後継者が現れ始めた米民主党:AOC氏やボウマン氏がサンダース氏の後継=高橋和夫放送大学名誉教授
ゲスト:高橋和夫放送大学名誉教授
テーマ:中東情勢と米大統領選
2020年9月25日@日本記者クラブ
『最終決戦 トランプvs民主党-アメリカ大統領選撤退後もカギを握るサンダース』(ワニブックスPLUS新書)『中東の政治』(放送大学教育振興会)などの著書がある放送大学名誉教授の高橋和夫氏が米大統領選挙の展望と中東への影響について語った。
・米大統領にバイデンがなったとしても議会を押さえないと何もできない。下院は民主党だが、共和党が押さえている上院をひっくり返せるかを注目する必要がある。
・バーニー・サンダース(バーモンド州上院議員、民主党元大統領候補)は選挙討論会で、自分はユダヤ人だが、長い目で中東に平和を確立しようと思ったら、パレスチナ人を敬意を持って扱わない限り、平和は来ないよとイスラエルを批判している。
・サンダーズはは新潮流を代表している。民主党内で自分はリベラルだと思う人の割合が段々増えている。少なくとも民主党内では「イスラエルはやり過ぎだ」との声が高まっている。占領に反対だし併合に反対だ。
・サンダースはジェームズ・マディソン高校(ニューヨーク州ブルックリン)の卒業生。ギンズバーグ元最高裁判事もそう。日本文学のドナルド・キーン氏、シンガーソングライターのキャロル・キングなど著名人を多く輩出している。
・サンダースの後に後継者の姿は見える。一群の後継者の中で最も注目されているのは・アレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏(AOC、ニューヨーク州民主党)。プエルトリコ系下院議員。2018年のシンデレラ。お金がなくてバーテンダーとしてビールを注いでいた人物。
・新しい流れはAOCだけでなく、ニューヨーク州から出てきた黒人の高校校長のジャマール・ボウマン氏が民主党の予備選挙で16期連続当選し親イスラエルのエリオット・エンゲル下院外交委員長を破り、2020年の当選を確実視した。ペロシー下院議長、クオモ・ニューヨーク州知事、ヒラリー・クリントン氏ら民主党エスタブリッシュメントの支持を受けていたが、ことごとく敗北した。
・バーニー・サンダースは波頭であって、その後ろに大きな波がきている。イスラエル支持の人たちから言えば、「バイデンでよく収まった。もっと左に振れたら・・・」という懸念をかなりの人が持ってたんじゃないか。
・民主党は明らかに変わりつつある。投票率が高くなって黒人やヒスパニックが選挙にくるようになれば、こういう新しい顔の人たちが出てくる。この人たちが連名でヨルダン川西岸の併合に反対の書面を回している。
・サンダースの火は消えずを最もよく表しているのはAOCだが、1つはスピーチがうまい。熱いスピーチをする。言葉の力だ。ロックコンサートのスピーチみたいだ。