紅白もいいが、たまには黄色一色のロウバイも=長瀞宝登山臘梅園が見頃

 

 

3種類の臘梅のうち満月臘梅は満開だった

 

人は歳をとると段々細かいことに目が行くものである。梅については紅梅と白梅があることは知っていたが、黄梅があることはよく知らなかった。

仕事で多忙だったり、花鳥風月に時間をとられる余裕もなかった。

それがどうも時間ができてくると、そうもいかない。目の前に現れると、気になるものだ。気になったら、それを突き止める必要が生じるのである。

黄色い梅もそうである。実はかなり前から気になっていた。「臘梅」(ロウバイ)である。2月1日の土曜日、あまりに天気が良く、ポカポカ陽気に浮かれて長瀞まで車を走らせた。

ロープウェイは長蛇の列で50人乗りのモンキー号は15分間刻みのフル運転。それでも40分ほど待った。歩く時間と同じくらいだが、50分かかると言われ、5分のロープウェイに乗った。やはり楽ちんには勝てない。

 

 

長瀞(ながとろ)と言えば、ド定番なのが「長瀞ラインくだり」。スリル十分の荒川ライン下りが有名だが、それは冬だけだと思っていたら、最近はこたつ舟が人気だとか。こたつに入りながら船頭さんの楽しいガイドとともに急流を下るのも乙なものらしい。

秩父鉄道長瀞駅前から北に駅前通りが伸びている。さらにその奥には宝登山参道がある。宝登山神社があって、宝登山ロープウェーが運行されている。5分間の空中散歩を楽しんだあとは、宝登山神社の奥宮、小動物公園が設けられている。もちろん目当ての臘梅園もある。

 

 

まるで黄色の世界に酔ったような感覚だった

 

宝登山(ほどさん、497.1m)の頂上一帯が臘梅園。3種類の臘梅が約1500平方㍍の敷地に約3000本植栽されている。よく晴れていたので武甲山、両神山、秩父の町並みなどが一望できた。臘梅は3種類。今が満開と咲いていたのが満月臘梅。和臘梅も満開で、素心臘梅は3分咲きだった。

満月臘梅の甘い香りは何とも香しい。

 

オオカミ狛犬の像

ロープウェイから少し歩くと、森に囲まれて奥宮がある。その前にオオカミ狛犬が控えていた。宝登山神社MAPによると、第12代景行天皇の皇子・日本武尊が東国平定の折、この山の秀麗な姿に魅了され、ふもとの泉で禊ぎをし山頂を目指した。

すると突然の山火事があり進退窮まった時、山犬(オオカミ)たちが現れ瞬く間に火を消し止め、一行を頂上まで案内すると、山犬たちは姿を隠したという。

日本武尊は山の神が山犬を遣わし、自分たちを救ってくれたのだと悟り、山の名を「火を止める山」と表し、「火止山=ほどさん」と定めた。後生、麓の泉から宝珠が飛翔した神変から、「宝登山=ほどさん」と改めたと伝わっている。

秩父には狛犬の代わりにオオカミ像が多数あるという。三峯神社、秩父神社、宝登山神社の秩父3社の1つだ。

 

マップ

秩父鉄道「長瀞冬の物語2020」から

 

臘梅園は四季の丘、東ロウバイ園、西ロウバイ園の3つに分かれ、四季の丘と西ロウバイ園が満開、東ロウバイ園は3分咲きだった(2月1日時点)。

 

臘梅3品種(秩父鉄道を彩る情報サイト「PALETTE」から)

和臘梅:基本原種で花心部は紅紫でやや小型
素心(そしん)臘梅:早咲きで香りがよく、花心部も黄色
満月臘梅:素心から選抜された品種。素心より濃色で大輪

 

もちろんロープウェイが楽ちんだが、こちらは有料(往復乗車券大人820円)。徒歩で約50分のハイキングコースもある。

元々スギや檜が植えられていたところへロウバイを植栽した。スギや檜の切り株がいたるところにある。切り株に座って鑑賞するのもいいかもしれない。

あまりにたくさんのロウバイを見過ぎて、ロウバイに酔った人はロウバイ園のすぐそばに「梅百花園」が用意されている。ロウバイまつりは1月11日から2月24日まで。ロウバイまつりが終われば、次は「梅まつり」(2月22日~3月15日)に誘導できるというわけだ。

ロウバイと普通の梅を一緒に見たい人も当然いるはずだ。そういう人たちはこれからがちょうど良い季節かもしれない。梅百花園には約170種類、約470本の銘種が揃っている。

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