橋本幸雄会長開発の土壌改良剤「マクロビ酵素」を使った抗酸化野菜栽培を実践=三光ファーム(群馬県高崎市)

 

元旦に収穫した「開運米」を報じる上毛新聞

 

第39回次世代農業フォーラム(座長・荒木義修エー・アソシエイツ研究所代表取締役)が6月5日、ZOOMによるオンラインで行われ、ANBジャパンの橋本幸雄会長と三光ファーム(群馬県高崎市)の廣瀬光昭代表取締役が話をした。

橋本会長は1940年、北海道上川郡比布町に生まれ、ブラジルのマクドロッソ州にわたった人物。総面積6800ヘクタールの農場を持ち、2002年秋から「マクロビ酵素」作りをスタート。1日当たり原液約3700トンを生産。日本へは3500トンを輸出している。

マクロビ酵素の原液を商品化して、エステ店への販売のほか、農業用の土壌改良剤として販売も行っている。橋本会長はマクロビ酵素の栽培について、廣瀬社長は同酵素を使った抗酸化野菜栽培について講演し、参加者と交流した。

 

■最初は「草を作っているの?」

 

・三光ファームの広瀬光昭社長(44)。群馬県高崎市で農業法人を経営している。コメ、麦、施設園芸のトマト、露地で野菜。本職は不動産業。土地を買い受けて造成工事を行い住宅を建造する仕事を23年間行っている。

・高齢化で農業ができないとか後継者難などを聞いていて何とかしたいと思ってきた。会社の周りでも耕作放棄地が増えてきて地主が心配していることが現実になってきた。大きくやっていく方や法人もいなくて、「なら自分で挑戦してみるか」と思った。5年前の平成28年(2016)に農業の世界に入った。

・全くの未経験者。やるよと言ってもやり方分からない。先輩の農家さんに「コメ作りたいけどどうやったらいい?」そんなところから始めた。耕作放棄地を借りたから、草だらけ。通常の田圃の状態に戻すことから始めた。

・無肥料・無農薬でやってみよう。田植えまでは簡単にできた。苗が生長するに従って周りの農家と違う現象がうちの田圃には出てきた。何かと言うと、お米以上に雑草がすごく伸びてきた。元々耕作放棄地だったので草の種が回りと比べると比べものにならないくらい落ちている。

・それがどんどんと出てきてお米の背を抜いて「なに、米作っているのか草作っているのかどっちなのかい」と言われた。あんまりおいしくないものが取れて収量もかなり低かった。

・そのときに気づかされたのは肥料、農薬はある程度は使っていかないと大規模でやっていくとなると難しい。小規模の田圃をやるのなら管理もできる。農薬を使わないということは人件費がかかる。事業だから採算取れないものはやれない。人件費がかかるということは収穫したものを高く売らないと事業収支取れない。

・人を入れて大規模にやると高くなる。買う人も今の市場ではいない。ごく限られたニッチの世界で無農薬米や有機栽培米も市場には出ているが、それに万人の人が手が出るか。出ない。値段が高いから。

・自分たちは農業法人として地域を守っていくことを使命に始めたので高い米を売ることはできない。自分たちは極力少なく農薬を使い少しでも安全安心な農作物を提供していく。ここからスタートした。

 

IT化されたアイメックス農法

 

■AOLを使った「開運米」づくり

 

・2年目に入ると周りと同程度に出来るようになったので、次を考えた。イチゴも考えたが、技術的にも大変そうだったので、トマトを作ろうとした。導入したのは高糖度トマトの生産を可能にする「アイメック(フィルム)農法」(メビオール社)。

・ここで橋本幸雄(ANBジャパン会長)氏が開発している「マクロビ酵素」に出会った。これもマクロビ酵素を使って苗を育てている。根っこの生え方が尋常ではない。苗もそうだし、根っこが元気。これを田圃に移植したときと育ちが違う。食味のタンパク値とか全部分かるコンバインを使っており、収穫した時点でおコメの美味しさが分かる。データ化している。

・田圃1枚1枚取れるコメの味が違う。食味と含水率が違う。データで出る。そうすることによって来期のマクロビ酵素施肥量をどうするか計算ができる。

・収穫した段階でコンピューターにより食味が分かるコンバインを入れている。

・今年の1月1日にコメを収穫した。多分日本で初めて。マクロビ酵素を田圃に入れることで、品種もあるが、1月1日までコメを引っ張って元旦に稲刈りした。これは新米という言葉の定義が崩れる。新米とはその年度に取れたコメだが、1年間新米だ。

・コメの収穫時期も変わってくるし、品質も改良される時代になってきたのかな。三井物産アグロビジネスと共同でやっている。コメの数値も全部出している。三井もびっくりするくらい数値が良かった。

・AOL(Antioxdant Liquid)栽培=抗酸化溶液を使った栽培=橋本会長が作ったマクロビ酵素を素に農業用に転換したものをAOLとと呼んでいる。マクロビ酵素栽培はAOLを使った栽培のこと。

・見た目は一緒でも中身の栄養素が全く違う。順天堂大学と提携して「野菜の見える化、数値化」に取り組んでいる。スーパーとかに販売している。コメはマクロビ栽培で作っている。

・今までの農業の悪いところは農家のおじちゃん、おばちゃんが「勘」でやっている。次世代の後継者にその「勘」の引き継ぎができない。その代が終わってしまうともう1回新しい人がやったときに1からやり直しになってしまう。ここがヨーロッパ諸国と違い。

・日本の農業はこういう形で次世代の後継者に技術を残していくのが非常に難しい。農家の性格も自分で作ってきた技術を他の人に教えたくない。これが日本の農業の悪いところだ。それがあるがゆえになかなか後継者も育たず日本の農業が発展しない。異業種から飛び込んだ私が気づいたことだ。これでは日本の農業は守っていけないし、農業をやろうという若者も増えない。

・この辺も含めてデータ化、見える化、すべての物事を数値化していくことによって次世代への引き継ぎをしやすくしていく。または自分たちがどういったものを作っているのか、作り手も自分たちの作っているのを数値されることによってこういう良い物が取れているんだと分かるともっと良い物を作ってみようとなるだろう。

 

■「マクロビ酵素」の普及は農業のテーマ

 

・トマトたちも環境の良いところで作れば美味しいものが作れる。トマトがいかに過ごしやすい環境を作ってあげるか。オペレーターの役割だ。それを機械化、数値化して、環境作りをしている。

・co2発生器。トマトがノビノビとした環境で育つように人間がコントロールしてあげる。環境制御。

・マクロビ酵素栽培を世の中に広めることが自分たちの農業のテーマだと思っている。慣行野菜(ケミカルのたくさん播かれた農場で作られた野菜)と有機野菜(有機肥料を使って作った野菜)が認知されているが、もう1つのブランドしてAOLを使って栽培した抗酸化野菜を今広めているところ。

・なぜかは分からないが、このAOLを使った栽培をすると抗酸化力が上がる。野菜というのは本来、人間の酸化を防ぐ抗酸化力を持っているが、その抗酸化力が格段に高くなる。栄養素も非常に良くなって健康な野菜が育っていく。トマトで言えば、AOLを播かなかった場合、コナジラミという害虫が寄ってくる。今年AOLをフルに使ったら、虫が本当に寄ってこない。

・虫が寄ってこないということは農薬の散布回数が極端に減る。低農薬野菜につながる。高い効果が期待できる。

・植物自体がめっちゃめっちゃ元気になる。すくすく育つし、植物本来の力を発揮できている。健康な人は免疫力が高い。風邪も引かない。それと同じようなことが植物にも言えるのではないか。

・ケミカル(窒素分)をたくさん播いた農場というのは虫がすごく寄ってくる。虫は窒素分大好きなので、窒素に寄ってくる。過剰窒素になっていると、そこにすごく虫が寄ってきて植物にたくさんつく。これを防ぐためにたくさんの農薬をまく。すごく悪循環な農業をやっている。窒素・リン酸・カリを播きすぎて土が硬くなって栄養分のない土がどんどん出来てくる。吸い取れ切れないケミカルは雨で川に流れ、川の小動物がいなくなる。これが起こっているのではないか。汚染された川が最終的には海に流れ込む。

・農薬は極力ゼロにする。農薬に代わるものがあれば、地球環境を改善していかなければならない。農業は自然に直結する仕事なので農業家としての使命だと思う。持続化できなければならない。

・人間は食べ物でできている。何を食べるかは非常に重要だ。健康に良い物が市場に並んでいないとだめだ。

 

高級スーパー「福島屋」に並ぶじゃが芋(男爵)331円+税

 

■「抗酸化野菜」が慣行野菜に置き換わる時代に

 

・コストがかからないのも大きなメリットだ。農薬を撒いているところに少しAOLを添加するだけで劇的に変わる。葉面散布でもいい。土壌散布すれば土壌内の菌が活性化しどんどん土がフカフカになってくる。死んでいた土が1年で生き返る。

・AOLを播かない耕作放棄地を元の圃場に戻すには3年かかる。マクロビ酵素を播くと1年で土が生き返る。酵素が自然界で大切な働きをしていると感じている。

・これは私の実体験の中で「そうなったよ」ということを話させてもらっている。高級スーパーの福島屋さんがわれわれの仕事を評価してくれた。中身の栄養素がまるで違う。「抗酸化男爵芋」。めちゃ高い。これがあっという間に売り切れる。

・消費者は「これ」を求めているのかな。でもあまり高いと皆さんのところに行き渡らないのでここをいかに「行き渡る」ように、通常の野菜になればいいな。ケミカルな野菜が世の中から減っていって、抗酸化野菜に置き換わればいいな。

・そうすれば免疫力も上がって、ウイルスなどの菌にかかることもなくなるし、健康で生きていけるのではないか。

・(地元の)生産者がマクロビ栽培の良さに気づいてどんどん参入してくれている。今は群馬メインにやっているが、全国に拡げたいなといろんな企業と話を進めているところだ。いつかはどーんと爆発的に「抗酸化野菜」が世の中に広がってケミカル野菜、有機野菜に加えて抗酸化野菜が出てくるんだじゃないかと思っている。抗酸化値。

・小松菜だが、1カ月いい状態を保ったまま冷蔵庫で保管できた。常識では考えられない。こういうところにマクロビ栽培のすごさが分かる。数値で実証できている。ただ感覚で食べておいしいからではない。

・スマート農業、ICT農業をどんどん取り入れて若い人材をどんどん育てていきたい。日本の農業を背負っていくのは若い人たち。農業楽しいな、農業で稼げるなあと思ってもらわないと農業をやる人がいなくなる。そういう環境づくりをやっている。夢を持って日本の農業に取り組んでくれれば未来があるのかなと感じている。

 

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