天野IAEA事務局長会見

会見する天野IAEA事務局長(左)

 

テーマ:IAEA事務局長来日会見
会見者:天野之弥(あまの・ゆきや)氏
日時:2012年1月11日@日本記者クラブ

国際原子力機関(IAEA)は原子力の発電などの平和利用促進、核兵器など軍事利用防止を目的に1957年に発足した国際機関。151カ国が加盟(2010年4月現在)し、本部はウィーン。「核の番人」とも呼ばれ、2009年12月から日本の外務省出身の天野之弥氏がトップの事務局長を務めている。2期目の再任が決まり、日本政府と今後の協力関係について協議するため来日した。

IAEAは2011年3月11日に起きた東京電力福島第一発電所事故で大きく揺らいだ原発への信頼を回復させるため、安全向上のための「行動計画」を策定し、同年9月の総会で全会一致で採択。原発の安全性を審査するIAEA調査団を3年以内に最低1回派遣することを求めている。

●安全性を最大限確保することは大前提だだ、今後20年間に世界の原発は増加する。中国、インド、ロシアなどが中心だ。途上国も導入に関心を寄せている。増加するのは多くの国が導入にメリットを感じているからだ。日本が原発をどうするかは世界に大きな影響を及ぼす。

●核セキュリティーは重要な問題だ。核がテロリストの手に渡ることのないよう、IAEAは120カ国以上で専門家の訓練を行った。7月には国際会議の開催を予定している。

●原子力をガン検診・治療などの分野への応用を推進したい。先進国の関心は高いとは言えないが、途上国支援にとって必要だ。

●ウィーンから見ていると、核問題ではイランが突出しており、北朝鮮の核疑惑はその影に隠れている。これはアジアを越えた広い範囲の問題と認識すべきだ。北朝鮮の各施設については2009年9月以降検証を行えない状態だ。

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