何処へ行くの?
日府展を見に東京都美術館に出掛けた。一般財団法人日本画布が毎年開催しているもので、今回は66回目。前回見たのは多分57回目。2010年5月だった。
しかも吉田馨都江氏はこの作品で日府賞を受賞した。同賞受賞は2度目で異例だという。
モデルは母上。100歳になったという。郷里が同じで私はずいぶんお世話になった。お世話になっていながら、お返しができていない。
母上は現在、老人ホームに入っている。穏やかで元気だという。姉妹で面倒をみている。
何処へ行くの? 影を引きながら杖をついて何処へ行くかのようだ。向こうには既にあの世に旅立った人たちが集まっている。
こちらにはまだ現世に足を留めている人たちが残っている。お前は何処へ行こうとしているのかと呼び止めている。
「成り行きを決然と生きる」にしても、その意思の力がなくなったら、決然も何もない。意思をなくした人間はもう人間でないのかもしれない。