金木犀
前栽の金木犀が咲いていた。窓を開けると、ふわっと風に乗って甘酸っぱい香りが漂ってくる。この匂いはこの季節特有のものだ。去年もこの時期に来たのに、どういうわけか花が咲いていなかった。毎年咲くと思っていたのに、花を見なかった。なぜだろう。
95歳になる母に聞くと、この金木犀は母の祖父が大正年間に植えたという。逆コップ型に剪定し、前栽の中でもひときわ目立つ存在だ。彼岸花とともに、この季節に田舎に帰る大きな楽しみの1つだ。オレンジ色の花は段々、濃くなってきているように思うが、錯覚なのだろうか。