東寺

 近鉄京都線に乗って京都駅向かう途中、その五重塔のあまりの美しさに魅せられて、「東寺」(とうじ=京都市南区九条町1番地)の境内に足を踏み入れた。新幹線の中から、いつも眺めていたが、実際に境内に入ったのは初めてのような気がする。

 真言宗総本山。その象徴が弘法大師が天長3年(826年)創建に着手した五重の塔だ。しばしば災火をうけ消失すること4度。現在の塔は寛永21年(1644年)徳川家光の寄進によって竣工した高さ55mの、現存する日本の古塔中最高の塔だとか。

 境内の中心に建つのが金堂。本尊の薬師如来の左右に月光菩薩と日光菩薩が鎮座する。金堂の隣に建つのは講堂。大日如来を中心に、四天王、帝釈天など21体の仏像が安置されている。
金堂だったか、講堂だったか、もう忘れたが、立て掛けてあったのが「十界」。思わず、コピーを買ってしまった。10円也。

 ▼十界

 ■悟

 如来  自らも悟り、又他をも悟らせつつあるもの。自他平等の状態。
 菩薩  他と共に悟りを得ようとして願をおこし、修業しているもの。初めて自己を超えた
      状態。
 縁覚  生活の中から独り悟りを見つけ出した状態。生活者。
 声聞  教えを聞くことによって真理を学びとろうとしている状態。学生。

 ■迷 

 天   勝れた楽を受けるが、なお苦を免れない。求めることはすべて充たされた人間の最        高の状態。しかし、そこにもなお苦がつきまとう。
 人間   堕落することもできるし、悟ることもできる。そういう間的存在。地獄と仏の間、
      人と人の間、生と死の間。
 阿修羅 嫉妬心が強く、常に不安がつきまとい、戦うことばかりやっている状態。
 畜生   互いに他を餌食として生長し、自分のことしか見えない状態。
 餓鬼   飲食が得られないために苦の止む時がない。欲求不満の状態。
 地獄   極苦処ともいう。生きていることすべてが苦であるという状態。

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