在宅患者向けには海外では常識の「イベルメクチン」が効果的=長尾クリニック院長

長尾クリニックの長尾院長(兵庫県尼崎市)

 

BSフジLIVEプライムニュースは10日、「ひっ迫する医療現場 大学×医師会×開業医 医療制度の課題を検証」を放送した。出演したのは田中雄二郎・東京医科歯科大学学長、尾﨑治夫・東京都医師会会長、長尾和宏・長尾クリニック院長の3人。

長尾クリニック(尼崎市昭和通7丁目242番地)は尼崎市で開業するクリニック。独自の予防医療センター、年中無休3~4診の外来医療、在宅ケアチームによる在宅医療がクリニックの3本柱。

政府は、新型コロナウイルスの患者が急増している地域では、入院を重症患者などに絞り込み、それ以外は自宅療養を基本とする方針を打ち出したが、与野党から撤回を求める声が相次いだ。

一方、デルタ株が猛威を奮い、各地で新規感染者数が急激に増えているため、医療現場は、限界に近づいている。日本ではコロナ禍が顕在化してから1年半以上たったが、一般病床90万床のうち、3万床しかコロナに対応できないのはなぜなのか?

 

■イベルメクチンで診断即治療

 

・(田中)東京医科歯科は重症患者および重症患者に近い中等患者を受け入れており、病床は37床。31床埋まっている。8月1ー9日間で重症は5件受け140件断った。中等床は20件受け、129件断っている。昨日だけで50件断っている。

・(田中)高齢者の入院は減っているのでワクチンは有効だ。断った患者がどこにいくか心配しているが、第1波、第2波のときにあった「何とかなりませんか」は今のところない。ワクチンを2回打って入院しているのは2人だけ。2人は抗がん剤治療を行っていたり免疫不全状態な人。

・(長尾)発熱外来が来る。みんな若い。長尾クリニックはコロナの在宅患者を引き受けている。私のクリニックでは早期診断即治療。診断したら即治療する。とにかく田中先生のところに行く患者を減らす。開業医が防波堤になることを意識してやっている。

・(長尾)とにかくタイムラグを作らないことが一番重要だ。入院できない患者がいる。第1波、第2波もあったし、第3波、第4波もいる。今はほとんど入院できない。

・(長尾)私が田中先生の病院に電話しても断られます。今の法律では保健所を通さないと直ではできない。これが新型インフルエンザと感染症という箱に入れられているから。

 

■東京の空きベッドは約3万床、コロナに回せるのは約6400床

 

政府は今年1月、「新たなコロナ病床確保」策を発表した。重症病棟には1950万円、中等病棟以下には900万円を支給した。しかし全国に一般病棟約89万床、空きベッド数約30万床、コロナ病床約3万7000床。東京は約8万床、空きベッド数約3万床、約6400床の現状はほとんど変わっていない。

・(尾崎)東京都は頑張ってコロナに振り向けられるのは1万床。そのうち人員の配置やスペース、動線の関係などの制約要因もあって6400床が限度だ。この限界を打ち破るのはがん患者の手術などや一般診療を止めるしかない。

・(尾崎)空きベッド3万床というのは一般病院でも病床が50床などと少ないところ。日本の特徴としてこれがいっぱいある。200床以下の病院が7割だ。9割が民間病院。コロナがなかなか見れない。そういうところに空きベッドがあるのは確かだ。それを集めるとかなりの数になる。

・(尾崎)それをコロナに転用できるかというと、小さな病院とか療養病棟や慢性病棟などは医師もスタッフもいなくても可能。ほとんど技術者はいない。本当にやるんだとしたら小さな病院をストップさせて、大きな野戦病院を作ってそこにスタッフを送り込む。できないことはないかもしれないが、慢性期の方とか療養している方とか、急性期すぎて回復期になってリハビリしている人はみんな診れなくなる。

・(尾崎)今コロナを診れない病院は後方支援病院としてみんな手を挙げてやっている。さぼっているようなところはない。

・今までのようなやり方で病床を機能別(急性期、慢性期)に分けて、必要な数を出して急性期も慢性期も含めてうまく診てこようという体制を作ってきた。しかし感染有事だから、これはこうするんだというのは国が有事の際は法的なものを作らなければ、今がわれわれの限度だ。

・(尾崎)私としては公的保険制度の中で、税金と保険料と患者負担(1割)。準公務員みたいなものだ。それなりに奉仕はしなければならない。「うちは発熱外来やっていません」とは言っていない。電話相談もやらない医師もいるのは確かだが、6割、7割の人は一所懸命協力してやってくれている。2割は協力を拒んでいる。

・(田中)医師と患者関係は信頼がベースであり、基本だ。医師が勝手なことをやってベッドが増やせない、困っているんだということではないということを理解していただきたい。私たちは医師法19条には十分応えたい。残念ながらベッドは増やせないので在宅医療をやっておられる長尾先生たちがフロントに出てもらって初期診断・早期治療をしていただくのが一番だ。他に方法はないと思う。

 

■イベルメクチンは海外では常識

 

感染症法上の分類は危険度が高い順に1類エボラ出血熱、2類結核、SARS、MERS、3類コレラ 細菌性赤痢、4類A型肝炎、黄熱、5類インフルエンザ。新型コロナはどこにも属さない。「新型インフルエンザ等感染症」の位置付けで、1類以上の対策を取っている部分もあって、そのことが保健所を通さなければならないから保健所ひっ迫を招いているとも言われている。

・(長尾)5類相当の扱いをすべきだ。ダイヤモンドプリンセス号時点からそうだ。1類に指定されたが、これが完全な誤りで、それが今も続いている。すぐに変えるべきだ。

・(田中)コロナに対するイメージが長尾先生と違う。選び抜かれた患者がやってくるのでこんな怖い病気はないと思っているが、人口呼吸器につながる確率もインフルエンザに比べ80倍も高い。

・(田中)最初の入り口は保健所がやってもいいが、あとは開業医(かかり付け医)など担当医を決めて責任をもってフォローする。

・(長尾)われわれが見ているのはコロナ成り立て患者。早期胃がんを見つけているみたい。田中先生は重篤患者を診ており、怖さも当然違う。胃がんもそうだが、コロナも早期治療、即治療だ。

・(長尾)イベルメクチンはオールマイティーだから誰でも使える。安全。1回飲むだけ。もっと早くもっと普及させてほしい。ダニの特効薬。実績のあるところしか納入されない。入手出来ない事情がある。国内は飢えている。

・(長尾)海外は常識。米国や英国の医者もどんどん使っている。2000円弱で命が助かる。政府が調達して全員に配る。1人4錠ずつ送って欲しい。国は適応外処方ながら「使っていいですよ」。保険適用できる。ちゃんとした薬。ネットでも買えるが、正規品を国がきちんと調達して全国民に持ってもらっていたら自宅療養者もそれだけでも安心だ。

・かかり付け医に相談してもいい。飲んでいいのではないか。

 

■抗体カクテルは効果的

 

菅義偉首相は新型ワクチンの軽症・中等症向けの治療薬「抗体カクテル療法」(ロナプリーブ点滴静注セット)について、50代以上や基礎疾患のある方に積極的に投与し在宅患者も含めた取り組みを進める方針を示している。

・(田中)対象となる軽い患者がいないのでまだ病院では一度も使っていない。抗体カクテルが拡がれば、東京医科歯科のベッドのひっ迫が緩和されるという期待がある。

・(尾崎)病院より在宅で使った方がよい。東京に10カ所点滴センターを使ってやったほうが効率がよい。来てもらって集中してやれる。しかしまだ量も確保されていないのが実態だ。量さえ確保できればやる気はある。

・(長尾)あった方がいいですよ。診断してそこで打ってもらってこいというべきだ。

 

■出口戦略を示して!

 

・(田中)「土砂降り」だという状態を共有することが重要だ。傘を持って出ることも必要だし、レインコートを着て出ることも必要だが、1人1人がこういう状態であることを認識することが重要だ。

・(尾崎)「出口を示して!」。あと1カ月したら感染者はだんだん減ってくるという政策をきちっと出してもらいたいが、それが全くない。緊急宣言、まん延防止を出しただけで、何も具体的な策がない。これをやれば1カ月後にピークアウトするというものを出してもらえば、1カ月なら死ぬ気になって頑張る。出口が分からないならば、疲れ果てて死ぬしかない。

・(長尾)明日にでも5類に落として欲しい。これは政令でできる。スガノメクチン。武器を国民・開業医に与えて欲しい。

 

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.