病院食
入院患者の楽しみは食事だけだ。食事は病院内で調理されると思っていたが、1986年3月の厚生省の通達で、病院食は原則院内調理から外部委託による調達に切り替わった。
病院食の外部委託は1990年代半ばには20%程度だったものの、2015年には70%を超すまでに拡大しているという。
私の場合、糖尿病患者に認定され、手術の前も61kgだった体重を59kgに落とすよう指示された。食事もエネルギーの摂取を制御する「エネルギーコントロール食1500」だった。つまり1日3食の合計エネルギーが1500キロカロリーだった。
昔の病院食は「(提供が)早い、(料理が)冷たい、(味が)まずい」と言われていたが、今でも世間のイメージは「病院食=おいしくない」が定着している。正直、入院中、エネルギーコントロール食1500を食べていたが、おいしいと思ったことは一度もなかった。
1989年に病院納入給食業者81社が参加して結成された日本メディカル給食協会(会長・山本裕康メーキュー社長)も昨年、創立30周年を迎えたが、正会員は222社、賛助会員45社の規模になっている。給食受託件数は約1万3570件、受託ベッド数は約126万床に達した。
受託ベッド数126万床のうち病院は50%、特別養護老人ホーム35%、介護老人保健施設13%を占めている。