「シリアナ」

「シリアナ」(2005年アメリカ映画)を観た。元CIA(米中央情報局)工作員、ロバート・ベアの告発本「CIAは何をしていた?」(新潮文庫、原題「SEE NO EVIL」)を基に製作された限りなくノンフィクションに近い映画だ。

 4つのストーリーが別々に進行し、時にクロスする。そして最後には「石油」をめぐる陰謀という形で1つにつながる。「シリアナ」はシリア、イラン、イラクの3カ国を指すワシントンのシンクタンクのJargon(業界用語)だという。

●ボブ・バーンズCIA工作員(ジョージ・クルーニー)とその家族
●エネルギーアナリスト、ブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)とその家族
●ベネット・ホリディ弁護士(ジェフリー・ライト)とその家族
●パキスタンからの出稼ぎ労働者とその家族

 それにしても複雑な構成である。中東や石油の絡む国際情勢に関する予備知識がないとほとんど分からないのではないか、とさえ思う。観終わったあと、解説書をしっかり読んで復習しなければならなかった。

 映画ではテヘラン、ベイルート、ジュネーブ、ロンドン、ドバイなどの都市が登場してくる。とりわけテヘランとベイルートには昔、4日ほどずつ滞在したことがあるためか、ひどく懐かしい気分になった。テヘランはホメイニ革命の前だったし、ベイルートもまだ中東のパリと呼ばれていた。時代が変わり過ぎている。

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