シックスフロア

米民主党の重鎮、エドワード・ケネディ上院議員(77)が25日夜、マサチューセッツ州の自宅で死去したとのニュースを聞いて、昨年11月に旅行したテキサス州ダラスの「シックスフロア」を思い出した。1963年11月21日、選挙遊説中のジョン・F・ケネディ第35代大統領を狙撃したとされるビルだ。
当時は教科書ビルとして使われていたが、このビルの6階の窓から3発の銃弾が発射された。歴史的な舞台となった6階がケネディと彼の暗殺に関する博物館として一般に公開されている。事件の悲劇性もあって、シックスフロアを訪れる人は今も多い。
海外からの観光客はもちろんだが、それ以上に多いのが米国人。11月という季節が旅行シーズンなのかどうか知れないが、結構込んでいた。米国人の間のケネディ人気の根強さに驚いた。なにせ45年も前のことである。
E・ケネディ議員はケネディ家9人兄弟の末弟として人気があったものの、1980年大統領選の民主党予備選で現職のカーター氏に敗れており、政治家としてはいま一歩だった。米メディアの大報道ぶりをみていたら、彼の政治的功績よりも、ケネディ王朝の最後の1人が遂に死を迎えたとの文脈の中で回顧的に捉えていたように思えた。この点は日本とあまり変わらないと感じたのは私だけだろうか。
