『激震マスメディア』

NHK放送記念日特集『激震マスメディア~テレビ・新聞の未来~』(午後10時ー11時30分)はメディアで仕事をしてきた人間にとって見逃すことのできない番組だった。ジャーナリズムはいつの時代も問題を抱えてきたと思うが、ネット時代の到来で、その問題点がこれまで以上に、くっきり浮かび上がってきた。

インターネットの登場でマスメディアを取り巻く環境はガラリと変わった。新聞やテレビを中心とするマスコミは確かに変わり、マスコミ批判も盛り上がっている。批判は必要だが、今問われているのはメディアをどうするかだと思う。

判断し行動するためには情報が不可欠だ。それをどう確保するか。これまではマスコミが一手に情報の収集・整理・伝達の役割を担い、それが権威を生む土壌になっていた。情報を出す側の政府や権力とつながり、情報を独占することによって、情報を受ける側を支配しようとしてきたきらいは否定できない。

ネットの出現で、マスコミの情報独占に風穴が空いた。マスコミほど大掛かりではないものの、ミニコミや個人に情報伝達能力が備わったからだ。やろうと思えば、だれでも情報を発信できる。情報の信頼性や影響力はまだマスコミに軍配が上がるが、それに引けを取らぬミニコミ、個人が出現してきても不思議ではない。一部にはもう出現している。

問題は新しいメディア空間をどのように構築するかだと思う。それも受け手主体のメディア空間をどう創造するかだ。これはメディア側の問題というよりも、メディアを通じて情報を受ける側の問題だ。情報の受け手が真価を問われる時代である。

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