【東北ドライブ】蔵王のシンボル「お釜」を眺め、山形蔵王の「大露天風呂」を楽しむ

 

ZAO BOO ハンバーガーズ(宮城県遠刈田温泉)

 

■Go to キャンペーンに乗る

 

Go to キャンペーンなどとあまり世間が騒ぐものだから、気になって仕方がなかった。仕方がないのでわが家もそれに乗ることにした。政府が補助金をばらまいて旅行需要を喚起するという。しかも旅行代金の35%オフで、加えて15%は旅行先で使える地域共通クーポンも発行されるという。

最初旅行社に行こうとしたが、来店予約がないと基本的には来るなという。殺到されると店内が密集状態になり、コロナ感染が起こりかねない。客は来てもらいたいが、密集は回避したい。そのために編み出された手法が来店予約だったというわけだ。

それで10月初頭に旅行社の来店予約を取ろうとしたものの、それも11月半ばまでは満席で不可能だった。正直途方に暮れた。もうネットの検索サイトに直接アクセスするしかなかった。

公式サイト検索サービス「Staynavi」を利用した。仕組みも何も知らないまま検索しようとすると、あれも知らない、これも分からないと全体が見えない中をさまよってしまった。

それなりにネットを使っていたから何とかなったが、はっきり言って70代の年代層は確実に無理だ。途中で断念する人が続出したはずだ。特別給付金や持続化給付金の場合と同じだ。デジタル化が進んでいない。デジタル化に対応できていないのだ。

悲しいかな、これが現実である。こんな苦労をしてまで旅行に出ようとは思わない。大変だった。

 

 

ここで蔵王牛バーガーのランチ(遠刈田温泉)

 

店内風景

 

■食べたのは蔵王牛バーガー

 

今回の目的地は山形県鶴岡市の市立藤沢周平記念館と加茂水族館、それに山形・秋田県の県境に位置する鳥海山で紅葉を味わい、蔵王のお釜を3泊4日で訪ねたいというものだった。

しかし、1泊目の宿はホテルキャッスル山形、2泊目はあつみ温泉萬国屋、3泊目は秋保温泉・佐勘とバラバラで、特に山は晴れていなければ登っても仕方ない。加えて休観日もあって調整が難しかった。

また車で行くと、Go to キャペーン対象ホテル・旅館とセットで高速道路も割引になるETC周遊割引「ドラ割」も利用できるとあって、どうしてもGo to キャペーン最優先の計画になってしまった。これが結果的に失敗だった。

「安い」ことに目を曇らせてはいけない。安いのはそれだけのことがある。新型コロナウイルスで疲弊した地方を潤したいというキャンペーンの趣旨は理解していたが、結局それを十分ハラの中で得心していなかった。これがGo to キャンペーンを利用した感想だ。

東北自動車道を蔵王PA手前の白石ICで下り国道457号を走行。最初に見つけたのがZAO BOO。蔵王牛など地産食材のバーガーが人気で、おしいかった。肉も野菜も本物が使われ、マックのバーガーなどとはうま味が全く違った。これなら850円を出しても惜しくはない。

 

お釜は目の前に

 

蔵王のシンボル的存在のお釜(おかま)

 

レストハウスから散策路を歩いてすぐの坂道を行くと刈田岳山頂に着く

 

■蔵王のシンボル「お釜」へ

 

蔵王ハイラインは蔵王エコーラインより分岐した2.5kmの有料山岳道路。春には雪の回廊、夏には風薫る新緑の風景を見せてくれるが、10月19日は中秋か。天気がさほど良くなく、フリースを着なければとても寒かった。

それでも山頂駐車場より徒歩数分のところからは蔵王のシンボル「お釜」がよく見えた。天気が良ければ、エメラルドグリーンの火口湖が眺望できるという。

蔵王ハイラインは今年も11月初旬から来年4月下旬まで冬季閉鎖される。

お釜を眺めるのは2度目だ。昔、まだ石油がエネルギー資源として全盛だった時代に石油輸出国機構(OPEC)の総会をロンドン支局が担当していた。総会はスイス・ジュネーブかオーストリア・ウィーンで開かれたが、大手マスコミの経済担当はロンドン支局にしかおらなかったために、ロンドン支局から総会カバーのためにジュネーブやウィーンに飛んだ。

当時は総会が最長で2週間も続く会議もあったほどでみんなが疲れ果てていた。最後は記者から「会議はいつ終わるのか」「われわれはいつまでここにいなければならないのか」の質問が飛び出すような有様で、アラブ諸国の大臣の時間の観念の無さを恨んだものだった。

そうした会議だっただけに記者団の団結も強く、帰国後もOPEC会と称してよく集まっていた。1990年代に一度このOPEC会を仙台で開催したことがあった。要はゴルフを仙台でやろうということだった。

私も仲間の一員として1人高速バスで参加。山形県から蔵王のお釜を拝んでから宮城県に行く計画を立てた。そのとき蔵王レストハウスからお釜に向けて歩き出したところで霧が発生。あっという間に周囲が見えなくなってしまった。引き返したくても引き返せなかった。

今回標識を見ると、レストハウスからお釜までは330m。ほとんど歩かないうちに道に迷ったことになる。その時はどうしようかと思ったが、いったん霧が晴れると周りが見えるものの、すぐに見えなくなった。

たまたまそのときに気付いたのは白いペンキを塗った大きな石が置かれており、それをたどっていけば、必ず安全な場所にたどり着くとの確信だった。”遭難”の二文字も頭によぎりながら歩き続けた。白ペンキに助けられた。いつの間にかバス通りにたどり着けた。

怖かった。根拠のない自分の”確信”を信じて良かったのか。結果オーライだったから良かったものの、状況次第では大事になっていた可能性もある。危機管理はどうなっているのか。あの時のことを思い出すと、今も自省している。

 

大露天風呂入口

 

温泉が流れていく

 

周辺はこんな感じ

 

■野趣あふれた大露天風呂でひとっ風呂

 

蔵王の「お釜」は宮城県蔵王町に位置するものの、温泉「大露天風呂」は山形県だ。宮城県と山形県の県境近くに位置するためだが、宮城蔵王、山形蔵王と言われても遠く離れたところに住む住民には何のことやらよく分からない。しかしこれが現実だ。

よく分からないが、大露天風呂は実に野趣にあふれた風呂だった。女湯と男湯に分かれ、上が女湯、下は男湯。両湯ともさらに上下に分かれ、上が熱く、下はぬるい。結構広い。

泉質は強酸性の硫黄泉。硫黄には血行促進効果に加え、表皮の殺菌作用や皮膚を強くする作用があり、「美肌」も進むという。湯の成分が肌の脂分を洗い流すことから「石けん要らずの湯」とも呼ばれているとか。源泉温度50.8℃。

川添いに造られた露天風呂。周囲を木々に囲まれ開放的な気分で入浴できる。ただ洗い場もなく、石けんやシャンプーは使用できない。大自然の中で楽しむ温泉は「すばらしい」の一語だが、脱衣場などメンテナンスが今一で、気になって仕方がなかった。

 

居酒屋「母家」(マザーハウス)

 

肉豆腐そっくりの「いも煮」

 

山形牛カルビ焼

 

にんにくの天ぷら

 

出しめし

 

■居酒屋「母家」で山形の郷土料理をいただく

 

初日の宿泊地・山形市に着いたのは午後6時半だった。ビジネスホテルのホテルキャッスル(山形市十日町)で、夕食は外で食べることとし、ベッド&ブレックファストだった。

駅前周辺を歩きながら店をチェックしたが、月曜日ということもあって休業も多く、どの店に入るか迷った。結局、フロントで紹介された居酒屋「母家」(マザーハウス)にした。

大根サラダや小アジの唐揚げ、いも煮、ニンニクの串揚げなどをいただいたあとシメは出しめしだった。オクラやナス、キュウリ、ミョウガ、生姜などを細かく刻んで温かい御飯の上にかけ、そのまま食べる。

いやはや山形の郷土料理を堪能した。山形の酒として出羽桜とくどき上手をいただいた。

 

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