【衆院解散】新党「中道改革連合」結成で対立軸が鮮明になった衆院選挙=「積極財政」を推進する高市早苗首相に票を入れるかどうか
■高市首相、解散方針を正式に表明
高市早苗首相は19日、首相官邸で記者会見し、通常国会の召集日となる23日に衆院を解散する意向を正式に表明した。27日告示、2月8日投開票となる。
高市早苗が「責任ある積極財政」を推進していいのかを国民が決める「高市早苗選択選挙」であると強調した。衆院選は2024年10月以来で1年4か月ぶり。全465議席(小選挙区289、比例代表176)の議席を争う。
自民党と連立を組む日本維新の会とで「与党で過半数」と勝敗ラインを設定した。積極財政政策など高市政権の主要施策の実現には「政治の安定が必要だ」と指摘した。食料品を2年間、消費税の対象にしない考えを打ち出した。
■高支持率が解散決断
政治を考える場合、どうしても感情が優先するきらいがある。論理的にはA氏が論理もきちっと通っており、正論のように思えても、感情的に好きになれないことが少なくないのだ。感情は厄介である。
最近の各種メディアの世論調査によると、高市首相の支持率は近年まれにみる高水準で約75%だという。どんな調査をやっているのか不安だが、どこの調査結果もほぼ同様の内容だ。
本人もそれを意識して、予算案年度内通過をほぼ断念してまで解散に踏み切った。今選挙すれば、勝てると踏んだからだろう。少数与党では落ち着かない。
きちんと過半数を取って安定した政権運営をしたいのは当たり前だ。維新との連立では安定性に欠き、政策推進力も力が入らない。なかなか思うままにいかない。
■高市氏の気になる目じり笑顔
それで気になるのが「高市スマイル」だ。目をクシャっとしたあの笑顔だ。あの顔をどう見るかによって高市首相の支持、不支持に分かれるのではないか。コミュニケーション伝道師・岡本純子氏は「高市氏はなぜ、あそこまで笑顔を見せるのか?」(東洋経済オンライン2025/11/07)で「日本の政界に”ラスボス”(最強キャラ)が登場した」と紹介している。
岡本氏は高市氏のあの笑顔について、「人によっては『わざとらしい』『笑いすぎ』『嫌い』という声もありますが、『明るい表情がいい』『気分が和む』と好意的に受け止める人も多いように感じます」という。
「口元だけの笑顔は偽物で、本当の笑顔は目元に出る。口角が上がるだけではなく、目元の『眼輪筋』が動き、目じりにしわができるほどの笑顔こそが本物」だとか。高市氏の目じり笑顔を見る人のセロトニンやドーパミン、エンドルフィンなどの幸福ホルモンの分泌を促すという。だから、その笑顔に安心感を覚える人は少なくないという。
日本のリーダーたちは「無愛想」「仏頂面」「ぶっきらぼう」の3拍子揃った男性が多いのが実情だ。こうした無表情な男性政治家の中だけに高市氏の「目じり笑顔」が目立つわけだ。
■世代間で対立
私は団塊世代。そうだからこそ、あの高市スマイルには一種アレルギーを感じてならない。わざとらしさが鼻につく。極言すれば、めまいがするほど気持ちが悪い。とても「幸せな気持ち」などにはなれない。生理的な現象なのでどうにもならない。正直あの笑顔を見ただけでアレルギー症状が出てくるほどだ。
逆にあの笑顔がたまらないと感じる人もいるのだろう。特に若者層には多いという。また高市氏はそれが分かっているからこそ批判を覚悟で解散に踏み切った。
若者層が高市支持に向かうとなれば、高齢者が与党不支持に流れるとみて、最終的にどのような投票行動を生むのだろうか。高齢者層が立憲民主党と公明党が立ち上げた新党「中道改革連合」に票を投じるのだろうか。国民民主党や参政党、れいわなどの存在も見逃せない。
公明党はこれまで創価学会を母体とした宗教政党で、個人的には投票の対象ではなかった。それが立憲と一緒になり中道を名乗ることになった。立憲も安全保障政策を「合憲」と明記した。現実的な立場を明確にした。
現実の国際社会は中道よりももっともっと右寄りに動いているが、憲法がある限り、そんなに右寄りに立ち位置をシフトするのは難しい。
■高市氏のトランプすり寄り作戦
トランプ米政権は今やわが物顔で独善的な政策を打ち出している。パレスチナに続き、ベネズエラも軍事力で大統領を米国に拉致し、政権を崩壊させた。イスラム主義国家イランへも軍事介入をほのめかしている。
デンマーク領グリーンランドについても米国による支配を声高に呼びかけ、圧力を強化。同盟国である欧州共同体(EU)に対してもグリーンランドに軍関係者を派遣した英、独、仏など8か国に対して2月から15%の追加関税を課す方針だ。
EUは関税が掛けられた場合、930億ユーロ(約17兆円)規模の対米報復を検討していると報じられており、貿易戦争になる可能性も秘めている。高市首相はトランプ氏との初会談で満面の笑みを見せてトランプ氏にすり寄った光景が印象的だった。
高市首相としてはトランプ大統領にすり寄るしかなかった。ミニトランプと目されても仕方がなかった。好き嫌いにかかわらず、トランプ大統領が圧倒的な軍事力を背景に世界を牛耳っているのが現実だし軍事同盟国でもある。独立国ではないのだ。
他国は世界最大の米国市場が欲しい。よって米国の言うことには耳を傾けなければならない。腹の中で「くそくらえ!」と怒っていてもトランプ大統領には逆らえないのだ。そうである以上、追従するしかない。高市氏のトランプ対策もそれだった。
■期待謳歌する株式市場と不信感抱く債券市場
しかし高市首相としてはトランプ氏に盾突くつもりは最初からなかったのではないか。トランプ氏の力を借りることで国際世界の中で日本をさらに引き上げことが狙いだった。昨年10月の迎賓館での首脳会談も日米関係強化とレアアース供給確保の合意文書に署名した。
高市政権の経済政策はこれまでの自民党政権に比べずっと右寄りに突き進んだのは確かだ。いくら積極財政だと言っても2025年度補正予算は18兆3034億円とコロナ禍後で過去最大。昨年末に閣議決定し今国会中の成立を望んでいる26年度予算案も過去最大の122兆3092億円。
過去最大が続出し、しかも赤字国債でそれをまかなうとなると、国債償還費も考えると本当に政権の「積極財政」が日本の成長につながるのかどうか怪しい。
積極財政への期待を謳歌する株式市場と、むしろ不信任を突きつける債券市場、加えて為替市場では円相場は1ドル=158円台と1年半ぶりの円安・ドル高水準に沈んでいる。
いずれにしても新党「中道改革」結成で与党・自民党との対立軸が明確になった。与野党どちらに投票するべきか。迷っていた人にとってはどちらに投票するか判断しやすい状況はありがたい。


