デービス米プリンストン大学教授
ゲスト:クリスティーナ・デイビス(米プリンストン大学教授)
テーマ:トランプ米政権:米国と世界の行方
2017年1月6日@日本記者クラブ
クリスティーナ・デービス米プリンストン大学教授が日本記者クラブで講演し、記者の質問に答えた。今年最初の会見だった。
デービス教授はトランプ米大統領が示す環太平洋経済連携協定(TPP)や北米自由貿易協定(NAFTA)など世界貿易協定を撤廃するとの考えについて、「日本が自分のためだけにすれば済むことであって、必ずしも米国が参加していなくてもすむ」との見解を表明した。
川崎研一氏は昨年5月の第121回GRIPSフォーラム()で、EPA(経済連携協定)について、ASEAN諸国や中国、カナダなどは相手国が関税撤廃や非関税措置を削減するよりも、自国の関税を撤廃するほうが経済効果は高いという論文を発表したが、デービス氏はこれを紹介した。
今後の政策オプションはどうなっているのかについては、「TPPは中国封じ込めという要素はあるけれど、ドアは閉まっていないので、中国を完全に閉じ込めることにはならない。部分的には中国を閉じ込め、部分的には関与と対話を続ける戦略だ」とし、その間でうまく調整していくのが賢明だと述べた。