「ドバイ・マーカンタイル取引所」合弁で設立=NYMEX

ドバイ・ホールディングとニューヨーク商業取引所(NYMEX)は6月10日、中東初のエネルギー取引所となる「ドバイ・マーカンタイル取引所」(DME)を合弁で設立することで合意したと発表した。DMEは硫黄含有量の多いサワー原油と重油の取引を2006年早々にも開始する予定。取引は立ち会い方式と電子取引の両方で行われる。

 ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)の中心的な首長国。DMEは金融ビジネスを活性化させる目的で開設された「ドバイ国際金融センター」内に設立され、NYMEXが取引ノウハウなどを提供する。

 ドバイ・ホールディングのモハメッド・アル・ゲルガウィCEOは、「この合意は中東地域でエネルギーの商品取引を提供する重要な第一歩。われわれの最優先課題は、この合意を基に、中東資本市場における金融取引の高度化に伴い不可欠なリスク管理のプラットホームを構築することである」と述べた。

 また、NYMEXのミッチェル・スタインハウス会長は、「DMEの長期的な成功を目指して、われわれの培った豊富な知識を活用し、中東に最先端かつ世界最高クラスの商品取引所を設立したい」と抱負を語った。

 NYMEXにとっては、昨年11月のダブリン取引所開設、今年4月のロンドンでの取引所新設申請に続く世界戦略の一環。半面、シンガポール取引所(SGX)との合弁交渉は白紙撤回されたばかり。オープンアウトクライ(公開呼び値=手振り)方式に固執する取引スタイルとも絡んで、NYMEXの動きには目を離せない。

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