【ランチ】甘酒横丁に再出現した老舗洋食屋「芳味亭」でミックスフライを食べる

 

ランチメニュー表

■人形町洋食御三家

 

日本橋人形町は下町だが、それにふさわしい味わいが残っている。2年前からまた縁ができて2カ月に1度の割合で出掛けている。

コロナ感染症がひどい時はオンラインでの会合だったが、最近は第7波の襲来で、感染者数があっという間に1日当たり1万人台に乗った。すさまじい急増ぶりである。

ただ政府は「行動制限は考えていない」との方針で、店の売り上げもそんなに落ち込んではいない。しかし感染者がもっと多くなると、そうも言えなくなるかもしれない。激減するときがあるかもしれない。

人形町には「人形町洋食御三家」と呼ばれているレストランがある。芳味亭(ほうみてい)、洋食キラク、小春軒の3軒だ。ほかにも天ぷら「中山」や牡蠣フライ定食の有名な「三友」などもある。

たまたま昼飯時に甘酒横丁を歩いていたら、いきなり「芳味亭」にぶつかった。4年前に引っ越したと聞いていたが、どこに越してきたのかは知らなかった。びっくりした。

芳味亭は昔も高かったと思うが、今も値段はやはり高い。格が違うのだろう。ランチメニューを眺めながら考えこんでしまった。いつもはそんなに高い物を食べていない。せいぜい1000円以下だ。年金生活者にとっては安いにこしたことはない。

諸物価高騰の折でもある。米国などでは日本価格の3倍くらいの価格が付いて平気のようである。2000円、3000円する。とても今の円安状態では米国ではハンバーグやサンドイッチも食べられない。

 

ミックスフライ定食

 

■頼んだのはミックスフライ

 

それで清水の舞台から飛び降りる気持ちで「ミックスフライ定食」(+ライスとサラダ)を頼んだ。2420円。豚カツ1枚、海老フライ1尾、カニクリームコロッケ1個、野菜の酢漬け、トマト、ポテトなど。

どれも食べ慣れたメニューだが、やはり素材がいい。ざっくりしてどれも美味だった。玉子と牛乳で作る昔ながらの芳味亭プリンも食べたかったが、血糖値を気にして我慢した。

 

芳味亭

■開業は昭和8年

 

芳味亭は1933年(昭和8年)開業の老舗洋食屋である。かつての店舗は日本家屋で靴を脱いで2階の座敷でハンバーグや牡蠣フライ、ハヤシライスなどを食べた。

人形町花柳界周辺の匂いを持っている店ということで今も懐かしがる人が多い。この周辺は第2次世界大戦でも焼け残った場所らしい。花街の芳町もこの近くで、花街には粋な洋食屋が必ずと言っていいくらいにあるらしい。それで「ちょっとした人」と会食したい場合はここにしていたことを思いだした。

値段が高いことも格式なのだろう。1階は厨房が半分を占め、カウンター席とテーブル席が設けられている。カウンター席はやや狭くちょっと窮屈かもしれない。

昔からのお客が多いらしく、予約の客が次から次へと入ってくるのでびっくりした。2階と3階があるようで、3階は個室となっているという。

 

ランチメニュー(お飲み物)

■愛され続けた「洋食弁当」

 

芳味亭は横浜のホテルニューグランドで洋食を学んだ近藤重晴が開いた店。ホテル仕込みの丁寧で確かな仕事から生み出される料理は絶品と名を上げた。

手作りこそが本物の味。芳味亭のデミグラソースは幾日もかけて作り上げる。野菜や肉を切って、焼いて、煮込んで、漉しての同じ工程を毎日行うという。

「この何時間も煮込んで、足してを繰り返すことで、ようやく素材の味が引き出せ、野菜や牛肉、ワイン、スパイスなどの幾重にも重なった深い味わいや香りを楽しめる」とか。

これは手作りでしか味わうことができないと芳味亭は主張する。

創業時から俳優や芸妓衆の楽屋弁当として始まり、多くのお客様から愛され続けてきたメニューが「洋食弁当」である。

食べやすいようにと一口サイズのビーフシチューやハンバーグ、カニクリームコロッケ、海老フライなど初代重晴の想いが込められた2段の重箱弁当だ。

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