【軽井沢】千曲川の荒廃農地をブドウ畑に、ファームガーデンも備えた田園リゾートを目指す=千曲川ワインバレー

ランチに地元上里産小麦を使用した肉汁うどんを「麦さと屋」でいただいた

 

■埼玉県は香川県に次いで全国2位のうどん県

 

このところ車で軽井沢によく出掛けている。軽井沢は地理的には長野県の入口に当たるが、関越自動車道と上信越自動車道を使えば、練馬の自宅からは2時間ほどで着くから便利だ。距離にして約150キロ。

最近は埼玉県内で最も北部の上里SA(下り線)で途中休憩する。そこで今回もフードコートで食べたのが「麦さと屋」の地粉肉汁うどん。地元上里町の小麦粉「農林61号」を100%使用している。

実は埼玉県は全国で2位のうどん県。断トツ1位なのは「讃岐うどん」で有名な香川県。うどん用小麦粉使用量(2009年)によると、香川県は5万9643トン、2位は埼玉県の2万4720トン、3位は群馬県で1万7524トンだった。

埼玉県は冬に晴れることが多く、日照時間も長いことからコメ作りよりも小麦作りに適した土地と言われている。さらに明治初期から大正にかけて「麦踏み」や「二毛作」などの小麦を増産する技術を全国に広げた麦王(ばくおう)との異名が付いた権田愛三(ごんだ・あいぞう)氏がいたことも大きいという。

 

肉汁うどん

 

■「武蔵野うどん」や「加須うどん」など多岐のバリエーション

 

楽天市場が運営する沼メディア「ソレドコ」によると、埼玉県北部はコメよりも麦栽培に適した土地が多く、昔から小麦を食べる習慣があるといい、うどんも食べられてきたという。加えて権田愛三氏が広めた技術も受け継がれてきたとか。

それで今も小麦の栽培が盛んなのだともいわれる。ただ埼玉うどんは讃岐うどんのような強力なコシがあるわけではなく、「うどん自体にバリエーションがある」のが特徴と言えば特徴かもしれない。

「埼玉を日本一の『うどん県』にする会」を作って活動している永谷晶久氏によれば、比較的有名なのが太くて歯ごたえのある「武蔵野うどん」。「ガシガシ」「ワシワシ」という食感で、豚汁や揚げたナスなどが入った熱い付け汁に入れて食べる。

加須(かぞ)市周辺で食べられているうどんが「加須うどん」。加須市は小麦食文化が盛んで、いまでも冠婚葬祭などでうどんはよく食べられているらしい。ツルツルシコシコしていて食べやすく、麺が「長い」のが特徴。冷たい盛りうどんにして食べるのがスタンダードな食べ方と言われているとも。

ほかには深谷市でよく食べられている「煮ぼうとう」というのもある。深谷で有名なネギや白菜、大根、人参、シメジなどその時に採れた野菜と一緒に、幅広の小麦を練った「すいとん」を煮込んだものだ。

山梨県の「ほうとう」も同じような料理だが、「ほうとう」にカボチャは必ず入っているほか、味付けも味噌味だ。これに対して深谷の煮ぼうとうの具は何でもいいほか、味付けも醤油味だ。

 

丸七製茶のPremium MATCHAチョコ

 

織部の茶碗

 

■究極のイノベーションを実現した抹茶チョコ

 

軽井沢でお茶受けにいただいたのが抹茶を使ったチョコレート。まだ現役のご主人が仕事先でもらってきたものがおいしかったので、奥さんが追加で取り寄せたという。

今やどの世界もイノベーション(技術革新)花盛りの時代である。びっくりするようなものが登場している。馴染みのあるものでも、それがイノベーションによって内容がガラッと変わってくる。

丸七製茶(本社・静岡県島田市)自家製の抹茶チョコもその1つ。最高級の抹茶で、抹茶の濃さが違う7種類の抹茶チョコと濃いほうじ茶チョコの合計8種類。2本ずつ16本のセットとなっている。1セット1800円(税込1944円)。

「最高レベル7は抹茶が濃すぎて型崩れし商品にならない限界まで挑戦した逸品」(商品説明)だとか。濃いタイプのものをいただいたが、まさに大人が楽しむべき味わいである。1人で何本も味わうようなものではなかった。

「レベル6までも抹茶の濃さとカカオバターのまろやかさとのベストバランスを模索しながら、カカオと糖とミルクの配合比率を調整し、静岡県産のミルクを使いまろやかに仕上げました」(同)

丸七製茶は明治40年(1907)創業の製茶メーカー。茶葉の栽培・育成から加工、商品化まで日本茶のOEM(相手先ブランド)製造ではトップクラスの生産量を誇っている。

1988年に静岡抹茶のパイオニアとして業界内外で確固たる地位を築いた。また全国高級煎茶品評会や様々な大会で名人賞や農林水産大臣賞を受賞するなど製茶の歴史と技術を進化させている企業だ。

 

ザ・プリンスのロビー

 

■11月のテーマは南フランス

 

恒例のワイン倶楽部は日曜開催である。会場はザ・プリンス軽井沢のダイニングルーム「ボーセジュール」。今回のテーマは南フランスだ。

 

仏ワインの産地(Mercian「Wine Academy」)

 

 

南フランスはカンヌやマルセイユ、モナコ公国などの地中海に面した高級リゾート地として有名だが、一方でワイン造りも盛んで、地中海の太陽の恵みを受けたワインが多く生み出されている。

 

▼コート・デュ・ローヌ地方

「太陽のワイン」として親しまれている赤ワイン産地が、リヨン市の南を流れるローヌ川流域。フランスの南に位置するので気温が高く、日照時間も長いため、糖度の高いブドウが収穫され、コクのあるワインの醸造を可能にしている(メルシャン「ワイン・アカデミー」のノリッジ「これでバッチリ!ワインの基礎知識」から)

▼プロヴァンス地方

マルセイユからニースに至る海岸沿いとその内陸部で、コートダジュールの温暖な気候に恵まれた地域。2000年以上も前からワイン造りが行われいた歴史のある地域(同上)。

▼ラングドック・ルーシヨン地方

地中海沿岸に沿って、スペイン国境からペルピニャン、モンペリエ周辺までのブドウ生産地を指す(同上)。

 

まずは食前酒のシャンドン・シャン・デ・シガル/ロゼ・ブリュット(辛口)

 

これに合わせた料理は「雲丹のフラン」

 

右からロゼ、ソーヴィニヨン・ブラン、バンドール・ロゼ、パンドール・ルージュ、コート・ロティ

 

・シャンドン・シャン・デ・シガル ロゼ・ブリュット
・コトー・デ・シェブレット ソーヴィニヨン・ブラン from千曲川ワインバレー(立科町)
・タンピエ バンドール ロゼ
・タンピエ バンドール ルージュ
・ギガル・コート・ロティ シャトーダンピュイ

 

メバチマグロのコンフィ ニース風サラダ

 

イカとカサゴのグルノーブル風

 

実はここに「信州ハーブ鶏と海老のルーロー 鶏のジュ」が入るが、実は私は鶏がダメなのだ。写真も撮り忘れた。メインが食べられないのが何とも悔しい!!

 

トロペジェンヌ”なかの真紅”のソルベ

 

■サン・トロペの銘菓「トロペジェンヌ」

 

フランス料理は大変である。大体言葉が難しい。発音も難しい。意味がよく分からない。分からないから調べながら書くので時間がかかる。しかし調べていくと、それなりに分かってくる。

一瞬先まで知らなかったことが分かってくると、もう自分のものになった。若い頃はすぐに自分の知識・知見になった。しかし歳をとってから覚えてもすぐに忘れる。悲しいかなそれが本当である。

仕方がないので調べたことをこうしたブログに書いておくと、すぐには出てこなくてもブログを読み返すことで食べたことや飲んだ物を思い浮かべることができる。とにかくあまり時間を置かないうちにこれをやっておくことだ。

トロペジェンヌは南フランスのサン・トロペの銘菓だという。女優ブリジッド・バルドーが好きだったお菓子として知られている。日本でも一部のパティスリー(ケーキや洋菓子を専門に扱うベーカリーの一種)やコンビニが商品化し、少しずつ普及し始めているらしい。

カスタードクリームがたっぷり挟まれているが、生クリームそのものではないのでくどすぎず、シュークリームのようにペロッと食べられてしまう。あっという間に食べてしまった。多分美味しかったのだろう。

ちなみに「なかの真紅」とは長野県中野市の育種家、吉家(よしいえ)一雄氏が「いろどり」に「ふじ」を交配し育成した果皮、果肉ともに赤肉系のリンゴのこと。

 

前方に雪をいただいた浅間山

 

■生産量2位の長野ワイン

 

今回の軽井沢のテーマはクリスマスリース作り。日曜から水曜までの3泊4日。このうち天気の良さそうな日に千曲川ワインバレーをドライブすることにした。

日本のワイン生産量は1位が山梨県で、長野県は2位。2018年度「ワインの都道府県別生産量・出荷量」調査によると、山梨県は5189㎘でシェアは31.2%。長野県は3950㎘で同23.8%だった。

3位は北海道(15.’%)、4位山形(7.0%)、5位岩手県(3.5%)、6位岡山県(2.4%)と続いている。

 

■県内4エリアに50社超ひしめく

 

長野県のワイナリーは大きく分けて4エリア。塩尻の「桔梗ヶ原ワインバレー」、松本から安曇野に広がる「日本アルプスワインバレー」、東信から北信にかけて千曲川沿いに位置する「千曲川ワインバレー」、伊那を中心とする「天竜川ワインバレー」だ。

これらの地域に50を超えるワイナリーがひしめき合っている。新規開業するワイナリーも少なくなく、2014年から5年間でワイナリーの総数は倍増したという。

 

リュードヴァン

リュードヴァン

 

■荒廃農地をブドウ畑に

 

最初に行ったのが千曲川ワインバレーの中心的なワイナリー、リュードヴァン(東御市)。フランス語で「ワイン通り」という。オーナーの小山英明氏が荒廃農地を開墾して見事なブドウ畑に変え、2010年に創設した。

会社の周りはブドウ畑一色。ここは荒れ果てた耕作放棄地が広がっていたという。先駆者は偉大である。小山氏は偉大である。

今年6月24日にはプリンスホテルのワイン倶楽部では日本食「からまつ」で創作会席料理の食事会が行われ、リュードヴァンのワインが振る舞われた。

 

会社概要(敷地案内図)

 

2022年現在の作付け面積は12ha

 

リュードヴァンからそれほど遠くないところに位置しているのがオーナーの玉村豊男氏が開設した「ヴィラデストワイナリー」。東御市の標高850mの丘の上で2003年から醸造を始めている。

 

ヴィラデストガーデンファーム

 

収穫の終わったブドウ畑

 

同上

 

ガーデンファーム

 

■カフェで食事も

 

ワイナリー隣には野菜や花、ハーブなどを楽しめるファームガーデンが存在している。またワイナリーカフェでは食事を楽しんだり、テイスティングもできる。

ワイナリーショップではヴィラデストで作られているワイン、シードルなどを買い求めることも可能で、千曲川ワインバレーの一大拠点となっている。

 

クリスマスリース作り

 

オーナメントの数々

 

作品A

 

作品B

 

作品A+作品B+作品C+作品D

 

■言うはやすく行うは難し

 

今やクリスマスに定番となったクリスマスリース(Christmas Wreath)。造花で造ったものやプリザーブドやドライ素材のものなど、たくさんの種類が出回る。

その中でもやはりフレッシュな素材で作った生リースにかなうものはない。モミの木やスギ、ヒバなどの針葉樹を使って作るのが伝統的ではある。

友人宅にはモミの木の巨木が何本も植わっている。別荘を建てる前から植わっていたという。巨木以外に小さなモミの木もあった。その1本を切って使った。団塊世代は「クリスマスと言えばモミの木!」で凝り固まっている。

国産のモミの木もあるが、最近は北米オレゴンからやってくる輸入物が中心らしい。

クリスマスリースは実際に自分が作るとは思ってもいなかったが、成り行きで作るハメに陥った。作り方はもう忘れてしまったが、リース土台にリースワイヤーを括り付けて、小さくカットしたモミの木をグルグルと留め付ける。この作業が意外と難しかった。

いずれにしても言うのは簡単だが、行うは難し。やってみると均等なリースを作るのは結構な技術が必要ではある。

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