新しい季節
4月3日(月)。あちこちの企業で、入社式が行われ、今年も新人の季節がやってきた。とにかく、初々しいのは見ていても気持ちのいいものだ。若さがはち切れんばかりで、実に躍動的だ。何で、あんなに若いのか。まぶしいばかりだ。
若ければいい、とは思わないものの、若いことのすばらしさは否定できない。うらやましいとも思わないのは、もうあの時代に戻ることが所詮叶わぬ夢とあきらめているからなのだろう。人生の諦観とも呼ぶべきものなのかもしれない。
若さはすばらしいけれど、その若さはあっという間に過去に飛び去ってしまうものなのだ。そのことを若い時代はなかなか理解できない。永遠に、その若さが続くかのような錯覚に陥ってしまう。そうでないことに気づいたときはもう既に時遅し、だ。
青春は二度と戻ってこない。人生は不可逆性だ。人生をやり直すことはできない。やり直せないことを百も承知しているはずなのに、人はなぜ、自分の人生を予想外にぞんざいに扱ってしまうのか。そう思うなら、今の今をもっと大切に過ごせるはずなのに。
自分の人生はそろそろ終わりに近づきつつある。それなのに、何か、新しいことをやりたがっている自分がいる。おまえの人生はこれからだ、と叫んでいる。本当にこれからなのだろうか。もう、これからは、無地のキャンバスに新しい絵は描けないけれど、自分の好きな絵を描き続けることだけはできるはずだ。ひたすら、そう思い続けるしかない。