NYMEXはIPEから流動性を奪えるか?

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)はさきほど、ダブリンの立会場をたたんで、9月12日から新たにロンドンで立ち会い取引を開始すると発表したが、ライバルのロンドン国際石油取引所(IPE)からビジネスを奪うという目論見が成功するかどうかについては疑問視する声のほうが強そうだ。

 NYMEXがそもそもダブリンで、オープンアウトクライ方式の立会場を開いたのは、同方式と電子方式の2本立てで運用していたIPEが電子取引に一本化し、オープンアウトクライ方式を好むトレーダーたちの不評が噴出、それら不満トレーダーの注文を当て込んだものだった。

 NYMEXは昨年11月に、認可取得が容易だったダブリンで立会場を開設したが、当初、予想した出来高には到底達していないのが現実だ。IPEは今年4月、全面的に電子取引に移行したが、それによって、流動性がNYMEXに流れた事実はなさそう。

 NYMEXが苦戦しているのは英金融当局の認可に時間を要し、ロンドン進出が遅れた結果、電子取引に反対するトレーダーたちの勢いを吸収するタイミングを逸したのが最大の理由のようだ。IPEの電子取引も順調に稼働しており、付け入るすきがないこともある。9月12日からの”流動性争い”が注目される。

 

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