MEGAQUAKEⅢ第1回『次の直下地震はどこか』
NHKスペシャル『MEGAQUAKE巨大地震Ⅲ』シリーズが始まった。第1回「次の直下地震はどこか~知られざる活断層の真実~」だ。
知らないことの幸せというのもある。知ったことでもたらされる不幸もある。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災によって地震のメカニズムに関する知見は飛躍的に高まった。
2011年3月11日に発生した東日本大震災はそれまでに科学者が築き上げてきた知見、想定をさらに大きく上回るものだった。次から次へと知らなかったことが浮かび上がってくる。知りたくないのに知らされる。
その最たるものが活断層だ。活断層は、推定されているだけでも2000あるが、地震の周期の長さから、メカニズムの解明は遅れていたが、1.17や3.11が残した膨大なデータが研究を進展させ、未知の脅威を間断なく、顕在化させている。
内陸の活断層は、ひとたびずれ動けば、直上の都市や施設にまともに襲い掛かり、壊滅的な被害をもたらす。断層のずれ方によっては破壊力が増す。水の存在が引き金になるという。
地震学者たちは、最新の科学データを駆使しながら、我々がまだ知り得ていない巨大地震の姿を読み解く必死の挑戦を繰り広げている。知りたくはないが、知ることによって「最悪の事態」に備える覚悟は鍛えられるかもしれない。
大変な時代に生きているが、逃げ出す訳ではいかない。よりよく知ることでしか、希望につながる未来を招き寄せることはできないことだけは確かなようだ。