【昆虫ビジネス】「みんな(M)で日本(N)をハッピー(H)に!」を社名にしたソーシャルビジネス企業MNH=食用コオロギをこれだけたくさん流通させている会社はうちぐらいと小澤尚弘社長

登壇したMNH社長の小澤尚弘氏

 

■食用コオロギの事業化を進めるMNH

 

昨年12月8日に東京ビッグサイトで開催されたエコプロ2023では昆虫食ビジネスゾーンに株式会社MNH(本社・東京都調布市)が出展した。それにしても同社の企業理念である「みんな(M)で日本(N)をハッピー(H)に!」を社名にしたのは実にユニークだ。

生活雑貨の卸売りを目的に創業したノルコーポレーション創業者の菅喜嗣がMNHを設立したのは2008年3月。かりんとうを販売し地域商社モデルの直営事業を開始した。

2011年11月に社長に就任した小澤尚弘氏によると、MNHは地域貢献を望む若者のためにソーシャルビジネス(社会問題解決を目的とした事業)モデルを作ろうという想いで作られた。

展示ブースでは普段見ることのできない食用コオロギの飼育現場の再現や、企業とコラボレーションしたコオロギフードなどが紹介された。

こうした「コオロギイノベーション」に加え、お米を活用した「米イノベーション」(お米のコーヒー)、新たな雇用を生む仕組みづくりとして「福祉イノベーション」(地域商社モデル)についても公開した。

 

世界でコオロギの養殖工場ができている

 

■経営理念を社名に

 

みんなで日本をハッピー!(MNH)とは非常にうさんぐさい名前だが、経営理念そのものが社名になっている。「何でコオロギやっているの」という質問もよくあるのだという。

福祉作業所の人たちに仕事を作ると、われわれの工場は引き籠もり経験者を多く採用しているので非効率。高くて競争に巻き込まれない商品づくりが必ず必要になってくる。

そのために誰もやっていないものをやろうということで2017年から食用コオロギを始めている。僕が昆虫大好きでなにかそれをという話ではない。それよりも自分たちのスキームを遂行するために、さらに社会のためにいいことって何だろうかと考えた場合、食用コオロギを始めている。

そういう循環のための1つの手段として使っている。こんなことをずっと進めていったら、結果今コオロギフード、コオロギを使った食品ではこれだけ種類持っているのは世界的にうちぐらい。

ほとんどがコオロギのパウダー、コオロギのまんまのホール、プロテインバーなど3アイテムくらいをやっている程度。これだけ食品をいっぱい作って流通させることをやっているのは世界的にみてもうち以外にないだろう。それくらいになってしまった。

 

■タンパク質が豊富

 

なぜコオロギを食べるのか。きっかけは食糧農業機関(FAO)が2013年に昆虫食を推奨したこと。一番はタンパク質危機。世界人口が80億人を突破して、この先90,100億という数字が見えている中で世界の中ではこれ以上豚や牛は作れないことが言われている。生産限界。

・人間にとって必要なタンパク質が足りなくなるよ。そこで国連が言っているのが昆虫を食べなさい。プラス、地球環境にいいということも合わせて言っている。

・東南アジアやアフリカ圏の貧困対策としても昆虫食がいいんだということを言っている。小規模農家さんに一杯つくってもらったらいいとリポートには書かれている。

・米国や欧州を中心にベンチャー企業が立ち上がって日本よりも先を行っている。コオロギのいいところって何ですか。タンパク質が豊富なことが一番。60グラム。食物繊維やカルシウム、脂質(オメガ3、オメガ6)。スーパーフードと呼ばれている。

・環境問題もメリットが多い。環境負荷が少ない。牛とコオロギの飼育に対して比較する。エサが少なくて済むのが一番大きな利点。牛を育てるにはたくさんの牧草が必要で、その牧草を育てる場所が必要で、そのために水が必要。

・世界的には水不足だと言われている。干ばつがカナダで起きてたり水が足りない。牧草もこれ以上作るのは限界。一方でコオロギは超省スペース。ブースではどんなようにやっているかを養殖展示しているが、衣装ケースにコオロギを入れて育てる。

・それをストッキングできる。だんだんにしておける。

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