33年ぶり大規模リニューアルであの店もこの店も消える光が丘IMA=新規参入は「くら寿司」

 

6月16日オープンのくら寿司光が丘IMA店

 

■光が丘IMA大規模リニューアル、あの「大盛軒」もデリバリーショップに

 

くら寿司光が丘IMA店が6月16日オープンした。練馬区光が丘IMA地域は光が丘団地を中核に、その周囲には都立光が丘公園など多くの緑に囲まれる東京西部のベッドタウンで構成されている。西武系リヴィン とイオンをキーテナントとし、中央館として111店舗が専門店街を形成していた。ほかに東館と南館があり、1992年4月から営業している。

光が丘団地は1987年4月オープンから33年が経過し、3万6000人が居住している。住民の約3分の1は独り暮らしの高齢者。同団地から発展した周辺部は子どもが幼稚園・保育園や小学生の若い人も多く、どの小学校も生徒数が急増中。人口が増えている不思議な街並みだ。

光が丘IMAは新都市ライフホールディングス(本社・東京都新宿区)の経営している複合型ショッピングセンター。2020年7月から33年ぶりのリニューアル工事に入る中、閉店・休業も相次いでおり、光が丘駅南側を出たすぐのところにあった手芸用品店「クラフトパーク」IMA光が丘店も2019年9月1日で閉店した。

今回のリニューアル工事は12月まで続き、半年後にリニューアルオープンする。ミスタードーナツ、サンマルク、ケンタッキーフライドチキン、ジョナサン、大盛軒等々、退店する店も続出する。こんなに多くの店が退店するのはびっくりだ。

光が丘IMAは「周辺環境や商業環境の変化並びに施設の老朽化に対応するため」としているが、買いたい商品が極めて少ないなどこれまで客のニーズを放置してきたことの責任は大きいのではないか。

光が丘をずっと愛して生活してきた人間にとっては新規にオープンする店には期待もするが、やはり長年にわたって客とともに生きてきた店がなくなるのはひどく寂しいものだ。

 

 

店内風景

 

■日本食の粋を安価で楽しめる回転寿司

 

I今や回転寿司は日本料理の粋。寿司だけではなく、ラーメン、天丼、スイーツなど日本食の要素が全部その中に詰め込まれている。しかも、1人当たり1000円から1500円とべらぼうに安い。しかもそんなにまずいわけでもない。もちろん価格程度に「小型」だが、むしろ子どもの口には入りやすく、結構おいしいのだ。

寿司屋に行くとなると、行く前から結構気構えざるを得なかった。1人頭5000円はかかると覚悟しなければならない上、2人だと1万円の出費だ。3~4人だと2万円はくだらない。結構な額になる。

それに比べ、回転寿司は1人頭1000円で足りる。子どもと一緒で食べるにしてもせいぜい1500円だろう。家族5人で行ったとしても5000円でおつりが来るのである。大散財をしたということにはならないだろう。また来ようということになる。

昔は寿司屋と言えば、かしこまっていた。今は子どもが牽引役だからきちんとした寿司屋には行かない。回転寿司である。要はファミレスである。

日本で初めての回転寿司「元禄寿司」は、1958年に東大阪で誕生した。創業者がビールを製造するベルトコンベヤーをヒントに、客の注文を楽しく効率的に届けるために工夫した「コンベア旋回食事台」を考案したのが始まりだ。

コンベア旋回食事台は1970年の大阪万博に出展されたことで認知度が広まった。1978年には「コンベア旋回食事台」の特許が切れ、昭和の終わりにかけて回転寿司店がオープンした。くら寿司もその中の1つだ。

 

マグロです

 

■流れを変えたE型レーン

 

 

当時の回転寿司は、陸上のトラックのような楕円形のレーンの内側に職人さんがいて、握ったお寿司をレーンに乗せ、レーンの外側の客が皿を取って食べる方式だった。職人の回りを寿司が回転するから「回転寿司」だった。

これに対して現在大手回転寿司チェーンで主流になっているのは、座席の間をレーンが流れていく「E型レーン」。サラリーマンの1人客が中心の回転寿司を、どうすれば家族連れでも気軽に入れる店にできるか。くら寿司の創業者が1987年に、ファミレスの座席にヒントを得て考え出したという。これで一気に日本中に流行していった。

タッチパネルとオーダー専用レーンの組み合わせも2000年代初めごろに導入が進んだ。これにより、注文したメニューが注文した人のところに確実に届くようになったという。

マルハニチロ(東京都江東区)が実施した2019年3月の「回転寿司に関する消費者実態調査」によると、レーンに流れているネタより、注文して握ってもらうネタを食べる人が多数派のようだ。回転寿司店で最初に食べるネタやシメに食べるネタはどちらも「サーモン」がトップ。我慢することが多いネタは1位「マグロ(大トロ)」、2位「ウニ」、3位「マグロ(中トロ)」だ。

サイドメニューを1品以上食べる人も9割以上で、1位は「みそ汁・赤だし」、2位「茶碗蒸し」、3位「ポテトフライ」。食べたいけれど我慢するサイドメニューは1位「パフェ」、2位と3位は同着で「ケーキ」と「ラーメン」。

光が丘周辺には銚子丸、スシロー、はま寿司、かっぱ寿司などたくさんあるが、くら寿司はなかった。光が丘市場にようやく参戦したわけだが、天井が異常に低く、音の反響が大きいのが欠陥だ。しかし食べ始めると、いつの間にかそんなことは忘れていた。