決選投票で河野太郎氏を破って新総裁に岸田文雄氏選出=自民党総裁選
■決選投票で岸田氏が勝つ
自民党総裁選は29日、決選投票で議員票で先行した岸田文雄氏が党員票で優位な河野太郎氏を破り、第27代総裁に選出された。
国会議員票と全国の党員・党友による党員票で争われた総裁選では1回目の投票では河野太郎候補が255票(議員票86、党員票169)、岸田文雄候補が256票(議員票146、党員票110)、高市早苗候補が188票(議員票114,党員票74)、野田聖子候補が63票(議員票34、党員票29)となり、有効投票総数762票の過半数を超える得票を得た候補者がいなかったため、岸田候補と河野候補による決戦投票が行われた。
決戦投票では岸田候補が257票(議員票249,都道府県票8)、河野候補が170票(議員票131、都道府県票39)となり、岸田候補が新総裁に選ばれた。
■「完敗に近い」と小泉氏
総裁選はスポーツクラブでペダルをこぎながらテレビ観戦した。いつもは30分ほどで切り上げるが、決選投票にもつれ込んだこともあって1時間半もかかった。
前夜BSフジプライムニュースやBS-TBS報道1930などで見た政治評論家や各社政治部記者の予想通りの展開が繰り広げられた。河野候補は自民党の異端児ぶりを発揮し、面白いものの、今はそれだけではなく、むしろ安定さが求められているため、やはり岸田氏の安定ぶりが魅力的だった。
河野氏は地方の党員票で優勢だったものの、断トツで頭抜けている強さではなかった。むしろ「変なおじさん」的な色合いが濃かった。ベテラン層は全く新しい改革は望まない。改革よりも保守的なムード志向が強い。
河野氏は58歳とまだ若い。これからもチャンスがある。彼を必要とする時代は来ている。ただまだ総合力で岸田氏の力は侮れない。
フジテレビ報道局解説委員の鈴木款氏は河野氏を支持してきた小泉進次郎環境相の言葉を引用して次のように書いている。「全力で河野さんを応援して負けました。完敗に近い。負けは負けです。ルールの中でやって負けたんです」。彼は記者団に率直にこう述べた。正直な受け止めである。
鈴木氏によると、「河野太郎を支えることは大変なことだ」と本人が言っていたという。小泉氏は「支えるのは大変な方でしたが、支えがいがありました。河野さんが総裁になったら間違いなく総裁選の開票作業の長さとか、総裁選の在り方を変えてくれる。私はそういう姿を想像していましたから、河野さんを勝たせたかったですね」
小泉氏は「やはり地道な活動って大事だと思います。全体から言えば活動の中で岸田陣営は総合力を発揮されたと思います」