時代は「家庭用蓄電池」に
太陽光発電の国内最大級の見本市「PV Japan」が5日、横浜市のパシフィコ横浜で開催された。2日目の6日会場をのぞいた。目玉の一つが米テスラモーターのブースだ。
会場のど真ん中に電気自動車(EV)を置き、人だかりができていた。太陽光、蓄電池、EVの3点セット。何が新しいのかと思ったら、蓄電池だった。パワーウォールが他社製に比べ半分くらいの競争力のある価格設定だった。
PowerWallは、蓄えたエネルギーを昼でも夜でも利用できる家庭用蓄電池。非常用電源として利用できるだけでなく、太陽光発電システムと組み合わせることで常にクリーンな電力を家庭に供給する。
時代は蓄電池に向かっているように思える。
こちらはパナソニックエコソリューションズ社のブース。ヘテロ接合型(HIT)太陽電池とパワーコンディショナー(直流の電気を交流の電気に変える)と蓄電池のセットだ。日本のエネルギー事情や地球環境を考えると、エネルギーはわが家でつくり(=自産)、わが家で消費する(=自消)のが理想だ。
将来の目標は「ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)だ。電気を蓄え、あとから取り出せる蓄電システムは、電気の使い方をもっと大切に、もっと上手に、大きく変えるものだ。「自産自消」を目指す、これからの暮らしに欠かせない。
ペロブスカイト太陽電池は、「ペロブスカイト」という結晶構造を持つ薄膜を発電層に用いた太陽電池。塗布という簡易な方法でフィルム基板を用いたモジュールの製造が可能である(大量生産が可能である)ことから低コスト化、軽量化が可能なため従来設置が困難であった場所(強度の弱い建物など)への適用が期待されている。
展示品Cは、ペロブスカイト太陽電池モジュールの構造最適化を行い、20cm角のモジュールにおいて世界最高レベルの変換効率12.6%を達成したもの。