「美山かやぶきの里」
法事を済ませ、連休最終日の6日、東京に向かった。ただ、真っ直ぐ帰るのではなく、途中、どこかに立ち寄るのが最近のパターン。今回は修復なった姫路城を眺めるつもりだったが、漆喰が落ち着いた色になるには少し経ってからのほうが良いとの長姉の意見を取り入れて、京都府南丹市美山町(みやまちょう)に立ち寄ることにした。
「はじめて来たのになつかしい…日本の原風景」で売り出し中の町だ。美山町は広いが、その一角だけが、かやぶき屋根になっている。飛騨・白川郷を一回り小さくしたような集落だ。
集落の一番高台に立地しているのが普明寺(ふみょうじ)。1944年の火災でかやぶき本堂が焼失、今はトタン屋根になっていた。このお寺の住職が実家の副住職も兼ねており、今回の法要もお願いした。
たまたま住職がおられ、境内のベンチで抹茶とトチの実の入った羊羹をいただいた。ポカポカ陽気の中、吹き渡る風を体で感じながら、しばしのどかな時間を過ごした。なかなかこんな時間は味わえない。
集落は68軒。このうち33軒が茅葺き屋根となっている。普明寺の住職によると、冬は結構雪が積もるという。茅葺き屋根は「北山型」と呼ばれ、①入母屋造り②板壁、建具は板戸③屋根の上に「千木(ちぎ)」と「雪割り」を乗せる-のが特徴だ。