半地下の家族が富裕層一家に『パラサイト』(寄生虫)する怖い悲喜劇

 

やっと見たパラサイト

 

作品名:「パラサイト」半地下の家族
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン
キャスト:ソン・ガンホ(キム・ギテク役)
チェ・ウシク(キム・ギウ役)
パク・ソダム(キム・ギジョン役)
チャン・ヘジン(キム・チュンスク役)
2020年6月23日@ユナイテッドシネマとしまえん

 

「半地下」は北朝鮮の攻撃に備えた防空壕だった。それが1975年から住居用に賃貸で貸し出されるようになり、2015年の韓国統計庁の人口調査によると、そこには国民の1.9%(36万世帯)が住んでいる。韓国の人口は5000万人。日本の1億2000万人の半分以下だ。

主人公のキム一家は「半地下」部屋で暮らしている。日本人には耳慣れない言葉だが、韓国人にとっては誰もが知っている「貧困家庭」の象徴的住宅である。

半地下は現在の韓国社会において、貧困家庭が暮らす典型的な住居であり、約82万人がそこで暮らしている。

しかし、半地下部屋に立てば、目の高さには通行人が立ち小便をしていく姿が見える。一日中薄暗く、風通しも悪く、湿気がひどく、かび臭い。その匂いは服や体に染み込んで取れない。この匂いは差別の象徴でもある。

キム一家4人の大黒柱が主人公。貧乏気ままな半地下暮らしを続けているギテク。甲斐性なしの夫に喝を入れるのが元ハンマー投げのメダリストである妻のチュンスク。ギテクの息子で、大学入試に失敗し続けている”受験のプロ”のギウ。さらに美大志望ながら予備校に通えず、スキルだけが上達しているギテクの娘のギジョン。

この半地下4人組みが最下層の半地下生活に甘んじているのに対し、1%の最富裕層は高台のお城のような家に住んでいる。サクセスストーリーの象徴がIT企業社長パク・ドンイクの家で、受験のプロのギウは友人でエリート大学生の代わりにパク社長の娘(高校2年)の家庭教師に雇われる。

ギジョンは息子のダソン君の美術教師に収まる。ギテクも運転手を追放し、妻も家政婦のムングァンの後釜に居座る。つまりキム一家4人が最上流階級4人にパラサイト(寄生虫)するところから物語が始まる。

 

 

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