人形町大観音寺の「花まつり」
4月8日(金)、知人とランチの約束のため、久しぶりに人形町に出掛けた。次の約束まで少し時間があったので、商店街をぶらぶら歩いていたら、耳に飛び込んできたのが「花まつりをやっています」との呼び声。人形町商店街協同組合主催のいわば、町興しの一環行事だった。
「大観音寺」(正確には「おおがんのんじ」と呼ぶ。東京都中央区日本橋人形町1-18-9)。ご本尊は「聖観世音菩薩」。もらった「縁起」によると、鎌倉の鶴岡八幡宮境内で、掘り起こし中の井戸の中から出てきた「鉄(くろがね)造りの菩薩像」で、明治初年に、由比ガ浜に捨てられるところを、人形町の住人が持ち帰り、明治9年に現在の地に勧進し奉祀せられたとか。鉄製の仏像は全国でも珍しいそうな。
魚河岸料理の老舗「よし梅」のそばだから、「うっかりすれば見逃してしまうような小寺」の存在は知っていた。しかし、何段もないものの、道路から石段を上がらなければならないことのほか、本当に小さなお寺なので、ほとんど関心を払っていなかったのが正直なところだった。
4月8日は「花まつり」。お釈迦様の誕生日を祝う日だ。そう言えば、こどものころ、この日は村のお寺に行って、方丈様の話(説教)を聞くのが慣わしだった。甘茶をいただいたことも思いだした。ずいぶん、昔のことだ。今はもうそういう習慣はなくなっているのだろう。それが都会で、復活していることを不思議に思う。
お釈迦様に甘茶をかけ、お祈りした後、甘茶といただいた。甘茶とはヤマアジサイの1変種で、葉を乾かすと甘くなるという。その葉を煮出してつくるのが甘茶。50年ぶりくらいに飲んだ甘茶は本当に甘かった。