最古の天守を持つ「丸岡城」
メーンイベントは工作機械メーカーの松浦機械製作所(福井市)の取材だった。企業規模こそ小さいものの、オンリーワン技術を駆使して、世界のものづくり企業を支えている中堅企業だ。
小粒ながらマシニングセンタのトップ企業で、2002年に松下電工(現パナソニック電工)と共同開発した「金属光造形複合加工機」(LUMEX Avance-25)は高い評価を受けている。3代目社長の松浦勝俊氏に話を聞いた。
今日も駅前からバスに乗った。丸岡行きに乗って南横地で降りた。20分は乗った。駅周辺で昼を食べようと思ったが、お目当ての喫茶店は休み。どうしようかと途方に暮れていたら、たまたま道を尋ねた車庫調査員の女性が自分の車で他の食堂まで乗せてくれた。都会では考えられない地方の情けに涙が出るほどだった。
案内されたのが手打ちそば「まどか」(坂井市丸岡町)だった。店に入ると、靴をスリッパに履き替える。カウンターがあって、そば屋というより喫茶店の趣きだった。老夫婦が経営する店で、地元丸岡町産のそば粉を打った「おろしそば」をいただいた。
福井市で食べたときには最初から出汁がそばにかかっていた。今度は別々。出汁にそばを入れながら食べていたら、そばに出汁をぶっかけて食べて、と言われた。こちらではそういう食べ方をするのだという。郷に入れば郷に従えである。
取材を終え、あとは小松空港から飛行機に乗るだけ。とりわけ田舎では車がなければ、どこにも行けない。車が文字通り足代わりだ。あちこちうろうろしたかったが、1つだけ観光することにした。
観光したのは松浦機械製作所からほど近い「越前丸岡城」(坂井市丸岡町霞町)。柴田勝家の甥の勝豊が天正3年(1575)に築いた城だ。石垣の上に立つ天守閣は、国内に現存する12の天守閣のうち、最古だとか。
現存の天守閣では「最古」が売りだが、どうも犬山城(愛知県)と古さを論争しているようだが、石垣といい、石瓦といい、内部の木調・古調さからして、確かに古さを感じさせる。小柄の割にがっしりと力強さもある。
丸岡ICのバス停までタクシーで1000円。そこから空港連絡バスで小松空港まで30分ほど。ANA最終便は20時のフライト。たっぷり時間があったので、ターミナルビル2階でレストラン・エアポートで鯖(さば)と鰤(ぶり)のへしこ(石川県では糠漬けと呼ぶそうな)をアテに生ビールで1人で打ち上げた。