RIDING GIANTS
何が怖いと言って、地震ほど怖いものはない。自分のよって立つ基盤、地盤が揺らぐというのは途轍もなく不安感を呼び覚ますに十分だ。存在自体が揺らぐわけだから、逃げ出しようがない。恐怖そのものだ。
地震に伴って発生する津波も怖い。実体験はしていないが、先のインドネシア沖大地震の際、発生した津波の映像、その被害を見て、たっぷり疑似体験した。波立たない海は平穏だが、いったん荒れ狂い出したら、手を付けられない。荒れるのは波だ。
その波の恐怖に恋する男(女も?)がいるのだから、信じられない。巨大で、美しいが、その壮絶な破壊力を知れば、それに立ち向かおうなんて、気が知れない。恐怖そのものだ。それでも、その恐怖に敢えて挑もうとするのだから、波はよほど、魅力的なのだろう。
巨大で美しく壮絶な波に立ち向かった伝説のサーファーたちが大波の世界の真実を語ったドキュメンタリー、それが「RIDEING GIANTS」だ。「8階建てのビルが崩れ落ちるに等しい、創造を絶する波の衝撃」(TIME誌、宣伝パンフ)の迫力はすさまじい。
史上最高のビッグウェイバー、レイアード・ハミルトン製作総指揮&出演のアメリカ・フランス合作映画(2004年)。配給コムストック。今夏、VIRGIN TOHO CINEMASで公開予定だ。サーファーにはたまらない作品だろう。