初夏の訪れを知らせる「小夏」=土佐文旦も「ぶさいく、やけんど、うまいで~」

 

小夏

 

爽やかで上品な甘味と初夏の涼味にぴったりの果物。ミカン、オレンジ、金柑などのほか、ユズ、スダチ、カボスなども含まれる柑橘類の女王とも呼ばれるのがこの「夏小夏」だ。

高知県では「(夏)小夏」の名称で特産品として栽培されているが、原産地の宮崎県では「日向夏」、愛知県や静岡県では「ニューサマーオレンジ」という名称で生産・出荷されている。

この「夏小夏」だが、わが家にはどういうわけか高知県宿毛市の「おおぐし農園」から15年ほど送られてきており、てっきり高知特産だと思っていた。本家は宮崎県であることは知らなかった。宮崎県さん御免!

 

小夏をいただく(2015年6月30日)

 

夏小夏(宮崎県に拘る人は「日向夏」と言い換えてもらいたい)は世界でも珍しい異色の柑橘類だ。皮を指で剥くように食べると特有のおいしさを感じられないのだ。リンゴの皮むきをするように外果皮のみを薄くむき、ふかふかの白皮と一緒に食べるのだ。

ほんのり甘味の白皮と、爽やかな酸味のある果肉を一緒に食べることで、えも言われぬ美味しさを満喫できるはずだ。いろんな果物を食べたが、夏小夏のこのうまさは筆舌に尽くしがたい。大好物になってしまった。

 

こちらは夏文旦(2015年6月30日撮影、隣は小夏)

 

こちらは土佐文旦(2009年2月26日撮影)

 

こちらは夏文旦と土佐文旦である。同じ文旦と言っても、ややこしい。やはり食べてみるしかない。夏文旦は見た目に反して皮がとても柔らかく、むいている間に果汁が溢れてくるほどジューシーだ。

意外と癖がなくさっぱりした味わいはたっぷりの果汁と相まって、まるでジュースを飲んでいるような感じだ。しかし小夏の強烈さに比較すると味わいはかなり落ちるのではないか。

 

文旦も四季折々で出荷される

 

しかし土佐文旦は春夏秋冬と季節折々に出荷されている。土佐文旦で農林水産大臣賞を2度受賞した白木果樹園(高知県土佐市)によると、春は土佐文旦(露地)、夏は夏文旦、秋は水晶文旦、冬は温室土佐文旦の品揃えだ。

ただ白木果樹園のルーツは本家から譲り受けた畑に生えていた1本の小さな小夏の木だという。この木を育てることで文旦生育にたどり着いたという。文旦づくりも大変らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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