タウンホスピタルIWAOモデル

 

街全体で高齢者を見守る仕組み作りを提唱する岩尾聡士氏

 

ゲスト:岩尾聡士高齢社会街づくり研究所代表取締役(医師・医学博士・MBA)
テーマ:チェンジ・メーカーズに聞く⑳

「名古屋大学特任教授の医師として、高齢者におけるヘルスケア問題に取り組んできた。昨年11月に低価格での在宅医療・看護・介護サービスを提供するタウンホスピタル”IWAOモデル”を名古屋市にオープン。『団塊世代が後期高齢者になるまでの5年をメドに、AIなどを活用したこのモデルを世界に紹介できるレベルにまでもっていきたい』と語る」(安井孝之日本記者クラブ企画委員)。

とにかく熱い人であることはよく分かった。「医者でありながらボクサーでもありまして・・・」。名古屋大学医学部在学中の28歳からボクシングを始め、30代前年で全日本社会人選手権3位。「2020年の東京五輪はボクシング競技のスポーツドクターとして参加できそう」だという。

それにしても難しいモデルだった。一回聞いても何が何だかよく分からない。恐らく、高齢者が聞いてもチンプンカンプンではないか。それだけ有り難い内容が詰まっているのかもしれない。

「2025年問題」と言われ方がよくされる。約800万人といわれる団塊の世代(1947~49年生まれ)が前期高齢者(65~74歳)に到達するのが2015年。そして75歳(後期高齢者)を迎えるのが2025年だ。現在1500万人の後期高齢者は2200万人にまで膨れ上がる。全人口の4人に1人は後期高齢者となる。こ超高齢化社会の到来だ。

タウンホスピタルIWAOモデル資料集から

 

75歳になると何が問題か。一番は、身体機能が衰弱し、日常生活動作(Activities for Daily Living=ADL)が低下することだ。手段的日常生活動作は日曜品の買い物をする、電話をかける、バスや電車に乗って外出するなど、基本的日常動作は風呂に入る、短い距離を歩く、階段を2~3段上がるなどを指す。

面白いのは男女で差が出ることだ。男性は1割くらいが高い自立度を保ち、2割は急激に要介護になる。約7割は75歳過ぎから徐々に自立度が落ちるという3集団に分かれる。一方、女性は高い自立度の線がない。75歳過ぎからやや急激に要介護になる。1割強は70歳ごろから要介護になる。

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