【ウクライナ】ロシア軍、ウクライナに侵攻し防空システムを制圧か=プーチン大統領、「核保有国」に言及し欧米を威嚇
■ロシア、ウクライナに本格侵攻
ロシア軍は24日、ウクライナへの本格侵攻を開始した。ロシアがウクライナに軍事侵攻したことで、停戦を定めたミンスク合意は崩壊し、新たな局面に入った。米欧など西側諸国は激しく反発し、世界の安全保障は冷戦後最大の危機を迎えた。
■ロシアは「核保有国」と西側を警告
時事電によると、ロシアのプーチン大統領はテレビ演説で、ウクライナでの「特殊軍事作戦」決行を決断したと表明。侵攻が「ウクライナ政権によって8年間にわたり虐げられ、ジェノサイド(集団虐殺)に遭ってきた人々を保護することが目的だ」と延べ、ウクライナ軍に武装解除を要求した。
また、ロシアは最新兵器を持つ核保有国だとして「ロシアへの直接攻撃は侵略者の敗北と悲惨な結果につながる」と西側諸国にロシアへの攻撃をしないよう警告した。一方で、「われわれの計画にはウクライナの領土を占領することは含まれていない」とも述べた。
■各地で被害、100人近い死者も
ロシア国防省は24日、ウクライナの防空システムを制圧したと発表した。ロイター通信などによると、ロシアが一方的に併合を宣言したクリミア半島や、北に隣接するベラルーシからも攻撃が加えられた。
AFP通信は、クリミアなど各方面から地上部隊がウクライナに侵入したと伝えた。
ウクライナでは親ロシア派勢力の実効支配地域に近い東部ハリコフで深刻な被害が出ているもようといわれるほか、首都キエフでも爆発音が響き、西部リビウ一帯でも爆撃があったと言われる。現地からの報道では民間人を含め100人前後の死者が既に出ているもようだ。
■米EU首脳、ロシアを激しく非難
ウクライナのゼレンスキー大統領は動画メッセージで「全土に戒厳令を敷く」と表明。平静を保ち、自宅で待機するよう国民に呼び掛けた。またクレバ外相はツイッターに「ロシアの攻撃は侵略戦争だ」と非難し、国際社会に協力を呼び掛けた。
バイデン大統領は声明で「この攻撃がもたらす死と破壊の責任はロシアだけにある」と強くロシアを非難した。「米国と同盟国は団結し、断固とした方法で対応する。世界はロシアの責任を追及する」と強調した。
ミシェルEU大統領とフォンデアライエン委員長は24日の共同声明で「侵攻を可能な限り強い言葉で非難する」とロシアを糾弾した。新たな制裁が打ち出される見通しだ。