角館・武家屋敷

 夏休みで東北をドライブしてきた。友人夫妻との2カップルの熟年旅行。マイカーを持たない身としては助手席に乗るだけの楽な旅だった。それもこれもナビのお陰である。助手席に乗る者は地図を見ながら、運転者に的確な道路案内を伝える重要な役割を務めるのが慣わしだったが、その仕事も今やナビに奪われてしまった。楽は楽だが、何とも所在ないのも確か。

 秋田県仙北郡の角館(かくのだて)町。深い木立と重厚な武家屋敷で知られているみちのくの小京都だ。元和6年(1620年)、この地方を領有していた芦名義勝によって造られた町である。石黒家、青柳家、西宮家など重厚な構えの武家屋敷と400本を超すシダレザクラ(うち152本は国の天然記念物に指定されているほどの古木)の街並みは壮観そのものだ。

 ・樺(かば)細工=角館を代表する伝統工芸。山桜の皮を細工したもので、メガネ置きを買っ   た。他にブックカバーや茶筒など。
 ・新潮社記念文学館=同社の創設者で角館出身の佐藤義亮(さとうぎりょう)の偉業を讃えた   記念館だ。
 ・角館焼=江戸時代の後期に創められた、秋田県南外村の楢岡焼4代目、小松幸一郎の実 弟幸次郎が戦後、町内菅沢に窯を築いたのが始まり。釉は東北の風土にマッチした自然の灰 を使い、青白いなまこ釉を主体に、徳利、湯のみ、つぼなどを作っているとか。コーヒーカップ を買う。その土地を思い出しながら、飲むのもいいものだ。
 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

東京日誌

Previous article

小網町・喜代川