【コロナ対策】「マスク着用なお9割」の流れにいつまで抵抗できるか=自堕落な生活から決別するために

マスク着用は「個人の判断で」と厚労省

 

■誰も外さないマスク

 

政府がマスク着用を個人の判断に委ねる方針を決めて13日で1カ月たった。私はその日から大多数の人がマスクを外すと期待していたが、やはりそうはならなかった。依然なお9割が個人的にマスク着用を決め込んでいる。

私は自分の判断で外出する場合、4月頭から基本的にマスクを外している。自宅から駅まで15分ほど歩くが、もちろんマスクを外している。出掛ける場合も午後が多く、最近は電車(地下鉄)の中でも外している。3月13日まではアナウンスでもマスク着用を呼び掛けていたが、それがなくなった。

ただマスクはいつでも着用できるようにポケットに入れている。マスクがないと店にも入れない場合があるためだが、それもなくなったのは嬉しい。暖かくなってほぼ毎日のように外出するが、電車の中ではほぼ全員が着用している。そんな場合、隅っこのプライオリティシートで小さくなっている。

ほとんど全員がマスク着用の中でマスクなしで電車に乗車するのはかなり肩が凝る。感染防止上の観点からというよりも、心理上の問題である。どうしてもマスクをしていない自分を過剰に意識してしまうのだ。何か悪いことをしている気持ちを感じるのである。

 

「マスク着用の弊害」もキャンペーン対象に(あるエステルームの立て看板)

 

■マスクを外すのはそれが自然だから

 

個人的に屋外でマスクを外すのは、「いつまでもマスクをしていれば衛生管理上、安全には違いないが、そんなことは不自然だしいつまでも続かない」という確信があるからだ。もちろんコロナ菌に罹って死ぬのはまっぴら御免だが、われわれの周りは実はばい菌でいっぱいなのだ。

インテリアとデザインのメディア「エル・デコ(Elle Decor)」日本版が「ショック!バイ菌があなたの家に隠れている6つの場所」を掲載している。それによると、我々がどんなに潔癖症であっても、自宅から細菌を排除するのは不可能なようだ。自宅の電気スイッチやドアノブなどに加え、ほとんど認識していない場所でおびただしい細菌がひしめきあっているという。

家庭の中で最も多いのが最近増えているコーヒーメーカーは細菌の温床だという。挽いた豆を入れるカップや水を入れるタンク、コーヒーの注ぎ口の底などからはブドウ球菌、連鎖球菌、セレウス菌、大腸菌などありとあらゆる種類の細菌が発見されている。

また歯ブラシスタンドの64%にカビと酵母菌、27%に大腸菌、14%にブドウ球菌が付着していたという調査結果も発表されている。

ほかにはドアの裏に掛けたバスタオルやキッチンのシンクも危ないらしい。シンクの蛇口の27%にブドウ球菌、9%にコリフォーム菌が見つかっているという。

 

■マスク着用なお9割

 

4月13日付日経新聞は自主判断から1カ月経過した現状について「マスク着用なお9割」と報じた。イオンなど従業員に着用を推奨する企業も多い。会社から着用を推奨されて、それに異を唱えるのは難しい。

転職相談サービスのライボ(東京・渋谷)が運用する「Job総研」が4月5~7日に約750人の社会人を対象に調査したところ、着用の理由は「職場から着用を推奨されている」が35%だった。

最も多かったのが「習慣化」の42.6%で、「着用している人が多い」は37.9%だった。周囲を気にする姿勢もにじみ出ている。

日経によると、実際に従業員に独自のルールを設ける企業は少なくないという。イオンは店舗と本社で働く国内50万人の従業員でマスクの着用を続けている。ファミリーマートなどコンビニ大手も着用を推奨している。

生産現場でも着用ルールを続ける例が目立つようだ。工作機械メーカーのオークマは「社内でコロナの感染が広がれば製造ラインが止まる」ことが着用を求める理由だ。三菱重工業も国内のグループ全従業員を対象に人との距離を少なくても1メートル確保できない場合にはマスク着用を求めている。

同志社大学心理学部の中谷内一也教授は「着用ルールの適用は顧客などに対し安全対策を施していると評価されやすく継続しやすい」とみる。

昨年6月時点で英国のマスク着用率は2割、欧米諸国では米国でも4割強と足元の日本の半分以下だ。日本のマスク着用率が断然多い。自主判断が政府方針に批判的とみるべきか。

 

■基本は「マスク非着用」で

 

心配なのはマスク着用がこのままずっと続くことだ。若い人もかなりの割合でマスクをしている。天気の良い日も、晴れた夜もマスクを着けている。

屋外は季節を問わず、マスク着用は原則不要と厚労省も判断を示している。それでも若い人も年取った人も圧倒的にマスクを着用しているほうが多い。周囲が着用しているのでそれに合わせている人も多い。会社が推奨しているならばなかなか取りづらい。

厚労省は「マスク着用は個人の判断」と言いながらも、①受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問するとき②通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗車するとき③重症者リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行くときーなどはマスクの着用を呼び掛けている。

しかも小売りや製造業など会社がマスク着用を推奨するなどあまりにも着用すべき場面が多い。それならば、どんなことがあっても文句が出ないマスク着用で対応するしかないと個人で判断するからだ。面倒なのが一番困るのである。

幸い私は花粉症も患っていない。高齢者でもあり若い人に比べると感染リスクも高いのは自覚している。しかし罹るときは罹る。その時は覚悟しておこう。なるたけマスクを外したい。

 

株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット「恥ずかしくてマスクを外せない!?」記事添付写真

 

■「手抜きメーク」は最高!

 

「マスクを外さない姿」が鮮明になった日本だが、周囲への同調圧力に染まりやすいこととともに、「マスクを着用しているほうが楽」なこともあるのかもしれない。本音ではマスクを外したくないのだ。

特に女性は「すっぴんで外に出るのは嫌」な人が多いらしい。マスクが感染予防というだけでなく、肌トラブルを隠せるツールと化しており、人前で外すことに抵抗感を覚える人もいるはずだ。この時期特有の花粉症対策としてもマスクは有効的だ。人それぞれ事情があり、対策も必要ではある。

株式会社ホットアルバム炭酸泉タブレット(東京都八王子市)が全国20代~60代の女性を対象に行った「スキンケア・ヘアケア・頭皮ケア」調査(2022年3月25~26日実施)「マスク時代の素肌編」によると、マスク時代となり良かったことは「手抜きメイク(ノーメイク含む)」が68.9%で最多だった。

「しみやそばかす」「口元」「肌トラブル」を隠せることにメリットを感じている方も比較的多いことが判明している。一方のデメリットは「息苦しさ・聞き取りづらい」が62.8%と最多。「素顔を見せる自信がなくなった」も2割を超えている。

57.3%がもし明日からマスク着用が解禁されても「マスクを外さない」と回答していた。54.1%も「マスク姿のほうが自分に自信が持てる」と答えている。

ヒゲを剃るのは男の身だしなみだが、私も退職後は一時伸ばしていた。ひげ剃りが面倒だったためだが、マスク時代になってマスクで顔を隠すことが楽に感じるようになった。どうもマスクは自分を自堕落にしてしまいそうである。

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