【下水道展】道路の下を支えるアシスト役の「下水道」を考えてみる=取材のきっかけは「BISTRO下水道」

下水道展(東京ビッグサイト)

 

■34回目の「下水道展’22東京」を開催

 

日本下水道協会は8月2~5日の4日間、「暮らしをつくる。未来をつくる。」をコンセプトに、「下水道展’22東京」を東京ビッグサイトで開催した。

今年で34回目を迎えた下水道展は地方公共団体などを対象に、全国の下水道関連企業の技術開発の成果を紹介することを目的に毎年開催されている下水道では国内最大規模の展示会だ。

東京ビッグサイトでのリアル開催と連動する形で、昨年に引き続きオンラインでも同時展開するハイブリッド型で開催することになった。

水道は蛇口をひねれば水が出て、電気はスイッチを押せば明かりがつくように、目に見えるインフラは意識しやすいが、「下水道はそうはいかない」(日本下水道協会理事長・岡久宏史氏=日本下水道新聞6月22日付スペシャル鼎談)

 

■下水道は道の下の最高の力持ち

 

「汚れた水をきれいにする、雨を流すなど街を守るため見えないところで頑張っているが、あまりプラスのイメージを持たれることもない」という。

漫画「弱虫ペダル」のキャラクターをあしらったマンホール蓋が人気を集めており、最近では長崎市が弱虫ペダルのキャラクターがデザインされたマンホール蓋を設置することになったという。

岡久理事長も弱虫ペダルの作者渡航氏、長崎市長の田上富久氏との鼎談で「マンホールを入口に下水道を知ってもらえるのはすごくいいことだと思う」と述べている。

「ロードレースに例えると、下水道は一番仕事をしている『アシスト』のような役割ですよね。優勝するのはエースですが、アシストが一生懸命頑張ったからエースが勝てるんです。皆の幸せの下にあって、かつ出しゃばらないそんな存在なんですね」と岡久理事長。

田上長崎市長も「まさに、縁の下の力持ちならぬ、道の下の力持ちですね。まさしく下水道はエッセンシャルワーカーの1つです」と述べた。

 

広範囲の土質にフレキシブルに対応可能な泥土圧式ミニシールド工法

 

100kw級バイブリー発電装置稼働中

 

上向流移床型砂ろ過装置(ユニフロサンドフィルタ)byタクマ

 

■ちんぷんかんぷんの下水道展

 

東京ビッグサイトや幕張メッセで開催される各種展示会は総じて高度技術にリアルに触れながら難しい課題を説明してくれるまたとない機会。とりわけ素人に近い私にとってはこれほど得がたい機会はない。

これまでも環境総合展「エコプロ」や水産物に的を絞った「シーフードショー」、農業関係にスポットを当てた「農業Week」、「アグリ・ビジネス・ジャパン」(ABJ)などに参加してきたが、国内最大規模とは言いながら下水道展は初めて。

自分が取材対象としていたのはもっぱら地上の目に見えるもので、はっきり言って道路の下のインフラには目が向いていなかった。恐らくそれが開催されても今回も取材する気にはならなかっただろう。開催されていること自体知らなかった。

それが事務局からFAXがあり開催されていることを知った。正直その時もそんなに取材したいとの”食欲”も湧きはしなかった。それでもせっかくFAXとはいえ連絡をもらったので、サイトをチェックしてみると、セミナーのところで「BISTRO下水道シンポジウム-下水道×農業の新ビジョンを考える-」が目に止まった。

「ビストロ」はフランス語の言葉で、「小レストラン」「小カフェ」「居酒屋」の意味。日常生活の中で気軽に使える食事処、大衆食堂を指しているいう。それが農業と結びついているという。

これがビッグサイトに出掛ける動機となった。衛星を活用した漏水検知技術や既に施工延長550KMを超えるミニシールドセグメントなどと言われても即座に理解できない。初めて見るものばかりだ。

1976年に開発して以来、ゲートポンプのパイオニアと言われているミゾタ(佐賀市)の実機による実証試験を見たが、よく分からない。技術の世界はそういうものだ。理解できるようになるには相当な時間が必要だ。

 

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