トリノの思い出

 トリノ五輪が始まった。そう言えば、トリノには一度、行ったことがあった。もう随分昔のことだが、想像以上に大きな街だった。大都市と言ってもよく、町並みがきれいだったことをかすかに覚えている。お城があったり、川が流れていたり、中世の趣を湛えた素敵な街だった。

 忘れられないのはこの街で、車上狙いにあったことだ。道路の左側に車を止めたまま、近くのホテルに一泊、翌日左側の鍵穴が壊されていたのに気が付いた。鍵をこじ開けようとして果たせず、そのまま立ち去ったようだ。それ以降、左ドアは鍵が使えなくなった。

 被害に遭った車は「三菱コルトギャラン・サッポロ」。当時住んでいたロンドンから夏休みを利用して大陸にドライブ旅行中だった。オランダ→フランス→ドイツ→スイス→イタリア→フランスと走り回った。トリノは自動車メーカー「フィアット」の本拠地。そんなところに、日本車を持ち込んだことで嫌がらせを受けたのか。そんなところだろう。

 本箱をごそごそしていたら、トリノの市街地図、泊まったホテルのちらし、レストランのレシートなどが出てきた。「Hotel due mondi」に泊まり、「RISTORANTE BREK」で食事している。車上荒らしに遭ったことはしっかり覚えているが、ホテルに泊まったことなど記憶からすっぽり抜けていた。レシートの日付を見ると、1988年8月18日となっていた。 

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