由化で、一段と競争が激化するのに加えて、投資家保護に思想を転換したとさえ言われる新改正商品取引所法が5月1日に施行され、不招請勧誘の禁止など営業行為にも厳しい規制が課せられるからだ。本当に、体力のある取引会社しか生き残れない。

 投資家自身の自己責任を強く求められる金融自由化時代。しかし、市場制度そのものが”業界本位”では話にならない。業界のための市場ではなく、投資家のための市場、国民経済に資する市場でなければならないはずだ。それにしても、業界のための市場である時代が長過ぎた。それでも、やっと業界が投資家から選別される時代が幕を開ける。