【散歩】石垣にしがみつくように咲く風媒花=菖蒲湯に浸かりながらあれこれと=石神井川コース

 

石神井川も景色がずいぶん明るくなった

■往復1万歩コース

5月になると、気温がぐんぐん上昇し、遮るものが何もないと夏の日差しが降り注ぎ、散歩をするのも辛くなる。この日はそうだった。自宅を中心にいくつかコースがあるが、木々が植わっていて木陰のある道を選んだ。

定番の散歩コースだが、石神井公園まで足を伸ばした。往復すれば1万歩ほどになる。バスで帰ってくることもできるが、そうすれば散歩でなくなるという人もいる。

仕方がないので往復歩いた。

 

ハクウンボク(エゴノキ科)

■和田堀緑地のハクウンボク

 

石神井公園のすぐ近くに和田堀緑地というか、和田堀緑道があった。そこに5~6本植えてあったのがハクウンボク。5~6月にかけて白い花が群がるように咲き、その様子が白雲に似るとしてハクウンボク(白雲木)と名付けられたという。

花にはエゴノキと同じような甘い香りがする。70年も生きていたら、どこかで見たことがあるはずだが、記憶にない。こんな風に1本1本の木がどんな木なのか、どんな花が咲くのかなどに関心がなかった。

長く生きてきたと言ってもこの程度のものだ。関心のないことにはいつまで経っても関心を持てない。この歳になって初めて関心を持った。新型コロナウイルスのお陰で遠出できなくなったために散歩を始めたにすぎない。おかしなものだ。

 

 

石神井池にボートがつながれていた。自主休業中だ。お腹が減って歩けなくなってしまった。

単なる散歩ではつまらない。やはり目的がないと歩く気がなくなる。老いてくると、食べることしか楽しみがなくなる。悲しい。

 

石垣にしがみついている草木

■石垣にしがみつくように咲く花

雑草の力はすさまじい。石神井川の石垣のすき間にしがみつくように咲いている花を見つけた。こんなところに花を植える人間はまずいないだろうから、風で種子が飛んできたのか、あるいは鳥が運んできたのだろうか。

マーガレットかなと思ったが、どうも違うらしい。広瀬重夫氏の「道ばたに見る春の草たち」によると、フランスギクペラペラヨメナか。フランスギクはヨーロッパの温帯地方が原産で、江戸時代の終わり頃に観賞用として入ってきた。いまでは集合住宅の土手や川岸などでもすぐに見つかるという。

ただ花は5センチほどの大きな花だとか。花弁は白色で、中心の筒状花の部分が盛り上がっているのが特徴だという。

そう考えると、ペラペラヨメナかもしれない。「不思議と川岸の石垣などでよく見かけます。花の真ん中は黄色で筒状の花の集まり、まわりは舌状の花ではじめは白、のちピンクや赤に変わります」。中央アジアが原産の帰化種らしい。

 

マンションのベランダに鯉のぼりが・・・

 

夜は菖蒲湯に

 

■子どもの日は菖蒲湯で

 

今日は子どもの日。わが家の子どもはみんな大きくなって独立したが、長年のくせで5月5日は1年に1回の菖蒲湯。私はそれほどでもないが、儀式に意外にうるさい家人の習わしだ。冬至には冬至かぼちゃをいただくように、子どもの日には菖蒲湯を楽しむ。

こんなものは大した理由があるわけではないだろうが、何とはなしに続いている。菖蒲(しょうぶ)にはアサロンやオイゲノールという精油(植物の産出する油)成分が多く含まれており、腰痛や神経痛を和らげる効果が期待できる。

そう言えば、何年か前に石神井川沿いを散歩したときに、大きな鯉のぼりを見掛けたことがある。ところが、今年は1匹も見なかった。もう鯉のぼりを祝う習慣がなくなったのだろうかと思っていたら、川沿いに建つマンションの1室に小さな鯉のぼりが泳いでいるのを見つけた。

初孫でも生まれて、ジジババが初孫誕生を祝って送ったものかもしれないなどと想像した。ちょうど新型コロナウイルスがまん延している最中だ。鯉のぼりどころではないのかもしれない。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.