『東京家族』
作品名:『東京家族』
監督:山田洋次(監督50周年記念作品)
主演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優
2013年1月19日ロードショー
『東京家族』の試写を見た。実にしみじみした映画だった。最初、終映15分前に退席して次の予定をこなそうと考えていたのに、それを許さなかった。結局、最後まで席を動けなかった。そんな映画だった。
難しい映画ではない。どこにでもあるような家庭の物語だ。それでいて、懐かしいような、しみじみとした心情が流れる物語だ。大切な家族を思う気持ちがスクリーン一杯にあふれている。昔も今も、どこにでも、どこの家庭にもある、そんな風景だ。
東京周辺に住む子供たちを地方に住む両親が訪ね、久しぶりに再開し、近況を確かめ合う。そんな日常がゆったりと描かれている。そういう家庭は日本中に多い。『東京家族』と命名されているのはそのためだ。
私にとって山田洋次監督は『男はつらいよ』シリーズ。監督は『家族』『幸福の黄色いハンカチ』『息子』『学校』シリーズ、『おとうと』などの作品でも一貫して家族を見つめ続けてきた。時代によって移りゆく日本の家族の姿が色濃く描かれている。81本目の『東京家族』もそうだ。
日本映画を支える実力派キャストが好演している。もう一度、今度は映画館で見たいと思った。