【九州ドライブ旅行⑩】学問の神様の眠る太宰府はとにかく暑かった=大型フェリーの中でプラネタリウムを観賞し露天風呂を楽しんだ旅行最終日
■ようやく参拝できた天満宮
いよいよ九州ドライブ旅行最終日に入った。長崎県平戸市から福岡県太宰府までは約120キロ、2時間ほどで到着する。
5時間はかかるかと思っていたが、自動車道が発達しており、あっという間だった。意外と近いというのが感想だ。
太宰府は学問の神様として年間1000万人が訪れる有名な観光地だが、これまで一度も行ったことがない。九州には何回か行っているのにたまたま縁がなかった。
■とにかく暑かった太宰府
太宰府天満宮は菅原道真が祀られている。合格祈願や学業成就を願って全国各地から観光客が集まってくる。確かに修学旅行生なども姿も見える。インバウンドも多い。
みんな一生懸命勉強するものの、完全と言うことはない。これは国を問わない。どこも同じだ。神頼みしかない。誰も100%自信があるわけではない。神様の力にあやかりたいと願うのが常らしい。
太宰府は南国の街だが、こんなに暑いとは思いもしなかった。駐車場もきちんと整備されていない。街のあちこちに民間駐車場があり、適当にそこに駐めてくれといわんばかりだ。
整備が遅れているのかよく分からない。少し広い参道があるが、ずらりと並んでいるのはお土産物屋さんばかりなり。「梅ヶ枝餅」(うめがえもち)を食べながらゆったり歩きたいところだが、酷暑だとそうもいかない。日陰に逃げるしかない。
■アイデアだけは見事な「合格ラーメン」
参道横の天然とんこつラーメン専門店「一蘭」。中国人観光客がずらっと並んでいた。おいしそうかなと思って並ぶこと30分。
座って待つとすぐに出てきたのが「合格ラーメン」である。縁起物の説明がある。まずは合格どんぶり。五角のどんぶりで合格を届けたいという想いが詰まっているという。
どんぶりには太宰府の象徴である「梅」、縁には「合格絵馬」、底には「決定」の文字があしらわれている。提供される箸も五角形の合格箸だとか。すべてが神頼み。何ともすごいアイデアだ。
次は合格麺。お客様に「長~く幸福」が訪れることを祈願し、通常よりはるかに長く製麺された「合格麺」(合格にちなんだ59cmと通常麺の2倍以上)を使っているという。
アイデアは見事だが、客席が気にくわない。狭くてまるで鶏小屋のゲージに押し込まれたみたい。ゲージの鶏に餌を与えるような感じで商品が提供される。あれでお客は文句を言わないのだろうか。
■新門司~横須賀間21時間
帰りは新門司港から横須賀港までフェリーを利用した。午後23時45分に新門司港を出て翌日午後20時55分に横須賀港に到着する。
東京九州フェリー「それいゆ号」は268人乗りのフェリーで、全長222.5m、総トン数は1万5515トン、速力28.3ノット、トラック約154台、乗用車約30台を積載できる。
今回の旅行では3度ほどフェリーを利用したが、いずれも乗っている時間は一番長い八幡浜ー別府間の2時間が最大で、船も小型船が多かった。
学生時代に横浜港からハバロフスク号に乗ってモスクワ経由で欧州旅行をしたが、ハバロフスク号も5000トン弱だった。
5000トン以下だとものすごく揺れて船酔いがひどく、大変な目にあったことを今でも時々思い出す。1万5000トンあれば揺れることもなく、多少の波浪があろうとそんなに揺れることはないはずだ。
乗船時間は21時間。夜更けに乗船して翌日20時55分到着する。とにかくこんな大型船に乗ったのは初めてだった。
■「よこすか海軍カレー」を食べる
一度は食べてみたかったのが「よこすか海軍カレー」。明治初期、日本海軍の軍隊食として採用されたカレーライスは栄養バランスを改善し、脚気(かっけ)を撲滅する救世主になったとか。
横須賀がそんな日本独自のカレー文化発信の地であるとは知らなかった。横須賀市、横須賀商工会議所、海上自衛隊横須賀地方総監部が協力して「カレーの街よこすか」を発信しているという。
いろんな業者が「横須賀カレー」を名乗っているが、その中の1つが東京九州フェリー横須賀ターミナルで「よこすか海軍カレー」も提供している。
伝統の横須賀カレー製法に同社のオリジナルカレーをブレンドし丹念に仕上げたカレーをそれいゆ号上のレストランでいただいた。
マイルドな味の中に深いコクの詰まったカレーは何とも言えないうまさ。だいたいカレーは好きで、横須賀海軍カレーも結構なお味でした。
■船内で寝転びながら星空を観賞
高齢なので個室をとった。ゆったりと眠れるのが嬉しい。特に何もすることがなかったが、船内のスクリーンルームでプラネタリウムが上映された。
せっかくなので行ってみたら、楽な体勢で天井の星空を見上げられるよう、Yogibo(ヨギボー)のビーズクッションが置かれていた。
無料で観賞できるのが有り難い。説明もなにもないが、いつの間にか大和って映画上映に切り替わっていた。映画はなかなか味わいの深い内容でついしっかり目覚めていた。
投影されているプラネタリウムは定期航路のフェリーとしては世界初となる本格的な光学式システム「メガスター」だという。
ソニーの社員だった大平貴之氏が開発した世界最多の量を投影できるシステムだ。そんなこともよく知らないで「このプラネタリウム、解説が付かないのかしら?」などと思いながらのんびり居眠りしていた。
プラネタリウムと言えば、10年ほど前、多摩六都科学館(西東京市芝久保町)で国内最大級(ドーム径27.5m)のを観賞したとき、そのときもすっかり眠ってしまったことを思い出した。終わって明るくなって同じような姿の鑑賞者がいたことを知って少し安心したものだ。
■時速50キロで航行する中で露天風呂体感
これが東京九州フェリー自慢の露天風呂だ。6人くらい入れる。HPには「海風を感じ、自然が織りなす景色を眺めながら、洋上の露天風呂でほっと一息」とある。
1万5000トンにしては小さな風呂だと思うが、実際に入って見ると意外に大きいと感じた。
この日は強風のためデッキに出ることを禁止されていたが、その風を感じながら風呂に入るのは何とも気持ちいい。23.8ノット(1ノット=1852m)の速力だから時速に換算すると約52キロだ。
大海原を大型フェリーが時速52キロでぐんぐん航行する中をのんびり露天風呂に浸かっている。こんなことは一生に一度あるかないかだ。得がたい経験をしたものだ。
旅をしているといろんな経験をするものだ。見る物、聞く物初めてのものばかりだ。新しい物に触れることは喜びである。
できれば死ぬまで新しいことに触れ続けていたい。それが生きていることの喜びでもあることを信じて疑わない。








